「約束~名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯(http://www.yakusoku-nabari.jp/)」の一般公開前夜祭がシアター・キノで開催され、上映後にプロデューサーの阿武野勝彦さんを交えてのパネルディスカッションも盛況でした。
「名張毒ぶどう酒事件:http://www.maroon.dti.ne.jp/knight999/nabari.htm」をご存知のかたはどれほどいらっしゃいますでしょうか。
プロデューサーの阿武野さんが制作の経過ほか苦労したお話、地元テレビのディレクター4名が、それぞれのお立場から多彩な意見を述べられました。いつものテーマですが、「テレビ」と「映画」の境界みたいなやり取り、テーマの設定と同時に、メディアの特徴も時代とともに大きく変化してきているようです。
映画の内容について、若手弁護士の方々の正義感は分かるのですが、事件についての裁判官の判断とは別に、どこか「善悪」を単純化し過ぎている、少し誤解を覚悟の表現では、もし自分が裁判官だったら、もし自分が村人の一員だったらと思うと、彼らを「悪」、「不正義」とも言い切れない自分がいる、そんな思いです。以前、アウシュビッツを訪問した時に、ナチスの強制収容所の所長・ヘスの側に身を置く自分を感じ、恐ろしくなったことを想い出したのです、中国訪問時も同じでした、ごく普通の人間たちが残忍な行為に至る現実みたいなものです。
「独房の半世紀」、日本の司法の歴史、事件の真実ほか、重たいテーマを投げかけています。