寺島塾 2015春 in 奈良(5 最終)

Posted by 秋山孝二
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 今回の寺島塾は、東大寺大仏殿特別拝観、続いて平岡昇修先生(東大寺執事長・大仏殿院主)、寺島実郎氏の講演、交流会と続きました。いずれも濃密な情報の質・量で、手元の資料とメモをまとめるのが大変です。私がモタモタしているうちに、同じくご参加された多摩大学副学長・久恒啓一先生が当日の様子を詳細にブログに書かれています。久恒先生と入れ違いでしたがほんの少し前に、私も三月堂拝観でバッタリ寺島さんとお会いし、向いの茶店でくず餅をご馳走になり、しばし歓談して私は先の散策に出かけました、不思議な出会いでした。

* http://d.hatena.ne.jp/k-hisatune/20150413

 東大寺の歴史を学ぶ時、「大仏像」の歴史と「大仏殿」の歴史を分けて紐解く必要があります。平岡昇修先生のご講演「江戸時代の大仏殿再建物語」では、公慶上人、隆光大僧正、そして特に桂昌院のご業績、五代将軍綱吉の「生類哀れみの令」が日本の福祉政策の始まりとなった優れた政策だったこと等、新しい気づきを与えて頂きました。新井白石、水戸光圀公の評価も興味深いものでした。

江戸時代の大仏殿改築では両側で四間狭くなりました

江戸時代の大仏殿改築では両側で四間狭くなりました

背景の仏像は実は大きさを変えている、天井の一マスの大きさも

背景の仏像は実は大きさを変えている、天井の一マスの大きさも

蝶々の足は8本あります!

蝶々の足は8本あります、何ゆえか!

 続いての寺島実郎塾長のお話は、いつもながら丹念にデータと事実に基づいて、日本の今、世界の今を読み解いていきました、物事の「繋がり」が見えてくる、それが「知性」であると。空海は唐に渡る前にこの東大寺で学びました。空海のそそり立つ「知性」、さらには「生命誌」と「人類史」がこの十数年のテーマです。今回特筆すべき寺島実郎さんのトピックスは、「沖縄の歴史」に対する言及です、「21世紀の日本の試金石」、「国家が国家であるということはどういうことか~常識に立ち返る」と表現されていました。

 東大寺は大仏殿の存在が訪問する人々を圧倒しますが、法華堂(三月堂)の本尊不空羂索(ふくうけんさく)観音菩薩像を含めた静寂な空間は心が落ち着きます。

一番の印象に残るは法華堂(三月堂)

一番の印象に残るは法華堂(三月堂)

 3年前の2月に、寺島実郎さんからお勧めがあって足を運んだ飛鳥寺、岡寺に共通する「何か」を、私は今回も強く感じました。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=11728

 更にJR奈良駅近くのレストランでは、「大仏きつねうどん」です、全てがジャンボ!

 まだまだ報告し足りないのですが、今回学んだことは今後の活動に活かしていこうと思います、ひとまずこれで一区切りとします。