遠友夜学校フォーラム 2022

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 今年は3年ぶりにリアルで集まる『遠友夜学校フォーラム 2022』を北海道大学学術交流会館で開催できました。さすがに大学の施設だけあって、会場の機器操作デスク他はフォーラム用に大変使いやすく配置されていて、横田篤先生の優れたプレゼンと相俟って、大変充実した時間となり嬉しかったですね。

 近いうちに「新渡戸稲造と札幌遠友夜学校を考える会HP(http://nitobe-enyu.org/」に動画でアップされますのでご覧ください。

* これまでのフォーラム関連記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E9%81%A0%E5%8F%8B%E5%A4%9C%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%A9

 まずは冒頭に松井博和理事長の私たちの会の活動報告を含めたご挨拶でした。

 続いては横田篤先生のご講演です。北海道大学の歴史とSDGsについて、特に佐藤昌介先生のご功績と北大の礎について詳細を語られていました。その後の質疑応答では、様々な視点からの質問についても一つ一つ大変真摯にお応えになっておられて、先生のお人柄を垣間見て更に感動した次第です。

 横田篤先生は、2019年の秋山財団の財団賞を受賞されています。

* http://www.akiyama-foundation.org/news/3646.html

 また、その年の贈呈式の特別講演は松井博和先生でした。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=36642

 フォーラム終了後は、久しぶりに会場横のレストランテラスで懇親会、皆さん「久しぶりだ!」と口々におっしゃりながら楽しいひと時を過ごされていました。

 会場入り口には今回の大学の世界的受賞の広報看板も大きく掲載されていました。

 これをステップにしたこれからの活動展開が本当に楽しみですね!!!!

遠友夜学校フォーラム 2021

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 今年の(一社)新渡戸稲造と札幌遠友夜学校を考える会(http://nitobe-enyu.org/主催の『遠友夜学校フォーラム 』は、昨年予定で1年間延期になった青山淳平さんを札幌にお招きして録画を行いました(https://www.youtube.com/watch?v=_yW1yhPjv58)。新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言期間延長に伴い、今年もかでる2・7での開催を中止し、別途、事務局において安全に配慮して録画し、後日に配信しました。

 基調講演参照資料は下記URLでPDF公開しています。

http://nitobe-enyu.org/wp-content/uploads/2021/07/79501531c944f2a02857d712a3c239e6.pdf

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

道民カレッジ連携講座(教養:一般2・ジュニア1

【 第9回 新渡戸稲造と札幌遠友夜学校を考える会 記念フォーラム 】

オープニング >

札幌遠友夜学校記念館建設に向けて(経過・現状報告)

松井 博和(一般社団法人「新渡戸稲造と札幌遠友夜学校を考える会」理事長)

< 基調講演 >

新渡戸稲造と松山事件 〜警世の扁額から〜

青山 淳平 氏(作家)


< 講師プロフィール >  1949年山口県下関市に生まれる。松山商科大学(現松山大学)大学院修了。高校社会科教諭の傍ら幅広い分野をテーマに小説、評伝などを執筆、各界より高い評価を得る。第3回稲造サミット・十和田パネリスト。いわゆる「松山事件」で屈辱を味わい、苦境に追い込まれた新渡戸博士が揮毫したとされる扁額の謎に迫る「ソローキンの見た桜」原作者として第1回日本放送文化賞。

主な著書: 『海市のかなたー戦艦「陸奥」引揚げ』(中央公論新社)、『夢は大衆にありー小説・坪内寿夫』(中央公論新社)、『海にかける虹—大田中将遺児アキコの歳月』(NHK出版)、『海は語らないービハール号事件と戦犯裁判』(光人社)、『海運王・山下亀三郎』(光人社)、『明治の空〜至誠の人 新田長次郎』(燃焼社)、『小説・

修復腎移植』(本の泉社)、『それぞれの新渡戸稲造』(本の泉社)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 午後からの録画に備えて、当日は朝から秋山財団一階小ホールで機材準備・設置を始めていました。

 カメラ3台、マイク、照明もセットしての配信に向けた準備も整い、フォーラムは始まりました。

 冒頭はこの会の松井博和理事長からのご挨拶とこの間の活動経過報告。その後、例年のように副理事長の私からこの1年間の会の事業活動報告と収支報告を致しました。

 そして、いよいよ青山淳平先生の2年越しのご講演です。

 これまでの昨年を除いて毎年開催してきたこのフォーラム、今年も新渡戸稲造の晩年の社会情勢とマスメディアの姿勢について、詳細なお話を伺うことができて、あらためて新渡戸稲造の高い見識を知ることができました。

* これまでのフォーラムの記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E9%81%A0%E5%8F%8B%E5%A4%9C%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%

遠友夜学校フォーラム 2019

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 今年で第7回となった「札幌遠友夜学校フォーラム」、これまでは新渡戸稲造博士、札幌遠友夜学校の研究・足跡の披露が主体でしたが、今年は新たに、今の時代の活動に焦点を当てての開催としました。当日は記録の動画撮影もしていますので、後日、HPにアップになります、ご期待下さい。

* これまでのフォーラムの記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=+%E9%81%A0%E5%8F%8B%E5%A4%9C%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E4%BD%90%E8%97%A4%E5%85%A8%E5%BC%98

新聞記事にも掲載

新聞記事にも掲載

開場直後から参加者も続々

開場直後から参加者も続々

 今年も恒例ですが、開場直後からエンドレス画像90枚で、新渡戸稲造と札幌遠友夜学校の歴史の振り返りと、私たちの活動の足跡を紹介し、同時に音声で、夜学校校歌、「ふるさとの山に向かいて」、「時計台の鐘」の合唱も流しました。画像はすべてプリントアウトして、受付横のロビーに掲示し、多くの方々が見たり、写真を撮ったりされていました。

掲示物の熱心に

掲示物の熱心に

 代表理事の私からこの1年の事業・収支報告と記念館建設に向けての活動報告をしました。募金活動は多くの方々からのご支援は拡がっていますが、目標金額からはまだまだ遠い状態です。

冒頭の報告(篠田江里子さん撮影)

冒頭の報告(篠田江里子さん撮影)

 今年の講演は、出合佑太(北海道ベースボールアカデミー代表理事)さん、今の時代、遠友夜学校の精神での西アフリカ・ブルキナファソでの活動をご披露して頂きました。

特別講演は出合佑太さん

特別講演は出合佑太さん

ブルキナファソでの活動報告

ブルキナファソでの活動報告

 そして、今は北海道ベースボールリーグのトライアウトに向けて全力疾走です。

 続いての質疑応答では活発な意見交換がありました。教えに行ったつもりが彼らから学んだ数々の事柄と、まさに「遠友学校精神」そのものですね。

 講演後は懇親会。

和気あいあい

和気あいあい

 学校創立125周年を記念しての今年のフォーラム、さらに記念館建設に向けて、札幌市議会、札幌市、札幌市教育委員会への働き掛けも一層行っていかなくてはと決意を新たにした一日でした。

第6回 遠友夜学校フォーラム

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 毎年6月に開催し、第6回目となる今年の「札幌遠友夜学校フォーラム」は、北海道大学名誉教授の三島徳三先生のお話でした。新渡戸稲造全集に盛り込まれる言葉を引用して、現代の課題解決にも通じる解説の数々は、実に新鮮な視座からのメッセージとなっていました。

* 2016年 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=27044

* 2017年 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=30109

当日チラシ

当日チラシ

< 三島徳三先生のご講演 >

1 「日本人」の再認識

2 日本国民の道徳的覚醒

3 集団主義の決別と個人の確立

愛国心を土台とした平和主義

5 共存と寛容の思想

   * 柳宗悦「複合の美」の思想-

   * 金子みすず1903-1930の童謡詩

   * ガルブレイスの「拮抗力」概念

講師 三島徳三先生

講師 三島徳三先生

新渡戸の言

新渡戸の言

画像に含まれている可能性があるもの:1人、テキスト

画像に含まれている可能性があるもの:1人、テキスト

画像に含まれている可能性があるもの:1人、テキスト

 終了後の三島徳三先生の談です。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 「新渡戸稲造と札幌遠友夜学校を考える会」主催の6.23講演会には150名くらいの人たちが来てくれた。しかし高齢者が多く、期待していた若者や各種運動家の人たちの参加は少なかったようだ。国際人としての新渡戸や「武士道」については知っていても、その他の業績や思想についての関心はまだまだ薄いからだろう。

 だが、新渡戸の思想は、若者言葉で言えば”半端ない”、見過ごしてしまうにはあまりにももったいない。飛躍するかもしれないが、朝鮮半島や東アジア、さらには世界の平和を構築するためには、新渡戸の「共存と寛容」の思想、「ナショナリズムとインターナショナリズム」の思想こそが大事なのだ。26歳で夭折した童謡詩人・金子みすずは、新渡戸の「共存と寛容の思想」を短くうたっている。「みんなちがってみんないい」

 その他、新渡戸の著作が「現代の日本」に示唆するものは多い。グローバル化の中で失われつつある地域の自然や文化、タネなどの農業資源、それらを守る哲学として、講演では民芸運動の父・柳宗悦の「複合の美」の思想を位置づけた。脱亜入欧の福沢諭吉とちがい、新渡戸は東洋と西洋の共存、それぞれの美点を強調する、新渡戸と柳の「東と西」「右と左」の複合の思想には、明らかに共通点がある。

 「右と左」の意義と共存を説く新渡戸の思想は、米国の著名な経済学者・ガルブレイスのCountervailing Power「拮抗力」の必要性とも通底する。労働組合、消費者運動、対抗的野党の存在こそが、社会のバランスを保ち、厚生をもたらすのだ。

 いま若者はスマホから目を上げず、他人のこと、政治や社会のこと、自然の移ろいに気が付かない。だが、そういう若者の中でも、吉野源三郎の『君たちはどう生きるか』が爆発的に読まれているという。身近な友達関係から世界人類を見る、その豊かな人間性、そこに未来を託そうではないか。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 若手の参加者の感想にも注目です。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

『どう生きるか』

 昨日の6月23日(土)札幌エルプラザで新渡戸稲造と札幌遠友夜学校を考える会の記念フォーラムが行われました。講演者は北海道大学名誉教授三島徳三さん。新渡戸稲造の道徳観を中心に語っていただきました。その中で先生が若者にどうしても読んで本として吉野源三郎作『君たちはどう生きるか』この本は昭和12年の本ですが漫画化され100万部以上の大ヒット作に。ジブリの宮崎駿監督もこの本を読み、自分が映画化する!と宣言されたほど三島先生いわく、ハンパない内容とのことです。自分も近いうちに購入して読んでみようと思います。

画像に含まれている可能性があるもの:テキスト

 またこの日は日本国憲法の前文に触れる機会もありました。[われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならない]新渡戸稲造が生涯目指した太平洋の架け橋になって国際平和をもたらすこと。そして札幌市、北海道そして自分達が取り組み始めたSDGsにも通じる内容。この文は国家の部分を人や会社などの組織、自然や環境などの大きな枠組みに当てはめてもこれからの時代に必要なエッセンスになると思いました。これらの三島先生による、様々な方向からのアプローチにより新渡戸稲造と現代に示唆する事柄を色々な例を用いて詳しく説明していただき収穫多き日になりました。

 講演会終了後の懇親会にも参加させてもらい元北海道大学農学部長の松井さんや色々な先生方のお話を聞かせていただきました。その中でも秋山さんから秋に開催される栃木県益子町でのワグナーナンドールアートギャラリーに参加させてもらえる事やワグナーナンドールの奥さん和久奈ちよさんにもお会い出来る事が可能なお話もでき有り難かったです!

~~~~~~~~~~~~~~~~~

遠友夜学校フォーラム 2017

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 第5回目となる札幌遠友夜学校フォーラム、今年は、「札幌遠友塾自主夜間中学(http://enyujuku.com/index.shtml」の元代表・工藤慶一さんをお招きしました。

<これまでのフォーラム記事>

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=20282

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E9%81%A0%E5%8F%8B%E5%A4%9C%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E

画像に含まれている可能性があるもの:1人、スマイル

 開始前に会場ロビーでは私たちの会の会員が早くから準備をしました、これまでの活動の写真ほかを模造紙に貼る作業。

活動の展示準備

活動の展示準備

参加者に配布する資料一式の作成

参加者に配布する資料一式の作成

会場入り口のパネル

会場入り口のパネル

 開始30分以上前から続々とお客様、当日は140名以上のご参加でした。

開始かなり前の状態

開始かなり前の状態

 まずは、司会の会員・蔵田親義さんの開会の言葉に続いて、代表理事の私のご挨拶、続いて副会長・高橋大作さんの活動経過報告でした。

挨拶する私、蔵田親義さん、高橋大作さん

挨拶する私、蔵田親義さん、高橋大作さん

 特別講演の工藤慶一さんのお話、正確な現状認識とこれまでの28年間の活動から得た貴重な報告でした。遠友塾の卒業生の方々も多くご参加されていて、「学問より実行」を地で行く活動、今の時代、札幌遠友夜学校の理念の実践は感動的でした。

 昨年12月の「教育機会確保法」法案成立に向けたご尽力ほかのご説明から。活動は結局、日本国憲法、教育基本法にまで言及しなければ社会改革にはならない、そんな強いメッセージを受けとめました。戦後教育の原点とも言われる「教育基本法」では、やはり南原繁(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=215)を語らなければなりません、そして、新渡戸稲造もですね。私自身の中でもきっちり繋がりました。
 
 憲法二十六条に規定されている「義務教育」は、「国民」の義務なのであり、受ける対象の「保護する子女」の義務ではないのですよね、まさに基本の基本です。

* 新渡戸・南原賞 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E6%96%B0%E6%B8%A1%E6%88%B8%E3%83%BB%E5%8D%97%E5%8E%9F%E8%B3%9E

<日本国憲法>

第二十六条 すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
2 すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。

工藤慶一さん

工藤慶一さん

熟卒業生の方からもご発言!

遠友熟卒業生の方からもご発言!

 フォーラム終了後、十和田からお越しの奈良さんはじめ、会員の有志の皆さんと工藤慶一さんを囲んでの懇談会、遠友夜学校を巡って大いに盛り上がりました。

凄いメンバーが揃いました!

凄いメンバーが揃いました!

 「新渡戸稲造と札幌遠友夜学校を考える会」を立ち上げてから、「今の時代的な遠友夜学校の理念の実践」を問い続けてきましたが、「元祖・遠友塾」の工藤慶一さんのお話から大きな示唆を受けました、どの時代にも制度の狭間、社会の狭間で「教育機会に恵まれない」状態は存在し、ますます増えている現実を直視して、超党派で議会に働きかけ、今の時代にあった新たな法律の制定まで持ち上げた功績は、まさに「情熱」に支えれらた30年の「実行」の賜物であることを。

<参考>

* 「教育機会確保法」成立 http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g19001034.htm

* http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG06HD5_X01C16A2CR0000/

* http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/700/263477.html

* 日本国憲法(教育関係) http://www.mext.go.jp/b_menu/kihon/about/a002.htm

* 教育基本法 http://www.mext.go.jp/b_menu/houan/an/06042712/003.htm

遠友夜学校フォーラム 2016

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 3

 「一般社団法人 新渡戸稲造と札幌遠友夜学校を考える会(http://nitobe-enyu.org/」主催の第4回遠友夜学校フォーラムを開催しました、今年の記念講演は「新渡戸稲造・内村鑑三とその弟子達」と題して、大山綱夫先生です。近いうちに当日の動画を掲載致します。

大山綱夫先生ご講演動画――>

昨年の様子はこちら――>

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=23786

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=23653

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

<プログラム>    司会: 蔵田親義

1. 開会の言葉

2. 本会からの報告(2015年度行事・会計報告、2016年度行事予定) 副会長 高橋大作

3. 札幌遠友夜学校校歌・奨励歌演奏

歌: 北川由美子さん(元保育士・幼稚園教諭、現在はソロ・合唱で音楽活動)

アコーディオン: 石澤佳子さん(「うたごえ便(びん)よりみち」主宰)

4. 記念講演  「新渡戸稲造・内村鑑三とその弟子達」

講師: 大山綱夫先生 学校法人 北星学園理事長・内村鑑三研究家

1938年埼玉県生まれ。北海道大学文学部史学科卒、アメリカイーストウエストセンター留学。北星学園・恵泉女学園で教え、この間フルブライト基金によりアマスト大学客員研究員、同基金によりハートフォード5大学連合客員教授、のち恵泉女学園短期大学学長を歴任。NPO法人今井館教友会理事長

著書:『札幌農学校とキリスト教』(単著)、『現代を見る眼』(編著)、『プロテスタント人物史 近代日本の文化形成』(共著)他

5. 質疑応答

6. 閉会の言葉   会長 秋山孝二

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

120名の参加者で盛況

120名の参加者で盛況

大山綱夫先生のご講演

当日配布した「新渡戸稲造と札幌遠友夜学校を考える会」会報第4号に、私は挨拶文を書きました。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【はじめに】

代表理事  秋山 孝二

 私たちは、この1年間も多彩な活動を行って参りました。詳細は、「活動報告」にまとめていますが、ネットワークは少しずつ拡がりを見せ、団体・個人の会員も増えてきています。

 昨年6月に創立120周年記念作文・論文コンクール授賞式と、記念館建設に向けて新渡戸博士の人と思想、ならびに札幌遠友夜学校の教育精神に今一度思いを新たにし、理解を深めたく、第3回記念講演を開催しました。「新渡戸稲造~世界に示した紳士道」と題して、(一財)新渡戸基金常務理事の藤井茂さんにお話をして頂きました。

 次に、21世紀における「札幌遠友夜学校」の理念に基づく活動として、昨年10月に、「新渡戸稲造記念遠友みらい塾(http://enyumirai.main.jp/)」を立ち上げ、塾長に寺島実郎さんが就任し、参画する方々の自らが得意とする領域をフルに活かしながら、記念館建設に先駆けて活動することで、21世紀にふさわしい人材育成プログラムの構築を目指しています。「農業本論」読書会、ポートランドに学ぶマチづくりプロジェクト、「寺島未来塾」フォローアップ等、幾つかが既にスタートしています。

 さらに、藤田正一先生の新著『札幌遠友夜学校』を当会が発行元として増刷・販売し、広報に活用すると同時に、記念館建設資金の一助としています。

 一方、新渡戸稲造記念公園内の記念館建設用地では、昨年2回ほど草抜き・種まき、顕彰碑清掃等を行いました。今年もより多くの方々の参加で実施し、夏以降に向けては、この場で幾つかのイベントも企画しています。地域住民の方々との交流の場として、子供たちにも参加を促したいですね。

 記念館建設資金の募集は時間が掛かりますが、賛同する方々は着実に拡がっていることをご報告すると同時に、引き続きのご支援をお願い申し上げます。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

遠友夜学校フォーラム in 時計台(下)

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 フォーラムのメインイベントの講話は、北海道大学名誉教授、元北海道大学副学長、第54代北大応援団長、平成遠友夜学校創設者・校長の藤田正一先生でした。「一般社団法人 新渡戸稲造と札幌遠友夜学校を考える会(http://nitobe-enyu.org/」の理事・副会長でもあり、遠友夜学校記念館建設プロジェクトで私たちと一緒に活動をしています。

 新渡戸稲造、札幌農学校、遠友夜学校の理念を通じての思想・哲学を丁寧にご説明になり、今の北海道大学とのギャップほか、札幌市、札幌市民がこの歴史的価値を極めて粗末にしている現状に対して、鋭い視座から問題を提起されました。「歴史に学ぶ」、「歴史をつなぐ」とはどういうことか、まさに「学問ヨリ実行」の本質を受けとめた気がしています。

理念の継承

理念の継承

藤田先生のご講演より~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

< 札幌農学校の理念

* 矢内原忠雄・元東京大学総長の言葉より~~~~

 「明治の初年において、日本の大学教育には二つの大きな中心があって、一つは東京大学で、一つは札幌農学校でありました。この二つの学校が、日本の教育における国家主義と民主主義という二大思想の源流を作ったものです。」

 「・・・・日本の教育、少なくとも官学教育の二つの源流が東京と札幌から発しましたが、札幌から発したところの『人間を創る』というリベラルな教育が主流となることが出来ず、東京大学に発したところの国家主義、国体論、皇室中心主義等が、日本の教育の支配的指導理念を形成した。その極、ついに太平洋戦争を引き起こし、敗戦後、日本の教育を作り直すという段階に、今なっておりのであります。」

* 「Boys,Be Ambitious !」の本来の意味~~~~

 「金銭や私利私欲や、人が名声と呼ぶようなはかないものに対してではなく、知識や正義や人々の向上のために、そして、人としてあるべき究極の姿に到達できるよう、大志を抱け!」、「Be Gentleman !」

* 「国際性」、「平和主義」、「実証主義」、「現場主義」、「実学の重視」

< 新渡戸稲造の哲学 >

* 「人格主義教育」、「Liberal Arts」の原点

――> 「to do」 の前に 「to be」

――> 「専門センス」 より 「コモンセンス(常識・教養)」

「学問ヨリ実行」

――> 当時は立身出世のためには学問が必要であるという「学問のすゝめ」が流布されていたが、そんな功利的机上の学問よりも、徳を実行することの方が尊いという教え

< 遠友夜学校の理念 >

* 札幌農学校、新渡戸稲造の理念・哲学の実践した場としての遠友夜学校

* 50年間活動を支えた札幌の地

~ 今現在、札幌で活動している遠友関連の教育活動 ~

* 青空会(終戦直後) 山崎健作氏(遠友夜学校元生徒)

* 遠友市民大学(1972) 高倉新一郎(北大卒 遠友夜学校教師)

* 北星学園余市高校の転換(1988) 岩本孝一氏(北大卒)

* 札幌遠友塾 自主夜間中学 (1990) 工藤慶一氏(北大中退)

* フリースクール札幌自由が丘学園 (1990?) 亀貝一義氏(北大卒)

* クラーク講座(2002?) 山本玉樹氏(北大卒)

* 平成遠友夜学校(2005?) 藤田正一(北大卒)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 戦後は、その理念を継承しつつ、実に多様な活動へと発展していますが、肝心かなめの発祥の跡地「南4条東4丁目」が今の状態では、札幌市民の見識が疑われます。先月から初めて「札幌国際芸術祭」が開催されました。私は先日の「V-ネットフォーラム」でも、「この50年間札幌の地で培われた札幌オリジナルの歴史的実践を顧みずして、何が『国際芸術祭』か!」と発言致しました。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=20738

 「Art」を狭い芸術・文化に留めるのではなく、まさに「Liberal arts」として幅広く捉えての札幌発の祭典としたいものです!

遠友夜学校フォーラム in 時計台(上)

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comment: 1

 札幌青空会・遠友再興塾準備会の共催による「遠友夜学校フォーラム」が時計台ホールで、150名の満席で開催されました。

レトロなチラシが素晴らしい!

レトロなチラシが素晴らしい!

遠友夜学校の理念、「学問ヨリ実行」、高貴な遺産が札幌にありました

遠友夜学校の理念、「学問ヨリ実行」、高貴な遺産が札幌にありました

 講話は、北海道大学名誉教授、元北海道大学副学長、第54代北大応援団長、平成遠友夜学校創設者・校長の藤田正一先生です。鋭い切り口から現代への問題提起をされました。脈々と流れる遠友夜学校の理念を大変分かりやすくお話して頂き、聴衆は最後まで集中して耳を傾けていました。

藤田正一先生のご講演: 豪速球の鋭い切り口

藤田正一先生のご講演: 豪速球の鋭い切り口

参加者全員で遠友夜学校の校歌合唱!
参加者全員で遠友夜学校の校歌合唱!

「遠友夜学校校歌」の作詞は有島武郎です~~~~~~~~~~

沢なすこの世の楽しみの 楽しき極みは何なるぞ 北斗を支ふる富を得て 黄金を数へん其時か

オー 否(いな) 否 否 楽しき極みはなほあらん。

剣はきらめき弾はとび かばねは山なし血は流る 戦のちまたのいさほしを 我身にあつめし其時か

オー 否 否 否 楽しき極みはなほあらん。

黄金をちりばめ玉をしく 高どのうてなはまばゆきに のぼりて貴き位やま 世にうらやまれん其時か

オー 否 否 否 楽しき極みはなほあらん。

楽しき極みはくれはどり あやめもたへなる衣手か やしほ味よきうま酒か 柱ふとしき家くらか

オー 否 否 否 楽しき極みはなほあらん。

正義と善とに身をさゝげ 欲をば捨てて一すぢに 行くべき路を勇ましく 真心のまゝに進みなば

アー 是れ 是れ 是れ 是れこそ楽しき極みなれ。

日毎の業にいそしみて 心にさそふる雲もなく 昔の聖 今の大人うし 友とぞなしていそしまば

アー 是れ 是れ 是れ 是れこそ楽しき極みなれ。

楽しからずや天の原 そら照る星のさやけさに 月の光の貴さに 心をさらすその時の

アー 是れ 是れ 是れ 是れこそ楽しき極みなれ。

そしらばそしれつゞれせし 衣をきるともゆがみせし 家にすむとも心根の 天にも地にも恥ぢざれば

アー 是れ 是れ 是れ 是れこそ楽しき極みなれ。

衣もやがて破るべし ゑひぬる程もつかの間よ 朽ちせでやまじ家倉も 唯我心かはらめや

アー 是れ 是れ 是れ 是れこそ楽しき極みなれ。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 時計台の2階「時計台ホール」で歌われる「時計台の鐘(http://duarbo.air-nifty.com/songs/2007/08/post_b04c.html)」は「最高」、「再興」でした!