秋山財団の「ネットワーク形成事業」の一つだったテーマ(http://www.akiyama-foundation.org/network/tema04.html)の中で、アースカフェ・プロジェクト(http://earth-cafe.jp/)は潜在力を秘めています。今年3月で3年間の助成は終了し、今年度以降はこれを基盤に引き続き発展しています。
昨年のアフリカ・マラウィでの研修旅行(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=3435)もその一環でしたが、今年2月末に、中国農業事情ツアー「The Earth Cafe in China」を実施し、報告会が北大ビジネス・スプリング(http://www.smrj.go.jp/incubation/ho-bis/054214.html)で開催されました。札幌駅南口方面からタクシーで会場に向かうと、エルムトンネルをくぐり抜けて右折、さらに右折、入口は厳重なオートロック、会議室内にたどり着くのは大変でした、余程の「機密」が充満しているのでしょうね(?!)
私もこの中国ツアーに参加したかったのですが、日程的にかなわなかったので、せめて報告会だけでもとの思いで出席し、その場には直接農業に従事する方々ばかりでなく、農業に関心のあるさまざまな立場の関係者が集まりました。それぞれプロの視点から、見学先のコメントは興味深かったですし、農業だけでなく、中国の食や経済などにも踏み込んだ報告も面白かったです。
経済成長が著しい大国中国。食料需要が増え食料輸入国に転換し、日本にとって貿易相手国として最大となっていますし、今後、国内農業生産性の改善など課題も多く、日本にとってもその存在感は大きなものになっています。さらに今回の原発事故で、これまで比較優位性を強調していた日本の食糧の「安全・安心」が、国際社会で大変厳しい局面に至っていますし、今後も長期間懸念されます。
* 北京郊外の温室は、イスラエルからの技術導入
* 肥料は「液肥」でミネラル主体
* 消費者を収入で5段階に選別し、それぞれ異なった販売戦略
* 「有機認証」は、オランダ・ドイツからの導入で「国際水準」と言っているが、どこまで信頼できるのか、国内認証として「緑品認証」というのもある――日本の認証の優位性はある
* 「富裕層」といっても、ビジネスで成功した訳でもない、不動産バブルによる20~30歳代、中国共産党幹部、香港に親族を持ち留学してきている一群(会社設立しての財テク、等)も多い
この「アースカフェ・プロジェクト」は、(株)リープス(http://www.leaps.jp/)の鈴木善人社長がリーダーとなってここまで積み重ねてきていて、彼は、スマート・サポート(http://la-classy.net/)事業でもチャレンジをしています。日本の得意「技術」を組み込んだ新しい製品で、世界に貢献するポジショニングをつかみたいですね。詳細報告はこちらで(http://earth-cafe.jp/?p=911)。
報告会終了後の交流会では、今の原発事故による土壌汚染、農作物被害等についても、貴重な意見の数々を聴くことができました。3・11以降の日本における食ー農分野の北海道の価値について、私たちはもっと真剣に議論する必要がありますね。東北復興政策が本格的に稼働していくと、これまでの「北海道開発予算」の振り向け・削減は、大幅なものになる予測をしなければなりませんし、すでに建設分野では重機・トラック・労働者でその動きが出ています。勿論、私たちは東北支援の気持は必要ですが、それ以上に、足元の北海道産業の行く末をしっかり見据えた展開を組み立てておかねばならないと思います。