北海道モビリティデザイン研究会(http://poro-cle.jp/hmd/)主催で、「北海道モビリティカフェ2010~札幌からはじまる新しい道づくり」が2日間にわたり開催されました。
豊かで魅力的な札幌のマチを持続していく上で、モビリティ(移動に関わるすべてのこと)とはどのようにあるべきでしょうかという問いかけで、様々な視点からモビリティ・デザインを考え、新しい道づくりの提案を試みています。
全国的に活躍されているNPO法人・自転車活用推進研究会(http://www.cyclists.jp/)の小林成基事務局長の基調講演、多様な方々により、「自転車を巡る新しい風」と題して熱心なパネルディスカッションも繰り広げられました。
今年の6月からは昨年に続いて、社会実験も行われています(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=4348)。近々新しいモデルの自転車も導入されて、9月末まで貴重なデータが得られそうです。
「“与景”なことをしよう」、ヨーロッパに根付いている「道は自分たちのもの」という哲学、自転車と自動車の間の未熟な法整備、歩いて暮らせるマチづくり、自転車を「交通手段」として正しく位置づけるべき、道路交通法(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S35/S35HO105.html)をもっとシンプルに(例外だらけ)、筋の通らない法律は廃止・改訂すべき等、キーワードの連続でした。
「道はだれのもの?、札幌21:http://www.ne.jp/asahi/michiwa/sapporo21/」の10年以上の活動にもあるように、これまで「道路を整備する」というのは、自動車がどうスムーズに走れるかの意味でしたが、本来はどう’人の流れ’をスムーズにするかのはずです。同時にヨーロッパの基盤となっている交通政策の2大軸、「弱者優先」、「公共優先」からもあらためて学ぶ必要があると思います。日本全国各地の交通政策には、「いのち」への哲学が欠如しているではないでしょうか。
今、札幌都心部で行われている、 ドーコン(http://www.docon.jp/)とNTTドコモ(http://www.nttdocomo.co.jp/)のサイクルシェアリング実証実験「POROCLE(ポロクル):http://poro-cle.jp/」の結果に期待し、自転車の「レンタル」ではなく、「シェアリング」の意味にこだわりたいですね。