きたネットカフェ 2014春

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「認定NPO法人 北海道市民環境ネットワーク(通称きたネット:http://www.kitanet.org/)」では、毎年、「きたネット・カフェ」で、多様な話題を提供しています。年度も押し迫った先日は、「フィンランドの原子力とエネルギー」と題して、染井順一郎さんから多彩な視点からの報告がありました。

これまでにも「きたネット・カフェ」については、数回書いてきています。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=2038

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=12044

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=14955

フィンランドの食、健康増進、原子力、エネルギー

フィンランドの食、健康増進、原子力、エネルギー

はじまりました。 当初から、興味深いお話満載です。 フィンランドで、国をあげての食習慣を変えるキャンペーンで、心臓疾患や糖尿病などの生活習慣病を激減させた話からスタート。  染井 順一郎氏 フィンランドの原子力とエネルギー ~放射線やエネルギーの問題を身近に感じる国のお話~

きたネット広報部長 相蘇かおり撮影

染井順一郎さん

染井順一郎さん

染井さんは大変幅広い視座からのお話です。これまで札幌でも違った視点からご講演をされています。

* http://www.gakugei-pub.jp/cho_eve/1308some/index.htm

さらにはアムール川流域関連の「環オホーツク海」でのコメントも興味を惹かれます。

* http://www.hkk.or.jp/kouhou/file/no521_report1.pdf

人の縁は奥深きものです。彼とはお役人として札幌でお会いして以来の今年早々の再会でした。学部は違いますが、千葉大学の後輩になり、今回の「きたネット・カフェ」の実現に至りました。京都で現在、管理栄養士としてご活躍中で、時々網走にも来られてる、マルチで活躍です。今回はお忙しい中、誠にありがとうございました!

染井順一郎さん
1960年千葉県生まれ。千葉大学園芸学部卒業。北海道開発庁、農林水産省、外務省(在フィンランド日本大使館一等書記官)、国土交通省北海道開発局開発監理部開発企画官を経て農業と栄養士&技術士として活動中。
バルト海(フィンランドを含む)における海洋及び周辺陸域の環境保全と農業との関係について行った調査に基づき、網走川流域においてサーモンアクションプランを立ち上げ、サケを育む環境保全型農業による流域づくりを推進している。
技術士(総合技術監理部門・農業部門)及び栄養士

金沢の春 2014

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 私の末っ子4番目の子供が、先日金沢で結婚式を挙げ、披露宴も「辻家庭園(http://restaurant.novarese.co.jp/tkt/)」で行われました、「群青の間」は金沢の文化を垣間見た気がします。医師として、妻と一緒の新しい門出、私たち親にとっても子供たちのそれぞれの人生を見守りたいと思っています。

 翌日、そんな新たな気持で金沢のまだ行っていなかった場所をゆっくり散策しました。

 天徳院(http://www.tera-tabibito.net/temple/show/180)は曹洞宗の寺院、その歴史は、元和九年(1623年)に加賀藩三代目藩主前田利常公が、24歳の若さで亡くなられた正室珠姫様菩提のために、金沢城の東、小立野台に4万坪の広大な敷地を定めて天徳院を創建した事が始まりです。からくり人形だけでなく、珠姫のお雛様の折り紙、庭園ほか、雨上がりの素晴らしい景観でした。

天徳院山門

天徳院山門

 泉鏡花記念館(http://www.kanazawa-museum.jp/kyoka/index2.html)も、静かな住宅地の中に。

泉鏡花記念館

泉鏡花記念館

 金沢に来た時にいつも感じますが、市内を走る路線バスのシステムが実に充実しています。各停留所には刻々とやってくるバスの運行状況が見える形で待っているお客さんに伝わります(http://ameblo.jp/kanamachi21/entry-11439332172.html)。

市内の新バスシステム

市内の新バスシステム

 小松空港近くの温室栽培では、太陽光パネルによる発電です。

小松空港近く、ここでも太陽光発電による温室栽培

小松空港近く、ここでも太陽光発電による温室栽培

 歴史と伝統を大切にしながら、新しい取り組みにも積極的な金沢のまちづくり、学ぶべきところが多いですね。

奈良で学ぶ (5 最終)

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 実はこの前の「奈良で学ぶ (4)」で終わろうと思ったのですが、まだまだ書きたいことが残っていて、この(5)を追加して最後と致します。

 「薬師寺」に、私には何とも辛い思い出があります。前回のブログに、「修学旅行以来だった」と書きましたが、今からもう46年前の高校の修学旅行の時、当時は10月に札幌から電車(汽車?)、青函連絡船を乗り継いで上野駅へ、確か10泊11日だったでしょうか、行きも帰りも急行列車の車中泊というのが一般的でした。1学年550人だったので、一班と二班に分かれて日時をずらして札幌を出発しました。

 私は後の班でしたが、旅行途中から、本来は自由な雰囲気だったのが急に教師たちの対応が厳しくなったので、「何なんだ!」と思っていたら、先発班の一人の生徒が旅行途中に失踪したことが分かりました。少なからず動揺しつつも、何とか無事を願いながら私たちは札幌に戻りましたが、その後も行方不明が続き、結局12月のある日、薬師寺近くの近鉄線路で亡くなったと知り、大変衝撃を受けたのです。現場での姿は学生服で髭が伸びていたと聞き、その彼とは1年生の時に同じクラス、出席番号もすぐ前だったのでいろいろ会話も交わしていました、本当に優しい心根のいい奴でしたので、失踪中、その瞬間の彼の心境を察すると、今でも心が痛みます。

 「薬師寺」の響きに遠い昔の思い出がフラッシュバック、しかしながら今回の僧侶お二人のお話をきっちり伺い、私の記憶「薬師寺」も上書きされた気がしています。

薬師寺・本坊への道

薬師寺・本坊への道

 もう一つ、山田法胤管主の濃密なご講演「これからの生き方」、著書「あなたに伝えたい『生き方』がある」で、含蓄のあるお言葉がたくさんあったので、書き留めておきます。

* 真理を実践してこそ、喜びとなる: <良寛さんの歌>  今々と 今という間に 今ぞなく 今という間に 今ぞ過ぎゆく

* 先入観が心を縛る: 薬師寺の教えは「法相宗」という宗派、柱になっているのが「唯識(ゆいしき)」、「識」は「心=こころ」と読む

* すべては「心の立ち上がり」が決めること、五感によって知ることはできるが、心が立ち上がっていないと何も見えず聞こえない

* 心が立ち上がってから五つの感情が働く、これを唯識では「五受(ごじゅ)」という:「」、「」、「」、「」、「」、その後に「」のイメージで心の中に映像を創る、ただ外の現象とは違う「心の妄想」、それによって人は動いていく

* お釈迦さまの遺言、「自灯明(じとうみょう)・法灯明(ほうとうみょう)」: 依頼心を捨て、自らを灯として生き抜く覚悟をする

 一昨年2月に訪れた奈良の岡寺、飛鳥寺、橿原神宮の時(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=11728)と同様に、歴史の原点にしばし滞在し、朗々と流れる時を実感し心が洗われました。

奈良で学ぶ (4)

Posted by 秋山孝二
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 奈良公園・浮見堂(http://www.nara100.net/narapark/ukimido.html/)、鷺池に浮かぶ檜皮葺き(ひわだぶき)、八角堂形式(六角形)のお堂です。先日は近く結婚するカップルでしょうか、前撮りの最中で、いろいろなポーズで仲良くカメラに収まっていました。

奈良公園浮月殿

奈良公園鷺池の浮見堂

 鷺池横の「洞水門」、水を掛けると不思議な音が聞こえてきます(http://www.youtube.com/watch?v=QJh0VzUwUZQ)。

池横の

鷺池横の「洞水門」、不思議な水音のエコー?

 奈良公園を後にして、緩やかな坂を下って行くと奈良女子大学(http://www.nara-wu.ac.jp/index.html)キャンパスに到着しました。創立当時の建物として、門の右にある守衛室と正面にある木造洋館風の本館が保存されていて、県文化財に指定されているそうです。私が行った日は、入学試験会場の下見の日だったようです。カメラを持って怪しいオジサンがキャンパスをウロウロと歩く様子に、心なしか守衛さんの眼も厳しいような気がしました。

奈良女子大学正門の奥

奈良女子大学正門の奥、本館

  奈良女子大学の前身は「奈良女子高等師範学校」で、1909年に開校されました。HPによると、「1907年の帝国会議で、第二女子高等師範学校を関西のどこに置くかの議案について投票がなされました。京都と奈良で131対131の同数で、議長裁決で奈良に決まりました。東京女高師は都会で首都に置かれたのですが、奈良女高師は古都に置かれたのです。とても運命的な役割を感じます。」とあります。因みに、東京女高師は御茶ノ水女子大学の前身です。

 落ち着いた古都・奈良のマチ中に、伝統の風格とアカデミックな風情が素晴らしいですね。

奈良で学ぶ (3)

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 今回の特別講義に先立って、奈良公園周辺を散策、恐らく修学旅行以来だったと思います。興福寺(http://www.kohfukuji.com/)をゆっくり見学しました、4年前に興福寺は創建1300年を迎えたそうです。

 とにかく、この地に足を踏み込むと、時間が一桁も二桁も朗々と流れていて、日々の些末な事柄は頭から離れるので不思議です。

* http://www.kohfukuji.com/about/history/soken.html

興福寺の五重塔

興福寺の五重塔

 五重塔の隣にある国宝館(http://www.kohfukuji.com/about/construction/kokuhokan.html)、その中の天平文化の傑作「阿修羅像(http://www.kohfukuji.com/property/cultural/001.html)」に釘付けになりました、出口付近の解説動画が面白かったですね。現代のコンピューターグラフィック技術等を駆使して、再現される天平文化のリアルな映像、さらには阿修羅像の顔の分析もあり、表面に見える表情の下にある深層への考察に思いを馳せたり・・・。しばしの間、立ち上がることが出来ませんでした。

 さらには東大寺(http://www.todaiji.or.jp/)へ。

東大寺大仏殿

東大寺大仏殿

・・・・・・・

・・・・・・・

 シルクロードをひたすら東に、そして中国から海を渡って伝わった仏教が、法隆寺、薬師寺、東大寺、最後は正倉院で最終となりました。こちらもまた、「ユーラシアの風」を感じます。

奈良で学ぶ (2)

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 今回の特別講義の前に、大谷徹奨(http://www.tetsujo.net/index.php)執事から、薬師寺の歴史と特徴について、境内を回りながらご説明がありました。

 「悟り」は、本来は「自覚悟」の意で、その反対が「迷い」、「しんにゅう」は道路を表わし、「米」は十字路を示していると。「経」を巡り、僧侶は「お経」を、経済界の方々は「経済」を営む人々で元々は一緒。一つ一つ原点を求めるようなお話に、身が清められるひと時でした。

  薬師寺は1528年、戦乱によって東塔を除き金堂や西塔などをことごとく焼失したそうです。その後、長く荒廃したままでしたが、管主に就任した高田好胤師が提唱した「写経勧進」によって今で言う「ファンドレイジング」が功を奏し、伽藍が次々に復興されてきました。薬師寺は高田好胤師以来いわゆる檀家を持たない、従って「葬式仏教」ではなく「民衆仏教」として今日に至っています、薬師寺のまろやかさ、たおやかさとでも言うのでしょう。蛇足ですが、仏教でお経というと何か暗いとかジメジメしているとかの印象ですが、あれは葬儀ゆえの内容と抑揚であり、本来毎日の修行でのお経は、もっともっと明るくリズム感のあるものだそうです、本当に聞いてみないと分からないお話ばかりでした。

  全国から寄せられた写経はこれまでに800万巻を越えていて、それらの写経はいま金堂内の納経蔵に納められているとのこと。怖いのは火災で、「写経の紙は和紙のため長持ちするのですが、紙は火事・水・風に弱い」とも。

  この後、東塔の解体復元現場で、個別に分けた部材が置かれている場所を見学しました。解体は2009年に始まり、18年には竣工の予定。すでに水煙(すいえん)などの相輪や屋根瓦などは下ろし終えていて、普段は高い場所にある水煙を間近で見られる滅多にないチャンスに恵まれました。塔の真ん中の太い心柱も横になっていました。16年度中には全ての解体を終わる予定ですが、今後もたくさんの新たな発見が期待されますね。

地面に横たわる支柱

地面に横たわる支柱

 さらに「こころの学校」の活動でもご活躍中で、これは特定の場所を指すのではなく、心を学びたいと思う人々が集う所のことをいい、全国各地で開催する心の為の教室の総称です。大谷徹奨執事は、薬師寺を中心として全国各地に活動の輪を広げております。

 平山郁夫先生のシリーズ「シルクロード」の絵画群も圧巻でした。

 見学の後に、薬師寺境内の奥、「まほろば会館」で、山田法胤管主の濃密なご講演「これからの生き方」は、本当に優しい語り口にもかかわらず、身の引き締まる内容で奥が深かったですね。古事記にある「まほろば=真秀呂場」で、「五穀が生まれる場所」の意味とのこと。「秀(ほ)」は稲穂を表わしているそうです。1300年前の都に思いを馳せて、普段の時間軸とは違った悠々たる時の流れに身を置いてのお話でした。

薬師寺案内HPより――>http://www.eonet.ne.jp/~kotonara/yakusiji.htm


台 座(北面・玄武)

台座には 色々な文様や四神、異人像が刻まれた見事な作品で、このようなユニー
クな台座は薬師寺以外ではお目に掛かれないでしょう。北側面は目の当たりに見える
ように来迎壁が大きく開口されておりますのでじっくりとご覧ください。見応えのあ
る台座を見に来られただけでも薬師寺を訪れる価値が充分あります。
上框にギリシャの葡萄唐草文、周囲にはペルシャの蓮華文、中框にインドのヤクシ
ャ像、下框には四方を鎮護する中国の四方神(東に青竜、南に朱雀、西に白虎、北に玄
武)で、ギリシャからペルシャ、インド、中国を経て薬師寺に到着、シルクロードの終
着地が
古都奈良の証でしょう。
仏師はシルクロードを意識して造られた国際色豊かな表現の台座となっております。
四神が仏教に取り入れられることもないので当然、台座に表された遺例はほかにあ
りません。

 
 

薬師如来像台座にみるギリシア、ペルシャ、インド、中国の文字、玄奘三蔵院の平山郁夫画伯のシルクロード絵画群等、ユーラシアの風を感じる薬師寺での特別講義でした。

奈良で学ぶ (1)

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 「第3期寺島戦略塾(http://terashima-bunko.com/bunko-project/strategic-management.html」、今回は奈良・薬師寺(http://www.nara-yakushiji.com/index.html)で山田法胤管主の特別講義でした。

* http://www.nara-yakushiji.com/guide/soryo.html

山田の講義

山田法胤管主の特別講義の会場「まほろば会館」、舞台奥には神様が

 講義に先立ち、大谷徹奨執事(http://www.tetsujo.net/index.php)による薬師寺のご説明とご案内も印象的でした。特別なお部屋にご案内して頂き、間近で拝見することも出来ました。

 薬師寺は「法相宗[ほっそうしゅう]」の大本山です。天武天皇により発願(680)、持統天皇によって本尊開眼(697)、更に文武天皇の御代に至り、飛鳥の地において堂宇の完成を見ました。その後、平城遷都(710)に伴い現在地に移されたものです。(718)
現在は平成10年よりユネスコ世界遺産に登録されています。

さんの説明とご案内

大谷徹奨執事の説明とご案内

薬師寺境内の梅も満開

薬師寺境内の梅も満開

玄奘三蔵

玄奘三蔵院

HPより~~~~~~~玄奘三蔵(http://www.nara-yakushiji.com/guide/genjyosanzo.html

 玄奘三蔵(600または602~664)は中国・隋の時代に生まれ、唐の時代に盛名を馳せた仏法僧です。いまでは、三蔵法師といえば玄奘三蔵のことを指すようになっていますが、もともとは釈迦の教えの「経」、仏教者の守るべき戒律の「律」、経と律を研究した「論」の三つを究めた僧を三蔵といい、普通名詞なのです。したがって大勢の三蔵法師がいましたが、なかでも玄奘はきわめて優れていたので、三蔵法師といえば玄奘のこととなりました。

~~~~~~~~~ 引用 おわり

つづく

千葉県館山の春 2014

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 これまで千葉県館山市については何回も書いてきました。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E9%A4%A8%E5%B1%B1

 先日浜周辺を散策したら、太陽光パネルが新たに設置されていたり、変化を感じました。JFEグループ(http://www.jfe-holdings.co.jp/)の館山湊ソーラーパワー(http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0341851_01.pdf」です、今年の1月から稼働したようですね。

館山市北条海岸近くの太陽光パネル群

館山市北条海岸近くの太陽光パネル群

 沈丁花も今が満開、通り抜ける道に素晴らしい香りです。

道沿いに可憐に咲く沈丁花

道沿いに可憐に咲く沈丁花

全国経済同友会 復興会議 2014

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 「全国経済同友会・東日本大震災追悼シンポジウム」が仙台で開催され、300名の会員が参加しました。

 開会挨拶、黙とうに続いて、岩手・宮城・福島の各経済同友会からの報告、その後分科会もあり、私は昨年同様にこの分科会に参加しました。

昨年の様子はこちら――>

http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=16037

http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=16073

凄いメンバーによるパネルディスカッションです!
飯館村・菅野村長、東大教授・児玉龍彦先生、東電・新妻常務

飯館村・菅野典雄村長、東大教授・児玉龍彦先生、東電・新妻常正常務

 全村避難を余儀なくされている飯館村の菅野典雄村長は、1)人間の手に負えないものを扱っているという認識である、2)「3・11の災害」と言っても、原発災害は全く他とは異質のもの、すなわち、他の災害は「ゼロからの出発」であり、心が結束していく方向だが、飯館村の現状は「ゼロに向かって暮らす」ことを意味して、心の分断を強いられる、3)専門家への不信が増幅と、今の率直な現状を淡々と報告されました。

 児玉龍彦先生は、1)未曾有の環境汚染問題は、大変困難で時間も掛かるが、日本の科学技術を持ってすれば必ず復興の道筋は作ることができる、2)放射線は見えず、無味無臭だが、測定可能であり、検査機器の整備と技術革新で定点的に大量の数値を得ることは可能である、3)コメの全袋検査は、当初専門家たちは「不可能」と言っていたが、機器メーカーの技術開発等によって格段の性能の機器が生まれて現在やっている、3)これからは底にいるヒラメ・カレイ等の全匹検査が必要、数値の低いものは消費者へ、高いものは必ず低くする手立てを考えることが自分たちの果たすべき役割である、4)汚染水、汚染土壌は全てリサイクル型に向けて解決していく視座が重要で、溜め込み型は破たんするので高濃度に濃縮して管理・保全すること、5)福島の復興は、世界一安全な地産地消の実現であると、力強く語られました。

 そして最後には、インフラを整えるための帰村は、まずは小学校の校庭等の点、そして道路等の「線」、最終的には地域としての「面」へと展開し、一般の村民の帰村に先駆けて活動するために許可する必要があること。「廃炉の産業化」、新しい時代のライフスタイルの提案、スローライフの「真手(までい)ライフ」の提唱、自主自立、成長だけが全てではない真の成熟社会を目指すべきとの提言もありました。

 児玉先生の資料の表紙は、「水と土のリサイクルへ 地産地消の福島を復興する」で、最後のページは、「21世紀の日本の科学技術経済力の結集を」と結ばれていました、現場で真摯に向き合う科学者の矜持に参加者全員、心から感動しました。

 東電福島第一原子力発電所は、どこへの電力供給だったのでしょうか、今、福島の復興の現状を目の当たりにして、東京を中心とした首都圏の方々のライフスタイルこそ省エネ、節電へと舵を切るべきでしょう。

<参考> 児玉先生の最後のページ~~~~~~~

21世紀の日本の科学技術経済力の結集を

20世紀のソ連チェルノブイリの帰結は広大な国土の放棄と住民の離散であった。21世紀の日本は科学技術と経済を結集して除染と地域の復興を成し遂げることができる

* 米の全袋検査に続いて、魚の全匹検査を可能にする

* 農産物、海産物の測定をすすめ、地産地消の福島を可能にする

* セシウム回収型の焼却炉による放射性ゴミの容積減少、放射性物質の濃縮保管をすすめる

* 森林の除染につきバイオマス発電を含めた長期計画を立案する

* 河川、湖沼、海底への汚染を正確に評価し、除染の計画を立案する

* 事故前の福島の美しい環境を取り戻すため、国民の力をあわせて環境回復を進める

東北大学キャンパス内、図書館跡を資料館へ

東北大学キャンパス内、図書館跡を資料館へ

 会議が始まる前に少々時間があったので、東北大学キャンパスを散策し、資料館をじっくり見学でき、魯迅が1年半留学していたこともあり、特別展示も開催されていました。東北大学理科大学としての輝かしい伝統を感じました。

 「日本の科学技術」、午後の分科会でも繰り返しこの言葉を聞き、今、原子力研究者を含めて日本の科学者の総体がまさに試されているのでしょう、是非、今を生きる科学者はそう受け止めて覚悟し、活動して頂きたいものです。

 2011.7の児玉先生の国会委員会での憤りの陳述――>http://www.youtube.com/watch?v=O9sTLQSZfwo

第一期「まちエネ大学」、終了

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 第一期「まちエネ大学 北海道スクール(http://www.greenpower.ws/areas/hokkaido」が、事業計画発表会で最終回を終えました。5つの事業化計画が発表されて、最後は今後の情熱を誓って大きなハートが映し出されました!

第一期「まちエネ大学 北海道スクール」発表会

第一期「まちエネ大学 北海道スクール」発表会

プレゼン最後には大きなハートも登場

プレゼン最後には大きなハートも登場

 「まちエネ大学(http://www.greenpower.ws/」は資源エネルギー庁のパイロット的プロジェクトで、今年は全国5か所で開催され、北海道・札幌もその一つとして参加していました。

 当初準備段階で多くの関係者からは「是非、北海道も手を挙げて!」とのラブコールが寄せられましたが、それぞれの地域の金融機関の協力を得てというのが最低限の条件でした。いろいろご説明はしたのですが、北海道はなかなか金融機関からの乗りの良い返事が頂けず、開催に漕ぎ着けるまでには多くのハードルがありました。「北海道庁はどう考えてる?」、「北海道経産局は協力を約束しているのか?」、「個別融資の話か?」とかまで飛び出したり、さんざん身元調査をしての後、「考えて置く」みたいなネガティブな反応に落胆しましたね。

 それでも参加者の皆さんは、議論を繰り返し、先日の最終回では5つの事業化案が提案されて、すでに二つは立ち上がってスタートしていました。また、さらに一つのプロジェクトもジョイントするものもあったりで、今後が楽しみになっています。

 再生可能エネルギーの宝庫と言われている北海道、ここで地域の多彩な資源を活用したエネルギー創造をやらないで、どこでやるのでしょうか、そんな可能性を感じたシリーズでした。

社会イノベーター公志園 結晶大会

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 第3回「社会イノベーター公志園(http://koshien-online.jp/」の「結晶大会(http://www.ustream.tv/recorded/44637061」が、先日大きな盛り上がりで終了し、6か月の幕を閉じました。

 「公志園」についてこれまでのこの欄での記載はこちら――>

http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E5%85%AC%E5%BF%97%E5%9C%92

オープニングから7時間半の長丁場!

オープニングから7時間半の長丁場!

 北海道からは、第一回が近江正隆(http://www.north-production.co.jp/aboutus.html)さん、第二回が坂本純科(http://www.npohokkaido.jp/volunavi/modules/monthly/index.php?content_id=251)さん、そして第三回の今年は草野竹史(http://www.npohokkaido.jp/volunavi/modules/monthly/index.php?content_id=61)さんがエントリーし、私は草野さんのパートナーの一人として、微力ながら応援し続けていました。アドバイザーとしての「伴走者」として、神村さん、林さん、香川さん、久保塚さんが、本当に最後の最後まで熱心に寄り添い続けて、私はその姿に感動しました。

この半年間、伴走してくれた方々(久保塚さん、林さん、神永さん、林さん)

この半年間、伴走してくれた方々(久保塚さん、林さん、神村さん、香川さん)

クロージングで関係者全員が舞台上に勢ぞろい

クロージングで関係者全員が舞台上に勢ぞろい

 舞台裏の関係者控室も温かい雰囲気で包まれていました。

熱気いっぱいの関係者控室

熱気いっぱいの関係者控室

 今年の14名のエントリーした市民活動家たち、本当に素晴らしい活動とプレゼンでした。上滑りに成りがちな「民が担う新しい公共」ですが、現場にしっかり軸足を置いての社会課題解決の活動は、間違いなくこれからの日本社会のイノベーションの担い手になるに違いありません。

 私の草野さんへのメッセージでした:~~~~~~~~~~~~~

「ごく普通」、「日常の中から」にこだわり続ける草野、その素朴な立ち位置を表現することに悪戦苦闘していた。今の社会に生きる多くの「普通の人々」へのエールを続け、その小さな一歩が課題の気づきとなり、引き受け、ボランティアの新しい担い手へと。これぞ多様な若者を輩出してきた草野のリーダーシップ、拍手喝さいだ。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 引用 おわり

 草野さんは、最後の最後まで「草野スタイル」にこだわった、素晴らしいプレゼンを披露しました、そして、「日本も捨てたものではないな」と、またしても14名から私たちが勇気をもらった一日でした。

「もう一つの」、「地域から」、の意義

Posted by 秋山孝二
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 『もうひとつの北海道環境白書2(http://enavi-hokkaido.net/topics/index.php?page=article&storyid=21』発刊を記念して、「発刊記念講演会&トークセッション」が開催されました。これには少なからず秋山財団も関わりがあります。

 まずは、この発刊自体が、秋山財団の「ネットワーク形成事業」に採択された一つ(http://www.akiyama-foundation.org/history/history_08)であること、そして、今回のゲストの小磯修二先生は、この「ネットワーク形成事業」創設時にアドバイスを頂いたキーマンであることで、現在は秋山財団理事も担って頂いています。

プロジェクト名 Rio+20北海道ネットワーク
概要 2012年の「国連持続可能な開発のための世界会議」(Rio+20)を挟む3年間で、道内外の関連するネットワークを繋ぎ、人と組織と情報の分野横断的なネットワークを構築させ、その拡大を進める。
代表者 久保田  学
助成期間 平成23年度~25年度

小磯修二先生の素晴らしい講演

小磯修二先生の素晴らしい講演

講演後の質疑応答セクション

講演後の質疑応答セクション

 小磯先生は、この白書の名称の「もうひとつの」の意味を読み解き、地域から全国・全世界に発信することの意義を明快に語りました。地域活性化には地域の担い手となる方々の気づきとモチベーションが最も重要であること、そのためには地域のデータの積み上げによってしっかり地域を認識する作業が不可欠であることを指摘し、全く目から鱗が落ちる思いです。

 さらに、以前は、地域に根差した金機関、行政としての北海道庁、北海道開発庁が、それぞれ長期計画を策定していて、それがこの数十年の時代の変遷(リストラ、経営破たん等)により廃止になってしまったことの弊害を説明しました。長期計画を策定するためには、地域を長期で見通す力が求められていたので、それによって地域に蓄積が出来ていた一昔前の様子を振り返り、現在の劣化した状況との比較も分かりやすかったですね。今回のこの「白書2」の発刊により、地域の新たな自信に繋げていく、そんな方向性を示唆して頂きました。

 このイベントの前日に、長い間、環境分野の市民活動にご尽力された藤田郁男先生がお亡くなりになりました。「きたネット(http://www.kitanet.org/index.html)」の顧問としてたくさんの助言を頂き、きたネットの正会員団体「環境学習フォーラム北海道」の代表でもあり、今回発刊したこの白書2にも登場されていました。環境教育について熱く語っていらした姿が目に焼き付いています。地学分野にも豊富な知識をお持ちでした。

 心よりご冥福をお祈り致します。

代表だった「環境学習フォーラム北海道」についてはこちら――> http://www.kitanet.org/network/network-a-ka.htm#kankyogakusyu

前日ご逝去された藤田先生の遺影も会場に

前日ご逝去された藤田先生の遺影も会場に

農と学びの連携を! 2014

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 「農と学びの連携を考えるフォーラム~食の大切さを伝えるために~」が先日札幌で開催され、100人を越える参加者で大盛況でした。主催は北海道農協青年部協議会(http://jayouth-hokkaido.jp/about/)、共催は農業・農村ふれあいネットワーク(http://www.hokuren.or.jp/agriport/backnumber/41.html)です。

 会の趣旨の中から:

・・・・このフォーラムは、日本の食を担う北海道の若手農業者組織である「北海道農協青年部協議会」(JA道青協)が本年度行ってまいりました事業を報告し、また教育関連機関の取組事例を学び、今後に向けた実現可能な展開に関してパネルディスカッション形式で意見交換を行うものです。・・・・

当日配布パンフレットより

当日配布パンフレットより

北海道農協青年部協議会会長 黒田栄継さん

北海道農協青年部協議会会長 黒田栄継さん

 会に先立って、北海道産・鶏モモ肉と北海道産・野菜のクリームシチュー、さらに道産小麦のパンも提供されました。味はもちろんですが、気持ち的にも実に豊かな気分でした。

道産鶏モモ肉と道産野菜のクリームシチュー

道産鶏モモ肉と道産野菜のクリームシチュー

 「食と学びの連携」を実現する担い手、画期的なプラットホームですね。

画期的なコラボレーション

画期的なコラボレーション

 食の重要性とこれからの食育の担い手として、教員養成大学等の新しいコラボレーションに期待がかかりますね。

リベラル再生の基軸

Posted by 秋山孝二
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 寺島実郎氏の新著、「リベラル再生の基軸」出版記念講演会が先ほど開催されました。

能力レッスンⅣ

能力レッスンⅣ

 「リベラル」とは、「近代」と真摯に向き合うこと、そしてそれを読み解くには「17世紀オランダ」を検証することと看破する寺島さんの論理には説得力がありました。

 「近代」とは何か、1)科学技術の揺籃期、2)デモクラシーの起源、3)資本主義(オランダ東インド会社)の始まり。日本は、国家主義的「近代化」を走り、デモクラシーは置かれ、理解しなかったのです。

 今、本当の意味で「デモクラシー」が問われているのではないでしょうか。「売り抜く資本主義」ではなく、「育てる資本主義」でなければなりません。本来は、勤勉、誠実が原点であったはずなのですが。

 講演会後の懇親会では、久しぶりにお会いした元宮城県知事の浅野史郎さんもご出席でした。サンデー・モーニングの関口宏さん、佐高信さんもご出席でした。

講演会後の懇親会で、挨拶する浅野史郎さん(元宮城県知事)

講演会後の懇親会で、挨拶する浅野史郎さん(元宮城県知事)

TBSサンデーモーニングの関口宏さん

TBSサンデーモーニングの関口宏さん

巣立つ全日・定時の高校生 2014

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
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 北海道の公立高校は、3月1日に卒業式でした。今年も私は、学校評議員をつとめているので、全日制・定時制の両方の卒業式に参加しましたが、「巣立っていく高校生」を送る場に居合わせるのは、こちらも万感の思いです。これまでにも数回この欄に書きました

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=653

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=12046

 最近の卒後式は、イベント広場、コスプレ会場(とは言っても行ったことはありませんが)のようで、衣装も華やかでパフォーマンスも堂々たるもの、来賓席に居ても何が飛び出すやら、ドキドキ、ハラハラ、その様子の写真が撮れないのが残念です。

 今年は第64回目、式終了後は各クラスで最後のホームルーム、ただそれで下校ではありません。部活、生徒会他、それぞれの先輩・後輩たちとの個別のお別れのために、玄関ホールはごった返していつまでも続いています。

式後の玄関ロビーでは、在校生が先輩たちと最後のお別れ?

式後の玄関ロビーでは、在校生が先輩たちと最後のお別れ?

 夜に開催の定時制卒業式では、先生方のアイディアで、手作りの卒業生のお祝いボードも。進学、就職に進路も多彩です。

玄関ロビーの心温まるボード

玄関ロビーの心温まるボード

 さらに、六華同窓会からの顕彰授与式も、昼の卒業式後に行われました。今年の壇上には、今年度から新たに六華同窓会(http://www.rikka.net/)会長に就任された小砂憲一会長が立ち、卒業生3名を表彰状を渡しました。在校生には終業式に授与とのことです。

六華同窓会顕彰授与、小砂憲一会長から

六華同窓会顕彰授与、小砂憲一会長から

 今年のハイライトは、昨年着任された富田敏明校長のお話ですね、素晴らしく心に残るものでした。昨年7月の国連におけるマララさんの演説(http://www.huffingtonpost.jp/2013/07/12/malala_speech_n_3588163.html)を引用して、「言葉の力」について、大変簡潔明瞭なお話でした。

 3月は新たな旅立ちの季節、若い世代の活躍を期待したいですね、そして、私たちの世代もともに、です。