「十勝サロン」でポートランド談義

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 吹田良平さん(http://www.machizemi.com/modules/pico2/index.php?content_id=194)が、帯広市の日曜喫茶館「十勝サロン」でアメリカオレゴン州・ポートランドのまちづくりについて語りました。本来は2月8日に開催が予定されながら、東京の大雪で中止となったイベントとか。

 ポートランド市の魅力と先進的な取組みを発見し、日本に紹介した名著『GREEN Neighborhood - 米国ポートランドにみる環境先進都市のつくりかたとつかいかた』、この本が2010年に出版されて以降、ポートランドは日本で最も注目を集める海外都市の一つとなっています。この書籍の著者として、米国ポートランドの魅力、取組み、日本の地方都市への提言など分かりやすいお話でした。
 
 「マチを使いこなす、舞台にする」、「企業誘致よりも人材誘致」、「二つ以上の機能が複合する地域」、「街区は曲がる毎に変化する」、「古い建物と新しい建物の混在から新しい魅力が生まれる」、「人口が密なこと」等、キーワードが満載でした。
 
 主催者の弁として、「帯広/十勝とポートランドはほぼ同じ北緯の位置。農産物や海産物などの自然資源に恵まれるなど多くの類似性もあります。米国ポートランドの取組を学ぶことで、これから創られる『十勝スタイル(http://www.tokachistyle.jp/』を考える上での有益な示唆を得られるものと思います。」と。

吹田良平(すいた りょうへい)氏のプロフィール~~~~~~~~~~~~~

1963年生まれ。(株)アーキネティクス 代表取締役。大学卒業後、浜野総合研究所を経て現職。新生活習慣の創造が関心テーマ。商業開発、都市開発の企画策定を中心に関連する内容の出版物編集・制作も行う。主な実績に、渋谷QFRONT開発、商業開発専門誌「ZEROHOUR」編集・制作、「北仲BRICK & WHITE experience」編集・制作、「日本ショッピングセンター ハンドブック」(商業界)共著等がある。著書『GREEN Neighborhood』にて、ポートランドの都市スタイルを紹介。

田さん

吹田良平さんのお話

ご案内文から~~~~~~

「色鮮やかなストリートカー、自転車優先道路、職住混在の街並み、ファーマーズマーケット、地産地消のレストラン、オーガニックフード、朝から多くのカフェに人が集まり、地ビールや地元焙煎のコーヒーも数多く、すれ違う人と優しく微笑む会う場所、etc」米国オレゴン州の「ポートランド市」(人口約50万人)は、全米で一、二位の「最も住んでみたい都市」です。

~~~~~~~ 引用おわり

ポートランド市内中心部の再開発プロジェクト

ポートランド市内中心部の再開発プロジェクト

 一方、オレゴン州ポートランドは札幌の最初の姉妹都市としても有名です。今年は姉妹都市提携55周年の節目の年。6月・9月に大きな交流団が予定されています。

 今から30年くらい前になりますが、姉妹都市交流を一層発展する目的で当時の板垣武市長・杉岡昭子国際部長から依頼があり、経済交流促進の一環として、しばしばポートランド市を訪問し、まちづくり等の基盤づくり、推進体制等を調査・提言しました。それを受けて民間企業インターンシッププログラムの構築、「IBEC・SAPPORO」の設立等で形も創り、かなり核心を突いたものと今も自負していますが、それ以外の行政の革新分野では当時の市役所現業部門の受け止め方は限定的でした。

 昨年9月の久しぶりの訪問(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=18025)、及び今回の吹田さんのお話からその後のポートランド市内の再開発の発展ぶりを目の当たりにして、内心忸怩たるものがあります。

 講演会終了後は、近くのイタリアンレストランyoshiyuki(http://tabelog.com/hokkaido/A0111/A011101/1022872/」を貸切っての懇親会。地元の食材を活かした本格イタリアンは、「ローカルファースト」なポートランドスタイルとも重なるところもあります。西島シェフの協力を得ての特別企画でした。

講演会後の懇親会会場

講演会後の懇親会会場

 翌日、札幌に帰る電車の窓からは、十勝の春の雰囲気、いよいよ北海道も本格的に春ですね。

翌日、帯広から札幌の車窓から

翌日、帯広から札幌の車窓から

“ふじのくに日本”の新・成長戦略(4:最終)

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 静岡と言えば、徳川家康公。先日も書きましたが、来年には徳川家康公顕彰四百年記念事業として家康公四百年祭(http://www.ieyasu400.com/index.html」が企画されています。

 今回、会議の前に、市内の駿府城公園・静岡浅間神社をゆっくり散策しました。紅葉山庭園(http://www.sunpu-park.jp/)は素晴らしかったですね。

駿府城公園

駿府城公園で

紅葉山庭園

公園内の紅葉山庭園

紅葉山庭園内の滝

紅葉山庭園内の滝

東御門巽櫓(ひがしごもんたつみやぐら:http://www.sunpu-park.jp/gomon/)も良かったです。

駿府城公園東御門巽櫓

駿府城公園東御門巽櫓

 今回の全国フォーラムを振り返ってみると、やはり「成長戦略」を再度考え直すきっかけになりました。新聞等で見られる「成長戦略」、言い換えると今のアベノミクスでいう「成長戦略」は、実体経済の中での「実行計画」が欠如しています。企業で言えば、上滑りで出来の悪い経営企画部が、ただ上から目線の「戦略」を語るだけの状態。今、地方に根差した企業が将来を展望する「戦略」は、まるで別物であることを再確認しました。

 フォーラムの翌週、外資系金融機関の方で、永くお付き合いしている方と意見交換する場がありました。国際金融からみた「日本の成長戦略」、結局は「高株価維持」だけだったのでは?と。アメリカ経済の低迷、ヨーロッパのソブリン危機によって、一時的に「円」、「日本株」にお金が入っては来たものの、結局、ヨーロッパが落ち着き、アメリカの実体経済が勢いをつけてくれば、円はただ売られていくだけの市場だった、日本市場自体に魅力があったというよりも一時避難場所、残念ながら国際金融の大きなうねりの中では、ローカルでエスニックなマーケットに過ぎないことを確認することになっていく、まあ、こんなところでしょうか。それにしても、この間の円安傾向の中で、大幅な売り越しは日本の機関投資家を中心とした日本人です。実体経済の回復努力なしでただひたすら円安だけを享受している日本国、滅びの国へまっしぐらです。

 地方から今の日本を見ていると、そんな実態をつぶさに理解できるので、さらに現在のこの国の政治・経済の指導者たちが情けなく思えるのです。国の政策に期待できない現状では、地域で生きる私たちは、まさに地域の資源をよりどころにして、外部からお金を持ってきて地域内循環を促す活動、実体経済の強化なのでしょうね。今の北海道には、そのポテンシャルは十分にあると私は思います。その気になれるかどうか、これがポイントです。

 静岡で城址公園を散策し、札幌・帯広の往復、そして折からアメリカ合衆国バラク・オバマ大統領来日の喧噪の東京を歩き、私なりの「成長戦略」を再確認した4月中旬でした。

日本発「戦略的CSR」@箕輪睦夫

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 今からもう30年以上前に、アメリカ合衆国ハワイ州にある「JAIMS(http://www.jaims.jp/」で出会った箕輪睦夫さん、ご自身で設立した経営コンサルタント会社20数年を経て、(株)アデランス(http://www.aderans.com/)に入社し、ヨーロッパ、アメリカで改革の前線で奮闘し、現在、「CSRプロジェクト部長」としてグローバルにご活躍です。「CSR:Corporate Social Responsibility(企業の社会的責任http://kotobank.jp/word/CSR」は、日本ではしばしば「社会貢献」と混同されていますが、本来の「CSR」の意味について学び直す目的で以前から札幌にお招きしたいと思っていました。

 今回、超ご多忙の中、私が講義をしている札幌学院大学「経営組織論」の第13回講義に講師として、その日の夜には、「愛生舘サロン公開講演」として、「日本型戦略的CSR」について示唆に富むお話をして頂きました。アメリカの「コンプライアンス重点型」でも、ヨーロッパの「メセナ・環境型」でもない、まさに営業の高いモチベーションをベースに、事業と一体化した日本発の「戦略型CSR」のお話に、昼の学生たちも、夜の経営者たちも、息をのみ感動のひと時でした。激動の社内・社外マネジメント環境を力強く生き抜いてきた一人の「本物のホンモノ」として、私も尊敬しています。

30年来の友人、箕輪睦夫さんのご講演 in 愛生舘サロン

30年来の友人、箕輪睦夫さんのご講演 in 愛生舘サロン

営業部隊と一体となった「日本型CSR」

営業部隊と一体となった「日本型CSR」

 これまでの「CSR」の概念と大きく違うことは、彼自身、本社に身は置くものの、あくまでも「CSRプロジェクト」部長という立場に拘るごとく、その活動は経営トップの理解の下、常に営業本部長を筆頭とする営業部隊とのコラボレーションにあることです。コアビジネス活動それ自体、すなわち「企業成長」の中に健全で永続的なCSRがある、言い換えると「事業と一体化したCSR」ですね。そして、この活動が、グローバルに展開する企業を「つなぐ」基本概念・理念になる、その着眼が素晴らしいと思うのです。コア事業に付随する活動とか、利益が出ているから社会貢献、ではないのです。そして、この視点が明確であるからこそ、「社会的責任投資:SRI(http://www.sifjapan.org/sri/」という概念にも通じてくるのでしょう。今年7月の目加田説子さんのご講演(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=17210)でも、SRIについての言及がありました。

 (株)アデランスのCSRの詳細は、是非、HPのこのページをご覧頂きたいと思います(http://www.aderans.com/csr/)。

この日私は、早朝に帯広から札幌にJRで戻りましたが、途中の景色が折からの新雪で輝いていました。占冠駅近くで思わず車窓からパチリと、充実した毎日の人との出会いに、一層華を添えてくれた感じがして嬉しかったですね。

今年の年末はいつもにも増して忙しいのですが、清々しい人々との出会いで締めくくれそうで嬉しいです。

あまりの美しさなので!帯広・札幌間の車窓から、敢えて逆光で

あまりの美しさなので!帯広・札幌間の車窓から、敢えて逆光で

「アースカフェ・プロジェクト」 in 帯広

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 「The Earth Cafe Project(http://earth-cafe.jp/」のミーティングと交流会が帯広で開催されました。事例発表では愛知県からのご参加ほか多彩な話題で、一つ一つが大変興味深いプレゼンでした。

 アースカフェについてはこれまでいろいろ書いてきました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%83%95%E3%82%A7)。

<今年(2013年)のショートプレゼンテーション >
鈴木 善人:一般社団法人 The Earth Cafe について
高橋  慶:物質循環の視点から考える食品リサイクルの意義
金丸 大輔:栗山町への農業新規参入(個人、企業問わず)
相内 大吾:マラウィでの活動紹介(メイズバンク構想)
中山 俊彦:やわらか知財論 ~アイデアの種の見つけ方、育て方~
松田 直也:岩見沢農業高校のSSHについて
湯浅 優子:スロービジネスについて
長岡 淳一:第一次産業にこそデザインを!
加藤 知愛:Policy & Market Laboratory

愛知県からのご参加

愛知県からのご参加: 高橋慶さん

栗山町の金丸さん栗山町の金丸大輔さん
アフリカ・マラウィ―の実践・帯畜大の相内先生

アフリカ・マラウィ―の実践・帯畜大の相内大吾先生

加藤さん

Policy & Market Laboratory 加藤知愛さん

60人を越える交流会

60人を越える交流会

 今年、数多くの会合に出席しましたが、経済団体等の会合と比べて、一人一人のフィールドが地に着いているという意味では一番の集まりだったかと思いますね。大豆、豚肉、玉ねぎ、一つ一つに物語があって、「今日、これを持参しました」みたいなお話の連続、1年間の努力の結晶なのに気負うことなく実に自然な語り口で披露する姿に、とてつもないプロの「力」を感じました。60数名の交流会参加者が、それぞれに隣の方々と話し始めると、もう大変です。私も両隣・向いとの会話も聞こえないので次第に大きな声になってきて、翌日の朝はのどが痛くなっていました。

 「農産物を生産している担い手の迫力」というか、日本という国は、政策の貧困にもめげずに、個々の人々の力はとてつもないものがあると再認識したひと時でした。「地に着いた」とよく言いますが、まさに「土を耕す」、「自らの立ち位置からの発信・活動」が、そしてそういった人々のプラットホームから生まれる新たな「価値」、今のような転換期には最も重要なのでしょう、1年の終わりとして貴重な場となりました、皆さん、ありがとうございました。

市民エネチェン研究会 in 遠軽

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 オホーツク・遠軽町(http://engaru.jp/)で、再生可能エネルギーのフォーラム、北海道スタイル 市民エネチェン研究会 第4回 in 遠軽が開催されました。第一回札幌、第二回帯広の様子は下記の通りです、第三回目は道東・別海町でした。

* 札幌~http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=15906

* 帯広~http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=15991

 今回は、「オホーツク自然エネルギー・プラットホーム(Ohrep:https://www.facebook.com/OkhotskEnergy」と「きたネット(http://www.kitanet.org/」との共催でした。参加者は、町内だけでなく、湧別町、興部町、網走市からも来られて、主催者側も含めて18名が集まりました。第一部は映画「シェーナウの想い:http://www.geocities.jp/naturalenergysociety/eiganaiyou.html」の上映、第二部は二つの事例報告と出席者との意見交換でした。映画は、今年3月、グリーンファンドの会合でも見る機会がありました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=16177)、まさに市民の力にエネルギーを取り戻した実例ですね。

会場ロビーの案内板

会場ロビーの案内板

「Ohrep」の活動趣旨も

「Ohrep」の活動趣旨も

地元・遠軽町の取り組みの説明

地元・遠軽町の取り組みの説明

遠軽町の特徴は、「白滝小水力発電所」の存在でしょう。

* 遠軽町ホームページ「白滝水力発電所

http://engaru.jp/engaru/03kikaku/sin-energy/sirataki-suiryokuhatudensho.html

* 遠軽町白滝水力発電所 (北海道紋別郡遠軽町)220キロワット

http://j-water.sub.jp/database/detail.php?no=241

* 遠軽町白滝水力発電所条例

http://60.32.156.37/reiki/reiki_honbun/r266RG00000758.html

 オホーツク自然エネルギー・プラットホーム(Ohrep:https://www.facebook.com/OkhotskEnergyの松田正弘代表は、ご自身が高校まで育ったこの土地で、多様な再生可能エネルギー事業を起業し、地域の活性化と自立に夢を託しています。先日もオホーツク紋別空港までお出迎えをして頂き、フォーラム終了後は、札幌までに4時間の道のりを札幌まで送って頂きました。道中、これからの活動でもコラボ出来る部分での協力を約束致しました。

 ポテンシャルとしての可能性をどう見える形の事業にしていくか、まさに地元の力が試されているのでしょうね。今後ともこの遠軽に軸を据えて、松田さんたちは活動し続けるそうです、また新たな再生可能エネルギーの種が蒔かれました。

第5回 畑ミーティング in 栗山

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 北海道・栗山町のブランド健康玉ねぎ「さらさらレッド:http://sarasara-red.com/」の畑ミーティング、昨年は、第10回アースカフェ(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=13917)として初めて参加しましたが、今年はさらに午前・午後の二部制で、参加者も100名を超え、内容の濃いプログラムでした。

あと3週間で出荷!

あと3週間で出荷!

 今年は、同時開催で初の試みとして、「さらさらレッド」の普及を目指して、収穫から調理、盛り付け、配達まで一人でこなして料理の出来栄えを競う「玉ねぎトライアスロン」も企画され、実行委員長の地元・小林酒造(http://www.kitanonishiki.com/)の小林清志専務は、スタートから表彰式まで大活躍でした。33名の料理審査員の一人として投票もしましたが、玉ねぎ・さらさらレッドの幅広い材料としての「ちから」を、あらためて感じました。

第一回トライアスロン

第一回玉ねぎトライアスロン~特産玉ねぎの鉄人レース、まずは収穫でスタート

 午前の部は、新企画、「玉ねぎ圃場の土壌断面調査会」です。帯広畜産大学の谷昌幸・准教授が玉ねぎ畑横を掘り、土壌断面を観察する大変ユニークな試みでした。深さ1.5メートルの断面が発する多くの歴史とメッセージ、それを一つ一つ丁寧に「解読」、「解説」する谷先生のプロフェッショナルな姿、暑さも忘れるほど吸い込まれるお話で素晴らしかったです。畑をまさに「三次元」で受け止めたひと時でした。

帯広畜産大学・谷先生の土壌学講座

帯広畜産大学・谷先生の土壌学講座

谷先生とは、3年前にアフリカ・マラウィ―でのプロジェクトに同行させて頂きました。

http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E3%83%9E%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%82%A3

 午後からは「さらさらレッドの食育勉強会」です。講師は、デリカ・フーズ(http://www.delica.co.jp/)の丹羽真清(ますみ)社長と植物育種研究所(http://ikushu.com/)の岡本大作社長です。

実行委員会吉田委員長

実行委員会吉田委員長

トライアスロン企画責任者の小林さん

トライアスロン企画責任者の小林清志さん

岡本大作社長

岡本大作社長

 玉ねぎをはじめとする「野菜」のもつ栄養、健康増進効果について、「科学的」な数値の裏付けのある分かりやすい説明でした。

 座学の後に、昨年も見学した岡本大作社長の育種研究所と圃場見学もありました、基本的な部分は昨年かなり学んでいましたが、昨今、巷で語られている「自給率」とか「安全性」とかを越えた、「種」への強い「こだわり」、この分野で世界的にも注目されている岡本社長の熱弁は、大変説得力があり、栗山町だけでなく、北海道、日本の宝だと思いました。

 今回のミーティング、「結局は、」と皆さんが結論でおっしゃることに、一本軸が通っていたような気がします。その土地、その品種の固有の力を認識してどう高めていくか、まさに究極の「固有の命の尊厳」みたいな、私にはそう聞こえてきました。

 何はともあれ、素晴らしい一日でした、ありがとうございました。

エネチェン研究会、十勝でも

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 先月札幌で初回を開催した「エネルギーチェンジ研究会:http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=15906」、第2回は帯広で行いました、当日は道東・道北が大あらしの中、熱心な事例発表と意見交換が行われました。

 事例発表の最初は、「(株)エコERC:http://www.ecoerc.com/の為廣社長です。昨年、「アースカフェ・プロジェクト:http://earth-cafe.jp/」で会社を訪問して、この欄にも書きました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=13373)。

エコERC 為廣社長

エコERC 為廣社長

  二つ目の事例は、「三菱電機プラントエンジニアリング(株)(http://www.mpec.co.jp/)」の谷中康人さんによる「小水力発電装置」です。

三菱電機プラントエンジニアリング(株) 谷中康人さん

三菱電機プラントエンジニアリング(株) 谷中康人さん

小水力発電装置の実例
小水力発電装置の実例

三番目は、「更別村(http://www.sarabetsu.jp/)役場」の小野寺達弥さんによる「太陽光発電設備」です。

更別村役場 小野寺達弥さん

更別村役場 小野寺達弥さん

更別浄化センターの太陽光発電設備

更別浄化センターの太陽光発電設備

 市民の取り組みも幾つか紹介されて、短時間で実のある意見交換ができました。太陽光発電設備については、「大規模:メガ」に対する環境的視点からの疑問、地元にどの程度の貢献が見込まれるのか、設備の耐用年数及びその処理等、注意深い交渉と検証の必要性も提起されました。

 小水力では、水の権利関係の精査、機械自体の価格と投資回収等、初期の取り組みの難しさも指摘されました。

 バイオディーゼルについては既存の法律のしばり、縦割り行政の壁等、前提となる国レベルの環境整備によるところが多いような印象もありました。日本国内での本気度がためされているような。

 今回はマスメディアの方もご出席になり、あとは地元金融機関とエネルギー供給会社の方々がご参加頂けるようになると、もっと意見交換も厚みが出て来るのでしょう、これからの課題です。いずれにせよ、それぞれの地域の貴重な取り組み、毎回新しい発見があるので新鮮です。

市民のエネチェン研究会、スタート

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  「第一回 北海道スタイル 市民のエネルギーチェンジ研究会」を、札幌市資料館(http://www.s-shiryokan.jp/aboutus.htm)会議室で開催しました。

開催翌日(2月21日)北海道新聞朝刊第四社会面に記事が掲載

開催翌日(2月21日)北海道新聞朝刊第四社会面に記事が掲載

  会場となった札幌市資料館2階会議室には、歴史を伝える暖炉があり、天井も高く、窓から眺められる雪と木々の調和は素晴らしいものがありました。

2階会議室正面にある暖炉:存在感抜群!

2階会議室正面にある暖炉:存在感抜群!

 「エネルギーチェンジ100プロジェクト(http://www.enechan100.com/)」は、一昨年スタートし、昨年には「ロードマップ」を策定して、各方面でその説明を繰り返して参りました。詳細はこちらでも:

Facebookページ https://www.facebook.com/enechan100

Twitter  https://twitter.com/#!/enechan100

 今年はさらに一歩進めて、すでに再生可能エネルギーへのシフトを実践されている担い手の市民・企業・地域等の生の声を出し合って、再生可能エネルギーシフトへの条例(http://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/kke/johrei/johrei.htm)を持つ北海道民としてのこれからの取り組みを共有し、成功モデルの構築、各方面への提言、イノベイティブな実践へと進化させていきたいと思っています。先日の会議では、大変貴重なお話が幾つも提起されました。一つ一つの事例を迅速に公開し、価値を共有して参ります。3月3日には帯広で開催、その後も全道各地でその土地固有の資源を活用したそれぞれ地元密着の取り組みを共有出来ればと思っています、いよいよ始まりましたよ、現場からの「エネチェン100」の動きが!!

  これまでこの欄で、私は随分エネルギーについて書いてきました。「エネルギー」で検索すると、こんなになります(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E3%82%A8%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC)。
   

前田一歩園財団 贈呈式 2011

Posted by 秋山孝二
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  阿寒湖畔で広大な敷地を管理する前田一歩園財団(http://www.ippoen.or.jp/)の今年度の表彰式が開催されました。恒例の「前田一歩園賞」に加えて、昨年から始まった「一歩園ジュニア自然環境賞」の表彰でした。

 少し早めに会場に着くと、小さな子供たちが歓声をあげているではありませんか、すごく良かったです!今年度の受賞は以下の通りです。

「前田一歩園賞」は、旭川市の「突哨山と身近な自然を考える会:http://genki365.net/gnka07/mypage/mypage_group_info.php?gid=G0000023」(出羽寛代表)、帯広市の「エゾリスの会:http://d.hatena.ne.jp/noken/」(堀之内清志代表)。「考える会」はカタクリの群生地として知られる旭川の突哨山の保全活動が評価され、「エゾリスの会」は自然観察会や動植物の調査に取り組んできた業績が認められました。

 小中学生を中心とした団体を対象とした「一歩園ジュニア自然環境賞」には、札幌市の「西岡ヤンマ団:http://www.sapporo-park.or.jp/blog_nishioka/?cat=9」(浅川昭一郎代表)と留萌管内羽幌町の「北海道海鳥センタージュニアレンジャー:http://seabirds.exblog.jp/i5」(石郷岡卓哉代表)。

前田三郎理事長が贈呈

前田三郎理事長が贈呈

ジュニア賞・受賞の子供たち

ジュニア賞・受賞の子供たち

 受賞後のご挨拶、それぞれの方々、永年の活動のご苦労が読み取れて感動しました。特に、「ジュニア賞」の創設はいいですね、究極の「若手」ですから。

 秋山財団と前田一歩園財団さんとは、これまで様々な交流があり、この欄にも何回か掲載しました。

http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=1580

http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=9140

http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=9393

http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=9405

 北海道における財団法人の草分けのような前田一歩園財団さん、これまでのご活躍に、心から敬意を表します。前田三郎理事長はじめ、関係の皆さまの引き続きのごご活躍を祈念しています!山本さん、来年もご一緒に報告会をやりましょうね、今年やった会場が狭くて申し訳ありません、私の判断間違いでした、来年はもっと広い場所でね!

HOKKAIDO PUMPKIN

Posted by 秋山孝二
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 持つべきは友・ネットワーク、実に有り難いです!

 10月13日のこの欄(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=10448)に書いた「HOKKAIDO PUMPKIN」について、札幌に戻って(株)リープス(http://www.leaps.jp/)の鈴木善人社長に聞いてみようと思っていた矢先、札幌市営地下鉄・大通駅でばったりお会いしました。早速動いてくれて、以下がその返事です。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~引用 はじまり

「Hokkaido Pumpkin」 について気になってすぐに調べました。

 もともとヨーロッパではカボチャをあまり食べないらしく、カボチャといえば、ハロウィーンでよく見かけるデカいカボチャ(飼料用)だったそうです。7~8年前から、甘い食用のカボチャが出まわるようになり、それが「Hokkaido Pumpkin」 と言われているのではないかということです。これらは北海道から輸出されているという実績は聞いたことがありません。重量野菜で欧州まで持って行って価格的に合うようなものではないとの専門筋の見解です。

 帯広の中藪さん(http://nakayabu.com/?page_id=8)がカボチャを作っています。この話をしたら、以前、ヨーロッパにカボチャをお土産に持って行って、食べさせたらすごく喜んでいたといいます。中藪さんは来週から東欧とドイツに行くのでリサーチしてくると言ってました。

 考えてみたら、今は当たり前でも少し前には一般的じゃなかった野菜は結構あります。ブロッコリーやズッキーニ、パプリカなどは、僕が子供の頃はありませんでした。ドイツでの「Hokkaido Pumpkin」 もそんな感じで普及したのではないでしょうか?なぜ「Hokkaido」なのかについては、たいへん興味深いです。北海道が日本の生産量のおよそ45%を占めて、ダントツ一位だからでしょうか。(日本の総生産量は21.5万トン)

 Google で「Hokkaido Pumpkin」 を画像検索するとたくさん出てきます。でも、我々が普段、見慣れているカボチャとはちょっと違います。

http://www.google.co.jp/search?q=Hokkaido+Pumpkin&hl=ja&prmd=imvnse&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ei=84WhTtj8C8n4mAXEm-SfCQ&ved=0CCMQsAQ&biw=1030&bih=584

 カボチャには健康機能性が豊富です。冬至カボチャは風邪防止といいますが、カボチャの種にも機能性があるようです。煮てもおいしいし、スィーツにしてもおいしい。そして北海道が大産地。何かできないか考えてみたいと思います。

鈴木 善人 Yoshihito SUZUKI 
-  技術士(農業部門)
株式会社リープス   http://leaps.jp/
株式会社スマートサポート http://la-classy.net/
The Earth Cafe Project    http://earth-cafe.jp/

【Office】
 〒060-0061札幌市中央区南1条西5丁目7番地
 愛生舘ビル 6F スマートサポート内
 電話:  011-206-1462 / FAX:  011-206-1463

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~引用 おわり

初日終了後の1300人のパーティ:何とこんなメニューもありましたよ!
初日終了後の1300人のパーティ:何とこんなメニューもありましたよ!

 先日のハノーバーでのパーティ、パンプキンスープを巡って一気に北海道との距離が縮まりました!

十勝・個性派のチャレンジ!!

Posted by 秋山孝二
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  「アースカフェ・プロジェクト:http://earth-cafe.jp/」を主宰する、(株)リープス(http://www.facebook.com/Leaps.inc)・鈴木善人社長のお誘いがあって、帯広一泊の「アースカフェ・スペシャル(?)」に参加しました。

 まずは、十勝清水の高台から豪快に十勝平野を一望、感動のパノラマでした。遥か地平線に目をやり、それから近くを見るとたくさんの乳牛が豆粒のようですが放牧されています。こんな広い空は、昨年3月の南アフリカ・ケープタウン以来でしょうか(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=3570)。

十勝清水の展望台から帯広方面を望む

十勝清水の展望台から帯広方面・地平線を望む

酪農王国:牧草を食む乳牛

酪農王国:牧草を食む乳牛

 そこから東京の「北城塾」ご一行様と待ち合わせ予定場所、清水町の「十勝千年の森(Millennium Forest):http://www.tmf.jp/about.phpに移動しました。北城塾については、塾のキーマン・Maxさんのブログから拝借します(http://ameblo.jp/max24da/entry-10806568893.html)。

 この「北城塾」塾長の北城恪太郎さんは、現在、日本アイ・ビー・エム(株)最高顧問で、経済同友会・前代表幹事、私はIBM常務時代からご指導を頂いていて、経済同友会のフォーラム等でもお世話になっていました。「イノベーション」に関する企業経営者としての見識で、北城さん以上の方にお会いしたことがありません。

 今回、帯広ご出身の柏尾哲哉(http://www.tokachi.co.jp/feature/200910/20091027-0003148.phphttp://ja-jp.facebook.com/people/Tetsuya-Kashio/100002375492392)さんから鈴木社長に連絡があり、私も一部このプログラムに参加することになりました。メンバーの方々とご挨拶しましたが、皆さんお若く、第一線のビジネスパーソン、吸収力豊かで前向きな雰囲気が素晴らしかったですね。

 訪問先も実に個性的で「濃厚!」な方々ばかり、自らリスクを取って果敢に挑んでいる、そんな姿に感動しました。まずは、「中藪農園:http://nakayabu.com/?page_id=8」の中藪(なかやぶ)俊秀社長です。ジャガイモの品種へのこだわりと挑戦に気迫を感じました。

「中藪農園」のカボチャ畑で

「中藪農園」のカボチャ畑で

  次は、「北海道ホープランド:http://www.hopeland.jp/」の妹尾(せのお)英美社長、河川敷を活用しての「放牧豚」、「えぞ豚」の商標も登録に挑戦中とのこと。あの年齢(失礼!)で、湧き出るようなアイディアとヴェトナム・モルドバの海外展開等の実践力、源泉は何なんでしょうか、ただただ圧倒されるバイタリティです。

ホープランド・放牧豚

北海道ホープランド・えぞ豚(放牧豚)

 北城塾長から国の農業政策に対しても意見を求められていましたが、お二人とも明解なコメントで、これまでのご自分の実践に基づき、国際社会の中での自らの農業の立ち位置をしっかり認識されていました。土地の特性によって多様な日本の農業の現実に対して、一律な国レベルの政策ということ自体にすでに無理がある、そんな感じもしました。「十勝農業」と言っても多様であることに留意しなければなりません。これが「農業支援」とか「あるべき日本の農業」とか、軽率な現状認識に基づいて政策を決めては間違えますね。エネルギーも全く同じですが、食、それを支える農業のあり方について、もっともっと幅広い「生活者」の議論が必要なのだと思います、消費者とか素人とか言わないでですね、自分たちの問題ですから。

 その他に、たくさんの気づき、話題がありましたが、映像の説得力にはかないません、鈴木善人社長撮影のフォトアルバムに代えさせてもらいます。https://picasaweb.google.com/leaps.inc/WlIfgF?authuser=0&authkey=Gv1sRgCJ2q2cqP5Ov3ZA&feat=directlink

 突き抜けるような、いっぱいの青空と地平線を目の当たりにして、体の中を清流が通り抜けていく、久しぶりの透明感です!

2財団のコラボ報告会、濃く、熱く!

Posted by 秋山孝二
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 先日開催の「秋山財団・前田一歩園財団の2011助成事業活動報告会」、初めての試みでしたが、参加17団体が、濃く熱く、5時間近く活動を報告されました。

 前田一歩園財団(http://www.ippoen.or.jp/)は、北海道でも草分けの財団法人であり、現・理事長の前田三郎さまは、秋山財団(http://www.akiyama-foundation.org/)の創設時から評議員を16年間、最初の2年間は議長としてご指導・ご支援を頂きました。「コラボ報告会」の企画をこの間話し合ってきましたが、やっと実現できました。今回の録画をインターネット上【Ustream】でご覧になれます。「北海道市民環境ネットワーク:http://www.kitanet.org/index.html」のお力を頂きました、ありがとうございます!Twitterでの参加も多く、ソーシャル・メディアを使った新しい時代の「つながり」ですね。

●録画file「合同報告会_前半:http://www.ustream.tv/recorded/15626818
1.「サイエンス新企画:http://sshinkikaku.sblo.jp/
2.「飛んでけ!車いす:http://tondeke.org/
3.「北海道スローフードフレンズ帯広:http://www.slowfood-friends.org/
4.「野幌森クラブ:http://www.geocities.jp/mori_club2007/nopporo
5.「CОМらっど:http://happytown.orahoo.com/comrade/
6.「特定非営利活動法人レター・ポスト・フレンド相談ネットワーク:http://www7a.biglobe.ne.jp/~retapost/
7.「リバーネット21ながぬま:http://www.love-earth-hokkaido.jp/modules/lemap/index.php?lid=84
8.「NPО法人めむの杜:http://blog.memunomori.net/
9.「イザベラ・バードの道を辿る会:http://www.decnet.or.jp/whatsnew/101101_isabella_bird.pdf

●録画file「合同報告会_後半:http://www.ustream.tv/recorded/15629405
10.「NPO法人エトピリカ基金:http://www.geocities.jp/etopirika_fund/
11.「旭川障がい者文化スポーツ振興支援会:http://ahssa.info/
12.「旭川LD親の会ぷりずむ:http://genki365.net/gnka07/mypage/mypage_group_info.php?gid=G0000118
13.「釧路昆虫同好会:http://nee.kus.hokkyodai.ac.jp/kkd/
14.「強制連行・強制労働犠牲者を考える北海道フォーラム:http://www.asajino.net/
15.「北海道自然史研究会:http://www.cho.co.jp/natural-h/
16.「エコビレッジライフ体験塾:http://ecovillage.greenwebs.net/
17.「特定非営利活動法人アルテピアッツァ:http://www.artepiazza.jp/

 冒頭のあいさつで、私は「NPOとNPO」の情報共有によるコラボ、お金のやり取りを越えた「助成財団とNPO」のパートナーとしてのコラボ、への期待を語ったつもりです。これまでは、秋山財団内部での報告会でしたが、今回の場合は、更に発展形で幅が広がり、いずれの活動も日々の情熱が感じられて、あっという間の時間でした。それぞれ今後の課題も明確、フィールドに根差した確かな活動の証を見ることができました、「人の営み」に心を揺さぶられます。早速この場でのつながりが出来て、今後の活動に役立てる方々もいらっしゃったようです。

 

 今6月の札幌、大通公園では子どもたちが戯れ、「復興食堂」も出現したイベント、花フェスタ、農業高校のガーデニングコンテスト等、街なかでも盛りたくさんの企画です。

札幌大通公園西八丁目で

札幌大通公園西8丁目で

「復興食堂」も出現のイベント

「復興食堂」も出現のイベント:西7丁目

道内農業高校のコンテスト

道内農業高校のコンテスト:西3丁目

この世代の幸せのために!

Posted by 秋山孝二
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 相変わらずの政治の無策・不毛、立法府としての国会の使命を自ら放棄する議員たち、従来型の無自覚なマスメディア、ただ権力・権益にこびる多くの研究者たち、しかしながら、このような現実をただ憤り、或いは傍観している市民ばかりでは無いことを私は知っています。 

<6月22日追記> 秋山財団で、市民活動助成・ネットワーク形成事業助成の選考委員を担って頂いている帯広の湯浅優子さんからメールがあり、5月の緊急シンポジウム報告も記載されています(http://www.slowfood-friends.org/

 4月5日のこの欄(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=8079)で引用したように、「すべては『子ども』の為に」をあらためて感じている昨今で、勿論ここで言う「子ども」は、自分の子ども・孫のみならず、世代の象徴としての意味合いです。

2050年、42歳のこの子たちのために

2050年、42歳のこの子たち

今、生まれた命のために

19日朝に生まれた「いのち」

 ジッと見つめる無垢な眼差し、3・11の晩、仕事場から数時間も都内を歩き続けた妊婦から今、この世に生まれた命の叫びに思いを馳せながら、この子たちの世代に、多大な国の負債、放射線汚染物質をつけ回さない努力、それは戦後日本を生きた我々の世代の責任なのだと思います。「個人の尊厳」、「自由」と言っていたものはただの安っぽい「私生活主義」だったのではないか、そば打ちと旅行三昧の定年後の生活で本当にいいのか、1960年代後半・70年代に主張したメッセージを今どう考えるのか、与えられ恵まれた環境をただ消費してきた世代!等、若い世代からの厳しい問いかけに応えなければなりません。

 先日テレビ出演していた、「地雷廃絶日本キャンペーン:http://www.jcbl-ngo.org/」の運営委員でもある中央大学の目加田説子(もとこ)教授が、今回の原発事故を「放射能公害」とズバリ指摘していました。「水俣」と酷似する構図から、私たちは事故検証、責任追及、被災者救済、今後の方向転換等、多大な犠牲から学んだ解決策をできるだけ迅速に提起する必要があります。今、その立場にいる、いないにかかわらず、自分にできることを自分のフィールドで実践し続ける、あらためてそう心に決めています。

 大変月並みな表現なのですが、、「すべては『子ども』の為に」なのでしょうね!!

面白いですね、地元演劇界は

Posted by 秋山孝二
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 北海道舞台塾(http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/dbs/butaijuku/)公演「ぐるぐる、しない:http://www.haf.jp/butaijuku/」は、大変面白かったですね。演出・脚本・出演の納谷真大(なや・まさとも)さんは、以前から注目していますが、この3年間の貴重な経験を生かして、一層飛躍をして貰いたいです。

北海道舞台塾公演「ぐるぐる、しない」チラシ

北海道舞台塾公演「ぐるぐる、しない」

  毎年、事務局を担う北海道文化財団(http://haf.jp/)では、「北の舞台塾」公演もコーディネートして、昨年の札幌劇場祭(http://www.s-artstage.com/2010/category/tgr/)には、以下の三つが参加しました。

* 釧路市から、劇団北芸(http://www.geocities.jp/hokugei_nori/hokugei.top.index.html)の「この道はいつか来た道:作/ 別役実、演出/ 加藤直樹」

* 帯広市から、おびひろ市民ミュージカル(通称:obiカル:http://www.obical.com/Top.html)の 「ミュージカル さようなら、スパッツァカミーノ!原作/『黒い兄弟』(1941年 作/ リザ・テツナー)脚色/ 山本和彦(obiカル)演出/ 黒田勝史(obiカル)」

* 大空町から、町民舞台東藻琴の「薄荷物語-軌道が走っていた頃:作・演出/ 松岡義和」

 特に劇団北芸の芝居は完成度が高く、実に味わいの深い舞台で素晴らしかったです、一昨年の韓国公演でも高い評価を得ました。

 一方、日本の戯曲をしっかり舞台にのせるシリーズを、との企画で「じゃぱどら!!」が始まりました。今回は「地区大会」と銘打って、先日は井上ひさし作・西脇秀之演出・劇団回帰線(http://web.me.com/kaikisen/Top/KaikisenWeb/KaikisenWeb.html)「国語事件殺人辞典」が上演されて、来月には岸田國士(くにお)作・清水友陽演出・WATER33-39(http://water33-39.com/)「犬は鎖に繋ぐべからず」が予定されています。

「日本の戯曲:ジャパニーズ・ドラマ」シリーズのはじまりです!

「日本の戯曲:ジャパニーズ・ドラマ」シリーズのはじまりです!

来年この「1JAPADORA(?)紙幣」持参すると何かのサービスがあるそうです

来年この「1JAPADORA紙幣?」を持参すると、何かのサービスがあるそうです、ホントかな?

 言葉を縦横無尽に駆使して芝居にしてしまう、そんな勢いを感じます。観客としては、後半部にその膨大な言葉を追いかける疲労感も出てきたのですが、タイミング良く織り込まれる役者のアドリブで、ホッと一息つける場面もありました。日本語の原作はセリフに奥行きがあり、演技と相まってひと味違う面白さがあります、今後に期待したいですね。

映画「海炭市叙景」

Posted by 秋山孝二
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 映画「海炭市叙景:http://www.kaitanshi.com/」が、今、シアター・キノ(http://theaterkino.net/)で上映中です。

チラシより

チラシより

シアターキノのロビーで

シアターキノのロビーで

  1990年に命を絶った函館市出身の小説家・佐藤泰志の原作(http://www2.ttcn.ne.jp/~crane/index.html)を、「海炭市」のモデルになった函館市の市民によって企画・協力、帯広出身の熊切和嘉が監督となり、映画が出来上がりました。佐藤泰志の短編18の中から5つを選び、脚本の宇治田隆史とモザイクを組み合わせるように、「海炭市」とそこに生きる人々の姿を、ドック、海、路面電車、雪等、故郷・函館を背景として、切ない人間模様で描き出しています。

 「函館で市民参加の映画」と聞き、私は真っ先に元(株)秋山愛生舘・函館支店の萩原清さんを思い浮かべました。今から30年ほど前に、私が入社して間もなく全道の支店を研修で訪問していた時、函館支店の配送業務で大変お世話になった方です。初対面では、どう見ても企業の社員とは思えず(失礼!どこかの「組」の方みたいでした)少々躊躇していましたが、お話をするうちに実に人間味あふれる人柄に、すっかりとりつかれました。

 ある時、萩原さんが、映画「飢餓海峡:http://homepage2.nifty.com/e-tedukuri/kigakaikyo.htm」で、市民から選ばれたエキストラとして出演したとの話を聞き、その後ずっと心に残っていました。今回、函館を舞台にした映画で、市民も出演すると聞き期待して観に行ったのですが、何と、やはり出演していたのですよ!ガス販売会社の事務室で、堂々たる存在感でした、少なくともあがた森魚よりは。そして最後のクレジットで「萩原清」の名前もはっきり記載されていました、嬉しかったですね。

~~~~~~~追加の部分:12月29日~~~~~~~~

その後、この映画上映に関係した方とたまたまお会いしてこぼれ話を聞くと、今回プロの役者たちは、意図して「プロ的演技を抑えた」とか。市民役者たちとのコラボレイトを最優先した監督の意思だそうです。映画づくりも奥が深いのですね。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~おわり

 映画の楽しみ方は、人それぞれなのでしょう。今回は、どこにでもある市民の日常生活の中に、言い知れない苦悩を垣間見る気がしました。

シアター・キノでは、今日から6日間、話題作「ZERO:9/11の虚構(http://zero.9-11.jp/)」が上映されますね、これも観に行かなくては・・・・。

「日本の魅力:My Japan」ほか

Posted by 秋山孝二
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 最近の日本・日本人を巡る話題を二つ:

 先日、朝のNHKニュースで紹介されていた動画サイト「日本の魅力・My Japan:http://my-jpn.com/」が面白い。日本の学生を中心に25人の大学生スタッフで運営されていて、5ヶ国語に翻訳されてアップされています。

 特に、「CM部門予備審査通過作品50品一覧(http://my-jpn.com/vote/section.php?id=finalcm)」は、日本で育ち、暮らしている人々には「当たり前」の日常ですが、実は世界的に見れば「驚き」の光景なのでしょう。海外旅行をすると、外国の危なさ・不便さを痛感する昨今だったり、日本の若い世代の旅行者が、宿泊ホテルの条件として「ウォッシュレット」を挙げるとか、その辺の理由に、日本国内の行き過ぎた安全・便利さ・快適さがあるのかも・・・・。このサイトは素朴に日本の良さを、面白く分かりやすく映像と解説で表現しています。

 最近感じるのですが、日本の若者たちが昔より大変礼儀正しくなっているような気がします。劇場等での座席に着く時に、「この席、空いていますか」と殆どの若者が聞いてきます。道を歩いていてすれ違いざまにぶつかった時、「あっ、失礼」とかなりの若者が言います。豊かな日本で育った良さもあるのですよね。ただ、新千歳空港からのJR北海道で札幌に帰る時、進行方向が変わるにも関らず、あてがいぶちの座席に従順に座るその姿に、何かたまらないひ弱さも感じてしまいます。9月の中国旅行の後遺症ではありませんが、世界にのして活躍していくには、もっともっと野生が必要なのだとも思うのですが。

 もう一つは10日程前でしたか、10数年間ベトナムに住んでいた商社マンも含めた朝食会の席、久しぶりに日本に戻ってきての第一声、「いつから日本人はこんなに偉くなったのか!!」と、皮肉を込めての辛口コメントでした。アジア諸国への日本のODA(Official Development Assistance:政府開発援助)を現場で肌での感想でした。

 ODAはご承知の通り、政府や関係機関が、発展途上国の経済発展・福祉向上などを目的に提供する資金や技術援助のことです。外務省(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/index.html)や国際協力事業団(JICA:http://www.jica.go.jp/oda/index.html)、国際協力銀行(JBIC:http://www.jbic.go.jp/ja/)などが実施し、日本は世界第1位のODA供与国でしたが、この所、減額となって順位を下げています。またその内容が国際協力・環境NGOからは、プロジェクトが現地の実状に合わず、住民や環境にプラスに働かない事例や、債務負担などの弊害が指摘されています。

 先日の永く商社マンで現地の方々と仕事をした経験でも、どうも日本の援助は、「教えてやる」、「授ける」と言った臭いが無くならず、「何様だと思っているのか!」と批判が多いようです。ペシャワール会中村医師(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=4289)のように「共に汗を流す」とか、「共に創る」というパートナーシップが欠如しているのでしょうね。地元住民の目線からの支援になり得ていない、本物ではない実体、多額の支援をしておきながら、「官」による、すなわち「税金」による海外援助は実にモッタイナイ現状です。民間に同じ金額を委託されれば、恐らく10倍くらいの効果を上げることは出来るでしょう。

 この傾向は、企業にも言えるようです。アジア・アフリカを市場と認識すれば、商品販売においては、自ずからそれぞれの地域のニーズに合った色・形・仕様でなければ受け入れられません。日本の商品は、欧米志向で、韓国・中国の企業に比べて、大胆に現地に合わせる努力が欠けているとの指摘があります。それも裏を返せば、「日本ではこれが常識」、「これ以下には質は落とせない」といった高上がりのスペック、思い上がりと受け取られる場面が多いようです。

 先日の朝食会でのお話を聞いていて、私は今年3月に行ったアフリカ旅行を思い出しました。「現地住民の目線に立って」ということが、どういう活動なのか、私は帯広畜産大学の先生達から教わった気がします。「自立の促進」、「地域文化・ライフスタイルの尊重」、なのでしょうか。現地でのそういった活動基盤は、自国・日本の文化・芸術への造詣の深さと敬意だと思います。

「地域連携」、帯畜大の更なる挑戦!

Posted by 秋山孝二
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 先月、アフリカ・マラウィ共和国で技術支援活動を展開されていた帯広畜産大学http://www.obihiro.ac.jp/のグループと、私たち「アース・カフェ」グループ4人とのフォローアップの意見交換を地元で行いました。

帯広畜産大学キャンパスのマスターデザインプラン

帯広畜産大学キャンパスのマスターデザインプラン

  キャンパス内に入ったのは私は初めてでしたが、正門からキャンパス全体がリニューアルの最中でした。若い方々が「マスターデザイン・プラン」を作成して、それに基づきキャンパスデザイン、校舎のリニューアル、建物内の斬新なリストラ等、随所に自然との共生、地域との協働みたいなメッセージも受け止め、新しい時代に向かう槌音を感じました。

校舎の正面玄関奥の展示空間

校舎の正面玄関奥の展示空間

 今回の技術支援活動は、JICAのプログラムでも新しい「草の根技術協力事業」の中で、「草の根パートナー型」ですhttp://www.jica.go.jp/partner/kusanone/country/malawi.html。その趣旨は、開発途上国の人々の生活改善・生計向上に直接役立つ分野で、草の根レベルのきめ細やかな活動、地域住民の生活に直接役立つ事業が対象とされて、例としては次のような多様な分野での事業が挙げられます。

*コミュニティ開発(農・山・漁村等の開発を含む)

*社会的弱者支援(高齢者・障害者・児童・女性・難民等支援等)

*ジェンダー平等推進(法識字教育、女性に対する暴力防止・対応支援等)

*保健医療(地域保健、母子保健、公衆衛生、栄養改善、プライマリヘルスケア、リプロダクティブヘルス、HIV/AIDS等)

*所得向上支援(伝統産業振興、住民組織化等)

*人材育成(教員養成、識字教育、ノンフォーマル教育、初等教育環境改善、職業訓練等)

*自然資源の持続的利用(荒廃地回復、森林・水産資源管理等)

 また、「草の根技術協力事業」では、人を介した「技術協力」であること、開発途上国の人々の生活改善・生計向上に直接役立つ保健や教育といった基礎的な生活分野であること、日本の市民に対して国際協力への理解・参加を促す機会となること、の3点が特に重視されるようです。

  今回担ったグループとの意見交換では、最初の1年間の実績に基づいた今後の方向性についても説明受けました。その中で、極めて基礎的な面積の概念、質量・容積の概念等、教育分野への言及も多くあり、同時に技術支援する担い手の「課題抽出」と「解決策の構築」への能力も問われるようです。私も気がつきましたが、考えてみるとこう言った視点は、何もアフリカ諸国への技術支援活動ばかりではなく、ごく身近な「地域との連携」でも全く同じですね。帯畜大では、この4月からそうした機能を一層充実する為に、これまでの「地域共同研究センター」を、「地域連携推進センター」と名称変更してリ・スタートです。

 マラウィの現地で伝統的に存在感を示す「Traditional Authority(T.A.):トラディショナル・オーソリティ」(昔から地域にいる「酋長:しゅうちょう」とでもいうのでしょうか)を上手に活用し、村人への技術指導の定着を図る等、2年目以降の展望も期待したいですね。同時に、JICA職員には、支援を担う現場の方々の声を常に聴いて、一連のプログラムのアセスメントを行って、プログラム自体の進化への試みを仕事として頂きたいとも思います。貴重な国民の税金を、有意義な支援活動に使われることを切望致します。

 現場からは実に多様な、そして貴重なメッセージが、たくさん発信されていました。

アフリカの余韻に身を任せ・・・

Posted by 秋山孝二
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忘れられない笑顔

忘れられない笑顔

 わずか2週間程前のアフリカ行きが、何かもう随分前のような気もします。帰国後ゆっくり振り返りを、と思っていましたが、現実の厳しさがそれを許してくれません。葬儀、溜まった仕事の整理、課題への急ぐ対応等、首都圏へも行ったりきたりの毎日です。3月中は、まだまとめ切れていない思い出と手元にある写真を見ながら、その余韻に浸りたい気持ですね。

 書き留め忘れていた幾つかのことです。

1) 南アフリカと言えば、私は世界初の心臓移植手術を最初に思い出します。1967年12月3日、ケープタウンで クリスチャン・バーナード教授によって行われましたが、今回ケープタウン訪問の際に、ガイドさんがその病院を教えてくれました。日本では札幌医科大学で和田寿郎教授の執刀が最初でしたが、その後大きな議論となりました。次に浮かぶのはネルソン・マンデラ氏の名前です。ついこの間、この欄で「Invictus:インビクタスhttp://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=3298」として紹介しました。30年近くの牢獄生活の後、大統領に就任し、5年間執務した建物もテーブルマウンテンから見ました。

2) 「ウォッシュレットは日本人を弱くした?」: 数年前のトヨタ財団の贈呈式で、「おむつなし育児」プロジェクト(http://www.toyotafound.or.jp/00topics/topics02/2009-0826-1552-1.html)代表の津田塾大学国際関係学部・三砂ちづる教授のお言葉、「最近の若者は、ウォシュレットで促されて便意をもよおすそうだ。そんなひ弱な若者ばかりで日本の将来は大丈夫?」と。一方旅行会社のある方が、「最近旅行プランの中、宿泊ホテルのリクエストで、ウォッシュレット設備をあげる日本の若者がかなり多い」、とおっしゃっていました。生まれたときからそういった環境で育った人間は、恐らく出口の粘膜がかなり弱くなっているのでは?との意見に、今回の旅行を通じて説得力を感じましたが・・・・。昔、トイレ、というよりは厠(かわや)・便所の方が雰囲気が出ていますが、寒い空間で、そこに置いてあった厚めの紙を手でもんで使っていた時代が長く続いていました。

3) 世代の着眼点の違いが新鮮: 飛行機に乗り込む時、空港搭乗口を通過してすぐに私たちのグループの若者が、「今の係の女性は魅力的!」と言うではありませんか。私などは搭乗券の半券ばかりを眺めて通過しているのに、やはり若者は女性に視線を集中するあたり、「着眼点の違い?」をあらためて感じましたね、自分もいつの間にか年を取ったとのか、とも。同様に、情報に対しての感度も勉強になりました。Twitterを使っての「ささやき方」、とても私には真似が出来ません。今回一緒の一人が、往路のキャセイ・パシフィック航空チェックインカウンターで長く待たされている時のクレームのささやきに対して、即座に会社からお詫びのメッセージがTwitterを通してアップされていたとか。企業の顧客への対応が、ここまで来ている「今」の時代をリアルに感じました。しばらく私は「無口なおじさん」でいくしかないですね、とてもこのテンポについていけません。

4) フィールドを持っていることの価値: 同じ現場に立ち会っていても、普段のフィールドが違うとそこから読み取るメッセージも多様で、面白いですね。一人だとただの待ち時間になるようなひと時、空港内チェックイン・カウンター、搭乗待合室、食事中、全ての時間での意見交換が一つの現場を数倍の価値として自分には感じられました。今回は「アース・カフェ」仲間という軸で繋がり、多様なフィールドで活動する皆さんとご一緒で、本当に貴重な体験となり感謝です。

5) ガイドの言葉・眼差し: ケープタウンでのガイドはアラブ系の地元生まれの男性でしたが、「アパルトヘイト」を語る眼差しが真剣でした。彼らは白人とは差別された「カラード」として、マチの中では住む場所が強制的に分けられ、場所によってはつい最近まで鉄条網で囲われていた所も車窓から見ましたし、運転手等の日給も未だに大きく違うようです。

6) 「MAIZE:メイズ」: イギリスではトウモロコシを 「maize 」と呼び、穀物全般を指して「 corn」 と言うようです。マラウィ―はイギリスの植民地だったので、現地では「メイズ」でした。長く英語を勉強していながら、初めて聞くことも多いです。

7) 香港からヨハネスバーグの13時間の飛行中、赤道付近のかなりの揺れ: ジャンボジェットの後部座席だったからかもしれませんが、長時間の巡航中、揺れっ放しでした。特に赤道付近と思われる時間帯は、ストーンと落ちるような揺れこそありませんでしたが、通常のヨーロッパ線のロシア上空、アメリカ線の太平洋上空では経験の無い、上下左右の連続的「揺れ」でした。気流の状態が違うのでしょうか。私の国際線での最も大きな揺れは、忘れもしません25年くらい前の冬、アメリカ・シアトル行きのノースウエスト機でした。発達した低気圧の中を通過中に、ゴーゴーと大きな音を立てて機体が上下左右に揺れ、ある瞬間ストーンと落ちました。手にしていたコップのビールが上に飛び出して、隣の女性のスカートにかかったではありませんか。離陸して間もなくで、その後も全身冷や汗でびっしょりだったことを今でも忘れません。「恐怖」というよりも、「非日常」体験後の風呂上がり状態といいましょうか、不思議な感動(?)を覚えました。

8) 復路の香港国際空港で、中国語のニュースを見ていて驚きました。今年の第82回アカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞を「ザ・コーヴ:http://thecove-2010.com/」が受賞したそうです。ニュースでは日本の青い海が、イルカの真っ赤な血で染まっていく場面が繰り返し放映されていました。実はその時は何の話か分からなかったのですが、日本に帰ってきてオスカーのことだと知ったのです。日本の地元は、世界にきっちり発信しているのでしょうかね。

 

プランタイア空港に来ていた見学の子供たち

プランタイア空港に来ていた見学の子供たち

帯広畜産大学の現地実験農場

帯広畜産大学の現地実験農場

スコールですぐに道が川に

スコールですぐに道が川に

 肝心の農業技術支援については、帯広畜産大学の先生達も戻られたでしょうし、今後も引き続き意見交換をしようと思っています。私たちはマラウィ―から何を学ぶべきか、どういう活動をこの北海道ですることが支援に繋がるのか等を含めてですね。まだまだ尽きないアフリカ体験ですが、取り敢えずこの辺でアップに致します。

旅を終えて、思うこと

Posted by 秋山孝二
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 ケープタウンから20時間以上飛行機を乗り継いで、昨晩遅く札幌の自宅に戻りました。今回のこの旅行では、帯広畜産大学マラウィ・プロジェクトチーム、小疇(こあぜ)浩先生、手塚雅文先生、河合正人先生、谷昌幸先生、現地コーディネーターの大山美砂子先生、教育研究部の牧孝幸さん、高橋真紀さんとお二人の学生さん、JICAマラウィ事務所の齊藤大輔さんには大変お世話になりました。

 そして同行ツアーのアースカフェ・チームとして旅行に参加した、(株)リープスの鈴木善人社長http://www.leaps.jp/、オグデザインオフィスの小椋代表http://tetsuya4444.com/(株)バイオマスソリューションの藤本達也社長http://twitter.com/tatsuya_fmにも多くのことを教えていただき、心から感謝致します。 

左から鈴木さん、小椋さん、私、藤本さん

ケープポイント近くで、左から鈴木さん、小椋さん、私、藤本さん

  良き仲間に恵まれたというか、各人のブログを見ても分かる通り、みなそれぞれ独自の立場から今回のアフリカをコメントしていて、自分にとっても大変勉強になりました。プランタイヤ最後の夕食で、18人の中で私が最年長参加者だと初めて知った時は、少々衝撃でしたね。10数年前まではどこの集まりでも「最年少」参加者だったのにーー。役回りで参加したのではなく、それぞれご自分のフィールドでの課題と興味をお持ちだったので、食事の時、待合時間での意見交換が本当に面白かったです、すべて出来ない理由の言い合いではなく前向きの話でした。

 ほんの一例としては、「出口(EXIT)戦略の重要性」。これは経営の話ではなく、食べ物の話であることを身をもって体験した方がいます。要するに口にした時に辛いとか辛くないばかりではなく、それ以上に出るときに刺激が自らの体が受け止られる範囲かどうかを予め考えることが大切という意味です(文字にすると大変難しく感じられますが・・・)。

 これからのそれぞれの活動に実に沢山のヒントを得ました。これまで「アースカフェ:http://www.akiyama-foundation.org/network/tema04.html」で、活動を積み重ねてきたその中から、いよいよネットワーク形成へのステージへと進化・発展する気配です。要するに結論を言えば、あらゆる活動は「担い手の育成」につきるのです。 

 もう一つだけ旅行中に感じたことを書き留めておきます、日本という国の「地盤沈下」。

 私が1971年に北アメリカ大陸を一人旅をしていた当時、日本は「エコノミックアニマル」と揶揄されて、ラジオ・カメラ等優れた商品を世界で販売しているけれど、まだまだ国際社会では2流扱いでした。それが80年代にエズラ・ヴォーゲル先生の「ジャパン・アズ・ナンバーワン」が世に出されてから一躍世界舞台にのし上がり、GDP世界2位として自他ともに上りつめていきました。

 今回札幌からマラウィまでの道のり、新千歳・羽田・成田・香港・ヨハネスバーグ・マラウィ(プランタイル)・ケープタウンの各空港の機能・設備を体感しても、日本国内の顧客不在は余りにも明らかでした。そして活動の担い手としても圧倒的中国人(中国語圏の人々)、英語圏としてのインド人等、アジアの中の日本人の存在の薄さを痛感します。そんな思いの私にとっては、やっと辿り着いた喜望峰に建つ「各都市への距離表示」はダメ押しでしたね。日本の都市が一つも入っていませんでした。「いや、地盤沈下ではなくもともとなかったのではないか」との指摘もあるかもしれませんが、そうだとしても日本の存在感の無さは否めません。

各都市までの距離表示

各都市までの距離表示

 最近、企業でも大学でも、海外で活躍したいという人材が減ってきていると聞いています。商社等でも今の若い世代は外国に行きたがらないというではありませんか。これから人口が減っていく日本社会、何とかこの辺で存在感の向上を、軍事力ではない国際貢献・安全保障として、食・農分野、環境分野で果たすことこそ「成長戦略」だと信じて疑いません。

マラウィ編(6)、支援活動に感動!

Posted by 秋山孝二
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 マラウィでの帯広畜産大学チームの技術支援活動(http://www.obihiro.ac.jp/project/intcollabo/index.html)とほんのひと時同行して、大変密度の濃いメッセージの数々を受け取りました。昨日午後プランタイヤ空港から週2回の便で南アフリカ・ヨハネスバーグを経由して、夜ケープタウンに到着しました。それぞれ2時間程度のフライトです。

 現場感覚と言えば、高さと関係する気温・湿度とは別に、赤道に近いことを痛感するのは太陽の角度でしょうか。

ほぼ真上からの昼時の太陽

ほぼ真上からの昼時の太陽

 

 空港では限られた本数の飛行機便を見学に、多くの地元の人たちが時間前から空港バルコニーにやってきています。これも懐かしいですね、幼い時、千歳空港で当時のアメリカ軍千歳基地(クマベース)MPの門番からパスを貰って空港ビルに行ったこと、少し時代が過ぎて羽田空港でDC8機を初めて見た感動等、飛行機・飛行場の思い出も尽きないです。着陸する飛行機から降りて来る人たちへの興味、離陸する飛行機に子供心に託す「夢」に似た高揚感、昨日空港に来ていた子供たちも、私と同じような思いだったのかも知れません。

2階バルコニーで、この後更にたくさんの地元の人であふれました

2階バルコニーで、この後更にたくさんの地元の人であふれました

 

 日本の大学の国際貢献の現場を、今回つぶさに自分の目で見ることが出来ました。気負うことなく、しかしながら本当に感動する先生・学生達の情熱に、地元の人たち、地域に向ける眼差しの重要性を感じました。今の日本から見ると毎日の通勤等、生活を始め何かとご苦労も多い中、しっかり地域に根差した継続的活動をされている今回の帯広畜産大学の皆さんのご活躍を祈念しています。北海道で再会して、もっともっとお話を伺い、何か地に着いたプロジェクトを起こしていきたいですね。

 この度は大変お世話になりました、心から感謝致します。