「十勝サロン」でポートランド談義

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 吹田良平さん(http://www.machizemi.com/modules/pico2/index.php?content_id=194)が、帯広市の日曜喫茶館「十勝サロン」でアメリカオレゴン州・ポートランドのまちづくりについて語りました。本来は2月8日に開催が予定されながら、東京の大雪で中止となったイベントとか。

 ポートランド市の魅力と先進的な取組みを発見し、日本に紹介した名著『GREEN Neighborhood - 米国ポートランドにみる環境先進都市のつくりかたとつかいかた』、この本が2010年に出版されて以降、ポートランドは日本で最も注目を集める海外都市の一つとなっています。この書籍の著者として、米国ポートランドの魅力、取組み、日本の地方都市への提言など分かりやすいお話でした。
 
 「マチを使いこなす、舞台にする」、「企業誘致よりも人材誘致」、「二つ以上の機能が複合する地域」、「街区は曲がる毎に変化する」、「古い建物と新しい建物の混在から新しい魅力が生まれる」、「人口が密なこと」等、キーワードが満載でした。
 
 主催者の弁として、「帯広/十勝とポートランドはほぼ同じ北緯の位置。農産物や海産物などの自然資源に恵まれるなど多くの類似性もあります。米国ポートランドの取組を学ぶことで、これから創られる『十勝スタイル(http://www.tokachistyle.jp/』を考える上での有益な示唆を得られるものと思います。」と。

吹田良平(すいた りょうへい)氏のプロフィール~~~~~~~~~~~~~

1963年生まれ。(株)アーキネティクス 代表取締役。大学卒業後、浜野総合研究所を経て現職。新生活習慣の創造が関心テーマ。商業開発、都市開発の企画策定を中心に関連する内容の出版物編集・制作も行う。主な実績に、渋谷QFRONT開発、商業開発専門誌「ZEROHOUR」編集・制作、「北仲BRICK & WHITE experience」編集・制作、「日本ショッピングセンター ハンドブック」(商業界)共著等がある。著書『GREEN Neighborhood』にて、ポートランドの都市スタイルを紹介。

田さん

吹田良平さんのお話

ご案内文から~~~~~~

「色鮮やかなストリートカー、自転車優先道路、職住混在の街並み、ファーマーズマーケット、地産地消のレストラン、オーガニックフード、朝から多くのカフェに人が集まり、地ビールや地元焙煎のコーヒーも数多く、すれ違う人と優しく微笑む会う場所、etc」米国オレゴン州の「ポートランド市」(人口約50万人)は、全米で一、二位の「最も住んでみたい都市」です。

~~~~~~~ 引用おわり

ポートランド市内中心部の再開発プロジェクト

ポートランド市内中心部の再開発プロジェクト

 一方、オレゴン州ポートランドは札幌の最初の姉妹都市としても有名です。今年は姉妹都市提携55周年の節目の年。6月・9月に大きな交流団が予定されています。

 今から30年くらい前になりますが、姉妹都市交流を一層発展する目的で当時の板垣武市長・杉岡昭子国際部長から依頼があり、経済交流促進の一環として、しばしばポートランド市を訪問し、まちづくり等の基盤づくり、推進体制等を調査・提言しました。それを受けて民間企業インターンシッププログラムの構築、「IBEC・SAPPORO」の設立等で形も創り、かなり核心を突いたものと今も自負していますが、それ以外の行政の革新分野では当時の市役所現業部門の受け止め方は限定的でした。

 昨年9月の久しぶりの訪問(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=18025)、及び今回の吹田さんのお話からその後のポートランド市内の再開発の発展ぶりを目の当たりにして、内心忸怩たるものがあります。

 講演会終了後は、近くのイタリアンレストランyoshiyuki(http://tabelog.com/hokkaido/A0111/A011101/1022872/」を貸切っての懇親会。地元の食材を活かした本格イタリアンは、「ローカルファースト」なポートランドスタイルとも重なるところもあります。西島シェフの協力を得ての特別企画でした。

講演会後の懇親会会場

講演会後の懇親会会場

 翌日、札幌に帰る電車の窓からは、十勝の春の雰囲気、いよいよ北海道も本格的に春ですね。

翌日、帯広から札幌の車窓から

翌日、帯広から札幌の車窓から

“ふじのくに日本”の新・成長戦略(4:最終)

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 静岡と言えば、徳川家康公。先日も書きましたが、来年には徳川家康公顕彰四百年記念事業として家康公四百年祭(http://www.ieyasu400.com/index.html」が企画されています。

 今回、会議の前に、市内の駿府城公園・静岡浅間神社をゆっくり散策しました。紅葉山庭園(http://www.sunpu-park.jp/)は素晴らしかったですね。

駿府城公園

駿府城公園で

紅葉山庭園

公園内の紅葉山庭園

紅葉山庭園内の滝

紅葉山庭園内の滝

東御門巽櫓(ひがしごもんたつみやぐら:http://www.sunpu-park.jp/gomon/)も良かったです。

駿府城公園東御門巽櫓

駿府城公園東御門巽櫓

 今回の全国フォーラムを振り返ってみると、やはり「成長戦略」を再度考え直すきっかけになりました。新聞等で見られる「成長戦略」、言い換えると今のアベノミクスでいう「成長戦略」は、実体経済の中での「実行計画」が欠如しています。企業で言えば、上滑りで出来の悪い経営企画部が、ただ上から目線の「戦略」を語るだけの状態。今、地方に根差した企業が将来を展望する「戦略」は、まるで別物であることを再確認しました。

 フォーラムの翌週、外資系金融機関の方で、永くお付き合いしている方と意見交換する場がありました。国際金融からみた「日本の成長戦略」、結局は「高株価維持」だけだったのでは?と。アメリカ経済の低迷、ヨーロッパのソブリン危機によって、一時的に「円」、「日本株」にお金が入っては来たものの、結局、ヨーロッパが落ち着き、アメリカの実体経済が勢いをつけてくれば、円はただ売られていくだけの市場だった、日本市場自体に魅力があったというよりも一時避難場所、残念ながら国際金融の大きなうねりの中では、ローカルでエスニックなマーケットに過ぎないことを確認することになっていく、まあ、こんなところでしょうか。それにしても、この間の円安傾向の中で、大幅な売り越しは日本の機関投資家を中心とした日本人です。実体経済の回復努力なしでただひたすら円安だけを享受している日本国、滅びの国へまっしぐらです。

 地方から今の日本を見ていると、そんな実態をつぶさに理解できるので、さらに現在のこの国の政治・経済の指導者たちが情けなく思えるのです。国の政策に期待できない現状では、地域で生きる私たちは、まさに地域の資源をよりどころにして、外部からお金を持ってきて地域内循環を促す活動、実体経済の強化なのでしょうね。今の北海道には、そのポテンシャルは十分にあると私は思います。その気になれるかどうか、これがポイントです。

 静岡で城址公園を散策し、札幌・帯広の往復、そして折からアメリカ合衆国バラク・オバマ大統領来日の喧噪の東京を歩き、私なりの「成長戦略」を再確認した4月中旬でした。

“ふじのくに日本”の新・成長戦略(3)

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 1日目の夜は1000人の全国の経済同友会メンバーが集まる懇親会でした。今年の全国フォーラム、冒頭ご挨拶は静岡県・川勝平太知事で「富士山礼賛」でしたが、懇親会のはじめは静岡市(http://www.city.shizuoka.jp/index.html)の田辺信宏市長がノリノリのご挨拶、まさにエンターテイナーですね。

静岡市  市長

静岡市・田辺信宏市長の歓迎ご挨拶

 懇親会会場には、大道芸ワールドカップ in 静岡2014(http://www.daidogei.com/」のボランティアピエロの方々も現れて大盛り上がりでした。

大道芸ワールドカップ in 静岡2014のボランティアピエロの方々

「大道芸ワールドカップ in 静岡2014」のボランティアピエロの方々

 全体パーティーの後はさらに町なかの有名な「浮月楼(http://www.fugetsuro.co.jp/」で懇親会二次会です。

「浮月楼」中庭の池

「浮月楼」中庭の池と浮殿

町なかの「浮月楼」の名物打ち上げ花火

町なかの「浮月楼」の名物打ち上げ花火

 何とも豪華な懇親会でした。

“ふじのくに日本”の新・成長戦略(2)

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 二日目の特別講演は、徳川宗家十八代当主・徳川恒孝(つねなり)さんのお話でした。札幌に戻って調べてみると、徳川恒孝さんは、会津松平家に生まれて、松平恒孝だったそうです。十七代の徳川家正さんのご長男・家英さんが早世したため養子となり、「徳川宗家十八代」になりました。

 丁度、前日4月17日が徳川家康公のご命日、講演の前座として、木やり保存会「東嘉会」も力強かったです。来年には徳川家康公顕彰四百年記念事業として家康公四百年祭(http://www.ieyasu400.com/index.html」が企画されています。

 駿府との関係はこちら――> http://www.shizuoka-cci.or.jp/assets/files/Tokugawa/tokugawa_ieyasuP2_P3.pdf

露払いとして

前座は木やり保存会「東嘉会」のメンバー

徳川宗家十八代当主・徳川恒孝さんの特別講演

徳川宗家十八代当主・徳川恒孝さんの特別講演

 穏やかなお話しぶりの中に濃密なエッセンスの数々、実にユーモアに富んで味わいのあるお話でした、終わっても反芻しながら噛み締める言葉が深かったですね。

* 歴史的に見て、大陸の戦争は「皆殺し」、日本国内の戦争は「武家vs武家」の争いで農民・町民は大切な財産で残した

* 海を渡る戦いの難しさ~地理的アドバンテージ、「島国根性」の良いところ

* 文化の学び、積み重ね文化が日本の厚み

* アイヌ文化との類似性~人間と自然が全くイコール、「ワンネス」

* 徳川260年、100年後頃が人口3000万人でピーク、1945年頃と似た状況。八代吉宗公の「質実剛健」、「質素倹約」等、今に続くたくさんの「金のかからない」文化が生まれた:お花見、菊づくり、寄席、歌舞伎、浮世絵、俳句、すし・天ぷら・そば等の町方職人衆の食べ物

* 識字率が高かった~それを支えた寺子屋教育:自由に育てた、自習が基本、長屋で本を読む光景(ヨーロッパではあり得ない)

 また、この一枚のスライドに描かれている江戸時代中期の日本橋界隈から、当時の経済システムほか、マチの状況を読み解かれていました。例えば、主たる物流は海に繋がる川だったとか、まさに現代の東京の「原点」です。

江戸時代の日本橋界隈

江戸時代の日本橋界隈

 この特別講演は、今、喧伝されているアベノミクスの株高維持のみの「成長戦略」に対する痛烈な批判とも受け取れます。人々にとっての本当の「豊かさ」とは何か、真に持続可能な社会とは、日本の「伝統」とは何かを淡々語りとウイットに富むお話、鳴りやまない拍手で舞台を後にされました、素晴らしいご講演でした。

 今年の7月に札幌では徳川家に関連するこんなイベントも開催予定です――> http://event.hokkaido-np.co.jp/tokugawa/

“ふじのくに日本”の新・成長戦略(1)

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 第27回経済同友会全国フォーラムは静岡での開催でした。「持続可能な発展を目指して~”ふじのくに日本”の新・成長戦略」がテーマです、「富士」、「不死」、「不二」等、多彩な意味を込めての今年のフォーラムも1000人の登録で盛会裏に終了しました。

* 2011福岡 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=8227

* 2012富山 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=12606

* 2012富山 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=12630

* 2013盛岡 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=16803

会場ホテル入口で

会場ホテル入口で

 基調講演の伊藤元重先生のお話は、「日本と地域の新・成長戦略」と題してでしたが、アベノミクスの経過が主体で、第3の矢は「民間投資を喚起する成長戦略」と表現するにとどまり、地域・地方への視座、言及が少なく、私自身はかなりの欲求不満でした。印象に残ったのはせいぜい、「グラビティ・モデル」という言葉が、今後の貿易分野でのキーワードという程度でしょうか。

 その後の岩手・仙台・福島経済同友会からの報告は、先月の復興会議に引き続き(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=19311)それぞれの復旧・復興の差異も分かり、大変貴重なものでした。福島県には多額の税金が投下されて新しい複数の国立の施設建設が決まり、工事も始まっているのは予想以上でしたね。でも、そこに住む人々の帰村等、暮らしの復旧・復興はそれとは裏腹で程遠く、他の2県と際立った違いでした。人の幸せは投下されている金額とは全く別物だという意味でです、ね。

 休憩を挟んでの分科会、私は第二分科会「農業・医療を成長産業として育てていくために」に参加しましたが、興味深かったです。

医療と農業のイノベーションがテーマの第二分科会

医療と農業のイノベーションがテーマの第二分科会

 たくさんのキーワードがパネラーから発せられていました。

* 終戦直後に策定された「農地法」は、戦後の小作人育成のための法律、再開発が必須の現在の農業の目的には合わない

* 「農業を経営する」、持続可能にするためには「農業の産業化」を図ることが避けて通れない

* 過疎の市町村は人がいなくなっていく――>農地の大規模化のチャンスであり、市町村は「農業」を誘致すべき

* イノベーション企業では「雇用の流動化」が大前提ではないか。終身雇用では、優秀な人材の「囲い込み」が始まってくる

* 人材もお金も止まるとよどむ

* 農業の利益構造: 大規模化 + 六次産業化 + 環境支払い + 不足支払い

* 政府はジャッジをするな! 女性の登用、農業のフランチャイズ・チェーン化

 実際のフィールドで地道に活動されている方々のお話には共通点が多く、またそれぞれに説得力がありました。

益子では「春季展示会」、開催中

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 栃木県益子町にある「公益財団法人 ワグナー・ナンドール財団」の春季展が、5月15日まで今年も開催中です。今年のポスターは、小野田寛郎さんをモデルにしたワグナー・ナンドールの作品を掲載しています。小野田寛郎さんは、旧制海南中学校・久留米第一陸軍予備士官学校・陸軍中野学校二俣分校卒。 情報将校として太平洋戦争に従軍し遊撃戦を展開、戦争終結から29年目にしてフィリピン・ルバング島から帰還を果たしました、最終階級は予備陸軍少尉となっています

 小野田さんが再び日本の土を踏んだ姿に感動した生前のワグナー・ナンドールが、その深い精神性を込めて作品を創りました。小野田さんご自身は数年前に、益子のこの地をご訪問になり、しばしの間散策されました。昨年のご逝去後は活動を休止していますが、「小野田自然塾(http://www.onodashizenjuku.or.jp/」でも子供たちの教育にご尽力されていました。

* http://kankou.4-seasons.jp/asobu/509.shtml

春季展2014

春季展2014

 五角堂ギャラリーの併設展は、成島行雄著「コノハナサクヤヒメものがたり」で、仲田育代さんの挿絵をパネル展示しています。

コノハナサクヤヒメ

五角堂ギャラリーでは併設展「コノハナサクヤヒメものがたり」

 ハンガリー・ブダペストでは今回の展示に先立って、仲田育代さんもご出席になって「ハンガリー語出版記念会」が開催されました。赤いセーターの男性は出版社社長で、今もこだわりの工房で書籍を作成しています。

ハンガリー・ブダペストでの出版披露パーティーで

ハンガリー・ブダペストでの出版披露パーティーで

歴史的建造物の製本会社工房

歴史的建造物の製本会社工房

 「古きを温めて新しきを知る:温故知新」、まさに芸術文化のすそ野の広さと深さを感じます。毎年毎年、話題豊富なワグナー・ナンドール財団、アートギャラリーです。どうかお時間のある方、栃木県益子町まで足をお運び頂き、お弁当でもお持ちになってしばし散策されることをお勧め致します。

ひと時、アルテピアッツァ美唄で

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 「アルテピアッツァ美唄(http://www.artepiazza.jp/」の指定管理者が「認定NPO法人」格を取得した記念フォーラムで、私がお話をする機会がありました。

認定NPO記念イベントチラシ

旧校舎と体育館も活用した広大な敷地に

旧校舎と体育館も活用した広大な敷地に

安田侃先生の作品が数多く!

安田侃先生の作品が数多く!

 北海道の4月の素晴らしい光景、始まる前に加藤知美さんにご案内して頂きました。背景の山、流れる川の音、旧校舎と体育館、残雪とともにノスタルジックな静けさに、しばし時を忘れます。

 私のお話の趣旨は、主としてファンドレイジングに関することでした。以下はその中の一枚のスライドより~~~~

市民社会」と「シビル・ソサエティー

*近代市民社会:選挙制度によって代表者を選び、政府の活動を決定-->公共的活動に関わる主体は行政であり、民間部門は納税者としてのみで、担い手とは想定されていない。
*シビル・ソサエティー:非営利団体が民間部門として積極的に関わる。企業・市民は選挙による投票行動だけでなく、自らの私有財産を公共財に転換する(寄付・ボランティア)自発的な意志の持ち主
~~~~~ 引用 おわり

 その後、磯田憲一理事長との対談でした。

指定管理者の磯田憲一理事長

指定管理者の認定NPO法人・磯田憲一理事長

 理事長の磯田憲一さんとはもうかなり長いお付き合い、特に北海道演劇財団(http://www.h-paf.ne.jp/)設立時のご尽力が忘れられません。芸術・文化への造詣と見識は群を抜いたものがあります。磯田さんが代表の「君の椅子プロジェクト(https://www.asahikawa-u.ac.jp/page/kiminoisu_project.html)」は、つい最近、NHK全国放送のニュースでも紹介されていました。

 安田侃先生もお元気でした。世界で活躍されているエネルギーというか、溢れ出てくるものを感じました。

安田侃先生の締めの熱弁!

安田侃先生の締めの熱弁!

 芸術・文化が人々の暮らしに大きな力と豊かさを与えることは疑う余地がありませんが、その場、、機会、プログラムを維持管理・運営するシステム・装置を組み立てるのは、生易しいことではありません。ワグナー・ナンドール財団(http://www3.ocn.ne.jp/~wagner/TOP.html)、北海道演劇財団のこれまでの活動からも、その大変さは言葉に表せません。

サープリンご夫妻、お元気で

Posted by 秋山孝二
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 永らく在札幌ロシア総領事として日ロ親善にご尽力されたサープリンさんご夫妻が、この度公務員定年を迎えて本国にお戻りになります。先日、札幌のロシア総領事館で送別パーティが行われ、150人以上の地元の方々がお集まりになってこれまでの感謝を伝えました。

送別会冒頭でご挨拶をされるサープリン総領事と奥さま

送別会冒頭でご挨拶をされるサープリン総領事と奥さまのタチアナさん

 サープリン総領事についてはこれまで何回も書きました。環日本海経済同友会が札幌で開催された時の「ロシヤ・シベリヤ開発」のお話、再三の「北を語る会」でのお話等、率直に、ロシアと北海道との長い歴史、ロシアの今を語る姿に心打たれました。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=8364

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=17954

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=18958

 送別会でのご挨拶では、「『近くて遠い国』から本当の意味で『近くて近い国』にしていきましょう!」とのメッセージでした。国家レベルではいろいろ言われる昨今の国際情勢、グローバルな時代こそ地域間連携による新たな関係の構築を期待したいところですし、必ずや実現できると思います。

サープリンご夫妻、これまでのご尽力に心から感謝申し上げます、またお会いしましょうね。

プロフェッショナルな視座!!

Posted by 秋山孝二
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 プロ野球、ゴルフのマスターズ、大相撲、ボクシング、サッカー等、熱戦をテレビで見ていて、試合のカード以上に自分が選んでいるのは解説者とアナウンサーです。

 今日の北海道新聞朝刊、「がんばれファイターズ 473」では、テレビ北海道アナウンサーの大藤晋司さんのメッセージが掲載されていました。「実況にも『常識破り』を」の見出しで、実に興味深いことが書かれていて、私も全く共感する内容でした。要するに、「“ネガティブワード”にメスを入れよう」というのです。「モーションを盗む」、「借金」、「「打球に勢いを殺す」等、日常ではネガティブを連想する言葉を言い換えて実況中継すると。これは想像以上に難しいことだと思いますね。

 さらに大藤さんに共感するのは、大谷翔平選手の前代未聞の「二刀流」挑戦を目の当たりにして、まだ始まったばかりではありますが、投打とも素晴らしい成績を挙げている現状から、このコメントが発せられていることです。昨年も、従来型の解説者、プロ野球選手OBは大谷翔平、日本ハムファイターズの挑戦に大変ネガティブな反応でしたね、まるで成功しては困るかのようでした。今年はさすがにそれ程ではありませんが、張本勲氏を筆頭に相変わらずの方も多いです。

 私はこれまでこの欄で大谷翔平くんにエールを送り続けています。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=15309

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=16905

 解説者というと、私は小さい頃の大相撲解説の玉の海梅吉さん、神風正一さんを思い出します。今の相撲解説は目の前の取り組みのまさに「解説」に留まっているのですが、当時のお二人、特に玉の海さんの噛み締めるような一言一言は、辛口と言われますが、人生哲学のような奥深いものを幼いながらに感じ取っていました。恐らく、その裏での日々の取材とか幅広い人脈、ご自身の歩んで来られた人生がそんな語りを成していたのだと、今思いますね。

玉の海梅吉: http://www6.ocn.ne.jp/~fukusige/ayumi/oomura-history/tamanoumi.html

神風正一: http://www.pref.kagawa.lg.jp/kocho/sanukino/2006/spring/9_10.htm

 ボクシングの郡司信夫さん、白井義男さんもそうでした。選手に寄り添う暖かい眼差しと勝負の底にある駆け引き等を言葉にして視聴者に伝えるプロフェッショナルな姿勢はとにかく興味深かったです。昨今の解説者は、肝心なところに来ると「ワァッー」、「すごい!」しか言いません、サッカーでもただ騒々しいだけの解説とか、バレーボール解説の川合俊一は最悪です、ただの一観客でしかないではありませんか。監督の目線、試合の戦略、ここぞの場面の戦術等への言及は何もありません。特にテレビの場合、ごく限られたシーンの放映になるので、カバープレーとか、フォロー・アシストする選手の周辺の動きについて解説者の役割は大きいですね、あとベンチワークについても。それを毎回成し遂げるには、日々のプロフェッショナルとしての自覚と取材、調査が欠かせないのだと思います。

<ご参考> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=6488

 何回もこの欄でも書いていますが、新しい挑戦を従来型の眼でしかコメントできない、理解しようとしない、その構図が今日本の閉塞状況を象徴しているような気がします。ベテランは、自分で判断できないことは素直に「分かりません」、「果敢に挑む本人を応援しましょうよ」と、どうして言えないものか、社会全体の器の小ささ、解説のプロフェッショナル不在を感じる昨今です。

生命科学の研究者を応援する立場から

Posted by 秋山孝二
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 一つ前のブログをFacebook に掲載したら、大変たくさんの反応があったので、こちらにもそのやり取りを載せたいと思います、初めての試みですが、これは著作権的にはOKですよね?

私のブログ――>http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=19588

  • あえて私にも言わせて下さい!
    まるで「トカゲの尻尾切り」で終わらそうとしていた感ありありの理化学研究所の面々、特にノーベル賞まで取った野依さんの評判は私の中ではガタ落ちしました。
    居て欲しくない上司の典型に見えましたね。

    小保方さんには研究の成果で、理化学研究所を見返して欲しいです!
  • 社会的実績と人格は別、イコールではないですね。
  • 発見というものは、なかなか自分一人では判断が難しいはず。見つけたと思っても、其を、発見と同意してくれる仲間や先生がいて初めて確信が持てると思うのです。これだけ予算のかかる研究、さらに発見によって多くの利益が生まれるものだと尚更です。
    間違いと嘘も視点によっては変わってきます。何故ならそれだけシークレットな面もありますし。核心に迫る発言が出来ないこともあるのではと。こうした事件に怯えず、研究者たちは胸を張って研究に邁進していただきたいです。
  • 同感です。
  • 小保方晴子さん、がんばれ!!!
  • 彼女に落度があったことは事実だと思いますので、一方的に彼女を応援したり、理研を批判する気にはならないんですが、若い研究者を潰さずに育てようという視点が、なぜメディアや世論に出て来ないのかな?と思います。彼女がやったことはまずかったことに変わりはないですが、科学技術の分野で闘うことのシビアさに社会が気づいてくれないもどかしさも同時に感じます。
  • 私は理研の捏造も小保方さんの不服申し立てもある意味マスコミの被害者であると思う。ただ研究論文である以上検証実験による再現性について実験して欲しい。200回も再現できたとしたら、尚更。
    結論を早く出しすぎたのでは。
  • 秋山孝二 メディアからの質問に、「公開すれば私たちが取材して確証を得られる」みたいなものがありましたが、先端技術研究分野で熾烈な国際競争の渦中で、当然「機密部分」もあるでしょう。それと、今朝の北海道新聞の香山リカさんのコメントも失望しました。小保方さんの置かれた昨日の場は、診察室ではなく300人以上のメディアを前にした記者会見です、自分一人でメディア、組織を相手に必死で説明する、弁解する、口を濁すのは当たり前でしょう。この構図自体が異常であり、そもそもフェアな場でありません。彼女はインディペンデントではないのですよね、理研の研究員ですよ。
  • おっしゃる通りです。リケジョとしてもてはやしたのは、理研とマスコミです。ミスは大きかったけれど、謝罪したうえで、明らかにしていくことが、先決なのでは。
    得てして、女性に敵対するのは、女性です。
  • いろいろな問題が露呈した今回の騒動でした。科学者として(プロとして)足りない部分があったという小保方さんの問題もありましたが、理研の権威的な事なかれ主義の方が問題だし、なにより懲りないメディアの姿勢は大問題だと考えます。現在の原発・エネルギー問題でも、外交・安全保障の問題でも、懲りないメディアの姿勢が大きく悪影響を及ぼしていると考えています。
  • 本当に気の毒以外に言葉が無いですね~ 出来るなら海外の整った環境で研究を続けてスタップ細胞の存在を立証してほしいと思えるくらいでした 本当に頑張ってほしいです
  • 秋山孝二 本当に情けないですね、若い方々に「外国に行った方がいいよ」と言いたくなる日本の既存研究環境。税金でこの程度の組織しか運営できないとすれば、金額の問題ばかりでなく質の劣化として二重の落胆です。
  • わたしは本人にも理研どちらにも肩入れはしませんが、謝罪する必要はないと思います。なにに対して謝るのか、騒いでいる人はよく考えるべきです。
  • 「論文を撤回すればSTAP現象が間違いであったとの意味になる」というごまかしの論理にだまされてはいけないように思います。
    撤回しても、STAP細胞の存在を否定されるはずがありません。否定されるのは、将来STAP細胞の存在が確認されたときの、彼女が先駆者であるというステータスだけです。もし、きちんと現象を再現できる自信があれば、それをきちんと論文に仕上げて再度投稿すれば良いだけです。不備のある論文で手に入れたステータスにしがみつく様子をみて、科学者としてのプライドが感じられないのは私だけではないと思います。もっとも、理研自体の責任や、マスコミ報道の異常さを否定している訳ではありません。トカゲのしっぽ切りは許せないので、小保方さんの問題とは別に、理研その他の組織の問題をきちんと正すべきだと思います。あと「悪意」についてですが、今回の不備は、ついうっかりして起きることではないと思います。論文は、きちんと論理を構成して作成するものですから。なので、「過失」ではなく「故意」と判断されて当然と思います。そして、「故意」に行った行為の目的は、「ごまかして論文を完成させる」ということだったと推察されるのが自然と思います。たとえ出来心であっても、それは「いけないこと」をしようとしたのだから、「悪意」と表現されても仕方がないと思います。
  • 小保方さんも理研も、乗る土俵を間違っていませんか…?
  • 秋山孝二 千葉さんのご意見を伺っていて、私は研究機関のマネジメントについて言及しているのだと分かりました。自然科学の専門分野には素人ですが、研究助成を永く続けていて、これまでの研究論文にもかなりコピー&ペーストがあったようですし、それを見抜けないで通している指導的立場の方々も多かったのでは?間違い、不適切を全て個人に帰しているその無責任体制の下では、リスクを含んだ先進的研究などできないのではと思うのです。さらに飛躍すれば、画期的事実の発見は、所詮その時代からは相手にされない、そう研究の場を与えている組織が開き直れるかどうか、ただの予算獲得機関に成り下がっているのではないかと、そんな気がします。野依先生も、理事長就任前にはそうおっしゃっていたはずですが。
  • 秋山さんのおっしゃる通り研究機関のマネージメントの問題は、是非解決の方向に向かって欲しいと思います。
    一方、マスコミが、小保方さんvs理研の構図を娯楽ショーのごとく煽り立てるのを、小保方さん陣営がうまく利用している、というゲスな見方もできそうです。ただ、小保方さんをそう動かしてしまうのは、マスコミの過剰な偏向報道が大きな原因の一つだと思うので、彼女もまた、マスコミの被害者なんだと思います。
    彼女のやるべきことは、理研を訴えることではなくて、研究者として再出発することだと思います。彼女に限らず失敗をした人を社会から葬り去るのではなく、次のチャンスを与える社会であって欲しいです。
    その意味で、娯楽ショー提供者と化したマスコミの罪は非常に重いです!そのためには我々国民がマスコミに振り回されない様に努力する必要もあると思ってます。
  • ノーベル賞受賞、野依さんの管理者としての責任は重大でしょう。「学者バカ集団」差別用語ならゴメンンナサイですが、それを地で行く我が国の権威ってなんだったんだぁ~!
  • 科学者の端くれとして、一言言わせて頂きたいですが、今回の事例は、少なくとも私の分野では到底考えられない、異常な事態だと思っております。どうか、理系科学者全体がこうだというように思われませんように。。博士論文の件で、指導教官の無指導ぶりがひどすぎるのもさることながら、当該論文についても、笹井副センター長の責任は、もっと追及されてしかるべきです。(そもそも、こんな未熟なポスドクを、何故リーダーに据えたのか!)マスコミが、どうしてここをもっと責めないのか、理解に苦しみます。小保方さんの会見については、「一労働者」の弁明としては、理解できますが、科学者としては、頂けません。200回も成功しているのであれば、客観的な土俵で、再現実験をすれば済むことです。それが科学です。あと、野球でも同じだと思いますが、「名選手=名監督」ではないということです。ところが、ノーベル賞をもらうと、みんながその人をオールマイティだと思って持ち上げるのでおかしなことになるのです。ノーベル賞学者は研究者として優れてはいますが、マネジメントや科学政策に対して、必ずしも資質がある保障はありません。なのに、ネームバリューで理事長などに据えてしまう。。。日本がいかに本当の専門性を軽視しているかの表れと思います。
  • 仰る通り!!です。

小保方晴子さん、ガンバレ!!

Posted by 秋山孝二
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 「STAP(スタップ)細胞」の論文問題で、理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーが、今日午後1時からの記者会見で、「STAP細胞はある」と明言しました。英科学誌ネイチャーに発表した論文の撤回については、「論文を撤回すればSTAP現象が間違いであったとの意味になる」と述べ、同意しない考えをはっきり述べていました。

 私は午後1時半頃からテレビ中継で2時半頃まで見ていましたが、質問にはしっかり答えていましたね、終了したのが午後4時頃とか、3時間に及ぶ記者会見となりました。私の印象では、むしろ相変わらずメディア側の質問の重複が多く、さらにはまた「割烹着」に関しての質問もあったりで、司会の方から「研究論文に関する内容の質問に限定して」と注意を促されている始末、懲りないメディアの姿勢に「恥を知れ!」ですよ。

 先日Facebookでこれに関係する以下のブログをシェアし、私なりの意見も掲載しましたら、かなりの賛同のコメントも寄せられました。~~~~~~~

http://blog.goo.ne.jp/bitex1993/e/978fa73e5c3e841edf168828ec1d0004?fb_action_ids=768808003131870&fb_action_types=og.likes&fb_source=other_multiline&action_object_map=%

5B637671092973346%5D&action_type_map=%5B%22og.likes%22%5D&action_ref_map=%5B%5D

私のコメント:

1. 所属した組織の責任者として、メディア等のバッシングから研究者を守る視点は無いのでしょうか、若い研究者に託すリスクをきっちり引き受ける覚悟が必要だと思います!

2. 「若い」ということは名を成した方から見れば「危うい」ことばかり。野依先生の時代はもっと自由な研究環境だったのではありませんか?理研自体が競争原理のど真ん中で、京都との競争等もあったのではないでしょうか、素人目にはそう思えてなりません。これまで彼女の研究を指導した先生たちも、もっともっと彼女を弁護することこそ本来の指導者の立ち位置だと私は思いますが。みんなみんな、「ただ勇気がない」だけ!

~~~~~~~~~~~~~~~~ FBからの引用 おわり

 小保方晴子さんの質問への答えは、ご自身の言葉で大変率直でした。理化学研究所の聞き取りの様子についてもきっちり彼女の立場から説明されていましたので、2冊のノートの件他、納得のいく内容でしたね、明日の新聞各紙、夜のテレビ局のニュースの取り扱いが興味深々です。それこそ、メディアの品位と見識が問われるからです。

 今日の小保方さんは実に立派でした、研究者の過ちは研究を通じて挽回すること、そして研究機関はその場をしっかり与えることこそ、若い前途有望な研究者を育てる環境と言えるのではありませんか。むしろ責任を取って辞めなければならないのは、研究機関の然るべき立場にある方々ではないでしょうか、こちらも「恥を知れ!!」です。

 小保方晴子さん、ガンバレ!!!

<4月10日追記>:毎日新聞電子版に記者会見が掲載されていましたので、コピーします。

http://mainichi.jp/feature/news/m20140409mog00m040043000c.html

新しい人生を歩む皆さんへ

Posted by 秋山孝二
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 本来は3月の卒業シーズンに伝える方が適当なのかもしれないけれど、「言葉の持つ力」を感じる、2005年スタンフォード大学卒業式でのスティーブ・ジョブズの演説です。あらためて噛み締めると4月から新しい人生のスタートを切っている多くの方々に送りたい言葉です!

 「Stay hungry, stay foolish」という『全地球カタログhttp://www.fujisan.co.jp/yomimono/articles/4843最終号からの引用で締めくくられています。彼は2011年10月5日に亡くなりましたが、この演説は「伝説」となって今も感動を与え続けています。

~~~~~~~~~~~~~~~~~ スピーチからの引用

* 自分がそう遠くない日に死ぬと意識しておくことは、私がこれまで重大な選択をする際の最も重要なツールでした。

* 死はおそらく、生物にとって最高の発明です。それは古いものを取り除き、新しいもののための道を拓いてくれる変革の担い手です。

* あなた方の人生は限られています。他の誰かの人生をいきて無駄にしてはいけません。

* そして最も重要なことですが、あなたの心や直観に従う勇気をもって下さい。

Steve Jobs 1955-2011 Stanford University 2005

http://www.youtube.com/watch?v=RWsFs6yTiGQ

~~~~~~~~~~~~~~~~~ 引用 おわり

 東京の4月、千鳥ヶ淵では大学の入学式が開催されようとしていました、隣の靖国神社では奉納相撲です。昨年は3月卒業式とサクラ(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=16260)でしたが、今年は少し遅いようですね。

千鳥ヶ淵のサクラ

千鳥ヶ淵のサクラ

 国内の私立大学は先週相次いで入学式。法政大学の田中優子総長の入学式での訓示は、歴史を踏まえた心を揺さぶるものです。

~~~~~~~ 訓示からの引用

 私は大学に入ってはじめて夢中で勉強しました。まさに「水を得た魚」でした。大学の勉強とは押しつけられたものではなく、自分で選び自分で行動する、まさに自分で人生をデザインしていくことだったからです。私はこの法政大学に、人生の基盤を与えられたのです。

http://www.hosei.ac.jp/gaiyo/socho/NEWS/140403.html

~~~~~~~~~~ 引用 おわり

 新しい時代は新しい担い手によって創られ、成し遂げられる、頑張って欲しいものです!

戦争の記憶とナショナリズム

Posted by 秋山孝二
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 忙しく時間に追われて動いている中、時々ハッとするようなメッセージに出会い、ブログの原稿としてキープする時があります。以下のコメントもしばらく私の手元に置いてありましたが、何回読んでも「その通り」と、今日やっとアップできます。

 日々の新聞、雑誌の記事では読めない深い洞察・コメントが、インターネット時代には比較的手に入りやすいので助かります。このところの日本の政治に対して、藤原帰一先生は鋭い視座から指摘しています。

戦争責任をめぐる対立―相手の視点得るために」と題して、東京大学法学政治学研究科教授の藤原 帰一先生のコメントです。

~~~~~~~~~ 一部抜粋

日本に住む私たちは、日本国民ではない人びとの経験した戦争を知ろうとしてきただろうか。

国籍や地域を限ることなく戦争の犠牲者を見る視点を得ることで初めて、戦争の記憶をナショナリズムから解き放つことができる。その時ようやく、日本の語る未来を他の国民も共有することが可能となるだろう。

http://pari.u-tokyo.ac.jp/column/column106.html#.UxanhZj82lc.twitter

~~~~~~~~~~~ 引用 おわり

 昨日お会いした人生の大先輩が、カフェでしみじみ語っていました、「このところの日本は、本当に壊れてきているね」と。誰かを非難するというよりも自戒を込めて呻吟するようなお言葉でした。私は戦後教育の中で育った人間として、歴史と真摯に向き合ってこなかった、そんな気がしているのです。

 新渡戸稲造の著書「BUSHIDO」についても、「武士の心得」と曲解して恥ずかしげもなく語っている連中たち、本当に本を読んだことがあるのでしょうか。国際社会の中で活躍した新渡戸稲造が、真摯に世界に向かって日本の魂を説明するその姿にこそ、今の日本の立ち位置として学ぶ原点があると確信するのですが。

 昨日、さくら咲く東京の新宿、新橋の喧噪の中を雨に打たれながら、あたためていた原稿を公開する気になりました。

「遠友夜学校」記念館建設に向けて

Posted by 秋山孝二
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今年2月に「札幌遠友夜学校記念館」建設については書いたばかりです。

こちら―――> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=19168  

 3月中旬に「建設コンセプト設計公募」の結果を発表しました。

< 「札幌遠友夜学校記念館」(仮称)建設コンセプト設計公募結果発表 >

今回の公募につきましては国内、国外から50点の応募を頂きました。
応募して下さった皆様には心から感謝申し上げます。
結果は以下の通りでございます。詳細につきましては個別に応募者の皆様へ
ご報告申し上げる予定でございます。

一般社団法人「新渡戸稲造と札幌遠友夜学校を考える会」
代表理事 秋山孝二

一等賞  Naomi Darling 様  Naomi Darling Architecture, LLC (USA)

二等賞  佐治卓 様、佐屋香織 様、藤木俊大 様
ピークスタジオ一級建築士事務所 (横浜市)

三等賞 佐野天彦 様、道尾淳子 様  アトリエサノ(札幌市)


※以下は、一等賞のNaomi Darling様(Naomi Darling Architecture, LLC(USA))のデザイン図・提案内容です。

Nitobe_Memorial_Hall_by_Naomi6

Nitobe_Memorial_Hall_by_Naomi7

Nitobe_Memorial_Hall_by_Naomi8

Nitobe_Memorial_Hall_by_Naomi9

ヒアリング:アメリカ東部からわざわざ来札

ヒアリング:アメリカ東部からわざわざ来札のNaomiさん

設計コンセプト等について詳細の意見交換

設計コンセプト等について詳細の意見交換を札幌で

選考のポイントは下記の点です(ナオミさんへのレターから抜粋):~~~~~~~~
 

「太平洋をかける橋になりたい」と言った新渡戸の想いを造形化するにあたり、その著作『武士道』で言及されている簡潔な日本美の伝統と米国東海岸のファームハウスに共通する要素として切妻屋根を取り上げた点、また新渡戸夫妻がクエーカー教徒であったことから、クエーカー教徒集会所に見る「光」の象徴的な扱いを大切にして、その精神性を造形化したプロセスを特に興味深く拝聴いたしました。

 

応募された作品の造形は、公園の一隅の限られた敷地という条件に無理のないデザインであり、一見したところ平凡に見えながら、周囲の建築を背景とした時、静かな個性が生きてくると思われます。南西側は光を制御しつつ地域の人々に落ち着いた寛ぎ交流空間と公園との視覚的/身体的融合性を与え、北東側および展示室には静謐な光を高い位置から取り入れている点も評価されました。人間の触感と深く関わる空間の質については、良質の自然建材を用いるという点も、この規模の建築には有効なことと賛同を得ました。

 

持続可能な建築に関しては、sustainableという言葉の本来の意味にたち、単に技術的な装置に依存することなく、エネルギー需要の軽減として自然光と風のながれを最大限利用した点、また、屋内の空気の質や建物の寿命の全工程におけるカーボン・フットプリントに考慮した建材の選択も評価されました。

~~~~~~~~~~~コピー おわり

 

今回の選考は、当初予想はるかに上回る国外・国内からの応募を受けて、大変難しいものとなりました。上位3件の方々には、旅費支出もなく札幌で最終のプレゼンを行い、横浜の3人は、暴風雪で予定の飛行機が欠航し、何と電車で横浜から陸路札幌までお越し頂きました。マサチューセッツ州のナオミさんとは、運営委員3名がスカイプでのやり取りでヒアリングでした。札幌のお二人も熱心なプレゼンだったと聞いています。

 

ナオミさんは、その後、急遽アメリカ東海岸から札幌までお越し頂き(これも旅費の支出は無し)、現地視察及びヒアリングで幾つかの課題解決策を検討致しました。彼女が、この場の50年間の活動理念を具現化した設計思想を語った時、私は思いを形にできる仕事に感動しました。

  

設計コンセプトも決まり、寄付金を受ける「一般社団法人」格も出来て、これから約1年間でこのプロジェクトを広く全世界に知ってもらって、その思いを建設寄付金として実現する活動が本格始動です。大口寄付先、小口寄付先を含めて、どうか皆さんの周りの方々にもお声を掛けてご支援をお願い致します。そして、再来年完成時には、この場で活動をご一緒にやって参りましょう!

栃木県庁ほかで意見交換

Posted by 秋山孝二
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 先月末に、ワグナー・ナンドール(http://www.wagnernandor.com/indexj.htm)の作品展示についての意見交換で、栃木県立美術館(http://www.art.pref.tochigi.lg.jp/index.html)、栃木県庁(http://www.pref.tochigi.lg.jp/)を訪問する機会がありました。

 栃木県立美術館は栃木県宇都宮市桜四丁目にある美術館で、日本の近代美術館の先駆けとして1972年に開館しました。県内、国内各地、そして西欧美術品を幅広く収蔵し、絵画、版画、挿絵、写真、工芸品に亘るコレクションの数は8,000点を超えています。ワグナー・ナンドールの元祖「母子像」は、この美術館収蔵作品第一号として、今も保管されています。

 ワグナー・ナンドールについては、この欄にこれまで数多く掲載しています。

こちらをご覧ください―――>http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E3%83%AF%E3%82%B0%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%8A%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%AB

 県庁の知事応接室には、世界で活躍する郷土の誇りのアスリートたちのポスターも。現在開催中の、選抜高校野球でも、佐野日大高校が健闘していますね。

栃木県の誇りのアスリートたち

栃木県の誇りのアスリートたち:知事応接室で

 ところで、3・11以降、県のHPトップに、「放射能・放射線対策に関する総合情報(http://www.pref.tochigi.lg.jp/kinkyu/c08/main.html)」が掲載されています、時代は新しい局面に入ってきました。