(公社)経済同友会幹部との意見交換

Posted by 秋山孝二
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 北海道経済同友会の新春例会は、今年は東京から、「公益社団法人 経済同友会(http://www.doyukai.or.jp/)」の長谷川閑史(やすちか)代表幹事ほか10数名の幹部の来道となり、代表幹事の例会での講演のほか夜の懇談会、翌日は北海道経済同友会との意見交換会も開催されました。

2013年新年例会で

2013年新年例会

長谷川代表幹事のご講演

長谷川代表幹事のご講演

 長谷川代表幹事のお話は大変分かりやすく、「日本の課題と再生戦略」について、「富」の再配分から「負担」の再配分の時代であるという認識、今までのような戦略では「国家の均衡ある衰退」への道でしかないこと、国家ビジョンとしての「歳入増」、「歳出削減」、「経済成長」は明らかであり、要はそれらを責任を持って「実行する」ことにあると語られました。

 今や、世界は国レベルの競争の中にあり、各国の「政策」がその競争力を左右している実態、従ってこれまでの日本の中央政府・官僚の視座からは、変化している新しい時代における「政策立案」がきわめて困難であるという指摘も的確でした。中央集権から大幅に地方に権限を渡すには、「税源」、「権限」、「人材」の移転を速やかに行うことが肝要とも。

 この講演後に、フロアーとのやり取りの時間があり、私は質問しました。「経済同友会は個人での登録に特色があり、自由闊達な議論がこれまでの価値だったはず。ところがこの所、いわゆる『経済界』とマスメディアに取り上げられる時は、経団連、商工会議所と雁首を揃えての政策提言といった場面が多く、本来のこの団体の価値と優位性を失っているのではないか。経営者の多様な意見、健全な議論、論点の提案こそ、経済同友会のあるべき姿ではないか」と。

 これに対して長谷川代表は、「なかなか辛口のご質問」と前置きして、大変真摯にお応えになりました。「同一歩調を取っているつもりはないが、もし、そういう印象を与えているとすれば今後注意したい」と。ただ、原発に関しては、3・11以降、その年の夏に、軽井沢での議論を経て、「脱原発」ではなく「縮原発」を提起したとも説明されていました。

 結局、講演会は、私のこの質問一つだけで終了しました。終了後に、長谷川代表は私の席までいらっしゃって、「秋山さん、今の官僚組織では、個々の能力は大変高くとも、従来の構造からしか課題解決を図らないので、どうしても縦割りの弊害が否めない。今ある国家的、地域的課題は全て、複数の省庁に関連するものばかりなので、どうか地域での課題解決を先行して実践して頂きたい。自分なりに積極的に意見を述べてはいくが、従来の中央集権的なやり方では時間が掛り過ぎてとても間に合わない」と、アドバイスを頂きました。

 その日の夜は、双方合計10数名での着席懇談会・会食でした。私の両隣の席だった長島徹・副代表幹事、前原金一専務理事、向かいの髙須武男 ・副代表幹事らとも親しくお話ができて有意義な時間を過ごしました。特に、長島さんは、エネルギー・環境委員会の委員長でもあり、昨年の富山での全国会議分科会(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=12630)にもご参加になって私の話もお聴きになっていましたので、再生可能エネルギーの積極的展開でもさらに意見交換することができました。それ以外に、ここにはとても書けない「経済界の真実!」もたくさんお聴きしました、何かの機会にご紹介致します。ただ、TPP、安倍政権の教育論議等については、幹部個々のご意見には私はかなりの違和感もありました。

 翌日は、北海道経済同友会の幹部と東京からのご一行が約2時間の意見交換。その前に、東京の幹部は農業関連のトップとも実のある意見交換を行えたそうです、経済団体と農業団体とがTPPを始めとした懸案事項で、しっかり議論することそれ自体に今は価値があると思いますね。

 安倍政権の重要な会議のメンバーに、経済同友会幹部が名前を連ねて積極的な発言をしています。私、及び私たち北海道で再生可能エネルギーの実現、省エネに向けて努力している人々の実践も積極的に報告しており、その一部は中央にも伝わっていることを先日確認しましたので、これからも現場での実践の成功モデルを、経済同友会を通じて国の政策に反映させていきたいと強く思いました。

 2年前の意見交換よりも、はるかに実のある時間を過ごすことができました、今後に期待したいですね。二日間、異なった意見で私は異論のあったテーマもありましたが、とにかく一番残念なのは地元経済人の「無反応」です、何を言ってもただ微笑んでいるだけ、今それで良いのかと蹴り上げたくなる過激な私の心境です。肝っ玉が小さい、いや、もともと無いのかもしれない、尊敬できる経営者が極くわずかなことが、私の唯一残念に思うことです。