芸術・文化の夏が続きます!

Posted by 秋山孝二
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 道立近代美術館(http://www.aurora-net.or.jp/art/dokinbi/)では、「古代ローマ帝国の遺産:http://www.aurora-net.or.jp/art/dokinbi/exhi/special/special_new.html」と題して、「栄光の都ローマ」と「悲劇の街ポンペイ」を軸とした貴重な展覧会が開催されています。特にポンペイは、ご存じのようにヴェスヴィオ火山の噴火により周辺の街が一瞬にして火山灰や土石流に埋まり、逆に18世紀から今日まで続く発掘により、まさにタイムカプセルとして当時の街をほぼ完全な姿で、私たちは見ることができます。

北海道立近代美術館で

北海道立近代美術館で

  私が特に印象に残ったのは、古代ローマ帝国の上下水道等の生活基盤・インフラ設備の充実です。浮ついた栄華ではなく、広く民の暮らしへの身近な応用技術は、当時の指導者の見識を見る思いです。ギリシア芸術・文化に接して、自らの貧弱さを意識した一連の記述、国とリーダーの力も、説得力が抜群です。そして日本の大学を含めた今もなお続く発掘作業が、歴史の連続性を伝えてくれます。これからもまだまだ新しい発掘による発見が期待出来ます。

 

 同じ日の午後、今度は演劇です。毎年暑い夏に札幌にいらっしゃる楠美津香(http://kusunoki-mituka.com/index.html)さんの「超訳シェークスピア:夏の夜の夢」です。「格闘技系シェークスピア」ともいわれ評判ですが、とりわけプロレスをする訳ではありません。

楠美津香さんの「超訳一人シェークスピア」

楠美津香さんの「超訳シェークスピア」

 冒頭に難解なシェークスピア劇の登場人物の分かりやすい説明と関係性の解説があり、そのボードを横に置いての一人芝居なので、休憩をはさんだ約2時間もあっという間です。どうやってあの膨大なセリフと複雑な関係性を覚え、再現するのか、ただただ驚きですね。「ひとりシェークスピアシリーズ」も面白いですが、数年前の「東京美人シリーズ」も素晴らしかったです。

 先月、美輪明宏さんのHPから次のように引用しました。

~~~~~~~~~人間は肉体と精神とでできています。
肉体を維持するためのビタミン剤や栄養補助食品は過剰なくらい出回っているし、
それらのものに関しては、あなた方もとても敏感に反応する。
なのに、もう一方の精神を健やかに維持するものに対して、あまりに無頓着です。

では、精神におけるビタミン剤や栄養補助食品に匹敵するものは何か?
それこそが「文化」なのです。・・・・・・・ ~~~~~~~~~~

 古代遺産が発する芸術・文化の香り、そしてプロフェッショナルの舞台、まさに暑い夏のひと時、そんな時間・空間でした。