「生ごみは宝だ!日本農業再生への道を探る」と題して、シンポジウムが開催されました。「NPOたい肥化協会:http://www.taihika-kyokai.or.jp/」が主催で、今年で第18回目の「生ごみリサイクル交流会2010:http://www.taihika-kyokai.or.jp/kouryu/18th/18th.htm」です。昨年はこんな感じでしたhttp://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=2018)。
今年のシンポジウムは、パネラーそれぞれが永年きっちりとしたご自身のフィールドで活動されている方々ばかり、実に説得力のあるお話で、活動報告を越えての大いなる感動を500名の聴衆に与えました。
<ご出席のパネリスト:コーディネーターは「NPOたい肥化協会」理事長:瀬戸昌之先生>
――長井市レインボープラン推進協議会(http://samidare.jp/rainbow/)委員:菅野芳秀氏
テーマ「台所と農業をつなぐ生ごみ堆肥――土はいのちのみなもと」
――戸田市環境クリーン室クリーン推進担当(http://www.city.toda.saitama.jp/8/7002.html)副主幹:吉田美枝氏
テーマ「生ごみがお花になって還ってきた――農地のない都会の挑戦」
――NPO法人・大地といのちの会(http://www13.ocn.ne.jp/~k.nakao/)理事長:吉田俊道氏
テーマ「土の元気は野菜の元気、人の元気――生命はつながっている」
<以下はキーワード>
瀬戸: *家庭ごみ――いわゆる「専門家」には難しい題材、政財界人はお金をかけることばかり考えている
――幅広い視野から「循環型」の実践交流が重要
*「生物多様性」を語る多くの人々は、なぜ「土壌の重要性」を語らないのか!
*これまで土を「育む」のではなく、「略奪」してきた
菅野: *レインボープランの取り組みは、「8年間の検討期 + 13年間の実践期 = 21年間の歴史」
*私たちは「土」を食っている――「土」の弱りは、生命力の低い人間の「体」しか創らない
*将来の「まち」を語るなら、「土」を語らなければならない、私たちは「土」の化身
*可能な「土」の力をどうやって復活するのか!!農水省の政策では全くなし、生ごみは素晴らしい栄養バランス
*「循環:消費者は生産者、生産者は消費者」、「ともに:このちで世代交代する為に」、「土はいのちのみなもと」
*「新しい『土』との関係づくり」、まず「土」への謝罪から始めるべきではないか、壮大な「循環」への取り組みへ
*堆肥を入れること――>土の中の「生態系の回復」に他ならない
*経済効果がいのちよりも上回る筈はない
*「森の循環」を「まちづくり」に
吉田: *「生ごみはお金がかかる」ではなく、「生ごみはお金に‘なる’」――生ごみがお花になって還ってきた取り組み
*環境と福祉の連携、そしてエコポイント獲得・地域通貨へと
吉田: *皮(バリア)と芽(成長点)を観察する重要性
*生ごみが発酵して熱く感じた所からの教育 「生ごみリサイクル + 農業体験 =食育 」
*「土づくり」は「血」づくりから
とにかくいずれも大変な迫力のプレゼンでした。文字にするとあの場の熱気をお伝えできないのが残念です。「円高」、「不況」と騒がれていますが、新しい日本の「成長戦略」が、これら「農」分野に沢山あるような気がします。問題は「哲学の欠如」、「現在を大きな歴史の転換点と認識できないこと」、ではないかと思います。
今、重要なのは、まず身近な「大地」、或いは自分の「庭と」しっかり向き合い、観察して、真摯に耕すことではないでしょうか。