きたネット総会 2023

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 今年も折り返しを過ぎて7月です。先月末に『北海道市民環境ネットワーク(愛称:きたネット)(http://www.kitanet.org/』の2023年総会が、リモートで開催されました。理事は札幌の会場に集まって、画面に向かってのやり取り、今年の総会は来年の活動終結・解散に向けてのこれまでの振り返りと、大切な最後の締めくくりのスケジュールについて提案し承認を頂きました。

* これまでの活動の記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E3%81%8D%E3%81%9F%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88

 私自身振り返ると、ここの理事長を務めさせて頂き、様々な環境活動の学びをすることができました。セブンイレブン財団に支援してもらって活動していたこの団体、昨今の企業のESG投資への対応等もあり、企業方針として今年度から全国3つの中間支援団体への応援を終了することとしています。私は理事長時代に数年にわたり財団本部での会合にも参加しましたが、その時のセブンイレブンジャパンの市民活動に対する認識、財団に出向している方の考え方に対して、その都度私なりの意見を言わせて頂きましたが、結局納得のいくお話は得ることができず、日本の企業の見識の浅さ、長期的視点の無さに忸怩たる思いでした。今も私はセブンイレブンジャパンの環境市民活動に対しての姿勢には言いたいことが山ほどあり、それを伝える術さえ無いことが残念ですね、でもそれも含めてそれまでの認識と理解している現在です、残念ですね。

 とは言え、北海道の現場はしたたかです、先日の総会で理事の方々も皆さん頭を上げて前を向いておっしゃっていましたが、きたネット解散は決して終わりではなく、当初の目的は果たしたゆえの次の活動へのスタートであることは間違いないでしょう。この20数年で学んだそれぞれの会員さんは、それぞれのフィールドでこれからも一層活躍していくことを確信しています。そんな意味でも、これまでにない印象的な総会となりましたね。

新渡戸連続講座 12月 2021

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 『新渡戸連続講座』、今回は北海道大学農学研究院の松島肇先生、「海面上昇の最前線、砂浜海岸から考えるSDGs」でした。

* これまでの関連記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E6%96%B0%E6%B8%A1%E6%88%B8%E9%80%A3%E7%B6%9A%E8%AC%9B%E5%BA%A7

松井博和理事長

松井博和理事長の講師ご紹介

松島肇 先生

松島肇 先生

 松島先生の千葉の原風景!

今回も大勢の聴衆

今回も大勢の聴衆

 SDGsをESG投資の視座から分類した分かりやすい図でした。

ESG投資の深掘り!!

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 『寺島文庫リレー塾2021前期(https://www.terashima-bunko.com/bunko-project/relay.html』の第2回、総合政策学部 総合政策学部白井さゆり教授(http://www.sayurishirai.jp/)のご講演、これまでのESG投資に関する内容で最も分かり易く、ホットなお話でした。

 国際金融の大きな変化とESG投資の基本的概念、コーポレートガバナンスの原則とその変遷等、カーボンニュートラルに向けた企業経営の新しい方向性を示されていました。

 環境系からのESG投資のアプローチは何回か聞いていますが、企業・経営者サイドからの言及は新鮮で、腑に落ちるお話でした。

* これまでのESG投資の記載ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=ESG%E6%8A%95%E8%B3%87

第66回 異業種勉強会

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 枝廣淳子さん主宰の異業種勉強会、『第66回 吉高まりさんから学ぶ「ESG投資最前線」~投資家が考える、長期的に価値を生む強い企業とは(https://www.es-inc.jp/network/forum/2021/nwk_id010907.html』は、グローバルマネーの最前線のお話の数々、特に大企業ばかりでなく地域、中小企業、地方自治体等の急速な展開にも言及されて、大変有意義な時間となりました。

 講師は吉高まりさん、以前にも一度お話をこの勉強会で生で伺ったことがあります。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=31503

ゲストスピー吉高 まりさま

三菱UFJリサーチ&コンサルティング 経営企画部 副部長 プリンシパル・サステナビリティ・ストラテジスト

米国ミシガン大学環境・サステナビリティ大学院(現)科学修士。慶應義塾大学大学院政策・メディア科非常勤講師。博士(学術)。IT企業、米投資銀行などでの勤務、世界銀行グループ国際金融公社(IFC)環境技術部などへの従事を経て、2000年、三菱UFJモルガン・スタンレー証券においてクリーン・エネルギー・ファイナンス部を立ち上げた。気候変動分野を中心とした環境金融コンサルティング業務に長年従事し、政府、機関投資家、事業会社などに向けて気候変動、SDGsビジネスやESG投資の領域について調査・アドバイス・講演などを実施。20年5月より現職、三菱UFJ銀行戦略調査部、三菱UFJモルガン・スタンレー証券経営企画部を兼務。

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 投資家が企業のESGに何をポイントとして判断しているのか、投資される側である企業の視点として、企業のあるべき姿「真の持続可能な経営」をどう目指し、どう実現していけばよいのかについても濃い内容のお話でした。

 「私のお金が世界を変える」、こんなフレーズの新書も出版されています、コロナ禍を経て、お金を巡る環境も急速に変わってきています。日本の金融機関も急いで意識を変えていかなくては益々時代から取り残されていき、ひいては日本国民の不利益となってしまう危惧を抱きます。

 今回の勉強会はいつもより参加者は少なめでしたが、ブレイクアウトルームでの少人数での意見交換は大変楽しく、密度の濃い時間となりました。最後は皆さんで記念撮影、次回も楽しみです。

ESG投資の今 @ 国際金融

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 【WWF主催ウェビナー】ESG投資の新潮流セミナー~日本の産業界を見る世界の機関投資家たちの目~」は大変興味深い内容でした。

* https://www.wwf.or.jp/event/organize/4439.html#

 ESG投資の最先端の動き、今、日本の企業もやっと気が付き始めたようです。「KEIDANREN」の文字が、国際金融の世界から気候変動へのネガティブ姿勢を象徴していると認識されて、ファンドの企業群から除外されている現状を、日本の「経団連」加盟大手企業経営者はどれくらい承知しているのでしょうか。ここでも日本企業は遅れをとっているようです。薄々は感じてはいましたが、今回のプレゼンはファクトで示され大変衝撃的な内容でした。

* InfluenceMap(https://influencemap.org/

* LGIM(https://www.lgimjapan.com/

* WWF(https://www.wwf.or.jp/aboutwwf/

 秋山財団の基本財産の運用戦略においても、大変参考になるお話の数々でした。

第62回 環境異業種勉強会

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 枝廣淳子さんの異業種勉強会、今回もリモートで、「第62回 コロナ禍に考える、経済と環境の両立の実現~EUタクソノミーから学び、日本企業のチャンスにつなげるには」でした。

* これまでの関連記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E7%95%B0%E6%A5%AD%E7%A8%AE%E5%8B%89%E5%BC%B7%E4%BC%9A

 温暖化の影響が増大しつつあり、企業にとっても気候変動リスクの重要度がますます高まっています。そのような 中、欧州では、数年前から経済と環境の両立を進め、産業政策・雇用政策につなげようとする動きが活発になっています。

 その大きな動きのひとつが、2018年3月に欧州委員会で策定した、「EU サステナブルファイナンス行動計画」です。これはサステナビリティの中でも特に気候変動対策に対し、ESG投資をはじめとする資金を呼び込むための行動計画で、この中核を担っているものの一つに「タクソノミー」と呼ばれるルールがあります。

 「タクソノミー」とは、経済活動が環境的にサステナブルであるかどうかを判断するための分類体系(基準)のことで、具体的には、欧州委員会がパリ協定の達成のため、2050年に二酸化炭素ネット排出量ゼロを掲げ、必要な投資分野を定義したものです。

 欧州の精力的な動きに対し、日本政府・企業の乗り遅れ感は大変気になるところでしたので、今回、ESG投資やサステナブルファイナンス関連等、政府の委員会で座長や委員を務められている、CSRデザイン環境投資顧問株式会社の代表取締役社長・堀江隆一さんのご説明は大変分かりやすくタイムリーでした。

 以下、私の手元メモより~~~~~~~~~~~

* リーマンショックの教訓として、短期投資ではなく、長期投資としての「ESG投資」の重要性

* キーワードは、「生物多様性」と「サーキュラーエコノミー」

* EUの考え方の根底には、あるべき姿としての『2050年の脱炭素社会』がある。そこに向けたロードマップができているか否かの点で、グリーンなのか、またはトランジションなのかの判断の要素としている

* EUは「脱炭素を目指せ!」、日本は「省エネ技術の開発」になりがち、

* 今後の方策は、各ステークホルダーができることをやる、市民レベルの力の重要性

* 投資の三次元概念ーー> リスク、リターン、社会的インパクト

* ブラウンのタクソノミー策定の議論が始まっている

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 リモート形式になって益々この勉強会は加速しています、毎回、本当に今最も旬な話題を提供して頂ける講師ばかり、時代を追いかけていくのも大変ですが私たちの地域の活動にすぐに役立ちそうです。

木朝会 第362回

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 木朝会の第362回は、札幌大谷大学社会学部地域社会学科の太田稔先生のお話、「持続可能な社会から見た経営学」でした。

* 木朝会のこれまでの記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E6%9C%A8%E6%9C%9D%E4%BC%9A

講師は

講師は太田稔先生

 太田先生は、長く市民活動の現場でのご経験が豊富で、アカデミックセクターでのご活躍を期待したいですね。病院経営は、まさにコミュニティのインフラであり、「持続可能」の概念は特に経営の基軸にあるべきものなのでしょう。

「持続可能」について

「持続可能」について

 「SDGs」、「ESG投資」、「インパクト評価」等、昨今のグローバルな新しい動きについて、経営の視点から情報満載のお話でした。病院経営も社会の変化を敏感に受け止めて、時代のニーズに合った経営を求められているのでしょう。当日司会の大橋先生から、「以前、孝二さんが話をした『グリーンボンド』にも通じるものですよね」と話を振られたので、少し説明をしました、大橋先生はよく覚えていらっしゃったと思います。

< グリーンボンド関連のこれまでの記事 >

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=34107

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=36262

経済同友会全国フォーラム 2019(上)

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 今年の経済同友会(https://www.doyukai.or.jp/)全国フォーラムは第32回目を迎え、新潟市で開催されました。

 これまでの記事ーー>

* 2018 宇都宮 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=33001

* 2017 仙台(上) http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=29637

http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=29643

* 2016 岡山 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=26260

http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=26325

* 2015 金沢 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=23132

http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=23136

* 2014 静岡 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E3%81

* 2013 盛岡 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=16803

* 2012 富山 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=12630

http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=12606

* 2011 福岡  http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=8221

* 2010 高知 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=3911

* 2009 札幌 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=1272

久しぶりの新潟

久しぶりの新潟

 各分科会議長の報告では、「Society 5.0」、「オープンイノベーション」、「SDGs」、「ESG投資」、「人生100年時代」、さらには「ローカル to ローカル」のキーワードも盛り込まれ、これまで私自身が参加してきたいくつかのワークショップと近い議論も多く、大変興味深い内容でした。

会場は1,300人の経営者でいっぱい

会場は1,300人の経営者でいっぱい

分科会議長の報告

第3分科会小林いずみ議長の報告

 続いて、小林喜光代表幹事のご登壇、今年6月で代表幹事を退任されるので最後のお話となりますが、素晴らしい総括と鋭い問題提起でした。

* https://www.doyukai.or.jp/chairmansmsg/pressconf/2019/190417_1623.html

厳しい現状認識からの展望!

厳しい現状認識からの展望!

サステナブル・ブランド @ お台場(中)

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 1日目のランチセッションは、スカイプで世界三都市とのネットワーク議論でした。

三極中継セッション

ピーター D. ピーダーセンさん

 プログラムサマリーから引用~~~~~~

 2030年-2050年を見据えると、人類は複数の厳しい「生存のボトルネック」に直面し、4つの分野における「革命的なイノベーション」を起こす必要があります。「食と農業」、「水」、「サーキュラーと資源利用」、そして「エネルギー・気候変動」における「4つの革命」をどのようにして加速するかにメスを入れます。本セッションでは、オンライン会議システムを通じて、アジアおよび南米の次世代イノベータ―と直接つなぎ、2019年から始動するグローバル・イノベーション・チャレンジについて具体的に紹介します。

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4つのテーマ

4つのテーマ

コロンビアとスリランカから

コロンビアとスリランカから

プロセス

プロセス

「問題・課題」から「挑戦」へ

「問題・課題」から「挑戦」へ

 続いて、午後の最初のセッションはESG投資をはじめ、グローバルな資金のホットな話題、撮影禁止でしたので、写真はありませんが、各方面からの「今」のお話が刺激的でした。ESGレーティングほか、時代はどんどん先に進んでいく様子を垣間見ました。

<投資先をリ・デザインするESG>
【Facilitator】
* 大和総研調査本部研究主幹
河口 真理子
【Panelist】
* MSCI Inc. ESGリサーチ エグゼクティブ・ディレクター
鷹羽 美奈子
* 金融庁国際室国際室長
池田 賢志
* ロイドレジスタージャパン株式会社 取締役
冨田 秀実

続いてのセッション:

きたネットフォーラム 2018

Posted by 秋山孝二
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 「きたネットフォーラム2018(http://www.kitanet.org/event/2018/2018kitanetforum.pdf」、今年は200名を越える参加者で大盛り上がりでした。テーマは、「都市のクマとヒト」〜住民と野生動物は豊かさを分かち合えるのか?環境共生とヒグマ管理の調和的実現への挑戦〜、でした。私も午後の分科会でパネリストとして登場しました、他のパネリストのお話が大変興味深く、有意義なひと時でした。

 後日、記録の動画も――>

たくさんの専門家もご登壇

たくさんの専門家もご登壇

 まずは当日は早朝から打ち合わせ・準備でした。

エルプラザホール前で直前打ち合わせ

エルプラザホール前で直前打ち合わせ

 プログラム趣旨より~~~~~~~~~~~~~~~

 北海道の市街地にヒグマが頻繁に出没しています。生態系の頂点であるヒグマが生存することは、自然の近さ・豊かさの象徴である一方、住民や管理者が被害を受ける危険を伴います。生物多様性保全やSDGsの理念から、ヒグマは共にこの地に暮らす仲間であり、人が平和な暮らしを願うのと同様に、野生生物の将来も保証されるべき。
大都市にヒグマが生息するという、世界に類のない状況がもたらすリスクをどう管理して安全を担保していくのか、命のせめぎ合いの最前線から共生のグランドデザインを考えます。

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■■プログラム■■

基調講演1:佐藤喜和氏(酪農学園大学 農食環境学群環境共生学類教授 野生動物生態学研究室)
「札幌生まれのヒグマたち―その暮らし、日々の営み、そして人や街との距離間」
 札幌市街地近郊の森林で行ってきた野外調査の成果をもとに、札幌に生きるヒグマの生態や繁殖実態について紹介し、本フォーラムの話題提起でした。「柔軟なクマ」に対して「頑な人」、現在のクマの方がはるかに変化してきた環境に適応した姿であることを説得力のある論点から指摘されました。そして、札幌は、「ヒグマと共生する200万人都市!」として世界に誇るべきなのでは、と。

■基調講演2:前田菜穗子氏(ヒグマ学習センター)
「人とヒグマとの付き合い方・ヒグマ観の歴史的変化」
 ヒグマという生き物の生態や魅力、アイヌに学ぶヒグマとの付き合い方、現代の人とヒグマの関係と対比させながら,臨場感あふれる素晴らしいお話でした。

(12:10〜13:10 休憩)

午後
■パネルディスカッション
「生活の場,環境保全活動・環境教育の場にもヒグマが!活動への影響と共生の展望は?」
 様々な立場で北海道の自然環境と関わる方々に、昨今のヒグマ出没の影響と対応、課題などを紹介していただきました。また、どのような気構えでヒグマの存在をとらえ,活動・生活を続けていくか、行政・専門家・NPOに期待することは?などをディスカッションしました。
進行:佐藤喜和氏
パネリスト
前田菜穗子氏
早稲田宏一氏(NPO法人EnVison環境保全事務所)
山本牧氏(NPO法人もりねっと北海道 理事長)
片山綾氏(公益財団法人知床財団 公園事業係)

===情報交換会(3分科会) 北海道の環境課題===
「生物多様性」、「森林保全活用」、「環境教育」、の各分野テーマで、3つの分科会を開催します。

分科会A 生物多様性
…札幌市民はヒグマとどう付き合っていくのか?
 人口200万の大都市にヒグマなど大型の野生動物が出没する例は、世界のどこにもありません。この未知の状況、リスクに、どう対処し、新しい共生のグランドデザインをつくっていくのか。行政、施設管理者、研究者、NPOなど、最前線で問題に向き合う事例を知り、具体的な問題への対応策を探ります。

座長/長谷川理氏
運営協力/酪農学園大学環境共生学類の学生のみなさん
事例(1)札幌市のヒグマ問題、現状と対策
坂田一人氏(札幌市環境局 環境都市推進部熊対策調整担当)
事例(2)施設管理者のヒグマ対策/
今井健太氏(滝野すずらん丘陵公園滝野管理センター)
花田沙智子氏(札幌市定山渓自然の村主任指導員)
事例(3) 札幌市民は、ヒグマや野生生物との共生をどう考えているか
愛甲哲也氏(北海道大学農学研究院 准教授)
・提案とディスカッション
札幌市の現状と対策、共生グランドデザインを考える /佐藤喜和氏
コメンテータ 前田菜穂子さん・山本牧さん・早稲田宏一さん 他

■分科会B 森林保全
「市民による森づくりの成果と課題、森林関連団体の今、これから」
 きたネット会員の森林保全に関わる団体を中心に、北海道の森林保全・森づくりに関わる方にお集まりいただき、活動の現状と課題についてお話いただき、これからの活動のありかた、ネットワークの役割をディスカッションします。

座長/枝澤則行氏(ふるさと美幌の自然と語る会、きたネット副理事長)
ほか

■分科会C 環境教育
「市民活動・環境教育をSDGs的思考で、さらに広いネットワークに」
 市民活動・環境教育はもともとSDGs考え方で成り立っています。つながり思考、誰も取り残さない、一人一人の幸せを優先するといった考え方です。企業や行政などとの共通言語たり得るSDGs的な視点で、市民団体の活動を捉え直すことで、共感と新しい連携を促すネットワークをつくりだせるのでは?

座長/麻生翼氏(NPO法人森の生活理事長、きたネット理事)
登壇者/
秋山孝二氏(北海道経済同友会幹事・公益財団法人秋山記念生命科学振興財団理事長・一般財団法人札幌南高等学校林理事長)
廣瀬岳史氏(No Maps実行委員会 事務局長)
ビアンカ・フュルスト氏(NPO法人八剣山エコケータリング 代表)
佐竹輝洋氏(札幌市環境局環境都市推進部 環境計画課調査担当係長)

 それぞれの方のプレゼンは本当に興味深かったですね。私からはグローバルマネーの昨今の状況について、ESG投資等についてキーワードを紹介しました。

■伝え、拡げるために 全体情報交換会
 フォーラム参加者の交流と情報交換の場となりました。定森さんのこのプロジェクトは、秋山財団のネットワーク形成事業にも採択になっています。

* http://www.akiyama-foundation.org/history/history_09

プロジェクト名 中間支援センター等の連携を通じたNPOによる被災者支援へ
代表者 佐藤 隆(サトウ タカシ) NPO法人北海道NPOサポートセンター 事務局長
概要 道内のNPO支援センターによる、相互的な、被災者支援活動の支援ネットワークを構築することで、道内で災害が起きた際にNPOによる被災者支援活動を支援できる体制を構築する
助成期間 2018年度~2020年度

【話題提供】得意分野を活かす〜市民は自然災害の際にどんな役割を果たせるのか
定森光氏(北海道NPOサポートセンター)
【進行】内山 到(公益財団法人北海道環境財団、きたネット理事)
宮本 尚 (きたネット理事)

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 フォーラムの後は場所を移して交流会も大人数で開催できました。午前・午後・夜と一日濃密な交流は、大変有意義なひと時となりました、北海道に住む方々の見識の高さにあらためて感動しました。

朝日地球会議 2018 (下)

Posted by 秋山孝二
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 翌日のセッションは、当初登録していたものを変更しました。と言うのは、前日頂いた最新のプログラムを見ると、私の30年来の友人である箕輪睦夫さんが講演することが分かり、そちらの会場に行きました。

 この日の最初の対談は「ドーナツ経済学」で注目されているケイト・ラワースさんのプレゼンと対談でした。

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対談「ドーナツ経済学から見える世界」

 世界経済は、社会的不平等の増大と環境破壊の悪化を避けなければ立ちゆかなくなる。このことをドーナツになぞらえて警鐘を鳴らしているのがラワース氏だ。ドーナツの外円は地球環境を破壊せずに発展する経済活動の上限、内円は貧困や格差を増大させるライン。二つの円に挟まれている領域こそが、公正で持続可能な経済活動なのだという。人類はどうすればこの二つの境界線の間、ドーナツの「身」の上で暮らすことができるのか。今年日本語訳が出版された著書「ドーナツ経済学が世界を救う」の内容を軸に、われわれは何をすべきか、何ができるかをラワース氏が語る。

ゲスト

  • 経済学者、オックスフォード大学環境変化研究所 上級客員研究員 ケイト・ラワース
聞き手

  • 朝日新聞SDGsプロジェクト担当専門記者 北郷 美由紀
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ここでの私なりのキーワード

* 空港に到着して、日本では「ドーナツ」というよりも「バウムクーヘン」の方がぴったりかな、と?

* 20世紀型企業は金銭的価値が中心、21世紀型企業は地域・社会への貢献の価値へ

* これまでの経済は、着陸を考えていない飛行機

* 9つのプラネタリー・バウンダリー(外円)

* デザインの二つの原則 1) 環境再生産型(例:フェアフォン) 2) 環境再分配型(例:モイエコーヒー)

* 20世紀を振り返る――>富の集中、21世紀は分配を想定しての活動、目的を持ったテクノロジー(例:エネルギーにおける集中型からネットワーク型へ、コミュニケーションにおける分散型へ、ブロックチェーン)

* ドーナツの内側にいる人々を引き上げる活動――>各国間の関係を変える(貿易、債務、税、等)

* 21世紀型とは、個人がたくさんのアイデンティティを持つこと:「消費者」だけではないはず

* ESG投資は、見返りだけでなく将来世代のため

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 続いては昨今、日本でもやっと話題になってきているESG投資とSDGs経営についての討論でした。

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パネル討論「本格化する日本のESG投資とSDGs経営」

 長期投資をする際に、環境や社会問題、企業統治への取り組みを判断材料にするESG投資が、日本でも急速に拡大している。安定的なリターンを得るためには、ESGを無視していては立ちゆかない。このことが、欧米に遅れを取ってきた日本でもようやく浸透してきたようだ。経営戦略としてSDGsに取り組む会社も規模の大小を問わず増えている。世界や日本国内のお金のまわり方は、これからどうなっていくのか。気候変動、資源循環、ジェンダー、働き方などの問題に、金融機関や企業はどう取り組んでいくべきなのか。国内外の抱える課題と今後の展望を議論していく。

パネリスト

  • モニター デロイト ジャパンリーダー・デロイト トーマツ コンサルティング 執行役員 パートナー 藤井 剛
  • 企業年金連合会運用執行理事・チ-フインベストメントオフィサ- 濱口 大輔
  • CDP事務局ジャパンディレクター、PRI事務局ジャパンヘッド 森澤 充世
コーディネーター

  • 朝日新聞編集委員 石井 徹
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 それぞれ専門分野からのメッセージは、やっと日本でも話題になってきた感があり、面白かったですね。世の中、マスメディアでは「アベノミクス効果」とか言っていますが、「防災対策」の急務、今の株高一辺倒の政策の行き詰まりと誤りを鋭く指摘していた濱口大輔さんの発言に賛同します。早く不都合な真実を認めて目を覚まさなければ、日本の沈没は後戻りできなくなります、そんな危機感を再確認した私です。

* この1・2年、日本でもESG投資が本格的に議論されてきたーー>SDGs経営とESG投資との組み合わせ

* 日本の場合、企業のコーチとしてのステークホルダーが欧米と比較して未熟

* 今の日本の課題の最優先は「防災に対する対策」、次に「労働人口減少への対応」

* 現在の日本の国債市場は極めて異常、中央銀行保有率が76%(アメリカ11%、EU15%)ガバナンスを取り戻す時期~日本の「不都合な真実」であり、この解消に正面から向き合わなければ本来のESG投資には向かえない

* 株式投資を政策手段にしているのは日本だけ――>浮動株率はますます下がっている(安定?株主35%)

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パネル討論「がん患者と装い~アピアランス(外見)ケアの効果とは」

 2人に1人が「がん」になる今、治療しながら働いたり家事をしたりする人たちが増えている。病気になってからも続く「日常」の意義を実感した人々が「よりよく生きたい」と様々な活動を始めており、その一つに「アピアランス(外見)ケア」がある。メイクやファッションなど、もともと培ったスキルに自身の患者経験から学んだ視点を加えて、仲間を励まし情報発信する乳がんサバイバー2人に、「装い」の効果と重要性について解説してもらう。

パネリスト

コーディネーター

  • 朝日新聞文化くらし報道部記者 高橋 美佐子
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 午後からは、雰囲気が大きく変わって「がん患者と装い」です。このセッションは、当日急きょ変更して参加したのですが、お二人とも乳がん手術から立ち上がり、私にとっては大変衝撃的で、お聞き出来てよかったとおもいました。終わってから手元メモはほとんどなく、それ程3人のセッションにのめり込んでいました、素晴らしかったです。

* 「なぜ自分ががんに」と、最初はその理不尽さを受け入れ難かった

* カードゲーム「ババ抜き」でジョーカーを引いた感じ、ゲームを変えなければいつまでもジョーカー

* これまでの「病院」ではいつまでも「患者さん」のまま

* 無人島では起こり得ない様々の課題、人と人との関係の中で前向きに解決していく

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特別講演「身近な取り組みが『笑顔』とともにグローバルな広がりへ」

  • アデランス 執行役員 海外事業本部副本部長 グローバルCSR広報室担当 箕輪 睦夫
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 続いては、アデランス(株)の箕輪睦夫さんのお話、本当に素晴らしい内容でした。箕輪睦夫さんについては、これまで何回か書いています、年下ではありますが、私の尊敬する友人です。

箕輪睦夫さん――> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E7%AE%95%E8%BC%AA%E7%9D%A6%E5%A4%AB

 アデランスの取り組みは、まさに21世紀的なもので、それも本来日本企業が基本として持っていた「三方よし」の概念であること、そこから始まるプレゼンは、一人一人の命と真正面から真摯に向き合う姿を感じ取り、前のセッションとともに感動で震えました。

 最後に、塩崎涼子さんの「TOKIMEKU JAPAN(https://www.tokimeku-japan.com/」HPより引用します、新しい時代の到来を感じました、ありがとうございます!

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【幸せに生きること】

人生における小さな『トキメキ』を積み重ねること。

どんな時も『自分らしく』生をまっとうすること。

例え命の期限が決まっていたとしても、

最後まで『自分らしく』生きること。

私たちはそれが、『幸せに生きること』だと提案します。

病気で辛い治療が続いても、年をとって身体が動かなくても、

身体と頭が思うように動かなくなっても、人は、

桜が咲けば美しいと感じ、手をつなげば温かさを感じます。

心はどんな時でも、動いています。

だから、心に響く『トキメク気持ち』を届けたい。

私たちは、センスと感性。そして、本気の想い。を武器に

世界中の逆境を抱える人へ。今、この一瞬のトキメキをお届けします!

枝廣淳子異業種フォーラム 2018初回

Posted by 秋山孝二
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 環境ジャーナリストとして世界で活躍する枝廣淳子さんが主宰する「イーズ・異業種フォーラム」、第48回目「2018年・年初に考える~これからの時代をどう生き抜くのか」、今年最初は昨年に引き続き刺激的でした。

* https://www.es-inc.jp/network/forum/2018/nwk_id009325.html

 これまでの勉強会の記事ほか――> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E6%9E%9D%E5%BB%A3%E6%B7%B3%E5%AD%90

八千代エンジニアリング本社で

八千代エンジニアリング本社で

 気が付いてみると参加者の中では最高齢に近い私、時の経つのは速いものですね。

懇親会も盛り上がり

懇親会も盛り上がり

 「パリ協定」の合意から2年、脱炭素の世界的な動きから取り残され気味の日本ですが、その日本でも、少しずつ前向きの動きが出てきています、遅ればせながら、ですが。

 100%再生エネルギーを使うことを目指すグローバル企業の集まりである「RE100(https://sustainablejapan.jp/2017/02/01/re100/25334」に日本企業も参加するようになってきましたし、また、世界最大の年金基金である、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が日本株のESG指数を昨年7月に採用、約1兆円を投資したことでESG投資が一気に加速しています。同時に、ESG投資時の企業の総合評価の一つになっているSDGsにも注目が集まり、ビジネスチャンスに活かそうとする企業や地域でのうごきも活発化しています。

 私も自分のフィールドである北海道で北海道経済同友会(http://hokkaido-doyukai.jp/)の中で発言を続けるつもりです、あまりに関心が無さすぎますので。

助成財団フォーラム 2018

Posted by 秋山孝二
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 毎年この時期に、(公財)助成財団センター(http://www.jfc.or.jp/)のフォーラムが開催されます。この間、「助成財団の集い」と言っていましたが、昨年から「助成財団フォーラム」として、さらに多くの方々のご参加を促しています。私はほぼ毎年参加していて、2011年に次いで、一昨年は、30周年記念でも登壇しました。

* 2016年の様子――> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=25679

* 2011年の様子――> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=7478

HPより~~~~~

 「助成財団」にも大きなインパクトを与えた公益法人制度改革から、2018年12月には10年目を迎えます。助成財団としてはこれまで以上に感覚を研ぎ澄ませ、より広い視野で社会に貢献していくことが一層求められることとなり、当センターとしましても、これまでの助成財団関係者による「助成財団の集い」の枠を越え、助成事業にご関心のある皆さま、助成を必要としている研究者やNPOも皆さまを含めた多様な関係者が出会い、交わることが出来る場を提供する目的で、昨年度から「助成財団フォーラム」の名称のもと再出発いたしました。

~~~~~~~~ 引用おわり

 10年前、私もこんな決意表明をしていました。――> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=174

 今、読んでみても当時の決意と何も変わることがなく、ここまで歴代の理事・評議員・事務局の皆さまと愚直に理念に則って活動を続けてきた当財団を誇りに思います。決意を記録しておくのは大切ですね。

 今年のテーマは、「公益法人制度改革後の法人運営の課題と展望=期待される助成財団を目指して=」です、170名を越える参加者で盛況でした。

プログラム ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

第I部:セミナー
「新制度における公益法人の運営のポイントと留意事項=定期提出書類・立入検査の現況を踏まえて=」
講師:内閣府 公益認定等委員会事務局   局長 相馬 清貴 様
内閣府 公益認定等委員会事務局 企画官 山崎 光輝 様
第II部:フォーラム
「新制度における組織運営・事業運営を考える =より良い組織運営・事業運営の実践事例から=」
[Part1]-基調講演「信頼性を高める公益法人運営の在り方」
講師:雨宮 孝子 様 (公財)公益法人協会 理事長
[Part2]-事例報告「制度改革が組織や事業の運営にもたらした影響と課題 =実践事例から=」
太田  健さん (公財)キリン福祉財団 常務理事
片山 正夫さん (公財)セゾン文化財団 常務理事
小林 洋一さん (公財)電通育英会 専務理事
坂本 達哉さん (公財)山田科学振興財団 専務理事
進行:蓑  康久さん (公財)住友財団 常務理事
-質疑・意見交換
交流会

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 第一部は内閣府公益認定等委員会事務局からの現状を踏まえての報告。

事務局長の相馬清貴さま

事務局長の相馬清貴さま

 第二部は民間財団の皆さんのご登壇。

濃い内容のプログラム

濃い内容のプログラム

 基調講演として(公財)公益法人協会(http://www.kohokyo.or.jp/)の雨宮孝子理事長のご登壇、どう社会から信頼を勝ち取るかに関して、示唆に富むお話でした。

信頼性を高める法人運営

信頼性を高める法人運営

実践事例について分かりやすく

実践事例について分かりやすく

 後半はチャレンジングな財団法人のキーマンの皆さん。今年は特に、資産運用のお話にも突っ込んだ見解が示されました。資産の「収益率」、「リスクコントロールを効かしたポートフォリオ」、「相場観に依存しない投資手法」、「利回り3%以上を目標」等、10年を経て民間財団も新たなステージに入ってきた印象でした、これからの議論が楽しみです。

坂本さん、小林さん、片山さん、太田さん

パネラーの坂本さん、小林さん、片山さん、太田さん

 私は二つの質問をしました。一つは、内閣府の方に対して、「立ち入り検査の今後は、行政側は担当者が毎回変わる一方、財団側は指摘を受けて改善により進化していき、当初の目的ではその機能に限界が出てくるのでは」といったこと。もう一つは、「関係する事業会社と共に活動している財団は、昨今のSDGsの世界、ESG投資といったグローバルマネーの動きの中で、これまでの財団活動のかなりを事業会社が取り込もうとする動きが起きてくるのではないか」というものでした。

 いずれにせよ、他の方からの質問にも、今年はファンドレイズほか資産運用についての意見交換が多く、やっと民間財団のフォーラムらしい話題が取り上げられるようになった、というのが私の印象です。法人改革も10年を経て、少しずつ前に進んでいるのでしょうね。

枝廣淳子 & 異業種交流会

Posted by 秋山孝二
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 枝廣淳子さん主宰の異業種勉強会(http://www.es-inc.jp/network/forum/index.html)、第47回は「急拡大するESG投資――企業に迫るリスクと新たなビジネスチャンス(http://www.es-inc.jp/network/forum/2017/nwk_id009128.html」について、三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社クリーン・エネルギー・ファイナンス部主任研究員の吉高まりさんのお話でした

* 前回の様子「テーマはSDGs」 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=30859

* これまでの積み重ねはこちら――> http://www.es-inc.jp/network/forum/index.html

以下は枝廣淳子さんからのメッセージ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 先月7月3日に、世界最大の年金基金である日本の公的年金(GPIF)が、日本株のESG指数を採用し、1兆円を投資したことは、金融のみならず企業にとっても大きなニュースでした。

 欧米では当たり前であったESG投資が、年金基金などの長期的な収益向上に資する重要なツールであることがようやく日本でも認識されるようになり、一過性ではない、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)の要素に配慮した投資が、一気に加速しています。

 一方、金融システムの安定化においては、気候変動が大きなリスクであると認識されています。金融機関や金融機関が関係する事業体に対し、気候変動に関するリスクなどの情報開示の動きが強まり、フランスではすでに法律で義務化されています。

 こうしたESG投資の動きを、一部の上場企業とGPIFの資産運用に関わる金融機関だけの問題で、自社には関係がないと思われる方も多いかもしれません。しかし、ESG投資は金融機関と何らか関わりを持つ企業・団体にとって、今後直接的にせよ、間接的にせよさまざまなレベルで、本業であるビジネスに影響を与えることは間違いないといわれています。

 加速化する金融の大きなうねりに対し、企業はステークホルダーである投資家やサプライチェーン等から指摘を受けてから動くのではなく、いかにリスクに備え、同時に攻めの準備をし、チャンスに変えていくのかーー、それぞれの立場でしっかりと考えることが、真の持続可能な経営を実現する上で鍵となるでしょう。

 今回のフォーラムでは、長年、気候変動に関して金融機関で対応した経験を有し、かつ、昨今はESG投資の現場で様々なアドバイスをしている三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社の吉高まりさまから、ESG投資動向とともに現場で得た学びや気づきについてお話しをうかがいます。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 引用おわり

 秋山財団の立ち位置は、投資を受ける側ではなく、投資をする側としては唯一の参加者だったのかもしれません。基本財産の運用において、ファンド等の選択で大いに参考になるお話でした。世界金融の流れと企業のリスク認識が、世界の枠組みの変化と連動して大きく変わってきていることを改めて感じます。

 日本国内のメディア等だけに接していると、世界の流れが見えて来ない相変わらずの現状、この異業種交流会はいつも刺激的かつ先進的で腑に落ちるお話と意見交換が大変有意義です。参加企業の方々の意欲的姿勢も、日頃札幌のような地方ではなかなか出会えないもので、学びの場として大切にしていきたいですね。

 随分前に、枝廣淳子さんにこの会にお声を掛けて誘って頂き、今となっては感謝です。そう言えば、先日少しお話をした所、今年9月の枝廣淳子さんもメンバーのハンガリー・バラトングループ合宿で、ブダペスト・ゲレルトの丘にあるワグナー・ナンドールの「哲学の庭」彫像群に足を運ぶようにとの話題が出たそうです。彼女がネットで検索すると私が理事長の「ワグナー・ナンドール記念財団(http://wagnernandor.jp/」にたどり着いたとか、思わぬところで話が繋がりました。

 ワークショップ後の懇親会では、一番遠くから来ているということで、私はいつも最初の乾杯の挨拶をさせられています。先日は、「今回もコウレイにより秋山さんに最初の乾杯を!」と枝廣さんから促されたので、「高齢なので乾杯の音頭をとります」といつになく(?!)絡んでスタートしました。2時間で3回も席替えをする交流会というのも、ここだけですよね。

WS後の懇親会で

WS後の懇親会で

 いずれにせよ、私&秋山財団にとって益々大切な情報収集・交換の場となっています、これからも宜しくお願い致します。

SDGsシンポ 2017 @ 札幌

Posted by 秋山孝二
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 「持続可能な地域づくりシンポジウム~世界が憧れる札幌を目指して~」は約170名の参加を得て、SDGs(持続可能な開発目標)に対して自治体、企業がどう捉えて、どう取り組んで自らの活性化につながるのかを考えるきっかけとなりました。少しだけ残念だったのは、当日、大勢の女性の参加者がいらっしゃったのですが、パネルディスカッションでの登壇者は全員男性、昨今、ジェンダーバランスがどんな場合でも注目される中、まだまだ発展途上の状況をいみじくも発信したのでしょうね。

 そもそも、SDGsとは何なのか、まずは再確認しましょうか。2015年9月、国連本部において「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための 2030 アジェンダ」が採択されました。

* http://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/2030agenda/


 このアジェンダでは、人間、地球及び繁栄のための行動計画として、産業や健康・福祉、気候変動等の17分野に渡る目標と169のターゲットからなる「持続可能な開発目標(SDGs、Sustainable Development Goals)」が掲げられ、「誰一人取り残さない-No one will be left behind」という理念のもと、途上国だけではなく先進国や各自治体、企業、NGOなどを含めた全ての主体が関わり、達成を目指すものとされています。

 札幌市は、2018年から2030年を計画期間とする「第2次札幌市環境基本計画」の策定を進めており、この計画において環境側面からのSDGsへの貢献を位置付け、様々な主体とともにその取組を広げていこうとしています。

* 第2次札幌市環境基本計画  http://www.city.sapporo.jp/kankyo/keikaku/newkeikaku/dai2keikaku_competition.html

 今回のシンポジウムでは、SDGsの目標年となっている2030年を見据え、地域や経済、社会における様々な課題とそれに立ち向かうための取組事例を共有し、将来にわたって持続可能に発展していく地域づくりへの企業や自治体、市民団体等の関わり方と、その関わりを企業価値や地域の魅力の向上に結びつけていくためのアプローチについて考えました、いわゆる「バックキャスティング」で。

 当日の講師の資料は、こちらから閲覧できます――> http://www.city.sapporo.jp/…/event/sdgs_symposium/index.html

世界が憧れる札幌を目指して!

世界が憧れる札幌を目指して!

 プログラムは以下の通り:

< 基調講演 >

蟹江憲史先生慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授)

SDGs の意義と地域・企業等による活用の可能性

< 取組事例の紹介 >

関 正雄 氏(損保ジャパン日本興亜 CSR 室シニア アドバイザー)

企業とSDGs ~損保ジャパン日本興亜の取り組み例~

粟野 妃奈子 氏(北洋銀行 人事部 女性活躍支援室長)

女性が働きやすい企業作りへの取組

田瀬 和夫 氏(デロイトトーマツコンサルティング合同会社 CSR・SDGs 推進室長・執行役員)

北海道八雲町への提案

三井 一敏(札幌市 環境局長)

持続可能な環境都市『環境首都・札幌』の実現に向けた取組

後半は内容の濃いパネルディスカッションでした。

< パネルディスカッション >

【テーマ】  企業・大学・自治体として SDGs をどのように捉え、将来に向けて取り組むべきか

【コーディネーター】

・蟹江 憲史 氏(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 教授)

【パネリスト】

・関 正雄 氏(損保ジャパン日本興亜 CSR室 シニア アドバイザー)

・塚見 孝成 氏(北洋銀行 地域産業支援部 常務執行役員 審議役)

・田瀬 和夫 氏(デロイトトーマツコンサルティング合同会社 CSR・SDGs 推進室長・執行役員)

・名和 豊春(北海道大学 総長)

・永見 靖(環境省 総合環境政策局 民間活動支援室長/環境教育推進室長)

・秋元 克広(札幌市 市長)

後半のパネルディスカッション

後半のパネルディスカッション

札幌市の秋元市長

札幌市の秋元克広市長

北海道大学の新しい名和総長

北海道大学の新しい名和豊春総長

大学のポジショニングについて

大学のポジショニングについて

アカデミックセクターからの地球の捉え直し

アカデミックセクターからの地球の捉え直し

 田瀬和夫さんのプレゼンが私には特に興味深かったですね、「SDGsに紐づく取組みをESGの三軸で整理し直してみると、三軸の相互連関の重要性が見えてきます 」というフレーズが。SDGsへの取り組みが世界の資金(投資)に繋がってくるロジックが新鮮でした、ここにSDGsに対する企業・自治体・地域の取り組みの強い動機となるのだと確信しています。

田瀬さんのSDGsとESG投資とのリンケージ

田瀬さんのSDGsとESG投資とのリンケージ

 私なりに自分の立ち位置の振り返りをしてみると、全ては2008年の「G8洞爺湖サミット」への関わりにあると思うのです。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=54

The Earth Cafe セミナー@帯広

Posted by 秋山孝二
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 「The Earth Cafe(http://earth-cafe.jp/」の恒例の「ウィンターセミナー(兼忘年会」)が、今年も帯広で開催されました。

今年も熱心な参加者の皆さん

今年も熱心な参加者の皆さん

司会進行はかおりさん

司会進行は深谷かおりさん

 今年はキーノート・スピーカーに安宅一夫先生(酪農学園大学名誉教授)をお迎えし、昨年、40周年を迎えたアジア酪農交流会(http://asia.rakuno.org/におけるアジア地域の酪農ネットワークの構築などの話題提供に加え、いつものように参加者からのショートプレゼンテーション(15〜20分)による近況報告、問題意識や情報の共有を行いました。

安宅一夫先生

安宅一夫先生

アジア各国で活躍中

アジア各国で活躍中

 トップバッターは小泉牧場(https://www.change-agent.jp/news/archives/000093.html)の小泉浩さん、「天牧ネットワークセミナーの報告と今後の展開」でした。

このシルエットは小泉さん

このシルエットは小泉浩さん

酪農就農者の人材育成に情熱を傾け続けています!

酪農就農者の人材育成に情熱を傾け続けています!

 続いては北一ミート(株(http://www.kitaichimeat.com/)の田村健一社長、「熟成肉」から北海道スタイルに挑戦中です。

田村健一社長

田村健一社長

 次は(株)バイオマスソリューションズ(http://biosol.jp/)の藤本達也社長、このセミナーの主催(一社)The Earth Cafeの理事でもあり、以前、私も一緒にアフリカ・マラウィに行きました。

<アフリカ・マラウィ関連>

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=3570

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E3%83%9E%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%82%A3%E7%B7%A8

 休憩を挟んで、(株)ハイテックシステム(http://www.hitech-system.co.jp/company/)の酒井裕司社長、技術と事例の紹介でした、。

酒井社長

技術で挑戦!

 続いて、栗山町から「栗山町地域おこし協力隊(http://www.town.kuriyama.hokkaido.jp/docs/2015041400014/)」の金川綾華さんによる取り組み紹介。

金山さん

金山綾華さん

 さらに、Radixの会(http://www.radix-jp.org/)の高橋裕介さん、(有)環境テクシス(http://eco-techsys.com/index.html)の高橋慶さん、エンザイム(株)(http://www.enzyme.co.jp/)の鈴木一哉さんの事例報告でした。それぞれご自身のフィールでの挑戦を熱く語られました。

 閉会のご挨拶を私から。このところの私が参加したフォーラム(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=28346)で続けて話題になった「ソーシャル・インパクト投資」、「ESG投資」ほか、活動評価におけるグローバルマネーの動向を小林立明さんの記事等を引用してご紹介しました。

* http://www.worksight.jp/issues/812.html

 そしてフォーラム終了後は、こちらも恒例の大忘年会、例年を上回る盛り上がりで一次会は終了です。

沢山の方々とお話ができました!

沢山の方々とお話ができました!