映画『焼肉ドラゴン』

Posted By 秋山孝二
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 この処、等身大の家族をテーマにした映画が続きます、先日も夜に『焼肉ドラゴン(http://yakinikudragon.com/』を観てきました。どこか『万引き家族』とも通じる雰囲気、大阪での万国博覧会が催された1970(昭和45)年。私自身が生きてきた時代と重なり、余韻の残る物語でした。舞台で再演を続け、演出・脚本家としての鄭義信としては初めての映画監督とか。カットが細かく、どこか素朴な映画の印象はありました。

* 『万引き家族』 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=33555

 「小さな焼肉屋の、大きな歴史を描きたい」と語る監督の言葉通り、70年代の時代の記憶、人々のぬくもりが鮮明に蘇り、時代に真正面に向き合い、明日を生きるエネルギーで溢れる人間模様は昭和の記憶でしょうか。

公式HPより~~~~~~~~~~~~

 鄭義信作・演出による舞台「焼肉ドラゴン」は朝日舞台芸術賞グランプリ、読売演劇大賞および最優秀作品賞など数々の演劇賞を受賞。熱狂的な支持を受け2011年・2016年と再演を重ね、多くのファンを魅了しました。そんな演劇界では一流の演出家であり、映画界では『月はどっちに出ている』、『血と骨』などで脚本家としも名高い鄭義信が本作では初監督に挑みます。

 そして、長女・静花役に真木よう子、次女・梨花役に井上真央、三女・美花役に桜庭ななみと美人三姉妹が揃い、静花への思いを秘めたまま梨花と結婚する男性・哲男に大泉洋など日本映画界を代表する豪華キャストが集結。さらにキム・サンホ、イ・ジョンウンら韓国の名優が我が子や店に集う騒々しい客たちを、いつも温かなまなざしで優しく包みます。

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 ちいさな焼肉店「焼肉ドラゴン」を営み、故郷を失くし、戦争で左腕を奪われた亭主・龍吉が、「つらい過去は決して消えないけれど、たとえ昨日がどんなでも、明日はきっとえぇ日になる」と語る言葉の意味を、今の時代を生きる若者たちはどう理解するのかなとも考えましたね。

 「大きな時代の波に翻弄されながら」と公式HPにも書かれていましたが、まさにその通り、大阪伊丹空港に着陸するジェット機の爆音がそれを象徴しながらも、その下でたくましく暮らす・生きる家族の姿が愛おしく感じます。「在日」をテーマにしながら、それぞれの「在日」を炙り出し、多様な人生の来し方行く末を追いかける、味わい深い作品でした。

One Response to “映画『焼肉ドラゴン』”

  1. 秋山孝二の部屋 » Blog Archive » 演劇三昧 懐かしの炭住! Says:

    [...]  札幌座・道産子男闘呼倶楽部 公演『五月、忘れ去られた庭の片隅に花が咲く( http://www.sapporoza.com/program-index/?program_id=2764)』は、夕張をモデルにした物語、鄭義信(https://natalie.mu/stage/artist/12368)さんによる新作書下ろしを札幌と東京での公演でした。鄭さんは、「かつて『昭和』という時代があった。いろんな事件があった。そして、それをいまだ忘れられない人たちがいる……そのことを戯曲として残さねば、と思った。』と語っています。私にとっても炭鉱の落盤事故というのは、医薬品卸業に携わっていた時に医薬品等の緊急大量配送で馴染みがあっただけに、かなりリアルに響いてきましたね。また、「炭住」というと筑豊の『青春の門』の雰囲気も思い出したり、映画『焼肉ドラゴン(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=33596)』も蘇りました。 [...]