今年1月に、北海道経済同友会の新年例会で、講演「経済同友会が考える『この国のかたち』」と題して、公益社団法人経済同友会の提案概要(http://www.doyukai.or.jp/policyproposals/articles/2010/110111a.html)を聞き、私は少し時間が出来た時に自分なりに熟慮しようと思ってこの原稿をファイルしていました。
さらに同じ1月、北海道大学高等研究センター主催のシンポジウム(http://www.juris.hokudai.ac.jp/~academia/symposium/symposium20110122.pdf)では、厚生労働省の香取政策統括官が、「安心社会をどう創るか~『少子化時代の社会保障ビジョン』~」と題して、基本的考え方を説明しました。香取さんとは、厚生省薬務局経済課勤務時代から機会ある毎に意見交換をしてきました。久しぶりにお会いしましたが、「相変わらずこんなことをやっています」と終了後に笑顔でお話をされていました。税金の再配分、新しい時代の社会保障ビジョン、収入・支出の関係性等、大変明解でした。
この二つを軸に「2020年の日本創生」と題して、いつかここで掲載しようと思っていたのですが、「3.11」以降全く違ったかたちのメッセージとなりました。
昨日、菅総理が、「東日本大震災」の復興に向けて「復興構想会議:http://www.kantei.go.jp/jp/kan/statement/201104/01kaiken.html」を提唱し、従来に戻す「復旧」を超えて、新しい東北づくりに向けて一歩踏み出そうと表明しています。この機会をむしろ前向きに、21世紀の「地域主権」も含めて、これまでの東京一極集中の弊害を大きく変える経済・エネルギー・社会保障での構想力を持って欲しいですね。
このところの週刊誌、新聞の寄稿で、キラリと光る文章を幾つか眼にします。私と同じ視座の方々もいらっしゃるのだなと、自分自身勇気を貰います。法政大学社会学部教授・田中優子さん(http://lian.webup08.jp/yuu/)の「個として、共に生きるために」では、今年大佛次郎賞受賞された渡辺京二さんの言葉を引用して、素晴らしい文章ですし、ジャーナリストの桂敬一さん(http://www.news-pj.net/npj/katsura-keiichi/index.html)の「一番怖い放射性物質の濃縮蓄積」では、原発の内部被曝の危険を食物連鎖によって説明しています。
当面の復旧への対処と同時に、新しい日本を創る志を基に、復興を目指す計画は極めて大切です。これからの「地域」がどうあるべきか、この際、北海道についてもしっかり議論して実践で示していきたいものです、現場で証明していくスタンスを忘れたくないですね。