「持続可能な地域づくりシンポジウム~世界が憧れる札幌を目指して~」は約170名の参加を得て、SDGs(持続可能な開発目標)に対して自治体、企業がどう捉えて、どう取り組んで自らの活性化につながるのかを考えるきっかけとなりました。少しだけ残念だったのは、当日、大勢の女性の参加者がいらっしゃったのですが、パネルディスカッションでの登壇者は全員男性、昨今、ジェンダーバランスがどんな場合でも注目される中、まだまだ発展途上の状況をいみじくも発信したのでしょうね。
そもそも、SDGsとは何なのか、まずは再確認しましょうか。2015年9月、国連本部において「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための 2030 アジェンダ」が採択されました。
* http://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/2030agenda/
このアジェンダでは、人間、地球及び繁栄のための行動計画として、産業や健康・福祉、気候変動等の17分野に渡る目標と169のターゲットからなる「持続可能な開発目標(SDGs、Sustainable Development Goals)」が掲げられ、「誰一人取り残さない-No one will be left behind」という理念のもと、途上国だけではなく先進国や各自治体、企業、NGOなどを含めた全ての主体が関わり、達成を目指すものとされています。
札幌市は、2018年から2030年を計画期間とする「第2次札幌市環境基本計画」の策定を進めており、この計画において環境側面からのSDGsへの貢献を位置付け、様々な主体とともにその取組を広げていこうとしています。
* 第2次札幌市環境基本計画 http://www.city.sapporo.jp/kankyo/keikaku/newkeikaku/dai2keikaku_competition.html
今回のシンポジウムでは、SDGsの目標年となっている2030年を見据え、地域や経済、社会における様々な課題とそれに立ち向かうための取組事例を共有し、将来にわたって持続可能に発展していく地域づくりへの企業や自治体、市民団体等の関わり方と、その関わりを企業価値や地域の魅力の向上に結びつけていくためのアプローチについて考えました、いわゆる「バックキャスティング」で。
当日の講師の資料は、こちらから閲覧できます――> http://www.city.sapporo.jp/…/event/sdgs_symposium/index.html
プログラムは以下の通り:
< 基調講演 >
蟹江憲史先生慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授)
< 取組事例の紹介 >
関 正雄 氏(損保ジャパン日本興亜 CSR 室シニア アドバイザー)
粟野 妃奈子 氏(北洋銀行 人事部 女性活躍支援室長)
田瀬 和夫 氏(デロイトトーマツコンサルティング合同会社 CSR・SDGs 推進室長・執行役員)
三井 一敏(札幌市 環境局長)
後半は内容の濃いパネルディスカッションでした。
< パネルディスカッション >
【テーマ】 企業・大学・自治体として SDGs をどのように捉え、将来に向けて取り組むべきか
【コーディネーター】
・蟹江 憲史 氏(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 教授)
【パネリスト】
・関 正雄 氏(損保ジャパン日本興亜 CSR室 シニア アドバイザー)
・塚見 孝成 氏(北洋銀行 地域産業支援部 常務執行役員 審議役)
・田瀬 和夫 氏(デロイトトーマツコンサルティング合同会社 CSR・SDGs 推進室長・執行役員)
・名和 豊春(北海道大学 総長)
・永見 靖(環境省 総合環境政策局 民間活動支援室長/環境教育推進室長)
・秋元 克広(札幌市 市長)
田瀬和夫さんのプレゼンが私には特に興味深かったですね、「SDGsに紐づく取組みをESGの三軸で整理し直してみると、三軸の相互連関の重要性が見えてきます 」というフレーズが。SDGsへの取り組みが世界の資金(投資)に繋がってくるロジックが新鮮でした、ここにSDGsに対する企業・自治体・地域の取り組みの強い動機となるのだと確信しています。
私なりに自分の立ち位置の振り返りをしてみると、全ては2008年の「G8洞爺湖サミット」への関わりにあると思うのです。