FIFAワールドカップロシア大会が終わって1か月少々、今思うと何か随分昔だったような気もします。活躍した選手たちは、それぞれの将来に向けてスタートを切っているようです。
* 結果 https://www.asahi.com/worldcup/schedule/
私はかなりいい加減な観客なので、テレビで日本の試合も後半少々みる程度、サッカーの90分+を全てみ続ける気力・体力がありません。でも、日本戦の後の全国各地の盛り上がり報道、日本チームの戦い方についての海外メディアの報道は面白く、テレビニュース、インターネットでいろいろ検索しました。
日本のマスメディアは、微妙な場面に対してのコメントは臆病なくらい控えていて、ただ海外メディア報道を紹介してお茶を濁していた、そんないつものスタイルが印象的でした。日本のマスメディアのこのような姿勢、2011年3月11日以降の原子力発電所爆発事故でも全く同じでしたね。昔でしたら大本営発表の垂れ流しで国民を欺けたのかも知れませんが、今はインターネットで、真実がどんどん公になる時代、新聞の購読数が減っているというのは、ただ若者の活字離れというよりも、マスメディアの贋物ぶりがインターネット時代にあからさまになっているということも一因のような気がします。
試合の結果云々よりも、私は今回のワールドカップ、日本のマスメディアの勇気のなさをまたまた露呈した気がしています。一つは、予選リーグ突破を目指した最終戦最後の10分間の戦いぶりを巡る報道。突破をまず第一の目標としていた日本チームとしては、なりふり構わない、しかしながらルールに則った戦いぶりで賭けに勝った、私はそう思うし、自国メディアとしては、当然、監督采配に拍手喝采だと思ったら、「サムライらしくない」とか「フェアだったのか」みたいな、訳の分からない評価・批判も多く、私は大いに失望しました。どうせ大本営発表メディアなら、せめて自国チームを徹底的に擁護しろよ、と。フィールドで必死に戦う選手・コーチ・監督を平気で無責任に批判する姿は見苦しい限りです。
似たような一例として、私は海外メディアのサムライジャパンのゴールキーパー川島永嗣(https://ameblo.jp/eiji-kawashima/)へのバッシングに対して、日本のメディアがほとんど何も弁護していなかったことにも納得がいきません。
そんな中、7月9日に元U-20ホンジュラス代表GKコーチ・山野陽嗣さんのコメントが目を引きました、まさにその通り。冷静なプロの眼に我が意を得たりです。彼の最後の言葉が心に残ります。
「川島を叩く前に、川島を超えるGKが日本で出てこないといけません。『(ドイツの)ノイアーや(ベルギーの)クルトワだったら止めていたのに…』などと無い物ねだりをしても意味がありません。日本での人材発掘とレベルアップが必要なのに、それに反するような形で叩いてばかりの風潮には危機感を抱きます」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180708-00000007-jct-ent
育つ風土、育てる環境、これが無ければ素晴らしい人材は輩出できないですよね、まさに目利きの存在が大切かと。今の日本社会、どのセクターも叩くばかりの輩が徘徊・充満していて、若者・プレーヤー・担い手受難の時代です。ワールドカップが終わってこんなことを振り返っている私です。