日本経営倫理学会(http://www.jabes1993.org/) CSR部会で、「渋沢栄一に学ぶ~『論語と算盤』による経営」の執筆者によるプレゼンがあり、この会のメンバーでもある永年の友人で現在アデランス(株)の箕輪睦夫(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=18767)さんからお誘いがあり、私も出席しました。渋沢栄一からそれぞれの視点で学ぶコメントは新たな気づきを与えてくれました。
< 「渋沢栄一に学ぶ~『論語と算盤』による経営」 >
http://www.robundo.com/adana-press-club/wordpress/02/2016/05/24/%E3%80%90%E8%89%AF%E6%9B%B
多くの方々の寄稿です
内容紹介
「論語と算盤」にはその理念が次のように述べられている。「富をなす根源は何かといえば、仁義道徳。正しい道理の富でなければ、その富は完全に永続することができぬ」この理念のもと、ともすれば失われてしまいがちな企業の社会的責任について、現在の経営を根本から見直す。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
田中 宏司
一般社団法人経営倫理実践研究センター理事・首席研究員、東京交通短期大学名誉教授(元学長)。1959年中央大学第2法学部・1968年同第2経済学部卒業。1954~90年日本銀行、1970年ミシガン州立大学留学(日銀派遣)、ケミカル信託銀行を経て、2002~06年立教大学大学院教授、2008~13年東京交通短期大学学長・教授。1996~2010年高千穂大学・早稲田大学大学院・関東学院大学・日本大学等兼任講師を歴任。経済産業省・日本規格協会「ISO/SR国内委員会」「ISO26000JIS化本委員会」委員等歴任
水尾 順一
駿河台大学経済経営学部・大学院総合政策研究科教授、博士(経営学:専修大学)。1947年生まれ。神戸商科大学(現・兵庫県立大学)卒業、(株)資生堂を経て1999年駿河台大学へ奉職、現在に至る。専門はCSR、経営倫理論など。東京工業大学大学院理工学研究科・東洋大学経営学部兼任講師、日本経営倫理学会副会長、経営倫理実践研究センター首席研究員、2010年ロンドン大学客員研究員。2008~2009年度経済産業省BOPビジネス研究会等座長・委員。CSRイニシアチブ委員会代表、(株)アデランス社外取締役、(株)西武ホールディングス企業倫理委員会社外委員
蟻生 俊夫
一般財団法人電力中央研究所企画グループ上席、白鴎大学経営学部兼任講師(1995年~)、日本経営倫理学会常任理事・CSR研究部会長、公益事業学会評議員。1988年東北大学大学院修了(工学修士)、(財)電力中央研究所経済研究所入所。1992年日本開発銀行非常勤調査員、1994年ドイツケルン大学エネルギー経済研究所客員研究員、2005~14年電力中央研究所社会経済研究所上席研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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私なりに手元に留めたメモです。
* 「職業倫理」からの読み解き: 商業従事者の倫理=商人の倫理+企業家としての倫理、マックス・ウェーバー、鈴木正三、石田梅岩を越えて――>武士道に通じる儒学で構成されることを示した。アダムスミス、ベンサムを参照しながらも日本的価値観に基づく独自の理論を
* 思想・社会システムにおける「日本型」の再検討の重要性!
* 教育のイノベーション: 封建制下の教育から商業教育への貢献となる――> 現代的意義は、1)多様化(ダイバーシティ)と包含(インクルージョン、2)商業、経済活動に、「公、公益」という普遍的概念の導入、3)商業教育の内容変革、リーダーの育成
* ドラッカーが共鳴した渋沢栄一の社会観: CSRがすべての行動基準、意思決定の中にすでに溶け込み、企業の事業活動から切り離せない状態、活動そのものになっている。経済は社会のためにあることを共通の社会観として持っている。社会と人を幸せにするにはどうしたらよいか、からスタートしている、すなわち「人権」思想からのスタート。
* 渋沢栄一はソーシャル・アントレプレナー: 明治期の日本社会が必要としていたもの(社会的課題)をビジネス(事業)として提供した
<参考> 渋沢栄一賞(https://www.pref.saitama.lg.jp/a0801/sibusawaeiichishou.html)
* 「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」、初代ドイツ帝国宰相のオットー・フォン・ビスマルク
* 渋沢栄一「航西(こうせい)日記」に学ぶアデランスのCSR: 世界各地での展開の基本に渋沢栄一の理念・思想、そして「San-Po-Yoshi」のCSR
<航西日記> http://school.nijl.ac.jp/kindai/SUMI/SUMI-00156.html#1
以上、まだまだ貴重なメッセージがぎっしり詰まった意見交換でしたが、取り急ぎ書き留めました。今年1月に私が訪問した東京北区飛鳥山の「渋沢栄一史料館(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=25430)」、機会を見つけて深谷の生地も訪れたいと思っています。