春よこい、2013冬

Posted by 秋山孝二
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 今年の札幌の冬は12月上旬から一気に根雪、その後も寒い日が続き、雪もズンズン降り積もり、2月末ですが例年になく積雪も多いです(http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/444527.html)。

 私は12月より、朝5時半頃からまず雪かきを始め、時には夜飲んで帰ってきてからさらに雪かきの日もあったり・・・。お陰さまで健康にはすこぶる良い今年の冬です、そう開き直って言うしかありませんね!!!雪は土砂とかガレキと違って、間違いなくあと少し経てば融けて流れて行くのでしょうから、貴重な淡水のダムみたいなものです。一昨年の3・11以来、どんな大雪の時でも、私は愛おしく感じるようになりました、水の備蓄であり、面として地上に降りる「自然エネルギー」の一つ、融ける熱の利活用ほか、北国の優位性としてたくさんの英知を結集したいものです。

道も、庭も、屋根も・・・

道も、庭も、屋根も・・・

 

水平に伸びるつらら、鳥、ジェット機のようです!

水平に伸びるつらら?、鳥、ジェット機のようです!

 ふと、昔の歌を想い出しました、「春よこい:http://www.youtube.com/watch?v=bkDv6Pdg1OE」。本来は3月の歌なのでしょうが、今年は「早くこい!」と言った感じです。歌を探そうと検索すると、松任谷由美の「春よ、来い:http://www.youtube.com/watch?v=sfUAbinfsCA」が先に出て来ました。

 日中の日差しは、間違いなく「春近し」を感じさせる2月末の札幌です。

並木昭義先生の情熱は続く・・・

Posted by 秋山孝二
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 今月の木朝会は、並木昭義先生のお話でした。並木先生は札幌医科大学名誉教授で、現在、小樽市病院事業管理者・病院局長の重職で、「論文発表に関する秘話」と題して、これまでのご経験を丁寧にご説明になりました。木朝会についてのこの欄での記載はこちら(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E6%9C%A8%E6%9C%9D%E4%BC%9A)。

永平寺初代住職と

永平寺78代住職宮崎禅師さまと並木昭義先生

三つの代表的論文

三つの代表的論文

若手医師に贈る言葉

若手医師に贈る言葉

 学生への論文指導を通しての信念、現在の小樽市立病院の統合・新築等、これまでの多彩な実績を淡々と語られる中に、目の前の課題と真摯に向き合い、自らを鼓舞して使命を全うしようと全力を尽くす姿に感動しました。

 異種の与えられた仕事でも、それに向かう基本姿勢というのはどれも一緒なのかもしれないと、お話をお聴きしてそう思いました。何を課題と認識し、何を解決しなければならないのか、現状把握力の重要性も感じた、貴重な時間でした。

市民のエネチェン研究会、スタート

Posted by 秋山孝二
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  「第一回 北海道スタイル 市民のエネルギーチェンジ研究会」を、札幌市資料館(http://www.s-shiryokan.jp/aboutus.htm)会議室で開催しました。

開催翌日(2月21日)北海道新聞朝刊第四社会面に記事が掲載

開催翌日(2月21日)北海道新聞朝刊第四社会面に記事が掲載

  会場となった札幌市資料館2階会議室には、歴史を伝える暖炉があり、天井も高く、窓から眺められる雪と木々の調和は素晴らしいものがありました。

2階会議室正面にある暖炉:存在感抜群!

2階会議室正面にある暖炉:存在感抜群!

 「エネルギーチェンジ100プロジェクト(http://www.enechan100.com/)」は、一昨年スタートし、昨年には「ロードマップ」を策定して、各方面でその説明を繰り返して参りました。詳細はこちらでも:

Facebookページ https://www.facebook.com/enechan100

Twitter  https://twitter.com/#!/enechan100

 今年はさらに一歩進めて、すでに再生可能エネルギーへのシフトを実践されている担い手の市民・企業・地域等の生の声を出し合って、再生可能エネルギーシフトへの条例(http://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/kke/johrei/johrei.htm)を持つ北海道民としてのこれからの取り組みを共有し、成功モデルの構築、各方面への提言、イノベイティブな実践へと進化させていきたいと思っています。先日の会議では、大変貴重なお話が幾つも提起されました。一つ一つの事例を迅速に公開し、価値を共有して参ります。3月3日には帯広で開催、その後も全道各地でその土地固有の資源を活用したそれぞれ地元密着の取り組みを共有出来ればと思っています、いよいよ始まりましたよ、現場からの「エネチェン100」の動きが!!

  これまでこの欄で、私は随分エネルギーについて書いてきました。「エネルギー」で検索すると、こんなになります(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E3%82%A8%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC)。
   

「省エネルギー」セミナー 2013

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  「一般社団法人 北海道再生可能エネルギー振興機構:Renewable Energy Organization of Hokkaidohttp://www.reoh.org/)」の「省エネ」セミナーが開催されました。

セミナーのレクチャー会場で:何故か男性ばかり

セミナーのレクチャー会場で:何故か男性ばかり

省エネのポイント

省エネのポイント

普及のアプローチ

普及のアプローチ

 「省エネ」が実は実質的に「創エネ」でもあったことがよく理解出来ました。

 二つの講演の後に、札幌市中央区南1条西5丁目の愛生舘ビル(http://aiseikan.net/)を訪問・見学し、最近の省エネ投資(二重窓、省エネ照明、ボイラー等)とその効果について、現場で質疑応答でした。ボイラーについては部品の取り換え等の効果は、まだまだ様子を見てデータを収集し、検証する必要がありますが、それ以外は明らかな省エネ効果が証明されています。

 愛生舘ビル(http://aiseikan.net/)は、私が社長の秋山不動産(有)が管理するビルで、築後57年のコンクリート建物です。これまで共用部分、貸し室、水周りはそれなりにメインテナンスしてきたつもりですが、環境、及び省エネ関連の投資はほとんどしてきませんでした。昨年秋の一連の工事、テナントの皆さまには特段の意識づけはしていませんが、取り急ぎの管理会社としての投資効果は予測通り、今後は更なる努力で、省エネを一層推進して、快適なオフィス・活動空間を創り上げていきたいと思っています。

 札幌はエネルギー的にも「コンパクトシティ」を実践する先駆的なマチでありたいですね、その余地は十分にあります!

クラウド・ファンディングの凄さ!

Posted by 秋山孝二
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 映画「ハーブ&ドロシー:http://www.herbanddorothy.com/jp/」、監督の佐々木芽生さんについては、何回か書いてきました。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=8050

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=15523

 今回、第2作目が完成し、3月下旬から全国で上映が始まりますが、その資金集めに「クラウド・ファンディング」手法を駆使して、見事目標額に達しました(http://www.fashion-headline.com/article/2013/02/14/641.html)。ファンドレイジング分野では、ソーシャルメディアを活用した次々と新しい手法が生み出されて、これまでとはひと味もふた味も違った「寄付文化」が生まれています。

 余計なことですが、数年前にあるフォーラムで講師の方が、「クラウド」という言葉の解釈として、「雲のような」と説明していましたが、これは「クラウド」を「cloud」と理解したのでしょう、でも、本来は「crowd」で「群衆」とか「大勢」とかの意味ですよね、今思えば、以前はその程度の認識だった日本社会と言えるのでしょう。

 先日メーリングで届いた佐々木監督からのメッセージを転載します。

◎ 監 督 メ ッ セ ー ジ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

日本でのクラウドファンディングを終えて

最初、『ハーブ&ドロシー』続編のクラウドファンディングで、
1,000万円というとてつもない目標金額を掲げた時、
随分無茶な試みだと思われた(らしい。後で聞いた話)。
自分でも、最初は達成できるかどうか、半信半疑だった。

「日本には寄付文化はない」と何度も言われ、
ファンディグが伸びない時は、やっぱりなあ、とも思った。
日本では、ネットを使った資金募集や、クレジットカードを使うことさえ
まだまだ抵抗があると。

途中で、1,000万円到達は無理かも…との考えがよぎり、
さてどうしたものかと考えた。

お金を貸してくれるという友人のオファーもあった。
企業協賛の一部を入れていただこうか、という意見もあった。
でも、そこまでして1,000万円の数字をクリアすることに意義があるのか?と
疑問に思った。
達成できなければできないなりに、何か大切な教訓があるのではないか、と
(でも、この気持ちは周囲の人には言えなかった)。

結果として、アメリカを含めて1,000人を越える皆さんのパッションと愛に
支えられて、目標額を大きく越えて、1,400万円という
日本でのクラウドファンディング最高額を達成。
なんだか、夢のようで今でも信じられない。

誤解を恐れないで言うと、今回のクラウドファンディングは
私にとって、とてもスピリチュアルな体験だった。
1人ではできないことを、大勢 に支えられて初めて達成できた。

札幌南高校の同窓生が中心になって組織された「ハーブ&ドロシー応援基金」を
通じて、合わせて200人余りの方々から、200万円以上が集まった。
全くお会いしたこともない方から、50万円のご支援を頂いた。
一昨日、そのご夫妻がカウントダウンパーティにお見えになり、
初めてご挨拶させて頂いた。

「こちらこそ、ありがとうございます。すばらしい経験をさせて頂きました」と
奥様に言われたときは、ありがたすぎて、涙が溢れた。

私は25年間NYに住んでいるので、何でも自分1人で行動することに慣れている。
人にお願いしたり、頼ったりするのが大の苦手。
特に資金援助を頼むなんてもってのほか。

でも、支援して頂く立場になって初めてわかった。
人を支援するとはどういうことなのか。
自分も誰かの、世の中の役にたてる人間に是非なりたいと。

小さなことでいいから、と思ってNYでホームレスや
ストリート・ミュージシャンを見るたびに、1ドル札を渡した。
そんな小さなことから始められればいいと思った。
「日本には寄付文化はない」って本当だろうか?
困っている人に手を差し伸べ、共感する作家やプロジェクトに
お金を出して支援したいという心を持つ人が、日本には大勢いるのではないか?
今回のクラウドファンディングの成功は、その表れなのではないか?
私たちの挑戦は、まだ始まったばかり。
クラウドファンディングが大変なのは、お金を集めることよりその後のフォロー。
支援して下さった皆さんにどれだけ満足して頂けるかが、
今回のファンディングが本当の意味で成功したかどうかを決めると思っている。

『ハーブ&ドロシー』号は、1,000人を越える乗客をのせて港を出たけれど、
この先、どんな大波や悪天候が待っていることやら。転覆しないで、今年の春、
無事目的地に到着できるよう、しっかり舵取りしなくては。
どうか皆さん、しっかり欄干に捕まっていてください。

改めて、今回のファンディングにご協力、ご支援頂いた皆様に
心からの御礼を申上げます。ありがとうございました。

監督/プロデユーサー 佐々木芽生

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~転載 おわり

 従来の市民活動は、慢性的な金欠状態が多いです。しかしながら、ソーシャルメディアを駆使して「思い」を「お金」に変える、「志」とか「感動」を「寄付」という行為で託する行動、新しい時代が確実に来ているのを実感します!また、「ファンドレイジング」というと、すぐに「お金集め」と解釈しがちですが、実は「感動の共有」なのですよね。

 昨年9月の秋山財団講演会で、中村桂子先生からもお話を頂きました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=14449)。国際金融の収益むき出しの世界と趣を異にして、人間としての基本的な部分での思い、つながり、これこそが21世紀、3・11以降の世界の価値のような気がします!

演劇シーズン 2013 冬

Posted by 秋山孝二
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 札幌での「演劇シーズン」企画、今回は「演劇シーズン2013 冬:http://s-e-season.com/として始まり、その前半を終了しましたが、大変盛況です。

 今年は5つの演目です。

* 「ライナス:http://s-e-season.com/program/linus/index.html」 劇団いなだ組公演

* 「冬のバイエル:http://s-e-season.com/program/fuyuno/index.html」 札幌座公演

* 「春の夜想曲:http://s-e-season.com/program/haruno/index.html」 札幌座公演

<札幌発傑作セレクト>

* 「狼王ロボ:http://s-e-season.com/program/robo/index.html」 劇団千年王國公演

* 「ヘリクツイレブン:http://s-e-season.com/program/herikutsu/index.html」 yhs公演

 私の観劇は残す「ヘリクツイレブン」だけとなりましたが、これまでの4作品はいずれも全国各地で何回も公演されている演目だけあって、お客さんも多く、大変盛況です。私にとっても何回も観ている演目もありますが、キャストが代わり、時間も経て、同じ芝居がこうも違った印象なのかと、少々の驚きもあります。琴似の「コンカリーニョ:http://www.concarino.or.jp/npo/」、中島公園の「シアターZOO:http://www.h-paf.ne.jp/zoo/index.html」、新札幌の「サンピアザ劇場:http://www.arc-city.com/sunpi-theater/」と、それぞれの特徴を活かした芝居も楽しめます。

 思えば、私はこんなに演劇にどっぷりとはまり込むとは思ってもいませんでした。昨年のトーク(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=15265)でもお話したのですが、2003年に私が札幌に拠点を戻してから、演劇に費やす時間が大幅に増えました。特段に製作に携わっている訳でもなく、一観客として、北海道演劇財団副理事長として程度の関わりなのですが、自分の時間のかなりの部分を演劇関係の方々とともにしている感じがしているし、若い皆さんとのやり取りが自分にとっては心地よいのです、活き活きした表情、姿から元気をもらえるようで。

 この間に、地元北海道出身の演劇人が随分育ってきています。斎藤歩さんは、映画・演劇に頻繁に登場し、先日のテレビ60年記念としてNHKドラマ「メイド・イン・ジャパン:http://www.nhk.or.jp/drama/madeinjapan/」でもタフ・ネゴシエーター役で出演していましたし、脚本家の橋口幸絵さんは、昨年末に同じくNHK・プレミアムドラマの「神様の赤ん坊:http://www.nhk.or.jp/sapporo/drama/」、そして、今月のアナザー・ストーリーの「僕が父親になるまで:http://www.nhk.or.jp/sapporo/drama/spinoff/index.html」と、共に大活躍で大変嬉しいことです。

 この北海道で、プロフェッショナルとして演劇人が育ち、活躍し、そして羽ばたいて行く、芸術・文化の力に期待したいし、それを支える市民の応援にも力が入ります。(http://s-e-season.com/about/about-project.html

越田清和さん、逝く

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 一貫して反戦・反貧困の市民活動分野で活躍された越田清和さんが、先日お亡くなりになりました。2008年7月、「G8洞爺湖サミット」開催の時、「G8サミット市民フォーラム北海道:http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=54を立ち上げ、事務局長としてご活躍され、当時代表世話人の一人として私も一緒に活動しました。以前から体調が思わしくないとは風の便りで聞いてはいましたが、私より年下、突然の訃報に何とも驚き、悲しみでいっぱいです。

12日道新夕刊一面、小坂洋右さんの記事

12日道新夕刊一面、小坂洋右さんの記事

  このコラムにもあるように、2009年10月に札幌にムハマド・ユヌスさんをお招きしてのフォーラム(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=2289)で、越田さんはパネラーの一人として登壇し、素晴らしいプレゼンテーションで満席の聴衆にメッセージを伝えていました、ユヌスさんがなぜ「ノーベル経済学賞」ではなく、「ノーベル平和賞」だったかを、見事に説明しました。

 蛇足ですが、その翌日に新千歳空港カウンターでユヌスさんとお会いすることもできました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=6670)。

 市民活動では全くの新参者の私ですが、この分野で強く印象に残っている人物が越田清和さんです。G8洞爺湖サミット開催直前に、一連の市民活動の一つとして札幌大通公園で催された1万人集会とその後のデモンストレーションで、総責任者だった彼は、集会前から壇上で諸注意を繰り返し伝えていました、とにかくこのデモでは一人の逮捕者も出さずに自分たちのメッセージを社会に訴える意気込みを、私は開会前から現場で感じていました。

 私は集会で地元を代表して壇上であいさつを述べた後に、西区の別の会に出席しなければならずにその場を離れ、その後デモ解散場所の中島公園に遅れて駆けつけて、そこで少し気落ちした様子の越田さんとお会いしました。「あと100メートルの所で、逮捕者を出してしまった」と肩を落としている彼と、中島公園から南1条のフォーラム事務所まで、一緒に歩いて戻ってきたことが忘れられません。なんと心根の優しい人かと、彼のそれまでの活動実績とともに、あらためてそのお人柄に惚れた時でした。

 また、北海道新聞の書評に私の翌年に彼が指名された時には、わざわざ連絡をしてきて、「秋山さんが自分を推薦してくれたのか」と。私は、「いやいや、新聞社独自の選考ですよ。でも仮に私に聞かれたら、やはり越田さんを推薦していたとは思いますが」ともお話をしたら、笑っていました。

 私は彼の長い活動の中では、ごく一瞬一緒だったに過ぎないとは思いますが、つき合いの長さではありませんね、瞬間のひと言、瞬間の眼差しに、彼の「本物」の姿を見つけ、感じた思いは忘れることができません。

 4月の偲ぶ会には参列して、私も御礼とお別れをしたいと思います、越田さん、お疲れさまでした、どうか安らかにお眠り下さい。

(公社)経済同友会幹部との意見交換

Posted by 秋山孝二
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 北海道経済同友会の新春例会は、今年は東京から、「公益社団法人 経済同友会(http://www.doyukai.or.jp/)」の長谷川閑史(やすちか)代表幹事ほか10数名の幹部の来道となり、代表幹事の例会での講演のほか夜の懇談会、翌日は北海道経済同友会との意見交換会も開催されました。

2013年新年例会で

2013年新年例会

長谷川代表幹事のご講演

長谷川代表幹事のご講演

 長谷川代表幹事のお話は大変分かりやすく、「日本の課題と再生戦略」について、「富」の再配分から「負担」の再配分の時代であるという認識、今までのような戦略では「国家の均衡ある衰退」への道でしかないこと、国家ビジョンとしての「歳入増」、「歳出削減」、「経済成長」は明らかであり、要はそれらを責任を持って「実行する」ことにあると語られました。

 今や、世界は国レベルの競争の中にあり、各国の「政策」がその競争力を左右している実態、従ってこれまでの日本の中央政府・官僚の視座からは、変化している新しい時代における「政策立案」がきわめて困難であるという指摘も的確でした。中央集権から大幅に地方に権限を渡すには、「税源」、「権限」、「人材」の移転を速やかに行うことが肝要とも。

 この講演後に、フロアーとのやり取りの時間があり、私は質問しました。「経済同友会は個人での登録に特色があり、自由闊達な議論がこれまでの価値だったはず。ところがこの所、いわゆる『経済界』とマスメディアに取り上げられる時は、経団連、商工会議所と雁首を揃えての政策提言といった場面が多く、本来のこの団体の価値と優位性を失っているのではないか。経営者の多様な意見、健全な議論、論点の提案こそ、経済同友会のあるべき姿ではないか」と。

 これに対して長谷川代表は、「なかなか辛口のご質問」と前置きして、大変真摯にお応えになりました。「同一歩調を取っているつもりはないが、もし、そういう印象を与えているとすれば今後注意したい」と。ただ、原発に関しては、3・11以降、その年の夏に、軽井沢での議論を経て、「脱原発」ではなく「縮原発」を提起したとも説明されていました。

 結局、講演会は、私のこの質問一つだけで終了しました。終了後に、長谷川代表は私の席までいらっしゃって、「秋山さん、今の官僚組織では、個々の能力は大変高くとも、従来の構造からしか課題解決を図らないので、どうしても縦割りの弊害が否めない。今ある国家的、地域的課題は全て、複数の省庁に関連するものばかりなので、どうか地域での課題解決を先行して実践して頂きたい。自分なりに積極的に意見を述べてはいくが、従来の中央集権的なやり方では時間が掛り過ぎてとても間に合わない」と、アドバイスを頂きました。

 その日の夜は、双方合計10数名での着席懇談会・会食でした。私の両隣の席だった長島徹・副代表幹事、前原金一専務理事、向かいの髙須武男 ・副代表幹事らとも親しくお話ができて有意義な時間を過ごしました。特に、長島さんは、エネルギー・環境委員会の委員長でもあり、昨年の富山での全国会議分科会(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=12630)にもご参加になって私の話もお聴きになっていましたので、再生可能エネルギーの積極的展開でもさらに意見交換することができました。それ以外に、ここにはとても書けない「経済界の真実!」もたくさんお聴きしました、何かの機会にご紹介致します。ただ、TPP、安倍政権の教育論議等については、幹部個々のご意見には私はかなりの違和感もありました。

 翌日は、北海道経済同友会の幹部と東京からのご一行が約2時間の意見交換。その前に、東京の幹部は農業関連のトップとも実のある意見交換を行えたそうです、経済団体と農業団体とがTPPを始めとした懸案事項で、しっかり議論することそれ自体に今は価値があると思いますね。

 安倍政権の重要な会議のメンバーに、経済同友会幹部が名前を連ねて積極的な発言をしています。私、及び私たち北海道で再生可能エネルギーの実現、省エネに向けて努力している人々の実践も積極的に報告しており、その一部は中央にも伝わっていることを先日確認しましたので、これからも現場での実践の成功モデルを、経済同友会を通じて国の政策に反映させていきたいと強く思いました。

 2年前の意見交換よりも、はるかに実のある時間を過ごすことができました、今後に期待したいですね。二日間、異なった意見で私は異論のあったテーマもありましたが、とにかく一番残念なのは地元経済人の「無反応」です、何を言ってもただ微笑んでいるだけ、今それで良いのかと蹴り上げたくなる過激な私の心境です。肝っ玉が小さい、いや、もともと無いのかもしれない、尊敬できる経営者が極くわずかなことが、私の唯一残念に思うことです。

映画「100年の谺(こだま)」

Posted by 秋山孝二
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 映画 「100年の谺(こだま):http://taigyaku-movie.net/」上映会が、先日、市民300名の超満員で大盛況でした。内容は大変重く、多くの問題を私たちに突きつけて、歴史と真摯に向き合う姿勢をあらためて認識しました。 

 この映画では、「大逆事件」の犠牲者たちが何を考え、何をしようとしたかを明らかにするとともに、事件に対する日本の文学者達の数少ない反響を、当時フランスで起こったドレフュス事件との対比でも検証しています。

 第二次世界大戦後になって、大逆事件は再審の厚い壁に阻まれてきましたが、事件の真相が明らかになってくるにつれて、各地で犠牲者の名誉回復や顕彰をする活動が生まれ、現在に至っています。HPには、「大逆事件とはなんだったのか? 国家と司法、国家と人権、国家と私たち…、100年たった現在もなお、それは、私たちの胸の中に谺(こだま)のように 重い問として残りつづけている」、と書かれています。作品は以下の通りです。

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<主なスタッフ>

企画:白井堯子・富田玲子・藤原智子 脚本:藤原智子 演出:田中啓 演出補:山崎欽毅 撮影:松田重箕

CG:田中龍雄 朗読:高橋理恵子 語り:根岸朗 音楽:松島美毅子 制作:千原卓司

企画:「大逆事件」製作委員会 製作:イメージブレーン

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 幸徳秋水については、これまでこの欄に2回程書きました。高知県四万十市中村を訪問した時には、幸徳秋水のお墓にも足を運ぶことができました。

* 土佐で:http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=3916

* NHKテレビで:http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=11674

 

 インターネットで検索すると、千原卓司(上映委員会事務局http://www.saiban-kenpo.org/hatugen/backnumber/120910.html )さんのコメントが心に残ります。

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 実際に起こってもいない天皇暗殺計画をフレームアップし、彼らを死刑や無期懲役にし、迫害したり一家離散の責め苦を負わせたのです。その裁判が行われた大審院では、審理を非公開とし、証人申請はすべて却下し、翌年には早々と判決を言い渡しています。死刑判決を下した24名のうち12名を、間髪を入れず、処刑したのです。これが大逆事件の大要です。

 大逆事件当時は、予審判事が起訴して公判判事が公判にあたっていたわけですが、まさに両者が結託してほとんどの被告人を判事がつくったストーリー通りに有罪にしていきました。そのことに対しては当時からすでに違法との指摘があったようです。映画の中にも出てきますが、石川啄木も怒りを感じて「日本はダメだ」と日記に書いています。

 この事件はいまも、国家権力というものに私たち一人ひとりの市民がどう対峙していくかを問うているように思います。国家が権力だなんて、日常的にはピンとこない人が私も含めてほとんどだと思いますので、ぜひ一緒に考えていきたいと思っています。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~ コメント引用おわり

 翌日の地元紙に、この上映会の記事が掲載されて、そこで大逆事件を「冤罪」とする記述がありましたが、「冤罪」というのは、ある事件が実際起こり、その犯人に全く関係の無い人が何らかの力でされることなのではありませんか。実際に起こってもいない「でっち上げ計画」により逮捕して事件に仕立て上げるのは、それ以上の「犯罪」だと思います。以前、鹿児島県警察による「志布志事件」も全く同じ構図でしたね、大逆事件は昔の話ではなく、まさに今の時代にも発生することを、私たちは肝に銘じる必要があるでしょう。

 今回の上映会に、弁護士の皆さんも多く参加されていました。これまで関係者の地域、宗教界は、名誉回復等、事件の不当性を形で撤回する活動をされてきていますが、日本の司法、とりわけ裁判所、弁護士は、これまで自分たちのフィールドで、どれだけ努力をされたのでしょうか。名誉回復、再評価等、自身のフィールドできっちり歴史を上書きする活動こそが、誠実に向き合うことだと思います。

第64回さっぽろ雪まつり

Posted by 秋山孝二
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第64回さっぽろ雪まつり:http://www.snowfes.com/」が今日から開催です!雪まつりの歴史はこちらから(http://www.snowfes.com/about/history.html)。3年前はこんな感じ(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=3271)。

街なかのポスター

街なかのポスター

西5丁目大雪像

西四丁目大雪像:今秋に式年遷宮を迎える伊勢神宮をイメージ「伊勢・神話への旅」

氷の殿堂

氷の殿堂

  今年の目玉は、これでしょうね、西5丁目会場東、豊平館を背景に「プロジェクション・マッピング:http://www.youtube.com/watch?v=ETN_Psm2GSQ。昨年の東京駅オープン時でも披露された技術ですが、あまりの混雑で一回で中止になったそうです。今年の雪まつり会場では、ひと際人気を集めそうですね。

 札幌のホテルは外国人観光客でごった返しています、今年はとりわけ賑わっている感じがします。

女子柔道・園田隆二監督に思う

Posted by 秋山孝二
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  日本柔道の園田隆二監督が女子代表への暴力で辞意表明をし、その後退任したニュースは衝撃でした(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130131/t10015201831000.htmlhttp://www.hokkaido-np.co.jp/news/sports/437981.htmlhttp://www.tokyo-np.co.jp/article/sports/news/CK2013020102000121.html)。

 ロンドン五輪代表を含む柔道のトップ選手15人から暴力行為とパワーハラスメントを告発された女子日本代表の園田隆二監督(39)が、先月31日、東京都文京区の講道館で記者会見し、「選手に対しては本当に申し訳ない。私の指導力不足だった」と謝罪して、辞意を表明しました。全日本柔道連盟(全柔連:http://www.judo.or.jp/)に辞任届を2月1日に提出し、全柔連は園田監督を戒告処分とし留任させる方針でしたが、受理されました。それに先立ち、日本オリンピック委員会(JOC:http://www.joc.or.jp/)は都内で理事、監事を緊急招集して会議を開き、全柔連の上村春樹会長(61)から出されたJOC選手強化本部長職の辞任の申し出を受理しました。

 

 今回の件、メディアによると、女子選手たちは昨年秋に、全日本柔道連盟に告発したようですが、連盟幹部はそれを取りあわず、園田監督の続投を発表した経緯が読み取れます。そんな状況の中で、彼女たちは、より当事者能力のあると思われるJOCに告発書を提出し、事実が明るみになりこのような事態に至りました。それでもなお、上記のような「戒告処分」で握りつぶそうとしていたのです。

 冒頭に「衝撃」と書きましたが、少し冷静になってみると、大変残念ですが、昨年のオリンピックの成績等に鑑みて、何故か妙に「腑に落ちる」私でした。こんな指導を受け続けてきた選手たちでは、国際大会の価値観の多様な中では力を発揮できないだろうなと、納得してしまうのですね。

 昨年8月にこの欄に書いた「ロンドン五輪、雑感:http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=14041」で、私は柔道界についてコメントした部分がありました。~~~~~~~~~~

 メディアは、柔道、体操、バレーボール等を「日本のお家芸」と表現されていますが、そういった認識がすでに過去のものとしなければならないのではないでしょうか。柔道の山下泰裕さん、バレーボールの松平康隆さんらが、国際組織の役員に就任し、それぞれの国際化にご尽力されて、世界各国が日本のスタイルを研究し、結果的に世界で担う人口が大幅に増えたのは間違いありません。日本が弱くなったのではなく、現在の幅広い普及状況を見誤って、未だに「お家芸」などと悦に入っている、こだわりの意識が、日本自体の進化を阻害したのではありませんか。そんな意味では、サッカー女子・なでしこジャパンのこの五輪での健闘は、昨年のワールドカップ優勝(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=9370)を経て、各国チームの研究に打ち勝っての銀メダルですから、「銀」以上の価値がありました。

 柔道は未だにその呪縛から抜け出せていない、コーチも選手も「ゲームメーク」のシナリオを持ち合わせていませんね、ただひたすら練習の延長でがむしゃらに突き進む、或いは練習と本番との勝手の違いで委縮している、負けた試合後のインタビューを聴いていると、意識の遅れにこちらが驚く程でした。監督・コーチはどれ程の対戦相手のデータを持ち合わせていたのでしょうか。もっともっと若いうちに世界の強豪との中で切磋琢磨して、「試合に勝つ」ストーリーメイクを学ぶ必要があると私は思います、別の言い方をすると、自分が今戦っている「試合のマネジメント」をする能力です。日本柔道の「カタチ」は目の前の試合に勝ってから言ってくれ、そんな気が私は今回の試合通じて感じました、育て方・指導者の問題であり、今のままでは選手が可哀そうです。

~~~~~~~~~~~~引用 おわり

 今回の事態を見ていると、まさに「選手が可哀そうです」そのものになってしまいました。オリンピック代表候補になる選手たちは、すでにそれだけで十分実力のある人材ばかりでしょう、その人材をさらに頂上を目指すレベルに育て上げる監督の力量をつけるには、やはり精神力だけではない専門的なコーチング技術と人格が必要なのだと思います。どのスポーツ界でも、優勝監督とか金メダリストは、どこか「哲学的」な発言が多いような気がします、「極めた者のみが達する境地」みたいな雰囲気ですね。サッカー、バレーボール、水泳の世界は、もっともっと開かれた大人の教育の感じがしますし、それ故に良い成績も残せるのでしょう。

 日本の「お家芸(おいえげい)」というのであれば、今回を機に連盟人事も一新して、まさに「再出発」してもらいたいと思いますね、問題は、その「覚悟」と現状認識があるかどうかですが、今回の告発した女子選手たちのような「覚悟」が、ですね。因みに、これだけの事件がありながら、全柔連HPには、今日現在、お詫び他のメッセージは何も記載されていません。

 責任ある人がきっちり責任を取り、過去の成績ではなく、監督・コーチの技量・人格を持ち合わせた人材がその任に着く、そして、それらをしっかり選考できる「装置」が組織内に必要なのだと思います。もし、組織内で難しければ、広く人材を外に求める見識も重要だと思います。それぞれのスポーツが、いつか来た道の「ムラ社会」では、これからの強化など届くはずがありません。

洋学史研究会 2013

Posted by 秋山孝二
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 青山学院大学名誉教授・片桐一男先生が代表をつとめる「洋学史研究会」の新春の会が開催されました。片桐先生については、愛生舘、古文書講座等で、これまで何回も書き留めています(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E7%89%87%E6%A1%90%E4%B8%80%E7%94%B7)。

 今回のテーマは、「ゴローウニン事件解決200年ー日露民間外交成功に学ぶ」で、北海道と海外との歴史にも大きな関係があり、大変興味深い内容でした。報告は、以下の四題でした。

* 「ゴローウニン事件と日蘭関係」 松本英治さん(開成高等学校教諭)

* 「ゴローウニン事件と『ムール獄中上表』」 岩下哲典さん(明海大学ホスピタリティー・ツーリズム学部教授)

* 「高田屋嘉兵衛と『異国境』」 濱口裕介さん(足立学園高等学校常勤講師)

* 「リコルドと高田屋嘉兵衛ー『高田屋嘉兵衛話』にみる智力・胆力と信頼・友情ー」 片桐一男さん(青山学院大学名誉教授

 

 日本は鎖国時代に、長崎・出島のオランダ人達から海外の情報を得ていたと、私たちは学校の歴史で習ってきました。ただ、当時の幕府方は必ずしもオランダ人から得る情報だけに頼っていた訳ではなかったようです。特にヨーロッパ情勢の中で、オランダ自身を取り巻く状況については、オランダ商館長・ドゥーフの言は歯切れが悪く、幕府方は北海道・松前で得たロシア経由の情報を比較・分析して、ヨーロッパ情勢の把握につとめていたことが明らかになっています。

 そのロシア経由の情報というのが、北海道を中心とする北方関係の重要性を物語っているのですね。特に当時のナポレオン情報は、ゴローウニン事件で得たもの、特に一行の中にいたロシア軍人ムールの「獄中上表」だったと岩下先生は指摘していました。また、徳川幕府の情報管理についても大変興味深いお話もありました。「鎖国」という言葉の妥当性、「海禁」についての言及、幕府の情報収集を巡っての戦略は、海岸防備とともに、今の時代より遥かに神経をとがらせていた、そんな気がします。

 濱口先生のお話は、19世紀初頭は、日本北辺地域で蝦夷地の内国化、「国境」画定が課題になった時期という認識の下、高田屋嘉兵衛(http://www.ikemi-net.com/takadaya/)の果たした北方史的視点からの役割、例えば、エトロフ島の「開島」、「国境」の画定等、エトロフ島の開発、日本領化への寄与についてでした。さらに、結果として先住民社会に大きな影響を与えたことも説明されていました。

 片桐先生は、ゴローウニン事件の当事者としてリコルドと高田屋嘉兵衛のやり取りを、それぞれの著書、「対日折衝記」、「高田屋嘉兵衛話」から読み解きました。そして、高田屋嘉兵衛の人物像として、1)自分の立ち位置をよく認識していた、国際関係、日露関係等で、一商人・一航海士を越えた人物、2)ロシア側に「技術」を教え、これを梃子に交渉、3)幕府を啓発、4)リコルドとのギリギリの交渉を通じて、両者の信頼関係を構築、を挙げました。

 これまで私自身、高田屋嘉兵衛は商人としての業績は承知していたつもりですが、ゴローウニン事件を通じての彼の人物像は、まさに「タフ・ネゴシエーター」を思わせる交渉力です。とかく長崎・出島が海外窓口として注目されていますが、それとほぼ同じ時代に、北辺でも同様なロシア他からの情報収集が国防的側面からも重要な位置づけをされていたこと、これらの事実から、北海道の歴史、地勢学的価値も大きく変わってくるのだと思います。

 北海道に住む私たちが、簡単に「歴史が浅い」などと言っては自らの存在価値を矮小化してしまいます。そんな意味でも、私にとっては大変貴重な発表でした。