サッカーW杯ロシア大会

Posted by 秋山孝二
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 FIFAワールドカップロシア大会が終わって1か月少々、今思うと何か随分昔だったような気もします。活躍した選手たちは、それぞれの将来に向けてスタートを切っているようです。

* 結果 https://www.asahi.com/worldcup/schedule/

「FIFAワールドカップロシア大会」の画像検索結果

 私はかなりいい加減な観客なので、テレビで日本の試合も後半少々みる程度、サッカーの90分+を全てみ続ける気力・体力がありません。でも、日本戦の後の全国各地の盛り上がり報道、日本チームの戦い方についての海外メディアの報道は面白く、テレビニュース、インターネットでいろいろ検索しました。

 日本のマスメディアは、微妙な場面に対してのコメントは臆病なくらい控えていて、ただ海外メディア報道を紹介してお茶を濁していた、そんないつものスタイルが印象的でした。日本のマスメディアのこのような姿勢、2011年3月11日以降の原子力発電所爆発事故でも全く同じでしたね。昔でしたら大本営発表の垂れ流しで国民を欺けたのかも知れませんが、今はインターネットで、真実がどんどん公になる時代、新聞の購読数が減っているというのは、ただ若者の活字離れというよりも、マスメディアの贋物ぶりがインターネット時代にあからさまになっているということも一因のような気がします。

 試合の結果云々よりも、私は今回のワールドカップ、日本のマスメディアの勇気のなさをまたまた露呈した気がしています。一つは、予選リーグ突破を目指した最終戦最後の10分間の戦いぶりを巡る報道。突破をまず第一の目標としていた日本チームとしては、なりふり構わない、しかしながらルールに則った戦いぶりで賭けに勝った、私はそう思うし、自国メディアとしては、当然、監督采配に拍手喝采だと思ったら、「サムライらしくない」とか「フェアだったのか」みたいな、訳の分からない評価・批判も多く、私は大いに失望しました。どうせ大本営発表メディアなら、せめて自国チームを徹底的に擁護しろよ、と。フィールドで必死に戦う選手・コーチ・監督を平気で無責任に批判する姿は見苦しい限りです。

 似たような一例として、私は海外メディアのサムライジャパンのゴールキーパー川島永嗣(https://ameblo.jp/eiji-kawashima/)へのバッシングに対して、日本のメディアがほとんど何も弁護していなかったことにも納得がいきません。

 そんな中、7月9日に元U-20ホンジュラス代表GKコーチ・山野陽嗣さんのコメントが目を引きました、まさにその通り。冷静なプロの眼に我が意を得たりです。彼の最後の言葉が心に残ります。

 「川島を叩く前に、川島を超えるGKが日本で出てこないといけません。『(ドイツの)ノイアーや(ベルギーの)クルトワだったら止めていたのに…』などと無い物ねだりをしても意味がありません。日本での人材発掘とレベルアップが必要なのに、それに反するような形で叩いてばかりの風潮には危機感を抱きます」

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180708-00000007-jct-ent

 育つ風土、育てる環境、これが無ければ素晴らしい人材は輩出できないですよね、まさに目利きの存在が大切かと。今の日本社会、どのセクターも叩くばかりの輩が徘徊・充満していて、若者・プレーヤー・担い手受難の時代です。ワールドカップが終わってこんなことを振り返っている私です。

おしどりマコ・ケン 講演会

Posted by 秋山孝二
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 私も世話人の一人、「グリーン九条の会(http://green9zyo.blogspot.com/」第11回講演会が、同じく世話人をしている「メディア・アンビシャス(http://media-am.org/」との共催で、「おしどり マコ・ケン(http://oshidori-makoken.com/」をお招きして開催です、やっと実現した、そんな率直な私の気持です。

* グリーン九条の会関連記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E4%B9%9D%E6%9D%A1%E3%81%AE%E4%BC%9A

 テーマは、「『未来のために半径5mを変えていく』~原発事故取材報告~」です。本業はよしもと所属の漫才のお二人ですが、プライベートな時間に東京電力記者会見にこれまで500回以上出席、その他福島県の現地での取材を通じて、数々の新しい情報を引き出している稀有な存在です。今年3月のメディアアンビシャス授賞式(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=32658)で、大賞に輝いた番組の主人公でした。以前から札幌にお招きしてきっちりお話を伺いたいなと思っていたので、この度実現して嬉しかったです。至近距離での「生おしどり!」、迫力満点、ライブの説得力に感動しました。

* メディア・アンビシャス大賞受賞番組ーー> NNNドキュメント「お笑い芸人 vs原発事故 マコ&ケンの原発取材 2000日」(https://www.dailymotion.com/video/x5apu4v

 講演会冒頭から笑顔のお二人、これまでの講演会とは違ったソフトな立ち上がりでした。

冒頭から笑顔のお二人

冒頭から笑顔のお二人

掛け合いは流石!

掛け合いは流石!

とにかくものすごい情報量

とにかくものすごい情報量

 ところで記者会見には多くのマスメディア所属の記者がいるのですよね、その方たちは一体どんなスタンスでその場にいるのでしょうか、何も質問もせずにただ東京電力広報部の言うがままを垂れ流しに記事・番組しているのでしょうか。マコ・ケンさんのお話を聞けば聞くほど、取材を本業とされている方々の奮起を促したい気持になります。講演後は質疑応答もあり、最後まで濃密な情報提供でした。

 講演会後は、少人数の懇親会、ここでも引き続きの情報提供が続きました。プライベートな時間でのこれまでの活動のご苦労等、とにかくお二人の絶妙のバランス、隣で聞いていて感動しました。

懇親会でも情報満載

懇親会でも情報満載

懇親会メンバー

懇親会メンバー

 楽しい懇談を終えて、さらに「グリーン九条の会」代表世話人の植田英隆さんと4人で二次会へ。私は特に、ケンさんの細やかな心使いが印象的でした、本当にお二人で成し遂げ続けているこの間の取材だとあらためて納得した次第です。

バーカウンターで

バーカウンターで

 そして最後のお別れでも。まさに徹頭徹尾「エンターテイナー」だったお二人、素晴らしいカップルでした!

ホテル前

ホテル前

経済同友会 東北ブロック会議 2018

Posted by 秋山孝二
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 昨年の山形での会議(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=30732)に続き、今年は新潟県長岡市で「経済同友会東北ブロック会議」が開催され、オブザーバーの一員で北海道経済同友会幹事として参加しました。長岡市には9年前(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=3177)以来、2回目の訪問です。

 今年の会で、北海道経済同友会(http://hokkaido-doyukai.jp/)も正式メンバーとして参加が承認され、会議の名称も「東北・北海道ブロック会議」と変更されました。

来年の全国会議は新潟市で開催予定

来年の全国会議は新潟市で開催予定

 基調講演は前長岡市長の森民夫さんでした。

米百俵と市民協働

米百俵と市民協働

森民夫前長岡市長

森民夫 前長岡市長・前全国市長会長

 講演レジュメから~~~~~~~~~~~~~~

第一章 米百俵の精神

第二章 長岡市における市民協働の成功事例

* 中越地震からの復興  民間活力の象徴――牛のヘリコプターによる搬送

* 「アオーレ長岡(http://www.ao-re.jp/)」で躍動する市民力――隈研吾さん設計

* 世界に羽ばたく長岡花火

――復興祈願「みんなであげよう!フェニックス」https://www.youtube.com/watch?v=MB7r8iCDwbo

――大林宜彦監督 映画「この空の花」https://www.youtube.com/watch?v=CivwjE-pHJY

――真珠湾に咲いた平和の花火と青少年交流 http://www.news24.jp/articles/2015/08/16/07307063.html

~~~~~~~~~~~~~~~

 長岡の人材育成は、一人のエリート教育ではなく人材の厚みをつくること、これが小林虎三郎の精神であると。官に頼らない民間経済人の活躍の歴史でもあること。直近では中越地震被害からの復興過程にも、その底力が発揮されてきたことも紹介されました。

 森さんのご講演に続いては、マチづくりのツワモノがパネリストとして登壇、「市民協働を支えた人材の成功の秘訣」と題して、それぞれ迫力満点のメッセージでした。

* 高野克宏 (公財)長岡国際交流協会 専務理事(http://www.niea.or.jp/

* 渡辺美子 NPO 市民協働ネットワーク長岡 副代表理事(http://skn-ngok.net/

* 樋口勝博 (一財)長岡花火財団 専務理事(https://nagaokamatsuri.com/zaidang.html

* 渡辺千雅 「長岡映画」制作委員会 委員長(http://locanavi.jp/blog-info/nagaokaeiga_site/

* 星 貴  長岡戦災資料館 アドバイザー(http://www.city.nagaoka.niigata.jp/kurashi/cate12/sensai/siryoukan.html

行政とのコラボも見事な協働の実践例の数々

行政とのコラボも見事な協働の実践例の数々

 私は一日目の途中で退席しましたが、灼熱の本州の夏、上越新幹線長岡駅では郷土の誇り高き人々を顕彰していました。

歴史を踏まえて

歴史を踏まえて

良寛さん

良寛さん

山本五十六連合艦隊司令長官

山本五十六連合艦隊司令長官

 故郷の歴史としっかり向き合い、骨太の地域創生を強く感じました、担い手たちの底力なのでしょうね。猛暑の中、心洗われる清涼感、何よりも元気をもらいました、ありがとうございます!

森ではたらく!14人 2018夏

Posted by 秋山孝二
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 東京で開催された「出版5周年プレ祝い『森ではたらく!』15人の仕事リレートーク・大交流会!(http://www.gakugei-pub.jp/cho_eve/1807mori/index.htm」、多彩なプレゼンと参加者で大盛況でした。登壇予定のお一人が、大雨災害で被害に合われて急きょ欠席となって、実際は14名の方が発表しました。

 林業の衰退が言われる昨今ですが、従来の林業従事者にプラス「材」「財」として「木」を活用しての活動は多彩でファッショナブルですね。デザインとかマチづくりとか、新しい視点からの取り組みが新鮮でした。

会場ロビーで

会場ロビーで

 プログラムは、

1) 森を「まわす」ーー100年先のサスティナブルな”はたらき”とは?

2) 森で「つくる」—―自然にゆだねるクリエイティブなものづくりとは?

3) 森で「わけあう」――森に生かされ、森を活かすシェアリングエコノミーとは?

と区分けされてのプレゼン。

 ゲストプロフィールはこちら――> http://www.gakugei-pub.jp/cho_eve/1807mori/index.htm#profile

登壇者の皆さん

登壇者の皆さん

 北海道から参加の足立成亮さんも出展・プレゼンし、大盛況でした。「札幌南高等学校林(http://www.rikka-forest.jp/)」の現場でもお世話になっています。

部屋の隅ではプチ・マルシェ

部屋の隅ではプチ・マルシェ

北海道から足立成亮さんも

北海道から足立成亮さんもプレゼン

夢のある活動

夢のある活動

3つのパネルディスカッション

3つのパネルディスカッション

 連日35℃を超える暑さの東京・永田町で、熱い発表と意見交換でした。新しい森づくり・森活かし、新しい担い手たちによって着実に進行している日本の現状ですね。

保阪正康さんを囲む連続講座

Posted by 秋山孝二
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 今年も昨年に引き続き、近代史の専門家で札幌ご出身の保阪正康さんを秋山財団にお招きして、21名の参加者とともに、「明治150年と平成30年~北海道に住む人びとはどう変わったか」をテーマに二日間の意見交換でした。

 前日は、小樽市内で「小樽市民講座 2018」でのご講演、今年で46回目、保阪さんは5年連続のご登壇とのことで、今年も変わらぬ人気でした。

人気の講座です

人気の講座です

 私と保阪正康さんとの出会いは、2011年の北海道新聞終戦特集取材時でした。

 これまでの関連記述――>http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E4%BF%9D%E9%98%AA%E6%AD%A3%E5%BA%B7

 今年の秋山財団連測講座の企画は、2月のこちら「藪半二階」で決まりました。――> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=32466

 今年のテーマ、保阪正康さんもかなりの気合の入りようで、昨年の議論を踏まえて、日本としての150年の検証と北海道150年の冷静な総括と歴史認識でした。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 保阪さんメモからの引用

狙 い

 今年(2018年)は明治150年である。具体的には慶応3年の大政奉還からということになるのだが、もとよりこの区分は元号による分け方にすぎないといえるわけで、歴史的に正当性が確立しているわけではない。私たちは歴史を振り返る時に何らかの句読点が必要でもあり、その一つにこの元号で歴史を位置づけて見ることが考えられるという意味でもある。特に北海道に関しては「明治150年」のその内実に対して、さまざまな視点があることは了解されていなければならない。

 アイヌの人たちへの抑圧という側面、北海道入植そのものがそれぞれの場での権力闘争の結果という側面、ロシアの南下政策に対する防衛的な側面、内地でのしがらみからの自由を求めての解放といった側面、などそこには歴史的、社会的な理由が存在する。

 明治150年はそういった問題を、改めて整理しつつ、私たちはこの時代をいかなる眼で見つめるか、を考えていきたい。前半は、中央から見る明治150年を分析しつつ北海道の位置づけを、後半は、北海道の人々の考え方を私なりの見方で「道民性の変化」という視点で考えてみたい。

・・・・・・・・

おわりに

 私たちはいま、北海道そのものの「崩壊の危機」にあると考えるべきではないだろうか。その理由は、近代化の到達した地点で次に来るであろう時代が予測し得ていないがためである。北海道の位置づけが明確でないと言っても良いだろう。北海道は明治150年の出発時の形での地域づくりは終えたのだ。それを共通認識として新しい北海道を作らなければならないように思う。そのために成すべきことは何か、を考えたい。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 引用 おわり

 参加者は事前に事務局にそれぞれの思いを提出しています、以下は私のエントリーシートです。

氏名(ふりがな)

秋山 孝二 (あきやま こうじ)

1.自己紹介現在及びこれまでのお仕事、最近の一番の関心事、ご趣味など)

東京都江戸川区立鹿本中学校 理科教諭(5年間)

(株)秋山愛生舘 代表取締役社長(6年:会社在籍19年)

(株)スズケン 代表取締役副社長(48か月)

(公財)秋山記念生命科学振興財団 理事長(22年間:財団理事32年)

他、現在、財団代表理事4、評議員4、監事1

<関心事>

*日本の「近代」の捉えなおし

*明治期の全国的衛生&健康増進「愛生舘」事業のルーツを探る(初代秋山康之進のルーツ他)

*新渡戸稲造と札幌の人材育成「遠友夜学校」の理念と現代的意義

2.本講座への期待ほか(北海道150年への思い、昭和史を次世代の若者へどう伝えていくべきかについてのお考えなどご自由にお書きください)

自分自身が育った時代(1951年~今日)、義務教育年限でしっかり戦後教育(憲法、国際平和ほか)を受け、さらにその後の高校・大学で時代と真摯に向き合った自分の使命として、北海道のアイデンティティを見つめ直し、この地で自立した人材が育つことを期待し、少しでも尽力できればと思う昨今です。今の各セクターにおける歴史修正主義的風潮に危機感を覚え、このままでは若者へは渡せない、そんな世代の責任を感じています。

国際社会で、日本のリーダー的ポジショニングの機会も多くあるにもかかわらず、登場できない現状を憂いながら、まだ間に合うという一筋の希望も見出しています。

3.講師への質問事項など(今回のテーマに関することに限りません。ご自由にお書きください)

自分の残りの人生、北海道を拠点として、地域の財団法人として、何ができるのか、何をすべきなのか、30数年前の財団設立時からの私のテーマであり、「愛生舘」事業の継承者として日々葛藤しています。

抽象的ですが、「歴史を学び直す」ことが単なる趣味・興味にとどまらず、それを踏まえて日々の行動に反映することにヒントが得られれば私なりに満足です。参加者皆さんのそれぞれのお立場からの意見交換も楽しみです。

<今年の保阪さんの分析>
 北海道入植は明治20年ごろまでは前述の明治初年代に加えて、私の見るところ次の七つのタイプに分かれるのではないか。

1. 開拓使関連の人たち(北海道赴任組など)

2. 移住募集に応じた人たち(農業移民、漁業移民など)

3. 札幌、旭川など都市建設の従事者

4. 戊辰戦争の関連(会津藩など)

5. 牧場経営などの入植者

6. 民間側の商人や小事業主たち

7. 士族屯田兵

 このほか明治20年以降は、札幌農学校の教師、学生などの教育関係者、地主に惹かれての一般入植者、宗教関係、自由民権運動の挫折組、そして第七師団編成による軍事関連の人たちなどと広がりを持っていく。これらの人たちの詳細な分析が必要ではないか。

~~~~~~~~~~~~~~~~ 保阪さん分析からの引用おわり

 これに対して、参加者の皆さんからさらに補足する貴重なご発言も多く、大いに盛り上がった今年の講座でした。議論の中では、アッツ玉砕後、北海道出身のご遺骨を札幌市内で札幌一中生徒が抱える列の写真も披露されました。玉砕のこのような慰霊祭は最初で最後だったようです。この列は中島公園に向かいました。

おびただしい数のご遺骨(中身は骨ではなく)

おびただしい数のご遺骨(中身は骨ではなく)

 今回は、前回にも増して様々なお立場の方がご参加になり、メディア、研究者、企業、行政等の視点からの意見交換は実に内容が濃かったです、来年も是非開催したいと思っています。

『一九六八野郎』!

Posted by 秋山孝二
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 今月号の岩波『世界(https://www.iwanami.co.jp/book/b372513.html)』に寺島実郎さんの連載「脳力のレッスン特別篇」として、「一九六八年再考――トランプも『一九六八野郎』だった」は、大変興味深い内容です。

 私にとっての『一九六八年』は忘れることができません。高校3年生、受験を控えていましたが、ベトナム戦争で疲弊する世の中は何か騒然としていて、東京大学入試中止、朝永振一郎先生に憧れて当初志望していた東京教育大学も、年が明けて早々に入学試験が中止となりました。数年後、大学は都内から筑波学園都市に移って「筑波大学(http://www.tsukuba.ac.jp/)」となり、現在に至っています。そして、後に振り返ると、私の首都圏での大学生活では、キャンパスでの学びよりも、外での集会等での出会い、そして山本義隆さんの存在が大きいです。

 山本義隆さん関係記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E5%B1%B1%E6%9C%AC%E7%BE%A9%E9%9A%86

* これまでの「1968年」記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=1968

 今振り返ると、この時期にどんな立ち位置で時代に関わっていたかは、その後のそれぞれの人生に大きな影響を与えているように思います。これまでお会いした数多くの方の中には、同時代を生きていながら、「全共闘って何?」という輩もいたりして、それが現実かと妙に納得したりいろいろです。

 寺島実郎さんの記述によると、例えば、アメリカのトランプ大統領はこんな感じだったようです、「これじゃね~」と思うのは私一人ではないでしょう。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~寺島実郎さんの記述から引用

・・・1966年秋に入学したペンシルベニア大学のウオートン・ビジネススクールでは、「美人を連れて歩くのが好きな奴」という印象を多くのクラスメートに残している。・・・自分を「シンシナティ・キッド」と呼んで、卒業時には20万ドルの財産を持っていたと胸を張るが、1968年という時代に世界の若者が「社会変革」に血をたぎらせていたことなど関心の対象外で、一切の言及はない。

・・・この時代を生きた米国の世代に関して気になるのはベトナム戦争との関わりである。・・・「医学的に不適格」として兵役を回避する自分本位の男、時代に正対もすることなく青年期を自分自身のためだけに生きた男というのが若きトランプの実像といえる。

・・・この自己陶酔型の人物の視界には、目指すべき理念、自分の生き方に疑問を抱く力、問題を深く考察する知的葛藤が皆無である。それが、世界の不幸をもたらしていることに気づく。

・・・国の掲げる価値を真摯に信じてベトナムに行った青年は死傷し、背を向けて「女とカネ」に執着していた男が大統領になる。こんな理不尽があっていいのであろうか。だが、それが現実なのである。

・・・確かに歴史は一直線には進まないが、長い視座で考えれば条理の側に動く。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~引用 おわり

 今、65歳を越えた年齢になって私が思うのは、当時の揺れ動く価値観の中でも時代と真摯に向き合っていた自分の姿勢は評価したいなと。教員時代も、企業経営者時代も、そして今もそうです、足元の日本・北海道を基盤にした歴史認識を求めて、寺島実郎さんが言う「歴史の鏡を磨く」ことから、「持続する志」を持って、課題に挑戦したいものです。

 あらためて「一九六八年」は、私にとって第二の誕生日です。

日大アメフト部に思う

Posted by 秋山孝二
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 日本大学アメリカンフットボール部の事件が明るみになってから、私なりにウオッチし続けていますが、直後の当事者日大部員の毅然とした記者会見をはじめ、幾つかの心に残るコメントがありました。

 一つは、米スタンフォード大学アメフトチームで、唯一の日本人コーチ(オフェンシブ・アシスタント)として活躍する河田剛さんの発言です。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180528-00010004-huffpost-soci

 威圧的な態度で部下らに接するパワハラは、大きな社会問題となっている。企業では管理職の研修も開かれ、問題が発覚したら加害者が厳しく処分される。日本のスポーツ界は、そうした社会やビジネスの「常識」と切り離されている点が特徴だ、と河田さんは指摘する。

 「社会やビジネスでの常識が、スポーツの世界には遅れて入ってきます。それは、スポーツの地位が低いからです。アメリカでは、有名企業のCEOがスポーツ球団経営の打診を受けたりします。そうすることで、ビジネス界の知識や常識がスポーツ界にも浸透し、逆にスポーツのいいところがビジネスにも活かされ、双方向です。ところが日本は一方通行で、変化もすごく遅い」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~引用 おわり

 もう一つは、日本大学アメリカンフットボール部選手一同の声明文です。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

https://www.daily.co.jp/general/2018/05/29/0011304364.shtml?pu=20180529

 私たちは、日本大学アメリカンフットボール部全体が生まれ変わる必要があることを自覚しています。今後、具体的に何をしていかなければならないかについては、これから選手一同とことん話し合って決めていきたいと思います。ただし、絶対に必要だと今思っていることは、対戦相手やアメリカンフットボールに関わる全ての人々に対する尊敬の念を忘れないこと、真の意味でのスポーツマンシップを理解して実践すること、グラウンドではもちろんのこと、日常生活の中でも恥ずかしくない責任ある行動を心がけるなど常にフェアプレイ精神を持ち続けることを全員が徹底することです。そのために何をしていく必要があるのか、皆様にご指導頂きながら、選手一人ひとりが自分自身に向き合って考え抜くとともに、チーム全体でよく話し合っていきたいと思います。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~一部の引用 おわり

 日本大学と言えば、私が思い出すのは今から遡ること50年、1968年頃から数年の「日大闘争」ですね。当時の古田体制に敢然と立ち向かった秋田明大全共闘議長ほかの活動は、今もはっきり記憶にあります。50年を経て共通するのは、日大当局側の責任逃れで嘘も平気で語る醜い大人の姿です。いや、日大に限らず、今の日本社会、潔くカッコいい大人が極端に減った気がします、真っ当に責任を負う大人です。

「一九六八、日大闘争」の画像検索結果

「一九六八、日大闘争」の画像検索結果

 私は繰り返し自分に言い聞かせています、「時代と真摯に向かい合う」、さらに「歴史に誠実に」でしょうか。個人の人生としては、その瞬間瞬間を精一杯生きる、みたいな、そんな人生の積み重ねは時が経っても新鮮であり、何回反芻しても後悔することはありません。

 日大アメフト部の皆さんには、新しい指導者の下で再スタートして、本当の意味で強力なチームに成長して貰いたいですね、必ずそう成れると思います、頑張って!!!

映画『焼肉ドラゴン』

Posted by 秋山孝二
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 この処、等身大の家族をテーマにした映画が続きます、先日も夜に『焼肉ドラゴン(http://yakinikudragon.com/』を観てきました。どこか『万引き家族』とも通じる雰囲気、大阪での万国博覧会が催された1970(昭和45)年。私自身が生きてきた時代と重なり、余韻の残る物語でした。舞台で再演を続け、演出・脚本家としての鄭義信としては初めての映画監督とか。カットが細かく、どこか素朴な映画の印象はありました。

* 『万引き家族』 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=33555

 「小さな焼肉屋の、大きな歴史を描きたい」と語る監督の言葉通り、70年代の時代の記憶、人々のぬくもりが鮮明に蘇り、時代に真正面に向き合い、明日を生きるエネルギーで溢れる人間模様は昭和の記憶でしょうか。

公式HPより~~~~~~~~~~~~

 鄭義信作・演出による舞台「焼肉ドラゴン」は朝日舞台芸術賞グランプリ、読売演劇大賞および最優秀作品賞など数々の演劇賞を受賞。熱狂的な支持を受け2011年・2016年と再演を重ね、多くのファンを魅了しました。そんな演劇界では一流の演出家であり、映画界では『月はどっちに出ている』、『血と骨』などで脚本家としも名高い鄭義信が本作では初監督に挑みます。

 そして、長女・静花役に真木よう子、次女・梨花役に井上真央、三女・美花役に桜庭ななみと美人三姉妹が揃い、静花への思いを秘めたまま梨花と結婚する男性・哲男に大泉洋など日本映画界を代表する豪華キャストが集結。さらにキム・サンホ、イ・ジョンウンら韓国の名優が我が子や店に集う騒々しい客たちを、いつも温かなまなざしで優しく包みます。

~~~~~~~~~~~~~~~~

 ちいさな焼肉店「焼肉ドラゴン」を営み、故郷を失くし、戦争で左腕を奪われた亭主・龍吉が、「つらい過去は決して消えないけれど、たとえ昨日がどんなでも、明日はきっとえぇ日になる」と語る言葉の意味を、今の時代を生きる若者たちはどう理解するのかなとも考えましたね。

 「大きな時代の波に翻弄されながら」と公式HPにも書かれていましたが、まさにその通り、大阪伊丹空港に着陸するジェット機の爆音がそれを象徴しながらも、その下でたくましく暮らす・生きる家族の姿が愛おしく感じます。「在日」をテーマにしながら、それぞれの「在日」を炙り出し、多様な人生の来し方行く末を追いかける、味わい深い作品でした。

合同報告会 2018

Posted by 秋山孝二
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 (一財)前田一歩園財団(http://www.ippoen.or.jp/)と(公財)秋山記念生命科学振興財団(http://www.akiyama-foundation.org/)との合同報告会は、今年で8回目を迎えました。

*これまでの記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E5%90%88%E5%90%8C%E5%A0%B1%E5%91%8A%E4%BC%9A

第8回目

第8回目

今年の報告団体

今年の報告団体

 今年は、展示もありました。秋山財団の採択活動「厳冬期の災害に向き合い、『地力(ちぢから)』の向上でいのちを護るプロジェクト(http://www.akiyama-foundation.org/news/2700.html)」の「段ボールベッド」、活動の進展とともに、第一世代、第二世代、第三世代と進化している様子を具に見て取れます。

奥がから第一世代、手前が第三世代

奥がから第一世代、手前が第三世代

実証実験を経ての進化

実証実験を経ての進化

7トンまでの耐久性!

7トンまでの耐久性、この方くらいでも全く楽勝!

 発表の後は交流会。盛んな皆さんの交流であっという間に時間が過ぎました。

小池理事の締めのご挨拶

小池理事の締めのご挨拶

 回を重ねることの価値、重みを実感したひと時でした。ご参加の皆さま、ありがとうございます!

映画『万引き家族』

Posted by 秋山孝二
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 映画『万引き家族(http://gaga.ne.jp/manbiki-kazoku/)』​は、第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で、日本映画では21年ぶりとなる最高賞にあたる「パルムドール」を受賞しました。この公式HPで予告編のナレーションは、我が(公財)北海道演劇財団の斎藤歩専務理事です!

 是枝裕和監督は語っています、「血縁が無い中で人って家族が作れるのだろうか?血のつながっていない共同体をどう構築していけるか、ということですね。特に震災以降、世間で家族の絆が連呼されることに居心地の悪さを感じていて。だから犯罪でつながった家族の姿を描くことによって、“絆って何だろうな”、と改めて考えてみたいと思いました。」と。

映画『万引き家族』 是枝裕和監督が犯罪で繋がる家族を描く、リリーフランキー×安藤サクラ×松岡茉優 - 写真1

映画『万引き家族』
公開日:2018年6月8日(金)全国ロードショー
監督・脚本・編集:是枝裕和
音楽:細野晴臣(ビクターエンタテインメント)
出演:リリー・フランキー 安藤サクラ / 松岡茉優 池松壮亮 城桧吏 佐々木みゆ
緒形直人 森口瑤子 山田裕貴 片山萌美 ・ 柄本明 / 高良健吾 池脇千鶴 ・ 樹木希林
配給:ギャガ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~HPより

 映画『万引き家族』​は、第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門への正式出品され、最高賞にあたるパルムドールを受賞。日本の映画では今村昌平監督による『うなぎ』以来のことで21年ぶりとなり、大きく話題を呼んでいる。是枝監督は、コンペティション部門では『海街diary』から3年ぶり、5回目の出品となる。また、2004年『誰も知らない』で主演を務めた柳楽優弥が最優秀男優賞を受賞、2013年『そして父になる』で審査員賞を受賞した。

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 リリー・フランキー、安藤サクラ、樹木希林、役者の力量と言うのでしょうか、セリフが実に自然で、脚本がまるで無いみたいな日常性を醸し出しています。家族みんなで素うどんをすすったり、縁側で花火を見上げたり、戦後の昭和を生きてきた私は何気ない場面にそれを感じました。血が繋がった家族がDV・ネグレクト等の問題が頻発する現代社会で、「万引き」という犯罪で生計を立て「家族」を形成して生きている姿から、「暮らす、生きていく」意味合い、今の日本社会への静かな問題提起となっています。

観劇 & 第114回北を語る会

Posted by 秋山孝二
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 「北を語る会」、今回は第114回目、シアターZooで『フレップの花、咲く頃に』の観劇の後、隣の稽古場で懇親会でした。

* 「北を語る会」のこれまでの記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E5%8C%97%E3%82%92%E8%AA%9E%E3%82%8B%E4%BC%9A

『フレップの花、咲く頃に』ーー> http://www.h-paf.ne.jp/program/%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%97%E3%81%AE%E8%8A%B1

フレップの花、咲く頃に

<キャスト>

山田百次
西田薫(フリー)
熊木志保(札幌座)
竹原圭一(RED KING CRAB)
高橋海妃(フリー)

友情出演
アリョーナ(ジャイブプロモーション)

 朝鮮人、日本人、ロシア人、樺太アイヌたちが、国家・民族の垣根を越えて一つのコミュニティを奇跡的に形成していた「混住」の時代、個人レベルでの心の交流を描いた作品です。この日の公演は満席で、終了後の皆さんのお顔は満足感で溢れていました。

 今回演出の斎藤歩からのメッセージです。~~~~~~~~~~~~~~~~

 台本を執筆するのは山田百次くん(ホエイ)です。「珈琲法要」をご覧になられた方も多いと思いますし、2月「暴雪圏」での強盗殺人犯の演技も記憶に新しいと思います。

 昨年「亀、もしくは…。」のサハリン公演を終え、サハリンとの新たな交流を検討していた矢先に、私が出会った一つの手記をもとに百次君が取材を重ね、脚本化してくれました。敗戦直後の樺太に残留していた日本人の方々が経験した「混住」という時代。当時小学生だった吉岡潤三さん(北海道演劇財団理事)のお宅に、突然ソビエト軍のトラックが横付けされ、一組のロシア人夫婦が降ろされて「お前たちは今日からこの夫婦と一緒に暮らせ」と命じられたのだそうです。それから、ロシア人の夫婦と吉岡さんのご家族の2年ほどの暮らしが始まったのですが、そのころ樺太には大勢の朝鮮人も連れて来られていたり、樺太アイヌの方々もいたり、様々な民族の人たちが、垣根を持たずに一緒に暮らすコミュニティを形作っていたのだそうです。

 実際に北海道のすぐ隣の島で起こっていたことを舞台上に現わすためには、ロシア人の俳優が必要でした。サハリンのチェーホフ劇場から呼んでこなければならないかなぁ…と考えていた矢先に、テレビの画面に現れてくれたのがアリョーナさんでした。すぐに電話に飛びつき、連絡先を調べて出演交渉したところ「友情出演」という形で出演してくれることになりました。山田百次くんも勿論出演し、5月の「シンデレラ」に続いて連投の西田薫、熊木志保、そしてMAMの「父と暮せば」でTGR俳優賞を受賞した高橋海妃さん、更に竹原圭一くん(RED KING CRAB)も、二つ返事で出演を了承してくれました。

 今年は「日本におけるロシア年」だそうで、日本とロシアの友好・交流について考えることの多い年だと思いますし、北海道150年という事で、記念事業としても登録をさせていただいています。北海道から世界を、そしてこの国の近代を眺め感じ・考える貴重な作品になると思います。シアターZOOで全10ステージ、皆さまを劇場でお待ちしています。

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 この公演に至るプロセスも具に見ていた私としては、作品自体の知らなかった樺太の歴史の一断面とともに、地域のテーマとしての興味深さも感じて、余韻が残りました。脚本の山田百次さんは、これを書くために実際にサハリンに調査に行かれたとか、すごいですね。

 終演後の役者の皆さんを含めた「北を語る会」メンバーの懇親会は、話題満載で大変楽しい時間となりました。観劇後のこのようなひと時、数倍の喜びとなります。

50名を越える参加者の皆さん

50名を越える参加者の皆さん

演出の斎藤歩さん

演出の斎藤歩さん

原作者の吉岡順三さん

原作者の吉岡順三さん

脚本。主演の山田百次さん

脚本・主演の山田百次さん

サハリンのロシア人を演じるアリョーナさん

サハリンのロシア人を演じるアリョーナさん(サハリン出身)

 在札幌ロシア総領事館の総領事もご覧になって、今後、サハリンでの公演も含めた企画に構想も膨らんでいるようです。これまでも札幌座は、ハンガリー、ルーマニア、韓国、ロシア等、数々の海外公演を経て、その都度大きな進化をしてきているので、これからも楽しみです!

皆さん、お疲れさまでした!!

ありがとう、松葉杖!

Posted by 秋山孝二
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 世間では、サッカーW杯の決勝トーナメントで大騒ぎですが、私にとっては2月26日に転倒による骨折をして以来、足の回復が最大の関心事。毎朝、足首の関節をさすっては、昨日よりは少しいいかなと、自らの身体を励ましながら過ごす日々です。4月末のゴールデンウィーク頃にはスタスタと歩いているイメージでしたが、いつ完全に回復するかの目途も立たず、少々気落ちしていた時期もありました。

 この間4か月お世話になった松葉杖、途中二本から一本になり、2週間位前に何とか卒業できました。しかし、杖無しの新たな状態で、まだまだリハビリが続きます。

松葉杖ーー> http://www.smartcrutch.jp/blog/best-fit-foryou2syurui/

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=32609

共に過ごした4か月

共に過ごした4か月

 松葉杖と一緒のライフスタイルで、私は非日常のたくさんの体験をし、多くの方々の善意も感じました。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=32759

 さらに、自分の身体、特に足首上の状態を毎日観察していると、東日本大震災の東北地方の復興状況と重なるから不思議です。2か月くらいして仮骨ができてきて骨格が少ししっかりしてくるとともに、寸断された血管が復旧してきたのか、血液循環が回復して腫れが引いてきました。すると、膝の上も含めた筋肉がかなり落ちているのに気が付きます。筋肉を復活するには、歩く等の運動ほか「適度」の負荷を掛ける必要があり、正しい歩行姿勢で毎日リハビリに励み続けます、地道に。この「適度」がなかなか難しいのですよね。週一回通っている病院のリハビリ担当の方からも、マッサージと歩行姿勢についてはアドバイスを貰っています。

 震災後の東北各地、寸断された物流網の復活、循環の回復、放射能被害以外の各地の復興も、ほぼ同じようなプロセスを踏んで今日に至っているような気がします。

 人間の回復力の素晴らしさ、社会の弱者への眼差し、周囲からかけて頂いたお見舞いの言葉、これまで体験したことがない領域の日々、私には貴重でしたが、気がついてみるともう、今年も7月になりました。

第6回 遠友夜学校フォーラム

Posted by 秋山孝二
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 毎年6月に開催し、第6回目となる今年の「札幌遠友夜学校フォーラム」は、北海道大学名誉教授の三島徳三先生のお話でした。新渡戸稲造全集に盛り込まれる言葉を引用して、現代の課題解決にも通じる解説の数々は、実に新鮮な視座からのメッセージとなっていました。

* 2016年 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=27044

* 2017年 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=30109

当日チラシ

当日チラシ

< 三島徳三先生のご講演 >

1 「日本人」の再認識

2 日本国民の道徳的覚醒

3 集団主義の決別と個人の確立

愛国心を土台とした平和主義

5 共存と寛容の思想

   * 柳宗悦「複合の美」の思想-

   * 金子みすず1903-1930の童謡詩

   * ガルブレイスの「拮抗力」概念

講師 三島徳三先生

講師 三島徳三先生

新渡戸の言

新渡戸の言

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 終了後の三島徳三先生の談です。

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 「新渡戸稲造と札幌遠友夜学校を考える会」主催の6.23講演会には150名くらいの人たちが来てくれた。しかし高齢者が多く、期待していた若者や各種運動家の人たちの参加は少なかったようだ。国際人としての新渡戸や「武士道」については知っていても、その他の業績や思想についての関心はまだまだ薄いからだろう。

 だが、新渡戸の思想は、若者言葉で言えば”半端ない”、見過ごしてしまうにはあまりにももったいない。飛躍するかもしれないが、朝鮮半島や東アジア、さらには世界の平和を構築するためには、新渡戸の「共存と寛容」の思想、「ナショナリズムとインターナショナリズム」の思想こそが大事なのだ。26歳で夭折した童謡詩人・金子みすずは、新渡戸の「共存と寛容の思想」を短くうたっている。「みんなちがってみんないい」

 その他、新渡戸の著作が「現代の日本」に示唆するものは多い。グローバル化の中で失われつつある地域の自然や文化、タネなどの農業資源、それらを守る哲学として、講演では民芸運動の父・柳宗悦の「複合の美」の思想を位置づけた。脱亜入欧の福沢諭吉とちがい、新渡戸は東洋と西洋の共存、それぞれの美点を強調する、新渡戸と柳の「東と西」「右と左」の複合の思想には、明らかに共通点がある。

 「右と左」の意義と共存を説く新渡戸の思想は、米国の著名な経済学者・ガルブレイスのCountervailing Power「拮抗力」の必要性とも通底する。労働組合、消費者運動、対抗的野党の存在こそが、社会のバランスを保ち、厚生をもたらすのだ。

 いま若者はスマホから目を上げず、他人のこと、政治や社会のこと、自然の移ろいに気が付かない。だが、そういう若者の中でも、吉野源三郎の『君たちはどう生きるか』が爆発的に読まれているという。身近な友達関係から世界人類を見る、その豊かな人間性、そこに未来を託そうではないか。

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 若手の参加者の感想にも注目です。

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『どう生きるか』

 昨日の6月23日(土)札幌エルプラザで新渡戸稲造と札幌遠友夜学校を考える会の記念フォーラムが行われました。講演者は北海道大学名誉教授三島徳三さん。新渡戸稲造の道徳観を中心に語っていただきました。その中で先生が若者にどうしても読んで本として吉野源三郎作『君たちはどう生きるか』この本は昭和12年の本ですが漫画化され100万部以上の大ヒット作に。ジブリの宮崎駿監督もこの本を読み、自分が映画化する!と宣言されたほど三島先生いわく、ハンパない内容とのことです。自分も近いうちに購入して読んでみようと思います。

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 またこの日は日本国憲法の前文に触れる機会もありました。[われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならない]新渡戸稲造が生涯目指した太平洋の架け橋になって国際平和をもたらすこと。そして札幌市、北海道そして自分達が取り組み始めたSDGsにも通じる内容。この文は国家の部分を人や会社などの組織、自然や環境などの大きな枠組みに当てはめてもこれからの時代に必要なエッセンスになると思いました。これらの三島先生による、様々な方向からのアプローチにより新渡戸稲造と現代に示唆する事柄を色々な例を用いて詳しく説明していただき収穫多き日になりました。

 講演会終了後の懇親会にも参加させてもらい元北海道大学農学部長の松井さんや色々な先生方のお話を聞かせていただきました。その中でも秋山さんから秋に開催される栃木県益子町でのワグナーナンドールアートギャラリーに参加させてもらえる事やワグナーナンドールの奥さん和久奈ちよさんにもお会い出来る事が可能なお話もでき有り難かったです!

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