キャンパス内に入ったのは私は初めてでしたが、正門からキャンパス全体がリニューアルの最中でした。若い方々が「マスターデザイン・プラン」を作成して、それに基づきキャンパスデザイン、校舎のリニューアル、建物内の斬新なリストラ等、随所に自然との共生、地域との協働みたいなメッセージも受け止め、新しい時代に向かう槌音を感じました。
今回の技術支援活動は、JICAのプログラムでも新しい「草の根技術協力事業」の中で、「草の根パートナー型」ですhttp://www.jica.go.jp/partner/kusanone/country/malawi.html。その趣旨は、開発途上国の人々の生活改善・生計向上に直接役立つ分野で、草の根レベルのきめ細やかな活動、地域住民の生活に直接役立つ事業が対象とされて、例としては次のような多様な分野での事業が挙げられます。
*コミュニティ開発(農・山・漁村等の開発を含む)
*社会的弱者支援(高齢者・障害者・児童・女性・難民等支援等)
*ジェンダー平等推進(法識字教育、女性に対する暴力防止・対応支援等)
*保健医療(地域保健、母子保健、公衆衛生、栄養改善、プライマリヘルスケア、リプロダクティブヘルス、HIV/AIDS等)
*所得向上支援(伝統産業振興、住民組織化等)
*人材育成(教員養成、識字教育、ノンフォーマル教育、初等教育環境改善、職業訓練等)
*自然資源の持続的利用(荒廃地回復、森林・水産資源管理等)
また、「草の根技術協力事業」では、人を介した「技術協力」であること、開発途上国の人々の生活改善・生計向上に直接役立つ保健や教育といった基礎的な生活分野であること、日本の市民に対して国際協力への理解・参加を促す機会となること、の3点が特に重視されるようです。
今回担ったグループとの意見交換では、最初の1年間の実績に基づいた今後の方向性についても説明受けました。その中で、極めて基礎的な面積の概念、質量・容積の概念等、教育分野への言及も多くあり、同時に技術支援する担い手の「課題抽出」と「解決策の構築」への能力も問われるようです。私も気がつきましたが、考えてみるとこう言った視点は、何もアフリカ諸国への技術支援活動ばかりではなく、ごく身近な「地域との連携」でも全く同じですね。帯畜大では、この4月からそうした機能を一層充実する為に、これまでの「地域共同研究センター」を、「地域連携推進センター」と名称変更してリ・スタートです。
マラウィの現地で伝統的に存在感を示す「Traditional Authority(T.A.):トラディショナル・オーソリティ」(昔から地域にいる「酋長:しゅうちょう」とでもいうのでしょうか)を上手に活用し、村人への技術指導の定着を図る等、2年目以降の展望も期待したいですね。同時に、JICA職員には、支援を担う現場の方々の声を常に聴いて、一連のプログラムのアセスメントを行って、プログラム自体の進化への試みを仕事として頂きたいとも思います。貴重な国民の税金を、有意義な支援活動に使われることを切望致します。
現場からは実に多様な、そして貴重なメッセージが、たくさん発信されていました。