前田一歩園財団の理念と実践(2)

Posted By 秋山孝二
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 二日目は、財団の新井田利光常務理事、西田力博部長、酒井賢一係長のご説明で、阿寒湖北「一歩園・湖北の森」でのワークショップでした。パンケトーから阿寒湖に流れるイベシベツ川を上ってパンケトー畔まで、ポイントポイントで解説を聴き、針広混交林・倒木更新・萌芽更新等の森林樹木編、湿地、キノコ類、川の生態等、あらためて森の多様性と奥深さに圧倒されました。

阿寒湖近くの川面

阿寒湖近くの川面

パンケトウから阿寒湖への急流で

川真珠の群生

川真珠貝がびっしり

パンケトウ湖畔から山並みを臨む(背景の雄阿寒岳は霧の中)

パンケトー湖畔から山並みを臨む(背景の雄阿寒岳は霧の中)

 管理山林は、全域が阿寒国立公園に包含されていて、水源かん養保安林、風致保安林など保安林指定にもなっています。さらに、鳥獣保護区の指定を受けているので、自然環境の保全には特段の配慮が欠かせないとのこと。財団では前田一歩園財団 “森づくり 6カ条”を打ち立てて、森づくり活動を行っています。

第一条 一度に大面積にわたり一斉に木を切らない――>皆伐を行わない

第二条 300年前の姿に戻す――>山全体で針葉樹と広葉樹の割合を70:30とする

第三条 鳥や動物の巣になる木は切らない――>大径木、景観木、鳥獣類の営巣木、貴重木などは努めて保残する

第四条 川のそばの木は切らない――>河川の流域は原則禁伐とする

第五条 大人の木も、子供の木もある山にする――>人工林の上木と天然性幼稚樹を保残育成する

第六条 木の無いところには木を植える――>更新不良地には植え込みを行う

 

 私はこれまで阿寒湖畔には数回行ってはいましたが、湖北を歩いたのは初めてで、温泉街とは違った「自然」の姿を垣間見た気がします。川の流れの音、植物のかもしだす香り、パンケトー湖畔の静寂、写真に映った緑の多様性とエネルギー等、全てが新鮮な驚きでした。

 戦前・戦後と幾多の困難な時期、特に高度成長期・バブル経済期の「開発」という名の破壊行為をも跳ね返してこられた前田一歩園さんのこれまでのご努力に心から敬意を表するとともに、今後の益々のご活躍を祈念しています、この度はありがとうございました。

One Response to “前田一歩園財団の理念と実践(2)”

  1. 秋山孝二の部屋 » Blog Archive » 「きたネット」、今年のふり返り(1) Says:

    [...]  次は7月の交流行事で、前田一歩園財団の訪問(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=9393、http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=9405)。 [...]