第5回目となる札幌遠友夜学校フォーラム、今年は、「札幌遠友塾自主夜間中学(http://enyujuku.com/index.shtml)」の元代表・工藤慶一さんをお招きしました。
<これまでのフォーラム記事>
* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=20282
開始前に会場ロビーでは私たちの会の会員が早くから準備をしました、これまでの活動の写真ほかを模造紙に貼る作業。
開始30分以上前から続々とお客様、当日は140名以上のご参加でした。
まずは、司会の会員・蔵田親義さんの開会の言葉に続いて、代表理事の私のご挨拶、続いて副会長・高橋大作さんの活動経過報告でした。
特別講演の工藤慶一さんのお話、正確な現状認識とこれまでの28年間の活動から得た貴重な報告でした。遠友塾の卒業生の方々も多くご参加されていて、「学問より実行」を地で行く活動、今の時代、札幌遠友夜学校の理念の実践は感動的でした。
昨年12月の「教育機会確保法」法案成立に向けたご尽力ほかのご説明から。活動は結局、日本国憲法、教育基本法にまで言及しなければ社会改革にはならない、そんな強いメッセージを受けとめました。戦後教育の原点とも言われる「教育基本法」では、やはり南原繁(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=215)を語らなければなりません、そして、新渡戸稲造もですね。私自身の中でもきっちり繋がりました。
憲法二十六条に規定されている「義務教育」は、「国民」の義務なのであり、受ける対象の「保護する子女」の義務ではないのですよね、まさに基本の基本です。
<日本国憲法>
第二十六条 | すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。 |
2 | すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。 |
フォーラム終了後、十和田からお越しの奈良さんはじめ、会員の有志の皆さんと工藤慶一さんを囲んでの懇談会、遠友夜学校を巡って大いに盛り上がりました。
「新渡戸稲造と札幌遠友夜学校を考える会」を立ち上げてから、「今の時代的な遠友夜学校の理念の実践」を問い続けてきましたが、「元祖・遠友塾」の工藤慶一さんのお話から大きな示唆を受けました、どの時代にも制度の狭間、社会の狭間で「教育機会に恵まれない」状態は存在し、ますます増えている現実を直視して、超党派で議会に働きかけ、今の時代にあった新たな法律の制定まで持ち上げた功績は、まさに「情熱」に支えれらた30年の「実行」の賜物であることを。
<参考>
* 「教育機会確保法」成立 http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g19001034.htm
* http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG06HD5_X01C16A2CR0000/
* http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/700/263477.html
* 日本国憲法(教育関係) http://www.mext.go.jp/b_menu/kihon/about/a002.htm
* 教育基本法 http://www.mext.go.jp/b_menu/houan/an/06042712/003.htm