メディアの優れた番組・記事を市民が勝手に讃える活動、「メディアアンビシャス(http://media-am.org/)」が今年も「大賞」ほかを選出し、先月表彰式を開催しました、私は世話人の一人としてお手伝いをしています。
今年の開催案内には、以下のような認識で参加を呼び掛けています。
「昨今、民主主義を支える柱の一つであるはずのメディアが、あらゆる意味で危機の最中にあると痛感しています。1つ1つの事例研究だけでも膨大な論文の山ができそうですが、几帳面な検証・議論も不十分に時は流れています。そんな中でも、果敢に取材をする方々、それを勇気を持って番組・記事にする方々に、市民目線から拍手を送り賞状を贈呈する、これが私たちの活動です。年に一回の授賞式、賞状を手渡すだけでなく、受賞者の皆さんからの報告、参加者との質疑も企画し、エールを送り、メディアの現況をめぐって論議を深める場を目指しています。多くの方のご参加をお待ちしています」。
< 審査結果と経過 >
【活字部門】
☆メディアアンビシャス大賞
「戦後70年へ『北海道と戦争』」(8月~現在) 北海道新聞取材班
☆メディア賞
「戦後70年に向けて いま靖国から」(6月~7月) 毎日新聞記者伊藤智永さん
☆アンビシャス賞
「政府事故調の『吉田調書』入手」(5月) 朝日新聞
☆入選(2件)
「『秘密法』を考える」(1月~現在) 北海道新聞取材班
「元朝日新聞記者と北星学園脅迫事件のその後」(雑誌「創」2015年1・2月号) 北海道新聞編集委員徃住(とこすみ)嘉文さん
[選考経過]会員より推薦のあった15本の記事のそれぞれ一部をホームページに掲載。最終審査では推薦者の説明の後、投票・審議を経て各賞を決定した。大賞の「戦後70年へ『北海道と戦争』」は人びとの埋もれた戦争の事実を追う根気よい取材が「戦争の記憶、残虐さを掘りおこしている」と評価された。なお、アンビシャス賞の「政府事故調の『吉田調書』」については掲載社が取り消しているが、「政府が隠ぺいしようとした調書の内容を明らかにするきっかけになり、読者の知る権利に応えることになった」と評価を集め、受賞となった。
【映像部門】
☆メディアアンビシャス大賞
「揺れる原発海峡~27万都市函館の反乱」(5月) 北海道文化放送(UHB)制作放送
☆メディア賞
「陽炎 えん罪被害の闇」(7月) 北日本放送(KNB)制作-札幌テレビ
☆アンビシャス賞
「本当は学びたい~貧困と向き合う学習支援の現場から~」(6月) NHK教育
☆入選(3件)
「裂かれる海~辺野古動き出した基地建設」(12月) 琉球朝日放送制作-北海道テレビ
「和解~広島・中国人強制連行問題の軌跡」(1月) RCC中国放送-北海道放送
「神秘の球体マリモ~北海道阿寒湖の奇跡」(8月) NHK
[選考経過]推薦候補は14件。12月末の1次審査の後、1月の集中上映を経て、投票・審議した。大賞の「揺れる原発海峡~」は支持の多くを集めて選ばれた。「東京の路上で『大間原発を知っていますか?』とインタビューしたり、オンカロと幌延の地層の違いに触れるなど、函館から出発しながらトータルな視点で構成しているところが印象的。しかも、反原発といえる番組が、視聴者に比較的に見てもらえる土曜日午後に放送されたことにも興味がわく」などの推薦理由に共感が寄せられた。入選は3件が同点だった。
【活字部門】 大賞ほか
【映像部門】 大賞
東京からもわざわざお二人の方がお越し頂き、取材の様子、番組制作の苦労等について、率直にお話を聴くことができました。時代と真摯に向き合い、先入観念の間違い、新しい世代の価値観の違いほか、ハッと気が付くような現場からのご報告に、参加者一同集中したひと時でした。
その後の場所を移しての交流会には、これまで最高数のご出席者で、遅くまで大盛り上がり、この企画を継続する意味を再認識した次第です。メディアの最前線で日々奮闘される皆さんとの時間、これからも引き続き大切にしたいですね。詳細の報告は、メディアアンビシャスHPにアップされます、ご出席の皆さん、お疲れ様でした。
* メディアアンビシャス(http://media-am.org/)