公益財団法人 秋山記念生命科学振興財団(http://www.akiyama-foundation.org/)の25周年記念事業の一つ、「夏季古文書講座」が今週月曜日から5回開催されて、今晩で最終回を迎えます。連日熱心な受講者と相まって大盛況です。講師の片桐一男先生は、蘭学史・洋学史・日蘭文化交渉史の第一人者で、幕末・維新ほか、オランダ(阿蘭陀)との関係からみる日本のこの500年の歴史は興味深いです、以下、チラシからの転載です。
~~~~~~ 講師 青山学院大学名誉教授 片桐 一男 先生(洋学史研究会会長)
「『くずし字』の古文書(こもんじょ)が読めたらいいのになぁ」と思ったことはありませんか。取り上げます古文書教材は、「水書板」に「ふで」を使って『くずし字』の古文書の全文を書き写し、そのうえで、読解文を全文書き示しますので、初心者の老若男女、みんな楽しんで読めるようになります。
鎖国から開国への急激なショックで始まった長崎の海軍伝習と医学伝習は、日本の近代国家建設にどのように役立ったのか。
勝海舟と松本順の狙いと行動を示す古文書の読解を通じて、歴史の現場が鮮明に浮かび上がります。未公開古文書の読解を楽しんでください。
◎ プログラム(どの回からでも受講できます)
回 |
日 程 |
テ ー マ |
1 |
7月25日(月) |
勝海舟の狙い ― 「愚存申上候書付」 ― |
2 |
7月26日(火) |
長崎の海軍伝習 ― 時間表・オランダ通詞・咸臨丸 ― |
3 |
7月27日(水) |
勝海舟の「蚊鳴餘言」 ― 世界のなかのトクガワ・ニッポン ― |
4 |
7月28日(木) |
長崎の医学伝習 ― ポンペ・松本順・養生所 ― |
5 |
7月29日(金) |
「愛生館」事業 ― 松本順と髙松保郎 ― |
これまで私にとっては少々敷居が高かった「古文書」ですが、片桐先生の分かりやすい解説により、「解読する楽しさ」を体験しています。日記というものから、本人の心証だけではなく、時代の様子、伝習の雰囲気等を読み解き、想像していくわくわく感とでも言うのでしょうか、新しい発見でした。個別の古文書を重ね合わせる、誤字を発見する、省略の記号を解釈する、そのプロセスの面白さは、かなりの根気も必要ですが、扉を一つづつ開けて新しい世界を知っていくような、素晴らしいひと時でした。
鎖国から開国への急激な時代の変化の中で始まった長崎の「海軍伝習:http://www.mirai.ne.jp/~jkj8/nagasaki.htm」と第二次海軍伝習としての「医学伝習:http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=5595」は、日本の近代国家建設にどのように役に立ったのか、その一端を理解できたような気がします。
8 月 11th, 2012 at 5:15 PM
[...] 昨年に引き続き(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=9504)、今年も片桐一男先生による「古文書講座」を開催しました。4日間と、昨年より1日短縮となりましたが、内容は古文書解読を重点的に講座は充実していました。 [...]
8 月 22nd, 2013 at 7:53 AM
[...] http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=9504 [...]