日曜朝のテレビ「サンデーモーニング(http://www.tbs.co.jp/sunday/)」に出演している中央大学教授・目加田説子(もとこ)さんが、札幌で初めての講演、今回第6回目「グリーン九条の会:http://green9zyo.blogspot.jp/」主催でこの場が実現しました。これまでこのシリーズの講演については数回この欄でも書きました。
* 品川 正治 さん http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=1351
* 湯浅 誠 さん http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=4280
* 益川 敏英 さん http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=13758
「国際公共政策」がご専門で、大学で教えるとともに、「地雷廃絶日本キャンペーン(http://www.jcbl-ngo.org/)」の運営委員として、NGO活動でもご活躍です。
幼い頃、アルゼンチンで暮らした経験は忘れがたく、軍事政権、ペロン政権、イザベル政権等、クーデターによる政変の危うさを身をもって体験し、これまでの研究活動のバックボーンになっている印象を受けました。
今回、私たちが札幌にお招きしてじっくりお話を聞く企画は、テレビ等でのコメントではいかにも時間が限られて、目加田先生の鋭いご指摘、ご提言をもっと奥深く聴いてみたいという多くの声に応えたものでした。先日の会場でも、講演の初めから終わりまで、何かピーンと心地よい緊張が持続して、疲労感は全くなく、充実した時間・空間となりました。講演後の質問に対して、誠実に向き合ってお答えを紡ぎ出す姿勢に、私は最前列で感動していました。
特に私にとって興味深かったのは、目加田先生がこれまで取り組んできた課題解決は、広く大きな拡がりに留意して、「超党派」を目指した活動であったこと、メディアも全メディアへの発信に心掛けていること等です。そして、「成功体験の積み重ね」を重視して、若い世代にもそれを教えてきたことでしょう。「メディアが伝えないことは何なのか」をいつも考えることが重要であると力説される姿は、そんな地道な活動をされてきた目加田先生の真骨頂だと思います。
「社会的責任投資:SRI(Social Resposible Investment)」への説明も実に奥行きの深いお話でした。まだまだ金融機関の社会的責任に対して未熟な日本国民の問題意識ですが、非常に重要な問題を先進国として含んでいます。この分野においてもNGOの圧力が必要なのでしょうね。市民として、私たちもおかしなことに対しては声を上げ続けていくことが大切だと思います。バブル崩壊後20年以上経て、一体日本の金融機関はどれほど改革を進めたというのでしょうか。本来の「信用創造」による地域経済の活性化といった使命を、私は身近な金融に従事する方々から感じることはできません。
お話にもありましたが、日本国は先進国と言われながら、現在、人権問題で国際機関から122の勧告を受けている状態で、これらについて日本のメディアも殆ど報道していません。今、You-tube上で話題になっている「人権」に対する一件を皆さんご存知ですよね(http://www.youtube.com/watch?v=oKTLY702Pyw)?日本の「人権人道大使」が、「シャラップ!」と繰り返し語った’事件’です、ジュネーブで今年5月21日から22日にかけて行われた国連拷問禁止委員会で、日本の代表として参加した上田秀明人権人道大使の信じられない発言です。一人外務省高官の属性としての低劣な資質というよりも、こういった認識の人間が政府高官としてここまで生きてきているその国・政府の意識レベル、日本国民としてまさにこれ以上の「恥」はありません!
クラスター爆弾についての丁寧な説明に始まった今回のご講演は、私にとっては「日本のアカデミックセクターの良心」を目の当たりにした感じです。清楚な出で立ちの中に凛とした理念と主張、日本もまだまだ捨てたものではない、講演後の食事会、交流会において、至近距離で拝見し、意見交換をさせて頂き、確信した一日でした。
目加田説子先生、今後の一層のご活躍を期待しています!!
11 月 26th, 2013 at 4:34 AM
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12 月 26th, 2013 at 8:30 AM
[...] これまでの「CSR」の概念と大きく違うことは、彼自身、本社に身は置くものの、あくまでも「CSRプロジェクト」部長という立場に拘るごとく、その活動は経営トップの理解の下、常に営業本部長を筆頭とする営業部隊とのコラボレーションにあることです。コアビジネス活動それ自体、すなわち「企業成長」の中に健全で永続的なCSRがある、言い換えると「事業と一体化したCSR」ですね。そして、この活動が、グローバルに展開する企業を「つなぐ」基本概念・理念になる、その着眼が素晴らしいと思うのです。コア事業に付随する活動とか、利益が出ているから社会貢献、ではないのです。そして、この視点が明確であるからこそ、「社会的責任投資:SRI(http://www.sifjapan.org/sri/)」という概念にも通じてくるのでしょう。今年7月の目加田説子さんのご講演(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=17210)でも、SRIについての言及がありました。 [...]