「エドウェイン・ダン記念館:http://www.city.sapporo.jp/keikaku/keikan/rekiken/buildings/building45.html」は、札幌市南区真駒内にあり、1880(明治13)年にエドウィン・ダンによって北海道開拓使の「牧牛場の事務所」として建てられました。1946(昭和21)年に進駐軍に接収されるまでの70年間、北海道の酪農畜産の原点であり、先日その顕彰活動を学びに足を運び、管理運営に当たられているお二人から2時間を越えるお話を伺いました。
今回訪問した私たち5名は、「新渡戸稲造と札幌遠友夜学校を考える会」のメンバーです。昨年来、札幌市中央区南4条東4丁目の「札幌遠友夜学校跡地」の活用について、歴史をしっかり顕彰・記念する場とすることを提案しています(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=16214)。
今回の目的は、もちろん記念館の展示を観てエドウェイン・ダンの功績を再確認することですが、もう一つ、現在ここの管理・運営を実際になっている「エドウィン・ダンの会」の方々に、これまでの経過とご苦労話、そして今後の展望をお聞きすることでした。会員の田口圭一さん(後列中央)、そして運営委員(学芸員)の園家廣子さん(前列中央)の丁寧なご説明に心から感謝致します。
移設して今の場所に至り、10年前に改修工事を施して今日に至る経過をお聴きして、これまでの札幌市における「芸術・文化の継承」の問題点と今後の課題解決の貴重なヒントを得た気がします。場所が美術館、資料館、公園ほかどこであろうと、そこが放つメッセージ・史料に責任をもって、郷土の歴史・風土・芸術・文化を統括して所管する部署の必要性です。そして、適切に予算の裏付けを持たせること、これは21世紀の都市としての必須要件のような気がします。
マチを創る基本は、マチの歴史をしっかり掘り起こし、引き受けて、伝えていく、昨年ハンガリーのマチでそれに気がつきました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=14622)。
札幌には日本の中で特異な歴史と場が点在していて潜在的価値には大いに恵まれています、それらをどう「つなげるか」なのだと思いますね、今、まさに維持管理・運営を含めた担い手としての「市民力」が問われているのでしょう。