観劇 & 第114回北を語る会

Posted By 秋山孝二
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 「北を語る会」、今回は第114回目、シアターZooで『フレップの花、咲く頃に』の観劇の後、隣の稽古場で懇親会でした。

* 「北を語る会」のこれまでの記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E5%8C%97%E3%82%92%E8%AA%9E%E3%82%8B%E4%BC%9A

『フレップの花、咲く頃に』ーー> http://www.h-paf.ne.jp/program/%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%97%E3%81%AE%E8%8A%B1

フレップの花、咲く頃に

<キャスト>

山田百次
西田薫(フリー)
熊木志保(札幌座)
竹原圭一(RED KING CRAB)
高橋海妃(フリー)

友情出演
アリョーナ(ジャイブプロモーション)

 朝鮮人、日本人、ロシア人、樺太アイヌたちが、国家・民族の垣根を越えて一つのコミュニティを奇跡的に形成していた「混住」の時代、個人レベルでの心の交流を描いた作品です。この日の公演は満席で、終了後の皆さんのお顔は満足感で溢れていました。

 今回演出の斎藤歩からのメッセージです。~~~~~~~~~~~~~~~~

 台本を執筆するのは山田百次くん(ホエイ)です。「珈琲法要」をご覧になられた方も多いと思いますし、2月「暴雪圏」での強盗殺人犯の演技も記憶に新しいと思います。

 昨年「亀、もしくは…。」のサハリン公演を終え、サハリンとの新たな交流を検討していた矢先に、私が出会った一つの手記をもとに百次君が取材を重ね、脚本化してくれました。敗戦直後の樺太に残留していた日本人の方々が経験した「混住」という時代。当時小学生だった吉岡潤三さん(北海道演劇財団理事)のお宅に、突然ソビエト軍のトラックが横付けされ、一組のロシア人夫婦が降ろされて「お前たちは今日からこの夫婦と一緒に暮らせ」と命じられたのだそうです。それから、ロシア人の夫婦と吉岡さんのご家族の2年ほどの暮らしが始まったのですが、そのころ樺太には大勢の朝鮮人も連れて来られていたり、樺太アイヌの方々もいたり、様々な民族の人たちが、垣根を持たずに一緒に暮らすコミュニティを形作っていたのだそうです。

 実際に北海道のすぐ隣の島で起こっていたことを舞台上に現わすためには、ロシア人の俳優が必要でした。サハリンのチェーホフ劇場から呼んでこなければならないかなぁ…と考えていた矢先に、テレビの画面に現れてくれたのがアリョーナさんでした。すぐに電話に飛びつき、連絡先を調べて出演交渉したところ「友情出演」という形で出演してくれることになりました。山田百次くんも勿論出演し、5月の「シンデレラ」に続いて連投の西田薫、熊木志保、そしてMAMの「父と暮せば」でTGR俳優賞を受賞した高橋海妃さん、更に竹原圭一くん(RED KING CRAB)も、二つ返事で出演を了承してくれました。

 今年は「日本におけるロシア年」だそうで、日本とロシアの友好・交流について考えることの多い年だと思いますし、北海道150年という事で、記念事業としても登録をさせていただいています。北海道から世界を、そしてこの国の近代を眺め感じ・考える貴重な作品になると思います。シアターZOOで全10ステージ、皆さまを劇場でお待ちしています。

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 この公演に至るプロセスも具に見ていた私としては、作品自体の知らなかった樺太の歴史の一断面とともに、地域のテーマとしての興味深さも感じて、余韻が残りました。脚本の山田百次さんは、これを書くために実際にサハリンに調査に行かれたとか、すごいですね。

 終演後の役者の皆さんを含めた「北を語る会」メンバーの懇親会は、話題満載で大変楽しい時間となりました。観劇後のこのようなひと時、数倍の喜びとなります。

50名を越える参加者の皆さん

50名を越える参加者の皆さん

演出の斎藤歩さん

演出の斎藤歩さん

原作者の吉岡順三さん

原作者の吉岡順三さん

脚本。主演の山田百次さん

脚本・主演の山田百次さん

サハリンのロシア人を演じるアリョーナさん

サハリンのロシア人を演じるアリョーナさん(サハリン出身)

 在札幌ロシア総領事館の総領事もご覧になって、今後、サハリンでの公演も含めた企画に構想も膨らんでいるようです。これまでも札幌座は、ハンガリー、ルーマニア、韓国、ロシア等、数々の海外公演を経て、その都度大きな進化をしてきているので、これからも楽しみです!

皆さん、お疲れさまでした!!

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