第27回経済同友会全国フォーラムは静岡での開催でした。「持続可能な発展を目指して~”ふじのくに日本”の新・成長戦略」がテーマです、「富士」、「不死」、「不二」等、多彩な意味を込めての今年のフォーラムも1000人の登録で盛会裏に終了しました。
* 2011福岡 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=8227
* 2012富山 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=12606
* 2012富山 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=12630
* 2013盛岡 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=16803
基調講演の伊藤元重先生のお話は、「日本と地域の新・成長戦略」と題してでしたが、アベノミクスの経過が主体で、第3の矢は「民間投資を喚起する成長戦略」と表現するにとどまり、地域・地方への視座、言及が少なく、私自身はかなりの欲求不満でした。印象に残ったのはせいぜい、「グラビティ・モデル」という言葉が、今後の貿易分野でのキーワードという程度でしょうか。
その後の岩手・仙台・福島経済同友会からの報告は、先月の復興会議に引き続き(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=19311)それぞれの復旧・復興の差異も分かり、大変貴重なものでした。福島県には多額の税金が投下されて新しい複数の国立の施設建設が決まり、工事も始まっているのは予想以上でしたね。でも、そこに住む人々の帰村等、暮らしの復旧・復興はそれとは裏腹で程遠く、他の2県と際立った違いでした。人の幸せは投下されている金額とは全く別物だという意味でです、ね。
休憩を挟んでの分科会、私は第二分科会「農業・医療を成長産業として育てていくために」に参加しましたが、興味深かったです。
たくさんのキーワードがパネラーから発せられていました。
* 終戦直後に策定された「農地法」は、戦後の小作人育成のための法律、再開発が必須の現在の農業の目的には合わない
* 「農業を経営する」、持続可能にするためには「農業の産業化」を図ることが避けて通れない
* 過疎の市町村は人がいなくなっていく――>農地の大規模化のチャンスであり、市町村は「農業」を誘致すべき
* イノベーション企業では「雇用の流動化」が大前提ではないか。終身雇用では、優秀な人材の「囲い込み」が始まってくる
* 人材もお金も止まるとよどむ
* 農業の利益構造: 大規模化 + 六次産業化 + 環境支払い + 不足支払い
* 政府はジャッジをするな! 女性の登用、農業のフランチャイズ・チェーン化
実際のフィールドで地道に活動されている方々のお話には共通点が多く、またそれぞれに説得力がありました。