活躍した札幌市消防局

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 先月30日の野田正彰さんの講演会(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=9201)で、一つだけ違和感のあったお言葉が、「北海道の人間は今回の災害に対してどんな支援活動をしてきているのか、殆ど現地で出会わなかった。遠い場所での出来事と考えているのでは」、でした。とんでもありません、少なくとも私の周辺で知っているだけでも、行政・NPO・医療機関・企業等、たくさんの方々がすぐに駆けつけましたし、今も継続して活動しています。限られた地域での野田さんの体験だけから断定するのは間違いだと思いますが。

 先日、私的病院経営者の20年以上続く勉強会「木朝会」の特別例会で、「防災及び震災支援」と題して、札幌市消防局の方から報告がありました。今回の東日本大震災で、札幌市も迅速で地道な支援(http://www.city.sapporo.jp/kinkyu/index.html)を行ってきています。お話をされた札幌市中央消防署予防課・課長(指令長)の佐藤利博さんの語る姿勢も素晴らしかったです。

 とりわけ札幌市消防局の震災直後からの活躍(http://www.city.sapporo.jp/shobo/koho/enjo.html)は、私は札幌市民(納税者)の一人として誇りに感じました。

東日本大震災で活躍した札幌消防局の報告

東日本大震災で活躍した札幌市消防局の報告

  一つは、3月11日(金)15時00分(地震発生からわずか14分後)に決定された「指揮支援隊派遣」です。すぐにヘリコプターで札幌を出発し、翌12日から宮城県庁で県内部隊指揮活動を開始しました。一方11日15時30分に、15隊58名からなる「陸上部隊派遣」準備が決まり、13日朝には石巻市に到着して救援活動を開始していました。情報が錯綜し流動的情況の中、指揮部隊・現場陸上部隊と素早い取り組みが行われ、現地でも高い評価を得ました。5月10日までに、札幌からは133隊503人が出動しています。先日のご説明では、国内ばかりではなく、日常的に海外災害派遣を想定して、定時予防注射を受けている隊員も複数名いるとのお話でした、いつでも出動できる危機管理体制です。

 福島原発事故現場での東京消防庁レスキュー隊が、マスメディアに繰り返し登場していたので注目されていましたが、今回の被災地では、全国からの多くの組織的応援が迅速に行われたことを、私たちはしっかり認識する必要があります。この震災に対しての特別の支援ではなく、このような大規模災害を日常的に予測し、日頃から準備を怠っていない、そんな意識と体制から学ぶことは多いです、命令指示系統等の事前の約束事、情報共有、訓練、そして迅速な初動動作ですね。

 

 7月の札幌は、お陰さまで例年と変わりない夏を迎えています。先日、演劇鑑賞の合い間に、近くの中島公園のショウブ池の畔で缶ビールを飲みながら、池に浮かぶ手漕ぎボート、際立って素晴らしい光景に見えました。

日曜日の午後、中島公園での一コマ

日曜日の午後、中島公園での一コマ

シアターZOO演劇祭、「ZOO11」

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 北海道演劇財団(http://www.h-paf.ne.jp/)では、毎年いろいろな取り組み・企画を実践しています。今年3月、初めての試み、「レパートリーシアターhttp://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=7699http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=7983」では、大震災の最中も継続して敢行し、いらっしゃった観客に力を与えました。
 「シアターZOO演劇祭:http://zoo11.seesaa.net/」は、今年で5年目を迎えました。今年は「ZOO11:ズー・イレブン」と銘打って、「弦崎東総合病院」の一室を舞台に、6つの若い劇団の熱演が続いています。

シアターZOO演劇祭「ZOO11」

シアターZOO演劇祭「ZOO11」

  この企画は、小劇場で演劇を続ける劇団同士が出会い、観客に何度も足を運んでもらおうと始まり、今年で5回目の開催となります。プロデューサーはシアターZOOフランチャイズ劇団・弦巻楽団(http://tgakudan.blog98.fc2.com/)代表の弦巻啓太さん、今年で3年目ですが、最初は「旅館」、2年目は「ファミリーレストラン」、そして今年は「病院」が舞台です。彼は演劇製作に関して、その周辺でたくさんメッセージを発信しているので興味深いですね。私は以前から感じているのですが、劇団代表とかプロデューサーの方は、いろいろな場で遠慮なく芝居に関しての情報発信を広く一般向けにするべきだと思います。役者のインタビューをチラシに掲載するとか、ブログなどは多くあり、観劇前も後も楽しめます。普通の人、或いは劇場に足を運んだことがない人たちにも目に触れる場での発信が、すそ野を広げることになっていくのだと思います。もちろん、私のような素人が、観た感想を率直に書き留めることも少しの応援になるのかな、と。

 私はこの企画、これまで時間が取れなくて、全ての劇団を観る(10日予定の二つを含めて)のは今年が初めてです。ベッドが4つ並ぶ病室、全く同じ舞台にもかかわらず、患者と看護師、患者同士、患者とその関係者、それぞれのストーリーで観客を楽しませてくれます、実に面白い企画ですね。昨晩は、同じ劇団で5人の役者が全て違う芝居を観ましたが、まあ、全く別物ですね。同じ劇団でも初日と千秋楽、役者の違い、その回の観客の雰囲気等で大きく印象が変わる、一回一回が「オンリーワン」、その辺が演劇の面白さなのでしょうね。

 そう言えば、私が最初に演劇の魅力に取りつかれたのは、今から40年くらい前に、東京新宿で演劇学校の卒業公演観劇に誘われた時からでした。朝から同じ演目を役者を変えての卒業公演、夜まで観ていましたが織りなす雰囲気の違いが実に面白かったですね。今回の演劇祭、足を運んでいる方々は若い世代も多く、これからの北海道で担い手となる期待も大きく、楽しみです。演劇を「消費」するだけではく、「表現」し、「生産」していく担い手の育成、芸術・文化の土壌を育みたいですね!

悲しみを抑圧してきた社会

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 財団法人 北海道文化財団(http://haf.jp/)主催の「アートゼミ」が開催され、今回は特別講座として「いのちと心を支えるアートの役割~長期災害救援の視点から」と題して、関西学院大学・野田正彰教授の基調講演、後半は北海道大学・定池祐季助教、北海道文化財団・磯田憲一理事長も加わっての意見交換でした。当日会場は、日頃から芸術・文化分野で活躍する方々100名以上がお集まりになり、野田先生の鋭いご指摘・認識を真摯に受け止めていました。

アートゼミ/特別講座「いのちと心を支えるアートの役割~長期災害救援の視点から」開催のお知らせ 2011年05月31日
○ 趣旨
 平成23年3月11日(金)に発生した東日本大震災の発生を受け、長期的な災害救援の視点から、特に被災地の子ども達が立ち向かう社会的な場面に応じた、さまざまな「いのちと心」のケアの場面において、「被災地が今どのような現状なのか」、「モノ以外の目に見えないことに対して、被災者の心に必要なことに対してどのように接していくのか」、「その中でアートの果たす役割を知ってもらう」ことを目的に、この特別講座を開催します。 ついては、道内における、アートNPOやアーティスト、地域の文化施設・事業に関わる多くの方々に、『アートの役割~文化芸術活動』による支え方、被災者への接し方、生活場面でのコミュニケーションづくりなどについて、「講師の講演と意見交換」から知っていただき、今後の支援の心構えを広げていくきっかけづくりとしていただきたいと思っています。○ 内容
・災害救援からみた「阪神・淡路大震災」などと「東日本大震災」との差異
・物理的な被害以外の「目に見えない」間接的な被害への影響
・「社会的悲哀」を大切にする今後の救援の方向性
・アートNPOの活動や文化芸術活動の社会的役割        など□ 主催等 ・主催;(財)北海道文化財団
・協力;札幌市教育文化会館(札幌市芸術文化財団)
・後援;北海道、北海道教育委員会、札幌市、札幌市教育委員会□ 日 時 平成23年6月30日(木) 18:00~20:00□ 会 場 札幌市教育文化会館 4F講堂  http://www.kyobun.org/

□ 定 員 156席(定員になり次第、締切とさせていただきます。)
□ 参加者 *特に制限はありません。どなたでも自由に参加できます。

□ 事業内容
・講師;関西学院大学 野田正彰教授
  内容(第1部)野田正彰教授による基調講演
   (第2部)野田正彰教授と磯田憲一理事長による意見交換

 

 

 

 

 

 

 野田正彰(http://www.amazon.co.jp/%E9%87%8E%E7%94%B0-%E6%AD%A3%E5%BD%B0/e/B001I7NB14)さんは、これまでたくさんの著書を出していますが、私は「喪の途上にて:http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/00/3/0022870.html」が印象に残っています。

 4月に行われたこちらの講演も参考になります(http://sankei.jp.msn.com/life/news/110527/trd11052707310003-n1.htm)。以下、先日の札幌講演からいくつかを書き留めます。

* 「映像災害」とも言える3・11以降のマスメディア

   :被災地からのいち早い逃亡、東電・保安院発表に依拠するのみ、現実を見ない報道

   :「がんばろう、日本!」、「こころは一つ」?「ひとりではない!」等のフレーズは、「悲しみの抑圧」でしかない

* 日本の近代社会は残酷な歴史の繰り返し:傷ついた人々に「ガンバロウ!」と言ってきた、「悲しみを抑圧してきた」社会~悲しみを悲しみとしてではなく、早く忘れて前へ進めと

* 少し時間が経っての避難所は、格差社会を実感:この段階での「支援」があるはず

* 「異常な事態」における「正常」な反応を、「病的」と言ってはいけない:人間には時間を経て、選びとって生きていける力がある

* 家族を失った人たちは、ショックの後に遺体を探す行動をとる。自分は何もしてあげられなかった等、故人との対話のプロセスと理解すべきであり、時間を経る中で故人の遺志を聴き、立ち直っていくプロセスである

* 震災と芸術:どう役に立つ等ではないはず:安易に「希望」などとは言って欲しくない、被災者と共に語り合うこと、「表現せざるを得ない人々の叫び」が芸術ではないか

* 柔らかい創造力が大切:被災者に共感すること、それは直接語ることを通してつながっていける

* 震災から学ぶ姿勢が重要:「助ける人」と「被災した人」という図式ではなく

* 以上のことから、芸術家の役目は、人が能動性を取り戻すプロセス、すなわち問題を直視して、抑圧しているものを表現することではないか

* 自分で課題を発見して行動する:ボランティアも同様だが、行政の指示の下で活動するのでは「勤労動員」である!

 

 大震災後の社会変化を、鋭敏に表現するものは何か、彼はそれを芸術に期待していました。歴史を振り返ってみて、関東大震災の後、エログロが流行して、治安維持法が制定され昭和の軍国主義時代へと突入、阪神淡路大震災後は、「心のケア」、「癒やし系」が流行し、厳罰化、テロ対策の日常化、派遣労働者の増加と変わっていった近い過去。「弱者の視点、今度こそ」、彼からのメッセージだったと思います。

放射能と共に暮らす時代に

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 私にとっての「放射能」認識は、広島・長崎への原爆投下が最初でした。この数年、時間を見つけて両都市を訪問し(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=1602)、(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=5199)、そこに至る歴史も再認識しながら反戦・平和の誓いもあらたにしています。そして 今年4月に掲載したように(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=8116)、実際に自分の身に降りかかる「放射能の怖さ」を意識したのは、第五福竜丸事件でした。

 その後は特段な恐怖をもつことなく時代と並走していて、次に「放射線」を認識したのは1970年代初頭、大学で「物性物理学」を専攻していた時でしょうか。卒論のテーマは「X線と光弾性による単結晶応力解析の比較」で、「X線解析装置」と毎日付き合ってデータ取得の日々、指導の先生からも先輩からも、X線に対する注意事項を身をもって教えられました。たとえば、大学研究室で、X線が放射される方向に壁一つ隔てて男子トイレがあったのですが、「奥側はX線が漏れているかもしれないから、手前側を使う方が安全」という申し伝えが研究室にはありました。当時は半信半疑でしたが、それを忠実に守ったからか、その後の自分の生殖機能には異常は無かったようです。

 今考えると、「日常」であるがゆえに細心の注意を払うとでも言うのでしょうか。東電幹部が汚染水を海に放出して、「低濃度汚染水だから環境には大きな影響は無い」と言い放った時、私は彼らが放射線と全く寄り添ったことがない連中だと直感し、憤りを感じました、彼らに原子力を運用する覚悟はないと、犯罪行為です。

 話はそれますが、インターネットで検索すると、「X線解析」は、今は高校生でも研究しているのですね、装置がコンパクトになったからか、教育レベルが上がっているのか、私たちが大学で学んでいた「ラウエ斑点:http://nsmsxserve02.ph.kagu.tus.ac.jp/labexercise/XrayDiffraction/x-ray/laue01/index.html」等の言葉も、高校でも出てきています。

 そして、今、人生3回目の「放射線」を強く意識する時です。先日、市民活動を共にしている方と「放射線測定器:http://www.raesystems.com/products/doserae-2」を買い、手元に届きました。まだ説明書も十分読んではいないのですが、子どもたちが日常遊ぶ公園等を市民の目線から、定点・定時・継続観測し、公開しようとの思いからです。

 一口に「放射線」と言っても、(1)α:アルファ線、(2)β:ベータ線、(3)γ:ガンマ線、(4)中性子線の4種類の放射線があります。東電福島原発事故以降、よく見かけるようになった小型の放射線計測機は、低濃度のベーター線を測定するだけのものがほとんどです。政府や自治体の設置してる、いわゆる「モニタリングポスト」で計測できる放射線は、貫通力が高いガンマ線だけとか、いろいろですから、測る方もデータを読み取る方も注意が必要です。アルファー線や中性子線などの計測は非常に難しいです。また測定器のメーカーによっても精度が違い、大きく数値が異なってくることは珍しくありません。従って、今回購入した計測器を使う場合も、メーカー名、方法、場所等についての情報も一緒に公開することが重要ですね。ただ数値だけが一人歩きして「安全である」といった発表姿勢は、およそ科学的ではありませんし、それどころか恐ろしく無責任と言えます。

 25年前、秋山財団の最初の理事会で、理事のお一人が次のように語られていました。「生命科学の基本目標は、人類、そして地球の『健康』を確保する点にあると言えましょう。『健康』とは、人類が、世界が、平和を保つ状態だと思うのです。それは人間のコモンセンスに属すべきものであり、秋山財団の地味ではあっても着実な助成・育成活動が、北海道から日本へ、そして世界へ向けて、人類のそうしたコモンセンスの確立へと発展し、貢献する事を期待して止みません」。

 「放射能と共に生きる時代」、気温・湿度・花粉情報とともに、地道で継続的な「放射線」データ観測・記録・公開で市民は対処していきます。

「株主総会」とマスメディア

Posted by 秋山孝二
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 6月末は3月期決算上場会社の株主総会が相次いで開催され、その様子は毎年この時期、テレビ・新聞紙面を賑わして、まるで「6月の風物詩?」ですね、最近ではインターネットでのライブも臨場感いっぱいです。

 私は、未上場会社、札幌証券取引所上場会社、東京証券取引所上場会社の代表取締役として、この株主総会に企業側としてヒナ段に並び、議長も7年務めました。この経験からすると、株主総会に関するマスメディアの報道が、いかにも違和感があり、何かの機会にその辺を発信したいなと思っていました。今年3月、東電福島原発の大惨事が起こり、各地電力会社の総会、とりわけ東京電力の株主総会が今年は注目されていましたし、少しコメントしたいと思います。

 電力会社の場合は企業とは言え、「地域独占企業」という極めて特殊な立場ですから、いわゆる厳しい企業間競争の中にいる「一般民間企業」とはかなり様子を異にすることは考慮しなければなりませんね、顧客は選択の余地なく電気に依存せざるを得ないのです、私はそれゆえに電力会社の経営者には、特段の「顧客に対するサービス精神」と「社会への責任」があるのだと思いますが。

 まず、一般の企業側からすると、そもそも「株主総会」というのは、建前としては経営の最高決定機関ではありますが、その場で議論を沸騰させて決める場とは考えていないでしょう。日々リスクを背負って、まさに24時間勤務で企業活動に目配りしている代表取締役から見ると、1年に一回、総会に出かけてきて勝手なことを言って大騒ぎする(失礼!)少数株主は、必ずしも歓迎する方々でないと思うのは、ある意味で当然のことです。こんなこともありました、ある年、ひどい質問が出された総会があり、終了後の控室で思わず副社長が、「そんなに文句が有るのなら、さっさと株を売ればいいんだ!何も株主総会に出かけて来て、下らない質問もないだろう、株主には売る自由があるはずだ!」と怒っていました。

 大株主とは日常的に情況報告・アドバイス等で意見交換しているでしょうし、日頃から信頼関係を築くために最大・細心の配慮をしているはずです。また、企業の総務部は、訪れる株主への情報開示・説明等をいつも整えています、いわば「ご意見はいつでもお聴きする体制を取っている」状態ですね。 以上のような現状からすると、株主総会では、経営陣として形式上どうしても予定通りに成立させなければならないとすると、出来るだけ速やかに終了させようと努力するのは、ある意味で当たり前の姿勢かと。事前に十分な準備をして限りなく速やかに終了し、最近では同時に、「株主の声に耳を傾けています、大切にしています」というパフォーマンスも重要だとは思う、そんなマインドでしょうか。ですから委任状により開会前から成立している現実、社章を外し、年休を取らせ、前方数列を陣取る、或いは会場に散らばらせた社員株主に大きな拍手をさせる(以前は「異議なし、議事進行!」の威圧するような大きな声:まるでヤ○ザです)パフォーマンスも理解できはしませんか?

 今思うと、未上場会社の株主総会の方が、真面目で真剣な経営者のやりたいようにできる環境があります。(株)秋山愛生舘の場合も、未上場の時はホテルの小じんまりした一室で総会、その後は隣の部屋で昼食懇談会で日頃の感謝と意見交換、まさに理想的な場でした、特に上場した後の株主総会を経験すると、一層その感を強くしましたね。「株主の声を聴く」ことの原点がそこにあったからだと思います、会社をこよなく愛している方々が株主だったとも言えましょうか。上場すると「株主」の価値観が違いますね、経営者として株主と対峙して一番感じる違いでした。怒号とヤジが飛び交う株主総会、それ自体が資本主義のグロテスクな姿、未熟な企業のような気がします。

 一方メディアは株主総会をどう伝えてきたのか、これがまた変わらずひどい姿勢です。今から20年くらい前、地元新聞の記者はあらかじめ電話をよこして、「30分を越えたら連絡して下さい(?)」です、明らかに「長引いた総会は問題あり」の世界でした。几帳面に「35分で終了しました」と連絡すると、物足りなそうに「ああそうですか」の素気ない返事で。ところが、これが2000年くらいを境に大きく変わってきました、短く終了した会社は「株主の声を聞いていない」、と叩き始めたのです。企業側のアドバイスする弁護士陣も、期を同じくして事前指導に変化が出て来ました、「紋切り型ではなく、誠実に説明する姿勢が大切です」と。ある時は私は、「株主席から何かモノが投げつけられたら議長としてどうしたらいいでしょうか?」と冗談めいて聞くと、「当たって眉間から血を流すくらいがいいです」と真面目に回答がかえってきて驚いたこともあったり。

 相変わらずなのは、株主総会の価値をただひたすら「所要時間」でのみ評価している視点です、メディアの貧困・見識の無さですね。そんな報道ばかりだからこそ、企業側も強引に一気に議事進行せず、「適当な時間を費やして」アリバイをつくり、あらかじめ予定した時間で「打ち切り動議」を企業関係株主が提案して、採決・拍手多数で終了へと、「予定通り」のシナリオです。

 今回の電力会社株主総会後の新聞各紙、「脱原発株主ら無力感」、「建設的議論ない」等、私からすれば「何を今さら」ですね、メディアは株主総会を全く分かっていない、さもなくば明らかに「原発推進に加担している」姿です。株主総会はどんなにたくさんの出席者であっても「株主」の集まりでしかない、そこで電力会社の存在自体を議論することは不可能ですし、定款の目的事項を議論するのもかなり無理があります。勿論、それを承知でパフォーマンスの場と割り切ってのプレゼンスであればそれはそれで目標達成です。

 株主総会でどうあれ、3・11以降の日本社会は、まさに「放射能とともに生きる世界」になったことに何の変わりもありませんし、社会的議論が必要です。今、私たちは真剣に自然エネルギーへのシフト、制御不可能な原子力から離脱(これも実際は長期間必要)を、迅速に、自分のフィールドから始めなければなりません。

2財団のコラボ報告会、濃く、熱く!

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 先日開催の「秋山財団・前田一歩園財団の2011助成事業活動報告会」、初めての試みでしたが、参加17団体が、濃く熱く、5時間近く活動を報告されました。

 前田一歩園財団(http://www.ippoen.or.jp/)は、北海道でも草分けの財団法人であり、現・理事長の前田三郎さまは、秋山財団(http://www.akiyama-foundation.org/)の創設時から評議員を16年間、最初の2年間は議長としてご指導・ご支援を頂きました。「コラボ報告会」の企画をこの間話し合ってきましたが、やっと実現できました。今回の録画をインターネット上【Ustream】でご覧になれます。「北海道市民環境ネットワーク:http://www.kitanet.org/index.html」のお力を頂きました、ありがとうございます!Twitterでの参加も多く、ソーシャル・メディアを使った新しい時代の「つながり」ですね。

●録画file「合同報告会_前半:http://www.ustream.tv/recorded/15626818
1.「サイエンス新企画:http://sshinkikaku.sblo.jp/
2.「飛んでけ!車いす:http://tondeke.org/
3.「北海道スローフードフレンズ帯広:http://www.slowfood-friends.org/
4.「野幌森クラブ:http://www.geocities.jp/mori_club2007/nopporo
5.「CОМらっど:http://happytown.orahoo.com/comrade/
6.「特定非営利活動法人レター・ポスト・フレンド相談ネットワーク:http://www7a.biglobe.ne.jp/~retapost/
7.「リバーネット21ながぬま:http://www.love-earth-hokkaido.jp/modules/lemap/index.php?lid=84
8.「NPО法人めむの杜:http://blog.memunomori.net/
9.「イザベラ・バードの道を辿る会:http://www.decnet.or.jp/whatsnew/101101_isabella_bird.pdf

●録画file「合同報告会_後半:http://www.ustream.tv/recorded/15629405
10.「NPO法人エトピリカ基金:http://www.geocities.jp/etopirika_fund/
11.「旭川障がい者文化スポーツ振興支援会:http://ahssa.info/
12.「旭川LD親の会ぷりずむ:http://genki365.net/gnka07/mypage/mypage_group_info.php?gid=G0000118
13.「釧路昆虫同好会:http://nee.kus.hokkyodai.ac.jp/kkd/
14.「強制連行・強制労働犠牲者を考える北海道フォーラム:http://www.asajino.net/
15.「北海道自然史研究会:http://www.cho.co.jp/natural-h/
16.「エコビレッジライフ体験塾:http://ecovillage.greenwebs.net/
17.「特定非営利活動法人アルテピアッツァ:http://www.artepiazza.jp/

 冒頭のあいさつで、私は「NPOとNPO」の情報共有によるコラボ、お金のやり取りを越えた「助成財団とNPO」のパートナーとしてのコラボ、への期待を語ったつもりです。これまでは、秋山財団内部での報告会でしたが、今回の場合は、更に発展形で幅が広がり、いずれの活動も日々の情熱が感じられて、あっという間の時間でした。それぞれ今後の課題も明確、フィールドに根差した確かな活動の証を見ることができました、「人の営み」に心を揺さぶられます。早速この場でのつながりが出来て、今後の活動に役立てる方々もいらっしゃったようです。

 

 今6月の札幌、大通公園では子どもたちが戯れ、「復興食堂」も出現したイベント、花フェスタ、農業高校のガーデニングコンテスト等、街なかでも盛りたくさんの企画です。

札幌大通公園西八丁目で

札幌大通公園西8丁目で

「復興食堂」も出現のイベント

「復興食堂」も出現のイベント:西7丁目

道内農業高校のコンテスト

道内農業高校のコンテスト:西3丁目

ワグナー・ナンドール記念財団のスタート

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  これまでこの欄に、「タオ財団」に関して何回か掲載して参りました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E3%82%BF%E3%82%AA%E8%B2%A1%E5%9B%A3)。

 一番直近の理事会・評議員会は、今年3月5日土曜日、大震災の直前でした。4月1日から「公益財団法人」格に移行し、名称も「公益財団法人 ワグナー・ナンドール記念財団:http://www3.ocn.ne.jp/~wagner/TOP.html」として、新たな展開が始まり、その第一回理事会が開催されました。

財団建物前の新しい看板

財団建物前の新しい看板

 今年の春の展覧会は、地震の影響で彫刻が数作品か倒れたために、「休館」となりました。たくさんの問い合わせのお電話も頂いたようですが、秋に向けての修復も進んでいますので楽しみです。

今年春の展示会は震災の影響で中止

今年春の展示会は震災の影響で中止

 益子・宇都宮市内・近郊では、建物等にも随分被害があったようですが、全てを夫婦で建設した財団建物は驚くほど壊れていません。ワグナー・ナンドールの設計哲学・リスクマネジメントを証明する結果となりました。大きな政変を自らの命を掛けて生きた人物のたくましさを、敷地内をちよ理事長と一緒に歩きながら、今回あらためて感じました。

 「私は文化、宗教などの相違点よりも、各々の共通点を探しているのです。

 共通点を通してしか、お互いに近づくことは出来ないのです。」

  『哲学の庭』  於 益子  ワグナー・ナンドール

特別企画、「皇帝の愛したガラス」

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 札幌の北海道立近代美術館(http://www.aurora-net.or.jp/art/dokinbi/)で特別企画「皇帝の愛したガラス:http://www.aurora-net.or.jp/art/dokinbi/exhi/special/11/hermitage.html」が開催されています。

 ロシア・国立エルミタージュ美術館(http://hermitagemusic-japan.org/museum.php)所蔵の2,000点を超えるガラス・コレクションから、ルネサンス期に花開いたヴェネツィアのガラス、ボヘミア、イギリス、スペイン、18世紀以降にロシア皇帝室ガラス工場で製造されたインテリア等、189点の特別展示です。サブタイトルには「ヨーロッパからロシアへ、ガラスの美500年」とあります。

道立近代美術館入り口で

道立近代美術館入り口で

  ロシア・サンクトペテルブルクには、私は1994年でしたか、モスクワから夜行列車で訪問しました。朝早くの「ロシアンティー」が忘れられませんね。ネヴァ川の畔にある旧「冬の宮殿」エルミタージュ美術館は、建物自体、及びロマノフ王朝エカテリーナ二世のコレクション等、その壮麗さに感動しました。ソビエト連邦崩壊後間もなくで、まだまだ混乱していた時期ですが、ロマノフ王朝の底力とでも言うのか、重厚な揺るぎない芸術・文化の地盤を感じた気がします。その時の写真も探してみて、ここに掲載出来ればと思います。

66回目の6・23

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 今年は66回目の沖縄「慰霊の日」です(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=4402)。

 1年を経ても日米安保条約に基づく沖縄基地問題は、転換を迎えてはいません。

http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=8525

http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=4575

 「歴史から学ぶ」、今こそ実践したいですね。

この世代の幸せのために!

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 相変わらずの政治の無策・不毛、立法府としての国会の使命を自ら放棄する議員たち、従来型の無自覚なマスメディア、ただ権力・権益にこびる多くの研究者たち、しかしながら、このような現実をただ憤り、或いは傍観している市民ばかりでは無いことを私は知っています。 

<6月22日追記> 秋山財団で、市民活動助成・ネットワーク形成事業助成の選考委員を担って頂いている帯広の湯浅優子さんからメールがあり、5月の緊急シンポジウム報告も記載されています(http://www.slowfood-friends.org/

 4月5日のこの欄(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=8079)で引用したように、「すべては『子ども』の為に」をあらためて感じている昨今で、勿論ここで言う「子ども」は、自分の子ども・孫のみならず、世代の象徴としての意味合いです。

2050年、42歳のこの子たちのために

2050年、42歳のこの子たち

今、生まれた命のために

19日朝に生まれた「いのち」

 ジッと見つめる無垢な眼差し、3・11の晩、仕事場から数時間も都内を歩き続けた妊婦から今、この世に生まれた命の叫びに思いを馳せながら、この子たちの世代に、多大な国の負債、放射線汚染物質をつけ回さない努力、それは戦後日本を生きた我々の世代の責任なのだと思います。「個人の尊厳」、「自由」と言っていたものはただの安っぽい「私生活主義」だったのではないか、そば打ちと旅行三昧の定年後の生活で本当にいいのか、1960年代後半・70年代に主張したメッセージを今どう考えるのか、与えられ恵まれた環境をただ消費してきた世代!等、若い世代からの厳しい問いかけに応えなければなりません。

 先日テレビ出演していた、「地雷廃絶日本キャンペーン:http://www.jcbl-ngo.org/」の運営委員でもある中央大学の目加田説子(もとこ)教授が、今回の原発事故を「放射能公害」とズバリ指摘していました。「水俣」と酷似する構図から、私たちは事故検証、責任追及、被災者救済、今後の方向転換等、多大な犠牲から学んだ解決策をできるだけ迅速に提起する必要があります。今、その立場にいる、いないにかかわらず、自分にできることを自分のフィールドで実践し続ける、あらためてそう心に決めています。

 大変月並みな表現なのですが、、「すべては『子ども』の為に」なのでしょうね!!

激動の時代を拓く人間力を!

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 新渡戸・南原賞(http://www.akiyama-foundation.org/nitobe/)の第二回受賞者、湊晶子(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=7346)先生は、東京女子大学(http://office.twcu.ac.jp/info/index.html)の学長を2002年から2010年までの8年間お務めになりました。

 この度、「これからの日本を、また世界を担ってくださる若い皆さまの心に届いてほしいと願いつつ、心をこめて作成しました。たとえどのような苦境の中にありましても、希望をもって人生の途上を前進してほしいと願ってやみません」と、緊急私費出版されました。「卒業したあなたへ、入学したあなたへ、激動の時代を拓く人間力を!」です。

 新渡戸稲造先生について、これまでこの欄には何回も書いてきました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E6%96%B0%E6%B8%A1%E6%88%B8%E7%A8%B2%E9%80%A0)が、湊先生のこの著書の中で、随所に新渡戸稲造先生の言葉が引用されています。 

* 「日本人に最も欠けているものはPersonality(人格)の観念であり、PersonalityのないところにはResponsibility(責任)は生じない」

* 「知ること(to know)」よりも「実行すること(to do)」、「実行すること」よりも「存在すること(to be)」が重要である

* リベラル・アーツ教育について:「内観外望」の中で、「学問の第一の目的は人の心をリベラライズ(自由)するということ、エマンシペイト(解放)することである」

 

 添えられた湊先生からのお手紙には、「・・・・・・第一線を退いた私にも何かできないかと思いを巡らしていた時に、8年間の学長時代に、卒業式・入学式で語ったメッセージを小冊子にして、これからの日本を背負って下さる若い方々に届けたいという思いが湧きあがってきました。被災地の復興のために用いて頂きたく私費出版致しました。全て被災地の復興のために捧げさせて頂く所存です。一日も早い復興を祈りつつ、心をこめて作成致しました。・・・・・・・」、そして最後に、「新渡戸先生のご功績を世に広める責任があると思っています。」と結ばれていました。

大盛況!東京六華(りっか)同窓会

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  「東京六華同窓会:http://www.tokyorikka.jp/」の年次総会・懇親会が、500名以上の出席で今年も九段下で開催されました。昨年は、山崎葵さん、横田滋さんも出席されました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=4447)。HPには、会員登録数約1600名、「首都圏を中心に本州各地と北海道、及び外国に在住する同窓生等の親睦を深め友好の和を拡げることを目的として運営・維持されています。明治38年創立以来、長い歴史を誇り、平成17年には100周年を迎えました」と記載されています。

 この会は、「六華同窓会:http://www.rikka.net/」(近藤龍夫会長、私が幹事長、事務局は札幌南高)内の組織ですが、上記地域に在住する同窓生等が年会費を納める会費制によって運営・維持されています。「両者は互いに密接に連携・協力しあって同窓会活動を進めております」とも書かれています。

札幌一中出身の大先輩の皆さま、誇り高く校歌を唄う!

札幌一中出身の大先輩の皆さま、誇り高く校歌を唄う!

  毎年お元気な札幌一中の同窓生です。誇り高い一中校歌を唄う姿から、私たちも元気をもらいます。今年はとりわけ、「一中校歌指導」もあり、参加者全員で唄いました。私は高校1年生の時、音楽を選択していたので、当時の先生からこの校歌と応援歌を教えてもらい、今もはっきり覚えています、面白いですね歌というのも。

 今年のテーマは「なまら贅沢!六華のとき―再会・感動・誇り―」で、特集1)仮装卒業式の40年史、特集2)卒業アルバムの今昔、それぞれから垣間見る時代が面白かったですね。そして最後は、今年10月の札幌での「六華同窓会」幹事当番期、南36期の皆さんの登場でした。

札幌の六華同窓会・幹事当番期(南36期)の福沢委員長ほか

札幌の六華同窓会・幹事当番期(南36期)の福沢委員長ほか

 老若男女、一つの学校の歴史で絆を確認する、故郷のノスタルジアを越えた素晴らしい「場」の創出でした!!!

 歌といえば、つい先日観た「アメイジング・グレイス:http://www.amazing-movie.jp/」も良かったです。議会制民主主義の国の200年前の姿、それでも今の日本より「真摯に課題に向き合う議会」でもありますね。実話に基づいた素晴らしい作品で、この曲をまた違った感慨をもって聴くことができそうです。

エネルギーシフトで New Japan!

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 首相官邸において、「これからの自然エネルギーへの大シフトを目指して」の公開会議(http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg4972.html)が開催されました。一堂に集まって総理との懇談会、率直な意見と提言を行い、「これから、どう自然エネルギーを普及させていけばよいか」について、積極的な意見交換でした。新たな試みとして、この会議の模様はインターネットを通じて動画中継を行い、ツイッターでの質問を受けることにより、テーマに関心あるすべての国民とメディアがリアルタイムで参加できる「オープン懇談会」となりました。5万人以上の方々がライブで視聴し、8万人の方々がその後もアクセスが続いているようです。参加有識者(五十音順)は、次の方々でした。

 ・ 枝廣淳子 環境ジャーナリスト(資料:http://t.co/lXzfn7Y
 ・ 岡田武史 元サッカー日本代表監督
 ・ 小林武史 ap bank代表理事
 ・ 坂本龍一 ミュージシャン(ビデオメッセージによる参加)
 ・ 孫 正義 ソフトバンク社長(資料:http://minnade-ganbaro.jp/res/presentation/2011/0422.pdf

[司会]藤沢久美 シンクタンク・ソフィアバンク副代表

 

 その前日、「6・11 New Japan!」、全世界100か所・100万人以上でこの日開催されて、10数ヶ国、60を越える地域からの中継も行われました。インディペンデントメディアにより、全編で10時間を越える録画です、新しい世代による新しい表現ですね。この企画のテーマソングにもなりましたが、齊藤和義さんの唄もいいです!(http://www.youtube.com/watch?v=b01yohRgfyc&feature=related

1/4 http://www.ustream.tv/recorded/15299170
2/4 http://www.ustream.tv/recorded/15303240
3/4 http://www.ustream.tv/recorded/15306642
4/4 http://www.ustream.tv/recorded/15309276

  翌日の全国の新聞やニュースなど報道で、この2万人の新宿アルタ前のデモなどがほとんど報道されなかったのも、また日本の現実のようです。朝日新聞、北海道新聞には、デモの様子など中心に大きくはないですが掲載されていましたが。この番組の出演者(一部・VTR含)は次の方々です: 岩上安身、前田真理、斉藤和義、池田香代子、森ゆうこ、保坂展人、木野龍逸、日隅一雄、孫崎 亨、武田邦彦、広瀬 隆、岩井俊二、藤波 心、小林武史、湯川礼子、河野太郎、松田美由紀、石井麻木、飯田哲也、キャンルジュン、一青窈 、マエキタミヤコ、福島瑞穂、おしどり夫婦、小出裕章

 一方海外向けにも発信されています(http://www.youtube.com/uniontube55?gl=JP&hl=ja)。

 

 このところ都内の地下鉄駅改札では、こんな電光掲示板も見かけます、先日の東京駅丸の内口でも同じものでしょうかね。

地下鉄駅改札口で

地下鉄駅改札口で

 来月からの節電体制に向けて、企業系もいろいろな工夫を始めています。15%が国の要請目標ですが、かなりの企業はそれを上回る目標を掲げて知恵を出していますね。これまで2回の石油危機を乗り越えた日本企業は、その後、飛躍的に国際競争力をつけました。今回もこれをきっかけに力をつけて貰いたいですね、簡単に「どうしたらいいか苦慮している」などとは言って貰いたくないですね。首相官邸で岡田元監督がおっしゃっていましたが、日本人の現場レベルの高い把握能力、折り合いをつけての迅速な解決能力等の国民性レベルを考えると、必ず乗り越えて新たな競争力を獲得すると思います!

ポロクル発表会

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 (株)ドーコン(http://www.docon.jp/)は、ポロクル事業推進するために、「株式会社ドーコンモビリティデザイン:http://dmd.docon.jp/」を今年4月1日設立しました。以下、HPからの引用です。

■株式会社ドーコンモビリティデザインの会社概要
商     号 株式会社ドーコンモビリティデザイン
英 語 表 記 Docon Mobility Design Co.,Ltd.   略称 DMD(ディ・エム・ディ)
本社所在地 札幌市厚別区厚別中央1条5丁目4番1号 Docon新札幌ビル
設     立 平成23年4月1日
資  本  金 3千万円(㈱ドーコンの100%出資)
代  表  者 代表取締役社長 安江 哲
事 業 概 要 自転車に関する共同利用サービスの企画、調査、運営、販売、賃貸
※本サービスの概要は(http://porocle.jp/)をご参照ください。
 ■社名の由来
 モビリティとは移動性(=移動のしやすさ)のことです。モビリティデザインとは、移動のしやすさや移動そのものをデザインするといった意味を持っています。株式会社ドーコンモビリティデザインは、都市や地域における移動のしやすさを追求し、豊かな人間環境の創造に貢献したいと考えています。
 先日、事業の発表会と会社設立感謝会が盛大に開催されました。

挨拶する安江社長

挨拶する安江社長

  昨年にはこれに先立つ社会実験(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=4348)、フォーラム(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=5132)も開催されました。

 札幌市は先月、自転車利用総合計画(http://www.city.sapporo.jp/sogokotsu/shisaku/jitennsya/jitensya-keikaku.html)を策定しました。私もこのパブリックコメントに投稿しましたが(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=7999)、残念ながら相変わらずの「役所的仕分け」で細切りにされて、私が訴求した「総合的」な理念の指摘には回答が無かったですね、彼らは「お答えしました」というのでしょうが。

 新しい交通手段としての自転車利用、札幌市は比較優位性が十分あることは間違いありません、ここで活用しないでどこでするんだ、大いに期待したいです!!

久しぶりに、Sade

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 「セイド」ではなくて「シャーデー」!

 先日東京行きのANA機内放送を聴いていたら、懐かしいボーカルに巡り合いました、「シャーデー:http://www.sade.com/gb/home/」です。もう17年くらい前でしょうか、アメリカ・ボストンのローガン空港かどこかで買ったCDを思い出しました。当時ラジオから流れる不思議な音に魅せられて、ボストンの現地法人のスタッフに尋ねたら、「Sadeと書いて『シャーデー(後ろにアクセント)』と読むの!」と言われたのを記憶しています。正確にはユニット名だそうですね、ボーカルの彼女の名前はSade Aduで、ナイジェリア出身だそうです。

 家に戻って探したら、ありました、「The best of Sade」というアルバム名(1994年ロンドンでの収録)。この画像は比較的最近のもののようですが、「Your Love is King:http://www.youtube.com/watch?v=bQWlg3Vx6xU&feature=related」が印象的でしたね。アルバムには無かったのですが、こちらも素晴らしい!「No Ordinary Lovehttp://www.youtube.com/watch?v=82xhLFh0Ygg&feature=related」。デビュー当時の写真と今と殆ど変らないですから不思議です、年齢不詳というか。

 因みに、先日の機内での曲は新曲で、「Still in love with youhttp://en.musicplayon.com/play?v=456512&Sade__Still_In_Love_With_You_2011__English__Lyrics__lyrics_Ringtone」でした。曲の雰囲気としては夜10時以降と言った感じで、落ち着きます。

ネットワーク形成のときめき!

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 秋山財団の 昨年「ネットワーク形成」報告会:http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=4024」、「社会貢献活動助成報告会:http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=4242」に続いて、先日「2011年度ネットワーク形成事業助成報告会」を開催しました。

 

 今回の2010年度に取り組んだプロジェクトの報告は、3年間の活動の蓄積が感じられて、さらに今後につながる素晴らしい成果も期待できて、感動しました。応援する側にとっても、単年度支援よりも、やはり複数年助成を充実するべきとの確信を得ました。             

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プロジェクト1「健康自給率向上の実技市民講座」 報告者:月刊誌「しゃりばり編集長」 大沼芳徳さん(http://www.akiyama-foundation.org/network/tema01.html

プロジェクト2「十勝農業イノベーションフォーラム十勝の大地が地球を守る~農地土壌への炭素蓄積による地球温暖化防止と地力増進~  報告者:㈱リープス 代表取締役  鈴木善人さん(http://www.akiyama-foundation.org/network/tema04.html

The Earth Cafe Project

The Earth Cafe Project

 プロジェクト3「民間企業と生産者による継続可能な特産品ブランド化計画- 3年かけて作り上げるビジネスモデル -   報告者:㈱北のお魚net 代表取締役  山口真佐美さん(http://www.akiyama-foundation.org/network/tema03.html

プロジェクト4「持続可能な地域社会形成に向けての新たな公的事業活動システムのあり方についての調査研究事業  報告者:釧路公立大学 地域経済センター長  小磯修二さん(http://www.akiyama-foundation.org/network/tema02.html

 

プロジェクト5「日本列島の原生的森林において、伐採・環境攪乱が森林生態系及び生物多様性に及ぼす影響評価  報告者:CONFE JAPAN  事務局長  市川守弘さん(http://www.akiyama-foundation.org/network/tema05.html

 

プロジェクト6「世界先住民族ネットワークAINU」

 報告者:世界先住民族ネットワークAINU  事務局長  秋辺日出男さん(http://www.akiyama-foundation.org/network/tema06.html

シルエットで失礼、秋辺日出男さん

シルエットで失礼、秋辺日出男さん

  報告終了後には、当日出席した秋山財団の理事・評議員・選考委員の方々と報告者の皆さまで、意見交換会を行いました。今回集まった「ネットワーク形成」を推進してきた方々相互も今後ネットワーク形成をしよう、との提案もあり、大変実りの多いひと時でした。

出席者による意見交換も

出席者による意見交換も

 企業活動でも市民活動でも、目的とともにそれを実現する「組み立て」が必要ですよね。実現するための中期計画であり、短期実行計画であり、スタートした以降は、差異分析を含めた「PDCAサイクルPlan->Do->Check->Action」なのだと思います。「思いつき」・「ひらめき」から「組み立て」へと、活動の進化を促す3年間助成の手応えを感じています。

  つい先ほど、アメリカの「Council on Foundationshttp://www.cof.org/」から、ネットワーキングをテーマとした会議のご案内状も届きました(http://www.cof.org/events/conferences/2011fall/preconference.cfm?eb=fc06082011#network)、グローバルにも「ネットワーク形成」がキーワードのようです!

「九条の会」講演会、日比谷公会堂で

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 「未来世代にのこすもの、私たちは何を『決意』したか」をテーマとして、今年も「九条の会:http://www.9-jo.jp/」講演会が東京・日比谷公会堂で2000名を越える参加者で開催されました。一昨年のこの会にも出席しました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=1351)。

日比谷公会堂正面玄関上

日比谷公会堂正面玄関上

 哲学者の鶴見俊輔さん、作家の澤地久枝さん、憲法学者の奥平康弘さん、作家の大江健三郎さんの4名がそれぞれ30分程度お話をされました。いずれも大変含蓄のある内容で、終了後に振り返ってみても胸に刻まれています。

澤地久枝さんの講演

澤地久枝さんの講演

 澤地さんは、「地震列島の上で営む日本人の生活である。今、『運命共同体』の船に乗り合わせて、『世直し』、言い換えれば『革命!』、この国の姿を根本から変える方向へ舵を切るべく、原点とも言えるものが日本国憲法だと思う。戦争放棄の第九条と、生存権にかかわる第二十五条に力をもたせ、それを砦として世の中を変えてゆきたい。私たちが、原発から漏れだす放射線を制御する技術を持ち合わせていないことが明らかになった今、まず、全原発廃止の方向を目指す意思表示から。小田実は、『一人から始める』と書いたそう、しかし、『一人』ではない」、「『独立した個人の人格』こそが価値である」、と満場の聴衆に熱く語り掛けました。

大江健三郎さんの講演

大江健三郎さんの講演

 4番目にお話をされた大江さんは、「井上ひさしさんが、この会ではいつもトリをつとめてユーモアあふれるお話でした」と振り返り、やはり自分にはその役回りは荷が重いとも。「Articulate(アーティキュレイト):明瞭に話す」という言葉を引用して、はっきりモノを言って抵抗する姿勢を大切にしたいと、冒頭におっしゃっていました。

~~~日本国憲法の前文~~~~~~~~~~~

 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
 われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
 日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。

~~~~~~~~~~~~~

 前文に2回表現されている「決意した」に、特別の価値を見出したいと。加藤周一、小田実、井上ひさしが相次いで亡くなり、呼びかけた人の数は少なくなるけれど、7500を越える各地の「九条の会」は、それぞれの活動によって勢いを大きくしています。北海道でも、グリーン九条の会(http://green9zyo.blogspot.com/)等多くのユニットで活動しています。

 井上ひさしさんの同級の憲法学者・樋口陽一(http://www10.ocn.ne.jp/~sak/higuchi-chosho.html)さんを紹介しながら、「立法事実:立法を必要とする情況」という言葉を引用し、戦争における「加害体験」としての憲法制定事実を思い起こすことの大切さも強調しました。1)とりわけ中国・朝鮮に対して、2)日本軍が国民に対して、3)軍幹部が兵士に対して、の加害体験です。そして、今こそ「決意し」て、再出発の意志を固めよう!と結びました。

 最後に事務局長の小森陽一さんが、「九条の会は今年の11月19日で7年を迎えます。ヒロシマ、ナガサキ、第五福竜丸、そしてフクシマへと続く日本から世界への核廃絶の発信を、これからも一層強固に進めていきましょう!」との呼びかけと御礼の言葉で、今年は終了しました。

 会場出口で、大江さん、澤地さん、小森さんにご挨拶も出来ました、演者の一つ一つの言葉の深い意味を反すうしながら、日比谷公園をあとに、3・11以降、また新たな出発です!!

カカフカカ & SWEET SOUL

Posted by 秋山孝二
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 少し前になりましたが、札幌市西区琴似の コンカリーニョ(http://www.concarino.or.jp/)で行われた、「『劇をつくるということ』プロジェクト第2期 発表公演ー『カカフカカ~私たちはいつもハイかイイエの波の中を生きている~http://gekiws.blog11.fc2.com/』」、このタイトル、何なのか?と少々戸惑いましたが、「可か、不可か」と言うことで、理解できました。私が観た公演では、桟敷席が出て通路まで埋まるほどのお客様でした、若い世代が多かったような気がします、嬉しいですね!

若い人たちで超満員!

若い人たちで超満員!

終演後も舞台には、椅子のオブジェ?

終演後も舞台には、椅子のオブジェ?

  これからの演劇を担う若い方々の熱演で、観客も含めて空間全体の熱気が充満していたような気がします、楽しみですね。

 一方、シアターZoo(http://www.h-paf.ne.jp/ogist/index.html)では、弦巻楽団(http://tgakudan.blog98.fc2.com/)の「Sweet Soul」、ストーリーは怖いのですが、推理小説のようでしたね。ポイント・伏線のセリフとか場面が盛り込まれていて、「アッ、そーか!」みたいな面白さを感じました、引き続き楽しみです。

 「舞台の力」、「ほとばしるエネルギー」というのでしょうか、以前にも似たようなことを書きました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=7983)、「3・11」以降続く何となく鬱陶しい気持の中、脳の違う部位が刺激されてリフレッシュできるのは幸せです。

映画「Inside Job」ほか

Posted by 秋山孝二
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 還暦を迎えて一番嬉しいのは、いつでも映画を1000円で観られることと以前にも書きましたが、それを実感する昨今です。

 まずは、ホラー映画より恐ろしい(?)、まさにそんな映画「インサイド・ジョブhttp://www.insidejob.jp/ 」です。3年前、投資銀行のリーマン・ブラザーズの倒産に始まった損失総額20兆ドル(!!)の世界的な金融破綻は、どのようにして起きたのか、それを徹底的に追ったドキュメンタリー映画で、「世界不況の知られざる真実」のサブタイトルもついています。今、金融機関で働く全ての方々には観て貰いたいですね。

 今年の第83回アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞(http://www.cinematoday.jp/page/A0002814)を受賞した作品で、今となっては、「金融破綻」と「東電福島原発事故」が同じような構造であり、間違いなく「人災」であることを確信します。「規制緩和」を通して、こんな構図を押し進めたのが80年代からの米国政権、レーガン、クリントン、ブッシュ、そしてオバマも、政党は違っても同じ構図で成り立っています。3大統領の下で金融政策を決めてきたグリーンスパンに始り、緩和政策を支えた政・財・官・学界の結託によって引き起こされた破綻だったと指摘したのが、このドキュメンタリーの重要なポイントです。

 「Inside Job:インサイド・ジョブ」の意味は、内部の良く事情を知った者が手引した犯行という意味。つまり、この金融危機は金融に関わる内部の者(インサイド)が犯した犯罪である、という認識であり、その証拠に誰も逮捕も起訴もされていません。映画の取材を拒否した当事者たちも多くいましたが、画面いっぱいに出て来る方々は皆、少し前までしかるべき責任ある立場に居た方、或いは現在も現役でいる方々ばかりです、何とも鬱陶しい息苦しさでした。

 次は、「ショージとタカオ:http://shojitakao.com/」、布川事件(http://www.fureai.or.jp/~takuo/fukawajiken/)の二人を追いかけたドキュメンタリー映画です。井手洋子さんが監督・撮影、二人の29年間の刑務所生活の後、仮釈放から14年間二人を追いかけて撮影し、2008年に東京高裁が二人の裁判やり直しを支持したのを機に、2年間で映画に仕上げたのが作品の経緯です。

 とにかく信じられないくらい前向きな二人で、何ともコミカルですから不思議です。とは言っても、こんな感想を持てるのも、現在、結末が分かっている私の気楽さゆえのことかもしれません。折々の場面で登場する方々の語りが、また実に味わいが深いです。判決が出る前の率直な「怖さ」の吐露とかです、勿論無実は信じているのですが、新しい「判決」を背負って、家族とともに生きざるを得ない状態にとか、重たいですね。この間ずっと関わった弁護士の方による、淡々と「冤罪」裁判の難しさの振り返りも強く印象に残ります。この布川事件、つい5月24日に、水戸地裁土浦支部で「再審無罪判決」が言い渡されました。足利事件(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=7775)とともに、日本社会における「冤罪」の問題提起です。

 最後は、「マイ・バック・ページhttp://mbp-movie.com/」、時代はまさに、私の学生時代とぴったりダブります。原作者・川本三郎さんも著名ですが、1976年生まれの監督・山下敦弘さんも若手のホープです。若いにもかかわらず、間合いを十分に取った会話のやり取り、ラストに象徴的に撮り続ける映像からのメッセージ等、素晴らしいです。この時代、全く体験していない方々にとっても、時代を生きた人々からメッセージを感じとれるのか、と少し嬉しくなりました。

 映画の前半、東京・日比谷野外音楽堂での集会シーン、あの集会の場に、当時大学生だった私は居たのです。山本義隆氏がカーキ色のジャンバー・ヘルメット姿で壇上に突然登場し演説を始めた時の様子を、上空のヘリコプターの音とともに鮮明に覚えています。時代の空気として「ホンモノ」、「ニセモノ」へのこだわり、観念的思考、何とも不安な人生の一時期ほか、今思い出しても胸が痛みます。ベトナム戦争反対、三里塚空港建設阻止等、内外ともに騒然とした時代ですが、学生の感性は今の学生よりはるかに鋭敏で、「社会問題」が身近で真正面から向き合っていたと思います。

 「人の優しさ」は、自らの装いを恥じる気持と相まって、一層心に染み入ります。私にとっても、三里塚空港建設現場での集会後、京成電車で成田駅から同方向ゆえに一緒に帰った学生の優しさは忘れられず、京成八幡駅近くの小さなお店の中華丼、朝から何も口にしてなかったので、酢をいっぱいかけて食べた時は、思わず疲れとともに涙が出て来ました。人を欺く行為に憤りを感じつつも、自分自身は他人を平気で裏切る危うさ、そんな揺れ動く10代最後の時期だったような気がします。

 この数日間、メディアでは「内閣不信任案」を巡って大騒ぎが続きます。私の所に届くメールにも、「いい加減にしてくれ!」みたいな内容が殆どです。誰とかどの政党とかではなく、戦後政治を担ってきた人材の貧困さ、「政治」総体への憤りでしょうかね。原発事故による放射能は出続けており、復興どころか復旧さえもままならない日本、私は深海で次の時代に向けた営みを粛々と続ける、そんな心境です、勿論、今を諦めた訳ではありませんが!

<6月4日追記> 昨日この欄で、「この布川事件、つい5月24日に、水戸地裁土浦支部で『再審無罪判決』が言い渡されました」と書きましたが、今朝の新聞記事によると、「水戸地検は3日、控訴を断念する方針を固め、東京高検に伝えた」とあります。予想は出来ましたが、どうして6日の最終決定前にこのような形でメディアに届くのでしょうかね?

「元禄地震」の津波は?

Posted by 秋山孝二
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 日本における地震・津波の歴史をあらためてひも解くと、かなりの頻度で過去に起きていることが分かります。千葉県館山市(http://www.city.tateyama.chiba.jp/)の北条海岸にも、「元禄地震:http://www.pref.chiba.lg.jp/bousai/bousaishi/genroku.html」による津波想定高の表示を見つけました。恐らく海岸から数百メートル奥まで被災したと思われます。海上自衛隊館山航空隊(ヘリコプター基地:http://www.mod.go.jp/msdf/tateyama/item/kitirekisi/kitienkaku.htm)と隣の島を結ぶ地盤は、関東大震災時に4メートルの隆起でつながったとも、記録に残っています。身近な所に、地震の跡を見ることが出来ます。

千葉県館山市鏡ヶ浦海岸から西方を臨む

千葉県館山市鏡ヶ浦海岸から西方を臨む:左の看板は元禄地震の津波高の表示

 高速館山道を通ってアクアラインの少し手前、木更津郊外の水田が、日没後素晴らしい光景でした。3・11前の宮城県仙台平野も、こんな景色だったのでしょうね。

日没直後の木更津周辺の田んぼ

日没直後の木更津周辺の田んぼ

 今月の札幌では、ライラック祭が終り、YOSAKOIソーラン祭(http://www.yosakoi-soran.jp/)、北海道神宮例大祭(さっぽろ祭:http://www.hokkaidojingu.or.jp/festival/index.html)と、お祭りが続きます。街なかに多くの人々が集い・舞い・笑う、そんな当たり前の幸せをしっかり噛みしめたい季節です。