翌日は早朝から、今回の訪問の3番目の目的で新渡戸稲造の最期、息を引き取った場所・ビクトリア市の訪問です。バンクーバー市内の長距離バスステーションまでホテルから電車で向います。
バスに乗ってフェリーターミナルを経由してフェリーで1時間半、そこからビクトリア市内中心部バスターミナルまで約50分でした、合計で片道4時間くらい、快晴の天気にも恵まれたビクトリアの町は輝いていましたね。
着いてまず目指したのは、2日前にTad Suzukiさんに書いてもらったスケッチに基づいて北上し、Fort Streetに沿ってひたすら歩きました、新渡戸稲造の最期、息を引き取った「Royal Jubilee Hospital(ロイヤル・ジュビリー病院)http://www.viha.ca/locations/royal_jubilee_hospital.htm」です。
ジュビリー病院にどれくらい歩いて掛かるかは不安でしたが、スマホの地図を見ながら、最初の10分間で思う以上に距離感を掴めたのでプランに自信を持ちました、便利な時代ですね。途中、路線バスも通っていることが分かったので乗ることも考えましたが、一歩一歩噛みしめながら歩き続けたら35分くらいで病院に着きました。
病院の表・横・裏・救急病棟等、私は以前の仕事柄、日本でたくさんの病院を訪問していたので、ジュビリー病院のコンセプトはすぐに理解しました。開放系の造りで、各病棟にも極めて自由に出入りでき、病棟廊下には椅子とテーブルが優しく配置され、患者さん、ご家族の方々もくつろげる空間となっています。
奥の敷地には大規模な新館外来・病棟が構えていました。
1時間程滞在したでしょうか、あちこち覗き、ボランティアの方、受付の方に新渡戸についてお聞きしました、新しい情報はそれ程ありませんでしたが。中庭の庭園は、病院の企画としてはお金をかけていたような気がします。手術室は外観からだけでしたが本物、礼拝堂は外からと2階から中にも入れたのでゆっくり見学できました。歴史を確かに記録して、寄付者への尊敬の念も顕されています、素晴らしいですね。
庭全体の作りはUBCの理念と全く同じ。前日お会いしたUBCの庭園管理責任者・学芸主任のRyo Sugiyamaさんの説明にあったように、「軽井沢のせせらぎの音を聞きたい」を表現し、銅像の隣に滝を作って水の音を聞くことができます。さらに、ジュビリー病院の中庭の新渡戸像の隣に、看護師たちを讃える礼拝堂があるのは、その辺のストーリーを考慮してのことかもしれないと、私は病院関係者の見識を感じた次第です。
時代こそ違いますが、1933年10月15日、新渡戸稲造はこの場で手厚い看護を受けて多くの方々に見守られながら、静かに永眠されたのかと、何かパイプオルガンのレクイエムが聴こえてきそうな、厳粛なひと時となりました。
7 月 7th, 2024 at 9:05 PM
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