今年のゴールデン・ウィーク、札幌は連日の低温、曇り空、冷たい雨。暦通りの私は、例年と何も変わりありません。外に出る時間が減った分、室内が多少増えた程度でしょうか、話題の映画2作、スティーブン・スピルバーグ監督「リンカーン:http://www.foxmovies.jp/lincoln-movie/」、ダスティン・ホフマン監督「カルテット!人生のオペラハウス:http://quartet.gaga.ne.jp/」は面白かったですね。「カルテット」は彼の初めての監督映画とかで、館内は満席でした。
「リンカーン」HPから引用~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
アメリカ映画界を代表する巨匠スティーブン・スピルバーグは、伝説化されたリンカーンの実像に迫る作品の製作を12年に渡って温め続け、魂の震えるような感動をもたらす、サスペンスにみちたドラマを構築した。ピュリッツァー賞作家ドリス・カーンズ・グッドウィンの同名ノンフィクションをもとに『ミュンヘン』のトニー・クシュナーが手がけた脚本を得て、最期に至るドラマチックな4か月間を映像にくっきりと紡ぎだす。
人が自由であるための道を拓く法律、米国憲法修正第十三条を議会で通過させて、悲惨な南北戦争という内戦をどのようなかたちで終結させるか―若者を死地に送る痛みに苛まれながらも、人間の自由を確立しなければならない。心で葛藤を繰り返しながらふたつの命題を実現するために、リンカーンは知恵と勇気、不屈の闘志を駆使する。リンカーンの理想を貫くためにさまざまな策も厭わない現実主義者的な一面、これまであまり伝えられなかった妻や子供との葛藤などが、ぐいぐいと惹きこむようなスピルバーグの語り口で浮き彫りにされていく。そこには自らの信念にしたがって、孤立や誤解を恐れずに戦いぬいたひとりの男のドラマが香り立つ。感動的な人間ドラマであると同時に、汲めど尽きせぬ面白さに彩られた、スピルバーグの傑作がここに誕生した!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~引用 おわり
スティーブン・スピルバーグ監督「リンカーン」
これまでの「戦い抜いた大統領」というイメージを越えた「悩める父親・夫」像もリアルで、時代を生きた男として描き出されていました、いろいろな視座からの感動があるでしょうね、議会での多数派工作、言葉がまさに剣としてぶつかり合う議場でのやり取り、政治の神髄を覗いた気がします。映画的には、会話のやり取りで字幕を追うのに少々の疲労感も。
アメリカ議会での言葉を介しての対決に比べて、何とも未熟な我が国の政治、国民の大義を呈しての「説得」といったプロセスをかなぐり捨てて、手練手管の眼先の対応に終始する政治家の姿は醜悪です。民度を象徴する選ばれし議員の見識、日本の政治は、国民の声を代議することなく、あたかも白紙委任されたような傲慢さにあふれており、憤りを感じます、今こそ本当に「政治の質」が問われているのでしょう。
一方、「カルテット」は、出演するベテラン俳優の妙、あるいは物語のテーマが自分にもぴったりだったのでしょうか、音楽、セリフと会話のやり取り、間合い、すべてが心地よい、久しぶりの「気持のいい映画!」でした。時々ピリッとする決めセリフにハッとさせられたり、終演後にアクセスした周辺情報も実に豊富です。
「カルテット!人生のオペラハウス」 HPから引用~~~~~~~~~~~~~~
作品の舞台は、英国の田園地方にある引退した音楽家たちが暮らす老人ホーム「ビーチャム・ハウス」。かつてカルテット仲間だった3人、テノールのレジー(トム・コートネイ)、メゾソプラノのシシー(ポーリーン・コリンズ)、バリトンのウィルフ(ビリー・コノリー)はここで、穏やかな余生を送っていた。そこへカルテット仲間の最後の1人、オペラの名プリマドンナとして活躍したソプラノ歌手ジーン(マギー・スミス)が新たな入居者としてやって来る。・・・・・・・・
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 引用 おわり
ダスティン・ホフマンが来日した時の記者会見の様子(http://www.nikkei.co.jp/category/offtime/eiga/news/article.aspx?id=MMGEzv000010042013)。
ダスティン・ホフマン監督「カルテット」、彼の初めての監督映画
会見から彼の発言: 本作の見どころの一つである音楽。ダスティン・ホフマン監督はこれまで出演してきた映画で印象に残っている音楽を聞かれると、「『卒業:http://www.youtube.com/watch?v=lcMzg_bpD7k』のサイモン&ガーファンクルの音楽から始まって、『真夜中のカーボーイ』、『クレイマー、クレイマー:http://www.youtube.com/watch?v=RwA_PvUZ_2Y』のヴィヴァルディも素晴らしかった。僕はもともとピアニストになりたかったけれど、そこまでの才能がなかったから2番目の志望だった俳優になったんです」と答えた。
俳優でも監督でも、どの音楽もダスティン・ホフマンの魅力とともに忘れ難いものばかりですね。「年を取っても気分はセクシー!」、そんな自分で居たいものです!