今年の経済同友会全国フォーラムは、福岡で「緊急日本復興会議」となりました。15日のこの欄に掲載した大前研一氏講演の最後に、今の状況で、新たに輝く英国人哲学者、バートランド・ラッセル卿の「自由人の十戒:http://www005.upp.so-net.ne.jp/russell/DECALOG.HTM」が紹介されていました。
その第9番目、「たとえ真実が不都合なものであったとしても、どこまでも良心的に真実であるべきである。なぜなら、もしあなたが本当のことをかくそうとすると、もっと都合が悪いことになるからである」。今、東京電力の経営トップに提起したい言葉です。これまで彼らの発言からは、顧客である「市民」へのメッセージが全く届いて来ません。ただひたすら、「原子力村」を守ろうとする醜悪な姿を多くの国民は看破しています。
バートランド・ラッセル卿はノーベル文学賞にも輝きましたが、1955年7月の「ラッセル・アインシュタイン宣言:http://www.pugwashjapan.jp/r_e.html」では、核兵器廃絶を明確に世界に宣言しました。3月の東日本大震災・原発事故を受けて、私たちは私たちの立場から行動を起こしますが、今後のエネルギー政策において、現存する科学者たちは転換を迫る「勇気ある」行動を期待したいですね。
もう一つ、被災地の岩手県、宮城県、福島県の方々の現状報告をお聞きして、それぞれ「固有の復興モデル」があるように思いました。すなわち、岩手県は水産業の復興、宮城県は水産業と稲作を中心とした農業復興、福島県は原発見直しによる復興です。それら全てに共通するのが「食を支える日本の第一次産業の復興」であり、21世紀の日本社会・地域の生きる道筋を示しているように思えます。北海道もこれを契機に、一層の「食ー農」の取り戻しとイノベーションの大きなムーブメントを興したいものですね。
博多のマチは、新旧が同居していて、人々は元気でした。