三重県訪問 (中)

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comment: 1

 二日目の朝、ホテルにあった新聞を見ると、早速前日の記事が掲載されていました。

翌日の新聞各紙三重版に掲載

翌日の新聞各紙三重版に掲載

 この日の行程は、三重県総合博物館(http://www.bunka.pref.mie.lg.jp/MieMu/視察、その後、三重県庁を訪問し、鈴木英敬・三重県知事との面談・意見交換でした。

県立博物館で館長・学芸員からご説明

県立博物館で大野照文館長&学芸員からご説明

歴史上の人物の人脈を見える化

歴史上の人物の人脈を見える化

 週末から始まる特別展示「植木等と昭和の時代(http://www.bunka.pref.mie.lg.jp/MieMu/88903000001_00004.htm」の準備状況もついでに見学しました。

近々の植木等特別展示の準備

近々の植木等特別展示の準備も

 県庁での鈴木英敬知事との面談、私は(公財)北海道演劇財団理事長として参加していましたが、特段発言する場面もなく、席に着いていました。鈴木知事とは、昨年3月、寺島実郎さんの戦略経営塾が賢島で開催された時(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=25817)にお会いしてお話を聞いていましたので、終了後にご挨拶した時にその旨をお伝えしました。

 知事との面談後は、高橋・鈴木両知事の記者会見。

三重県庁で鈴木知事と懇談後の記者会見

三重県庁で鈴木知事と懇談後の記者会見

 今回の訪問団は「北海道150年事業実行委員会」のメンバーが中心で、この委員会は、北海道150年道民検討会議が策定した「北海道150年事業基本方針(http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/ssa/281107-hkd150-1sokai-1.pdf)」を踏まえ、北海道を愛する多くの皆様方と連携しながら、2018(平成30)年に、北海道命名150年の記念事業を推進することを目的(北海道150年事業実行委員会規約第2条)として、平成28年11月7日に設立されました。

三重県訪問 (上)

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comment: 1

 「北海道」と命名されて来年で150年となります。先日、「北海道150 年事業に係る三重県(松阪市、津市)視察調査」で、北海道の高橋はるみ知事を団長とする三重県訪問団の一員として、6名の委員と道庁の関係者と二日間同行しました。

 初日は中部国際空港で集合し、貸切バスで松阪市内の松浦武四郎生誕地(生家)視察、続いてそこから5分の松浦武四郎記念館視察、さらに竹上真人松阪市長との面談・意見交換でした。

 途中、高速道路桑名を越えたパーキングエリアで小休止、四日市周辺は大変な雪でした。

四日市周辺は大雪

四日市周辺は大雪

 松阪市内の松浦武四郎生誕地(生家)では、近所の皆さまの大歓迎と沢山のメディアの方々のカメラと取材が殺到。寒空の中、バス到着が天候の影響で少々遅れたので、随分お待ちになったことと大変恐縮しました。

松阪市・松浦武四郎生誕地での報道陣

松阪市・松浦武四郎生誕地での報道陣

 松浦武四郎記念館では、今度は小学生の子供たちが小旗を振ってのお出迎え。こちらも寒い中、何かとっても申し訳ない気持になりました。これが伊勢路のおもてなしなのでしょうか。玄関では竹上真人松阪市長ほか市・教育委員会幹部とご挨拶でした。

松浦武四郎記念館前のお出迎え!

松浦武四郎記念館前のお出迎え!

 山本命(めい)学芸員のご説明で、特別に松浦武四郎関係の貴重な資料も見ることができて感動しました。私は4年前にここを訪問して、やはり山本さんにご案内をして頂きました、再会できて嬉しかったですね(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=17163)。今回の視察であらためて松浦武四郎がアイヌ人の方々をリスペクトしつつ詳細な調査をしていたことを再確認しました。

貴重な資料を特別に閲覧

貴重な資料を特別に閲覧

 40分程度の面談・意見交換の後、記念館玄関ではぶら下がり記者会見でした。

記念館でのぶら下がり記者会見

記念館でのぶら下がり記者会見

新しい年の早朝、神宮参道ほか

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 今年の冬は気温の低い日が続き、新雪が少し積もった札幌市中央区宮の森界隈、歩くと「キュッ、キュッ」と独特の音がして、何かとても懐かしい気持になります。日の出は少しずつ早くなってきているのでしょうか、朝、地下鉄駅に向かう途中、宮の森交番横で真正面に日の光、不思議な景色です。

宮の森交番辺りから日の出を拝む

宮の森交番辺りから日の出を拝む

 北海道神宮駐車場を横切り、裏参道方面に向かって歩くと、昨晩からの新雪が境内の木々に積り、白黒のコントラストが見事です。

新雪の北海道神宮境内

新雪の北海道神宮境内

モノトーン&静寂

白黒コントラスト&静寂

裏参道の鳥居からのご来光

裏参道の鳥居からのご来光

 この数年、駐車場に止まっている団体観光客とは別に、カップル・家族で地下鉄円山公園駅方面から坂を上ってくる外国人観光客の方々が増えていますね。雪が余程珍しいのか、歓声を挙げて大騒ぎ、雪を背景に自撮りする人たち、新雪の中にダイビングする子供、札幌の冬そのものが貴重な観光資源になってきています。2月の雪まつりでは、また200万人を越える方々がいらっしゃるのでしょうね、天候に恵まれることを祈るばかりです。

きたネットカフェ、「自伐型林業」

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 今年初のきたネットカフェ、一昨年(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=21700)に続いての「自伐型林業」について、中嶋健造さんのお話でした。

 今回は、昨年12月に設立した「北海道自伐型林業推進協議会(http://jibatsukyo.com/info/event/161206-hokkaido」のメンバーの多くも参加し、前回からさらにブラッシュアップされた内容は、説得力を増していました。協議会は現在会員数個人24名、団体6、これから順次増えていくと思われます。

地方創生の現実的現場からの提案!

地方創生の現実的現場からの提案!

 それに先立つ「NPO法人 自伐型林業推進協会(http://jibatsukyo.com/」の代表が高知人・中嶋健造さんです。全国を飛び回って人材育成に取り組んでいます。

中嶋健三さんの熱弁

中嶋健造さんの熱弁

会場満杯の参加者と意見交換

会場満杯の参加者と意見交換

* 日本の森林面積は国土の7割、1割の農地と比べてまずは森林活用に取り組むことが現実的

* 日本の温帯は雨も多く、材木成長は良好、樹種も豊富、スギ・ヒノキは日本と台湾のみに生育。他の温帯地域は海か大陸で、雨が少なく木も少ない。林業実施には地球上で最適地!

* 日本のこれまでの林業政策は、所有・経営・施業(森林組合)の分離、これを忠実に守ったのが都道府県

* ドイツでは林家農家が自伐型林業を実施している

* 林業(自伐型) VS 素材生産業(伐採業)(森林組合)

* 自伐型との兼業化がまず第一歩、次にくるのが6次産業化、観光 まずはすぐの現金ではないか?

白井一幸さん、コーチングを語る!

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comment: 1

 JPSA(https://www.jpsa.net/about/)札幌支部主催の特別講演会は、以前から注目し、尊敬している北海道日本ハムファイターズの内野守備走塁コーチ兼作戦担当・白井一幸(http://shirai90.ashita-sanuki.jp/)さんをお招きしての「勝てる組織の極意」でした。一度お話をじっくり聞いてみたいと思っていましたので、実現して大変嬉しく、そして、期待通りのお話に感動しました。

2016年11月20日札幌での優勝パレード、バス上右側・白井一幸コーチ

2016年11月20日札幌での優勝パレード、バス上右側・白井一幸コーチ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

白井一幸: 香川県志度商業高-駒澤大-日本ハム(ドラフト1位・84~95)-オリックス(96)-日本ハム/北海道日本ハム(00~02二軍総合コーチ・二軍監督03~07コーチ)-カンザスシティ・ロイヤルズ(08特別コーチ)-横浜/横浜DeNA(11二軍監督・12コーチ)-北海道日本ハム(14~内野守備走塁コーチ兼作戦担当)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 当日の講演から印象に残ったフレーズを書き留めます。

* 選手時代は常に最下位争いのチームで、一度も優勝経験がなく、悔いていた

* メジャーリーグ・ニューヨークヤンキースに留学して、コーチングを学び、選手へのアプローチの違いに驚き。アメリカの場合は、一生懸命プレーしたことに対してどんな結果であれ「グッドジョブ」といい、日本の場合は、その結果で怒ったり、褒めたりしていた

* ヤンキースでは、グランド整備員も含めて関わる全ての人々が「世界一を目指している、目指し続けている!

* ヤンキースのチームの目標「世界一」=個人の目標が終始徹底

* 2001年に日本ハムファイターズの二軍監督に就任した時、「日本一を目指そうぜ!」、「日本一」になるにはまずは「日本一を目指す」こと、これは今すぐできることだろう!そして、そこから相応しい取り組むをしていくこと

* いかに選手の能力を引き出すか?それは日頃の行動の観察や対話から生まれるもの

* 「勝つ」三つの要素 1)一人一人の実力(トレーニングの方向性)、2)チームワーク(「仲がいいこと」ではなく、「チームの目標の共有」、一人一人が「役割と責任を果たす」こと)、3)

* 「運」を呼び寄せる質の高い練習法――>30mの全力疾走 愚直にやり続ける選手には「信頼」が生まれる

* 日本の指導者像の間違い: 結果を怒る(怒り、脅す)原因を教える(話を聞かなくなる)猛練習を強いる(サボりにつながる)

* コーチは選手に対して、「一回で伝える覚悟」がなくてはダメ!

* 「励ます」は大きな力に、「適切に質問する」は考える力をつける!「Yes」、「No」で答えられる「Closed Question」ではなく、「Open Question」であるべき

* 「聞き上手」になること、「考える」ことは「しゃべり続ける」こと

* 失敗したことを怒った方が指導者らしく見える、という雰囲気が日本の野球界にはある。重要なのは「指導者らしさ」、「指導者のガンバリ」などではなく、選手の成功がコーチの成功。選手が成功するためにどう関わっていくかが最も重要

* 「セルフカウンセリング」とは、お前は指導者として成功したいのか?すなわち、指導者の成功=選手の成功、「やらせて頂いている」という気持になれるかどうか

* 一流の指導者に求められる条件: 1)選手を成功に導く、結果を出してもらう、2)相手の成功を自分以上に喜べるマインドを持っている、3)相手の可能性を100%信じることができる

* 引用「 ナイストライ!白井一幸ブログ:マジック1」

 チームの勝利のために気持ちをひとつにして、それぞれの選手達が役割と責任を果たし、プレーする姿は頼もしく美しいです。勝利、優勝という結果以上に、この姿勢こそが目指してきたものです。勝利、優勝という目標を達成するために、時間をかけて、方向性、価値観を共有していく過程から生まれてくる一体感、責任感はチームづくりの醍醐味です。目標達成のためにチーム一丸となり、全力を尽くす姿からは感動が生まれますね。自らが感動し、その感動を多くの方々に感じていただくことができれば、これ以上の喜びはありません。

* 自分は、「成功しているにもかかわらず学び続けている人」から学びたい、「学ぶ覚悟」とでもいうのだろうか

 以上、特に印象に残った言葉を羅列しました、「Coaching」と「Teaching」の違い、本当に素晴らしいお話でした。講演前に白井一幸さんとご挨拶できたこともよかったです。是非、新しいシーズンも北海道日本ハムファイターズの連覇に期待したいです!

定山渓、新春 2017

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 高校の大先輩・安井さんからいつもお誘いを頂き、今年も定山渓の「ぬくもりの宿ふるかわ(http://www.yado-furu.com/」さんにお世話になりました。個人の外国からのお客さんを含めて満員状態、「温泉」の魅力は相変わらずですね。小樽、虎杖浜の宿も大変好評と巷の噂で聞いています。

雪降る定山渓、「ふる川」!

雪降る定山渓、「ふる川」!

 札幌大通の NHK前から送迎バスで1時間少々、到着してすぐに足湯の場「心の里定山(http://www.kokorono-sato.jp/」で静かなひと時でした。運営は、「NPO法人 森と湯の里定山渓(代表 一條晋さん)」で、ヒーリングラウンジに流れるゆったりとした音楽、雪と庭園とゆけむりのモノトーン、久しぶりの静寂の中、瞑想にふける空間です。

離れのような静寂の中、素晴らしいひと時

離れのような静寂の中、素晴らしい時空

 翌日は、こちらも高校の大先輩、古川善雄社長の説明付きで新商品を頂きました。今後の新たな事業展開もお聞きし、これまで以上のアイディアに、超高齢化社会の中で温泉の果たす役割ほか、熱弁に聴き入っていました。

ホットなリンゴ果汁・シードルから

ホットなリンゴ果汁・シードルから

 定山渓は、私自身、様々の思い出があります。60年以上前の幼稚園の遠足から始まり、会社の観楓会、書道サークルの忘年会ほか、です。途中の道は2車線に拡幅されたりトンネルができたりと変化はしていますが、温泉街の風情は今も当時の面影を残していますから嬉しいです。札幌の街なかから1時間足らずの場は、これから益々価値が出てくることでしょう、大切にしたい札幌の「宝物」ですね。

寺島文庫「未来先見塾」から二題

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 昨年後半に、BS11・寺島文庫「未来先見塾(http://www.bs11.jp/news/sp/miraisenkenjuku/」で、ハッとさせられる二つの話題がありました。いずれも、外からの新鮮な目線、というか客観的に自分たちをどう位置づけるのかに対する貴重な視座とでもいうのでしょうか。見方を変えると発想も変わる、そんな気がしましたね。

 一つは、青森県知事・三村申吾(みむらしんご)さん(http://www.gogo-shingo.jp/)と寺島実郎さんとの対談から。物流の変化と地理的な優位性を見事に結びつけています。

青森県の提唱する「Aプレミアム」の物流戦略

青森県の提唱する「Aプレミアム」の物流戦略

 その基盤となる現状認識です。この地図は、もう何回も見ていますが、これから地域の将来をどう位置付けていくか、その辺りがまさに「モルティング」なのでしょう。産業から北東アジアをどう認識するか、遅々として進まない政治・外交的アプローチではなく、民間の経済・産業的視点から、時代に遅れることなく新しい発想を持たなければと、あらためて痛感しました。

東アジアの地政学的な物流の現状

北東アジアの地政学的な物流の現状

 さらにズームで見据えると。

津軽海峡の重要性ですね

津軽海峡の重要性!

 北海道新幹線の開業を絶好のチャンスとして、面的な「立体観光戦略」を展開する青森県の意気込みがすごいです。

北海道新幹線開業の戦略的活用は、北海道以上かも

北海道新幹線開業の戦略的活用は、北海道以上かも

 目を転じて、「最新世界情勢地図(https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-08-EK-0375264」から観る日本の現状は?

各国のコメントがありますが、日本へのメッセージも新鮮!

各国のコメントがありますが、日本へのメッセージも新鮮!

一言で言えばこういうことなのでしょう!

一言で言えばこういうことなのでしょう!

 そして、今の日本に対しての率直な印象・課題は?あまりにアメリカに近寄っていて、日本の自立的ポリシーの展開が本当に可能なのかと、疑問も投げかけられています。

近寄って見ると、フクシマ原発事故は大きなファクター!

近寄って見ると、フクシマ原発事故は大きなファクター!

 フクシマ原発事故は、やはり、日本に対する大きなファクターようです。

「欲望の資本主義 2017」

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 年始早々、凄い番組を観ました、登場人物のそれぞれのコメントが心に沁みます。日々のマスメディアではなかなか解き明かせない原理・原則ほか、時代の潮流を俯瞰する視座は、年の初めとして極めて価値があります。

 HPから~~~アダム・スミスは間違っていた?ゼロ金利、英EU離脱、トランプ相場…。資本主義が揺れ、その在り方が問われる今、人々は「目先」の動きに右往左往する。それは利子という「禁断の果実」に手を出し楽園を追放された時に始まる?資本主義という経済システムの本質を解剖。アメリカの行方は?ヨーロッパに希望は?日本オリジナルのモデルとは?内外の経済のフロントランナーたちに取材、欲望という視点から資本主義を読み解く冒険。~~

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

NHK・BS1スペシャル 「欲望の資本主義2017 ルールが変わる時」 <1月3日(火)午後9時00分放送>

http://www4.nhk.or.jp/bs1sp/x/2017-01-03/11/21522/2225460/

前編 50分 http://www.dailymotion.com/video/x57a5jd

第一章 資本主義の現在

第二章 成長は至上命題?

第三章 魔術の誕生

第四章 幻想が幻想を生む

第五章 欲望の果てに

後編 50分 http://www.dailymotion.com/video/x57a66d_%E5%BE%8C%E7%B7%A8-%E6%AC%B2%E6%9C%9B%E3%81%AE%E8%B3%87%E6%9C%AC%E4%B8%BB%E7%BE%A9%EF%BC%92%EF%BC%90%EF%BC%917-%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%81%8C%E5%A4%89%E3%82%8F%E3%82%8B%E6%99%82-20160103_news

第六章 サイレントフォース

第七章 危機後の世界

第八章 グローバルかナショナルか

第九章 数 リスク 不確実性

第十章 不確実の世界へ

最終章 未来へ

<出演者ほか>

【出演】 安田洋祐(大阪大学准教授),ジョセフ・スティグリッツ(コロンビア大学教授),トーマス・セドラチェク(チェコ総合銀行 マクロ経済チーフストラテジスト),エマニュエル・トッド (歴史人口学者),ルチル・シャルマ(モルガン・スタンレー・インベストメントマネージメント チーフストラテジスト),アルヴィン・ロス(スタンフォード大学教授),ウィリアム・トラヌジャヤ(トコペディア CEO),原丈人デフタ パートナーズ グループ会長),安永竜夫(三井物産 代表取締役社長),小林喜光(三菱ケミカルホールディングス 取締役会長)

【語り】 やくしまるえつこ

【ナビゲーター】 安田洋祐(大阪大学准教授)

~安田洋祐先生の番組へのコメント~

 ノーベル経済学者のスティグリッツ教授やロス教授をはじめ、世界の経済・金融・産業界のフロントランナーの方々にお話を伺いに行きました。昨年5月に放送された「欲望の資本主義~ルールが変わる時~」の増補改訂版、あるいは拡大完全版という内容で、時間も実に倍の100分へと大幅に拡大しています!僕もスタッフのみなさんも、膨大な時間と集中力を注ぎ込んで作り上げた番組で、自分が今までメディアを通じて行ってきた経済系の知見に関する情報発信の集大成、とも言えるデキに仕上がっています!(編集は確認していませんが、きっとそのハズ!!)
 「欲望の資本主義」に携わったことがきっかけで、資本主義や経済に関する自分自身の捉え方や研究の方向性にも変化が起こりました(その研究成果の一端が、競争市場とある種の格差との関係に注目したこちらです)。同時に、国や職業が異なる識者の方々と、複雑な問いについて様々な視点から議論することの楽しさも知ることができました。番組に備えるための情報収集などに時間がかかり、従来行ってきた研究のペースは一気に落ちてしまいましたが、それを補って余りあるほど、研究者としてもコミュニケーターとしても成長することができたように感じます。
 運命的な番組との出会い、番組を通じた他では得難い経験、そして番組制作に携われた多くの方々に本当に感謝しています。100分間と長丁場の番組ですので、録画でも構いません。ぜひ一人でも多くの方にご覧い頂けると、本当に本当に嬉しいです^^どうぞよろしくお願いします!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

<私が手元に書き留めたメモから>

* 本来、お金は人々に託されたものだったのが、その後の資本主義の発展により貯めることが目的化してきた

* 従来型の経済指標は、もはや現実の状況を反映できない

* 日本はこのままで突き進めば「KAROSHI」するだろう

* 果てしない欲望に基づく資本主義に代わる新しい社会システムが必要

* Facebook等は、「いいね!」に象徴される「好かれたい欲望」をお金に換える新しいシステム

* アダム・スミスは、「利己主義」とともに「共感」にも言及している

* 新しい言葉、「B.C.(Before Crisis)」&「A.C.(After Crisis)」

* 「不確実性」と「リスク」は根本的に異なっている、イージー・マネー(悪貨)がこれを混同させる危険な世界

* 「欲望の資本主義」に代わる「禅的資本主義(Zen Philosophy)

* 持続性があり、人にやさしい資本主義へとシフトすべき

* 「公益資本主義」は「社中」への還元と中長期の投資により、中産階級を豊かにする

* 私たちの「舵(かじ)」は私たちの手の中にある

ゆるり、スタート!

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 年末の片付けは未完のまま年を越し中途半端な年末でしたが、年明けは子供たち家族の訪問もあり、静かにゆっくりスタートしました。

 昨晩は、高校同期会が札幌市内のホテルで開かれ、私は世話人の一人で23名が集まりました。大きなテーブルを皆で囲んでの懇談は、例年以上にそれぞれの近況、今年の抱負も聞くことができて楽しいひと時でした。ただ、昨年亡くなった友も複数いたり、長期的に体調が今一な同期もいたりで、健康にはくれぐれも注意して、生きていることの喜びと感謝は、年を経る毎に感じると皆言っていました。

終わった後みんなで記念撮影

終わった後みんなで記念撮影

 昨晩、中学も同期の友・谷井純くんから、今年のゴールデンウィークの頃に、東京で中学校同期会を行う計画があることも教えて貰いました。65歳を越えて、何かとても札幌の原風景の藻岩山、手稲山、豊平川、大通り、市電等が懐かしく思われる昨今なのでしょうね、古谷滋海・和久くん兄弟、北原規くん、南英明くん、他が集まりそうです、楽しみです。できるだけ多くの同期にお声をかけたいと思っています。

 そうこうして本日を迎えてFacebookを見ていると、大阪での今井紀明くんのメッセージが目に留まりました、読売新聞関西版の記事です。

* http://www.yomiuri.co.jp/osaka/feature/CO027214/20170104-OYTAT50022.html

 彼は、一昨年10月の「新渡戸稲造記念遠友みらい塾(http://enyumirai.main.jp/)」発足会議に参加してくれました。

「遠友みらい塾」発足会議

「遠友みらい塾」発足会議

右から二人目の今井紀明くん

右から二人目の今井紀明くん

 それぞれの世代が、混とんとする時代の中で真摯に生きていこうとする姿、誠実ですし大切にしたいですね、今年も宜しくお願い致します!

謹賀新年 2017

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comment: 1

 皆さま、新年明けましておめでとうございます。昨年は様々な場面でお世話になりました、心より御礼申し上げます。

明けない夜はない、夢を持ち続けて・・・・

明けない夜はない、夢を持ち続けて・・・・

 気持を新たに、今年も引き受けている課題解決を一つ一つ丁寧に実践していきたいと思っています。

 秋山財団では、第8期中期五か年計画が始まります。今月中旬の理事会でその骨子を承認して頂くことになっていますが、以下のように考えています。

~~~~~~~~~~~~~~~~~

活動目標及び方針

財団設立25周年(2011年)に策定した長期方針「未来像・2011から(http://www.akiyama-foundation.org/vision)」、その後の第7期中期5カ年を踏まえて、30周年以降の進化・深化を目指す。更に充実した事業展開としっかりした事業検証を継続し、それを裏付ける財政基盤の拡充を目標として、事業計画及び財務計画の基本方針を次の通りとする。

1) 研究助成、活動助成全般を通じて、「生命科学」の概念を明確にし、「北海道学」に象徴される「地域」について深掘りする一方、生命科学の基礎的研究に取組む若手研究者を重視した助成を継続する。

2) 「新しい公共」の担い手への支援・育成を柱に、「ネットワーク形成事業助成」を検証し、パートナーとして共に進化する道筋を継承する。

3) 自主・自立を堅持する民間財団として、一層の基本財産の保全と充実に努め、さらに積極的な運用を研究し、実行する。

4) 財団経営の充実と発展のために、事務局機能の職務・権限を確立する。

~~~~~~~~~~~~~~~~~

 今年9月の秋山財団の特別講演では、ソニー・コンピューターサイエンスの桜田一洋(https://www.sonycsl.co.jp/event/592/)さんをお招きして、「生命科学」についてのお話をして頂く予定です。その他、私が理事長を務めている幾つかの財団・NPOでも、中期的な活動方針をしっかり確認して、皆さんとともに「アウトカム」に拘った活動をしていきたいものです。

 今年も、よろしくお願い致します。

大晦日 2016

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 毎年のこの「秋山孝二の部屋」の年末メッセージを見ていると、随分差があることに気が付きます。昨年末の振り返りは3本の記事にまとめるほど一生懸命でしたが、今年は何かと思いを巡らすことも多く、多忙な中に逃げ込んでゆっくりの振り返りもままならない状態で年を越しそうです。

 何はともあれ総じて、私にとっては大変充実した1年でした。海外出張は3月のアメリカ・オレゴン州ポートランド訪問、10月の香港と、ともに内容の濃いディスカッションとフォーラム。国内では、熊野古道・中辺路ウォーク、北を語る会での道内樺戸・増毛方面のツアー等、バラエティに富んだひと時も思い出に残ります。ただの見学ではなく、その場その場での学芸員、解説者の皆さまのお話が大変感動的でした。

* ポートランド訪問 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E5%A7%89%E5%A6%B9%E9%83%BD%E5%B8%82%E3%83%BB%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%

* 香港 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=RETHINKING+IMPACT+%EF%BC%A0%E9%A6%99%E6%B8%AF

* 熊野古道・中辺路ウォーク http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E7%86%8A%E9%87%8E%E5%8F%A4%E9%81%93

* 北を語る会ツアー http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E5%8C%97%E3%82%92%E8%AA%9E%E3%82%8B%E4%BC%9A%E3%83%BB%E7%A7%BB%E5%8B%95%E4%BE%

 北海道日本ハムファイターズの日本一までのプロセスは、本当にドラマ、ドラマの連続でしたね。大谷翔平くんが巷の話題ですが、栗山監督ほかコーチ陣、若手選手たちの溌剌とした活躍が数多くの感動を与えてくれました。私はテレビで見ているだけでしたが、優勝パレードには足を運んで感動を共にできました。インターネット上の記事を時間を見つけて片っ端からアクセスして、サイトを手元メモに書き留めましたが、すでに削除されている動画もありました。優勝記念の雑誌、DVD、そして昨日はHBCラジオの実況CDも買って、再度興奮をあらたにしました、本当に何回見ても、聴いても、涙涙の感動でいっぱいです。ファイターズのチームで育っていく若手選手の成長と、感動をともにできることは、ただのプロ野球というよりも良質の学校を見ているようです。

2016 栗山 https://www.youtube.com/watch?v=8AT0a__FdM8

2016 栗山 クロ現 https://www.youtube.com/watch?v=NZNiXT9zPIw

2016 栗山 特派員協会 https://www.youtube.com/watch?v=mhTctX0hdJU

2016 理想の球団経営 https://www.youtube.com/watch?v=q9lM2Z2rA3c

 今年4月、私は大分県臼杵市での会合に出席するために、前日から大分県別府市に宿泊していました。早めに寝ていたら真夜中午前1時半前に、大きな揺れに襲われました。2日前の熊本を中心とした地震に続いての揺れ、後にこれが「本震」と変更されました。大震災を肌で感じて以来、出張先での一人での宿泊では後遺症が続きました。地元の方々にとっては続く余震で、今も不安なお気持ちでお過ごしになっていることでしょう。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=26258

 秋山財団は30周年を迎え、今年は常務理事、事務局の頑張りで新しい段階へと進化しました。来年からは31年以降のさらなる飛躍を目指して着実に前進して参りたいと思っています。テーマとしては「生命科学」、フィールドとしては「北海道」をさらに深掘りして、新たなバージョンで社会に貢献して参りたいですね。

 夢の膨らむ今年でしたが、世界に目を向けると、Brexit、アメリカ大統領選挙でのドナルド・トランプ氏勝利、韓国の朴槿恵大統領の進退、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領の暴言、頻発する各国でのテロ等、何やら不穏な今後を予感させるので少々不安です。日本の政治・経済のリーダー達の劣化も、目を覆うような惨状。先日の安倍晋三首相のアメリカ・ハワイ州真珠湾訪問に対しても、私はかなりネガティブなコメントを発し、翌日(29日)の北海道新聞朝刊に記事の一部となりました。

 振り返り始めると次から次へと記憶が蘇ります。今年、数々の名言にも触れました。

 9月に早稲田大学で行われた「むのたけじの魂を継承する」集会で、亡きむのたけじの言葉、「『すりかえる』権力と『すり抜ける』民衆、騙されないこと」、「歴史は一人から始まる、自分から始める、それは自分に誇りを持つこと」、と。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=27735

 また、今年で6年目になる寺島実郎戦略経営塾(http://www.terashima-bunko.com/terashimabunko-juku/strategic-management.html)での寺島実郎さんのお言葉、「つながりを理解できる力、うねりを理解する力、それが『知性』である」、と。

 今年1年、多くの皆さまにお世話になりました、来年もまたよろしくお願い致します。どうか良いお年をお迎え下さい。

忘年会、いろいろ 2016

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 環境系の(有)イーズ(http://www.es-inc.jp/)が主催する異業種交流会(http://www.es-inc.jp/network/index.html)の忘年会が東京でこじんまりと開かれました、初めての試みです。たくさんの日本酒のチョイス、甘口・辛口と随分飲みましたね。この異業種交流、今年は多様なテーマを取り上げて最先端で活躍されている方々を囲んでのワークショップが充実していました。時間的に必ずしも毎回は参加できませんが、集まっている皆さまも熱心で、企業系、NPO系、年齢も幅広く、毎回刺激を受けています、来年も宜しくお願い致します。

こじんまりと東京駅八重洲で

こじんまりと東京駅八重洲で

 一方、札幌では、環境系「認定NPOきたネット(http://www.kitanet.org/)」常務理事の宮本尚さんほかのライブ&忘年会が、ライブハウス&bar「fudge(http://www.fudge-miim.com/002/001/)」でアットホームな雰囲気の中、開かれました。原崎美也子さんと感動の料理人&ミュージシャンのKapo さん、ありがとうございました。

Fudgeのカウンター奥

Fudgeのカウンター奥

宮本尚&トランペットとベースのアンサンブル

宮本尚&トランペットとベースのアンサンブル

The Earth Cafe セミナー@帯広

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 「The Earth Cafe(http://earth-cafe.jp/」の恒例の「ウィンターセミナー(兼忘年会」)が、今年も帯広で開催されました。

今年も熱心な参加者の皆さん

今年も熱心な参加者の皆さん

司会進行はかおりさん

司会進行は深谷かおりさん

 今年はキーノート・スピーカーに安宅一夫先生(酪農学園大学名誉教授)をお迎えし、昨年、40周年を迎えたアジア酪農交流会(http://asia.rakuno.org/におけるアジア地域の酪農ネットワークの構築などの話題提供に加え、いつものように参加者からのショートプレゼンテーション(15〜20分)による近況報告、問題意識や情報の共有を行いました。

安宅一夫先生

安宅一夫先生

アジア各国で活躍中

アジア各国で活躍中

 トップバッターは小泉牧場(https://www.change-agent.jp/news/archives/000093.html)の小泉浩さん、「天牧ネットワークセミナーの報告と今後の展開」でした。

このシルエットは小泉さん

このシルエットは小泉浩さん

酪農就農者の人材育成に情熱を傾け続けています!

酪農就農者の人材育成に情熱を傾け続けています!

 続いては北一ミート(株(http://www.kitaichimeat.com/)の田村健一社長、「熟成肉」から北海道スタイルに挑戦中です。

田村健一社長

田村健一社長

 次は(株)バイオマスソリューションズ(http://biosol.jp/)の藤本達也社長、このセミナーの主催(一社)The Earth Cafeの理事でもあり、以前、私も一緒にアフリカ・マラウィに行きました。

<アフリカ・マラウィ関連>

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=3570

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E3%83%9E%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%82%A3%E7%B7%A8

 休憩を挟んで、(株)ハイテックシステム(http://www.hitech-system.co.jp/company/)の酒井裕司社長、技術と事例の紹介でした、。

酒井社長

技術で挑戦!

 続いて、栗山町から「栗山町地域おこし協力隊(http://www.town.kuriyama.hokkaido.jp/docs/2015041400014/)」の金川綾華さんによる取り組み紹介。

金山さん

金山綾華さん

 さらに、Radixの会(http://www.radix-jp.org/)の高橋裕介さん、(有)環境テクシス(http://eco-techsys.com/index.html)の高橋慶さん、エンザイム(株)(http://www.enzyme.co.jp/)の鈴木一哉さんの事例報告でした。それぞれご自身のフィールでの挑戦を熱く語られました。

 閉会のご挨拶を私から。このところの私が参加したフォーラム(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=28346)で続けて話題になった「ソーシャル・インパクト投資」、「ESG投資」ほか、活動評価におけるグローバルマネーの動向を小林立明さんの記事等を引用してご紹介しました。

* http://www.worksight.jp/issues/812.html

 そしてフォーラム終了後は、こちらも恒例の大忘年会、例年を上回る盛り上がりで一次会は終了です。

沢山の方々とお話ができました!

沢山の方々とお話ができました!

ライヴ in ライブ @ 札南高

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 札幌南高の図書館司書・成田康子(http://www.msz.co.jp/topics/07789/)さんは、沢山の著書を出版され、全国的に図書活動で有名ですが、ここで繰り広げられている「Live in Lib」は、そのユニークな活動でも注目されています。昨今の高校生の図書離れ・読書の不足は、ここ札南高でも危機感を持つほどと成田さんは以前からお話をされていました。

 数か月前からご相談を受けて、この度秋山財団と連携して、定期的に、秋山財団で採択された若手研究者の方に研究の道に入った動機、推薦する図書等のプレゼンを行って頂くことになりました。その第一回目として、卒業生でもある旭川医科大学医学部の大栗敬幸先生に、先日ご登壇して頂きました。

旭川医科大学医学部助教の大栗先生

旭川医科大学医学部助教の大栗敬幸先生

 ウイークデーの放課後、図書局生徒の進行により始まったひと時、大栗先生が野球部に所属していた関係もあり、顧問の先生、野球部員ほか、たくさんの生徒たちが耳を傾けていました。

 私は、大栗先生の野球部での活躍のお話なのかと思いましたが、けが等で思うような結果を残せなかった思い出等、ご自身の専門分野であるマクロファージを軸とした画期的がん免疫療法の開発研究についても、実に分かりやすく語られました。一流の研究者は高校生にも嚙み砕いて説明することができるのだと、あらためて感動しました。そして、昨今の高校生が集中して話に耳を傾けている姿にも、ですね。

 終了後に成田康子さんとも意見交換し、これからも多くの若手研究者をこの「ライヴ・イン・ライブ」講師に推薦して、未来の日本を担う研究者を輩出するお手伝いをしたいものと、そして、秋山財団の究極の活動は、「人を育てるお手伝い」だと確信した次第です。大栗先生、ご多忙の中、全くのボランティアでのご登壇、心より感謝申し上げます。

感謝の夕べ 2016 @ Cafe Tone

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 Cafe Tone(http://cafetone-cafe.com/で、一年間の感謝の集いが、アットホームな雰囲気で開かれました。歌と語り、数十年前のよきススキノの風情を醸しだして、懐かしさいっぱいでした。「キサス・キサス・キサス(https://www.youtube.com/watch?v=Xp3W6EKWbe0)」、「糸(http://www.dailymotion.com/video/x4ieiyh)」ほか、ペットボトルの改良型簡易マラカスを振りながらも、たくさんの思い出があふれ出てきました。

年末感謝の集い@Cafe Tone 伊藤めぐ&宮澤洋子

年末感謝の集い@Cafe Tone 伊藤めぐ&宮澤洋子

伊藤めぐさんの懐かしい歌の数々

伊藤めぐさんの懐かしい歌の数々

アットホームな雰囲気の中で

アットホームな雰囲気の中で

最後は皆さんで!

最後は皆さんで!

 この場は遡ること14年前、札幌市長選挙の出馬を決めてお世話になった時以来、濃淡はありますが時々足を運んでいます。様々な人、テーマに寄り添う多くの人々、その時その時の世情を反映していつも活き活き元気な空間ですね!

きたネットフォーラム 2016

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 今年の「きたネットフォーラム」は、「北の生物多様性を守るために~研究者・拠点施設と市民活動は、どう連携できるか」をテーマに、100人を越える参加者とともに大変豊富な内容で充実した時間となりました。

 セミナー開催に先立って、きたネット理事長の私から参加者の皆さまにご挨拶を。

冒頭、理事長の私から御礼のご挨拶

冒頭、理事長の私から御礼のご挨拶

【基調講演】
野生の猛禽を診る・守る~日本とサハリン、猛禽類保全活動の現場から
講師/齊藤慶輔 氏 (猛禽類医学研究所 代表 獣医師) http://www.irbj.net/
 生態系ピラミッドの頂点にいる猛禽類を守ることは、野生動物と人間を取り巻く自然環境を丸ごと守ること。釧路市を拠点に猛禽類の治療・保全活動に取組む齊藤獣医師に、傷病・死亡原因を究明し、これを元に人為的な軋轢を軽減・予防するための生息環境の改善(環境治療)の取組みや、ロシア極東サハリンにおける調査活動などについて大変貴重なお話でした。
齊藤 慶輔 氏 プロフィール(イベントチラシより)
 日本獣医畜産大学野生動物学教室卒業。幼少時代をフランスの田園地帯で過ごし、野生動物と人間の共存を肌で感じた生活を送る。94年より環境省釧路湿原野生生物保護センターで野生動物専門の獣医師として活動開始。2005年同センターを拠点とする猛禽類医学研究所を設立、代表を務める。絶滅の危機に瀕した猛禽類の保護活動の一環として、傷病鳥の治療と野生復帰に努めるのに加え、保全医学の立場から調査研究を行う。
 近年、傷病・死亡原因を徹底的に究明し、その予防のための生息環境の改善を「環境治療」と命名し、活動の主軸としている。テレビ番組プロフェッショナル仕事の流儀、ソロモン流、ニュースゼロ、SWITCHインタビュー達人達などで活動が取り上げられ反響を呼んだ。著書「野生動物のお医者さん(講談社)」で第57回産経児童出版文化賞を受賞。世界野生動物獣医師協会(WAWV)理事、日本野生動物医学会幹事、環境省希少野生動植物種保存推進員。

基調講演1 斎藤先生

基調講演 斎藤慶輔先生

全国から追っかけファンも

全国から追っかけファンも

 続いてのプログラム:

【環境中間支援会議・北海道共催プログラム】

研究者・拠点施設と市民活動のつながり~コミュニケーターとしての市民参加
~話題提供~
■現場と協働した大学院での人事育成
講師 山中 康裕 氏 北海道大学大学院環境科学院 教授 http://www.ees.hokudai.ac.jp/
■北大総合博物館を拠点としたネットワークがめざすもの
講師 大原 昌宏 氏 北海道大学総合博物館 教授 副館長 http://www.museum.hokudai.ac.jp/

基調講演2 山中先生

話題提供1 山中康裕先生

基調講演3 大原副館長

話題提供2 大原昌宏副館長

 午後からは二つの分科会、分野別情報交換会と続きました。

【分科会A】
環境中間支援会議・北海道 連続勉強会
地域を元気にする施設、施設を元気にする地域
~地域・市民・施設の共創~
【事例1】美幌博物館「小さな町の大きな博物館」
町田 善康 氏 美幌博物館 学芸員 http://www.town.bihoro.hokkaido.jp/museum/
【事例2】「地域と環境情報施設の共創による地域資源の活用」
~種差海岸インフォメーションセンター
町田 直子 氏 NPO法人ACTY 理事長 (青森県八戸市) http://npo-acty.jp/
■ディスカッション「地域と環境学習施設の共創について考える」
コーディネーター/大原 昌宏 氏
 開かれた施設(場)があることで、そこに人が集い、情報が集まります。そこから交流が生まれ、さまざまな活動や事業がはじまる、そんな地域を元気にする力が環境・自然系施設にはあるはずです。環境調査や展示物の作成などに市民の参画を得て大きく発展した美幌博物館と、地域の自然に加えて、地元飲食店や漁業者と連携し、幅広く地域振興に貢献している種差海岸インフォメーションセンター、2つの事例から、市民と施設との共創の可能性について考えました。
【分科会B】
野生との距離感、共生のリテラシー
コーディネーター/山本 牧 氏 NPO法人もりねっと北海道 代表 http://morinet-h.org/
■現状と課題
■鉛弾規制から、次の一手を考える 齊藤 慶輔 氏
■対談 山本 牧 氏×齊藤 慶輔 氏
「ヒトは、共生を学ばなければいけない」
 「自然が豊か」と言われる北海道ですが、道民はどれくらい自然界、特に野生動物について理解しつきあっているでしょうか。身近な森を散歩しない、山菜は必要以上に採取する、ヒグマは怖いが生態は知らない。ヒグマに詳しい山本牧氏、猛禽類の救護や鉛弾問題に取組む斎藤慶輔氏のお2人が、「野生との距離感」をキーワードに、餌付けや放流、駆除と保護、メディアのスタンス、鉛弾規制などを通じて、「市民と自然の将来像」を語り合いました。
【分野別 情報交換会】
生物多様性/森林保全・活用/環境教育
<進行協力>
高木 晴光 氏 (黒松内ぶなの森自然学校 運営委員長)
能條 歩 氏 (北海道教育大学 岩見沢校 教授)
内山 到 氏 (公益財団法人北海道環境財団・きたネット理事) 他
■活動紹介 CISEネットワーク、学芸員ネットワーク、きたネット 他

* CISEネットワーク http://www.museum.hokudai.ac.jp/lifelongeducation/pastprojects/cise/

* 学芸員ネットワーク http://www.hk-curators.jp/

* きたネット http://www.kitanet.org/

分科会、最後の情報交換会も多数の参加で盛り上がり!

分科会、最後の情報交換会も多数の参加で盛り上がり!

 「野生」とは何か、生態系ピラミッドと人間の位置関係、私たち人間の生態系における自覚と使命、等、深い学びの場となり、参加者の満足度もかなり高いフォーラムとなりました。

 フォーラムの最後までご参加頂いた皆さまと記念撮影です。

いよいよ根雪!@さっぽろ 2016

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 今年の札幌、11月上旬に雪がかなり降って、これでいよいよ冬かと覚悟しましたが、その後まち中では融けて少し安堵しました。さすがに12月に入って連日のドカ雪、先週は新千歳空港の閉鎖も続き、予定の便の大幅遅延で金曜日・土曜日の私の東京出張は急きょキャンセルとしました。雪かきも連日朝晩と続き、久しぶりに筋肉痛でした。

 ただ、北海道神宮、円山公園界隈は白と黒のコントラストも見事で、しばしカメラを構えましたね。

北海道神宮に向かう歩道は

北海道神宮に向かう歩道は

北海道神宮の第二鳥居

北海道神宮の第二鳥居

円山公園の「母子像・ふるさと」も冬仕様?

円山公園の「母子像・ふるさと」も冬仕様?

母子で遊ぶ姿が良く似合う!

母子で遊ぶ姿が良く似合う!

さらに円山公園の正門からすぐのスポット、アジアの観光客が歓声を挙げて大喜びでした。

入口右手方向

入口右手方向

入口正面

入口正面

素晴らしきかな札幌の冬景色!ですね。

余韻が・・・、「信任関係」 & 「忠実義務」

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 先月の公法協トップマネジメントセミナー(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=28346)で、最後のセッション、東京大学名誉教授・岩井克人先生(https://www.amazon.co.jp/%E5%B2%A9%E4%BA%95-%E5%85%8B%E4%BA%BA/e/B001HQ11HW)による「公益法人の運営と倫理について~市民社会と 信任関係~」は、これまでの経済学者のお話とは趣を異にしていて、終了後もずっと私の中で反芻しています。特に、「信任関係」、「忠実義務」について、これまでの私の法人・組織の概念をブラッシュアップする意味でも刺激的なお話でした、経済というよりも哲学ですね。

 当日の講演のタイトルは「日本の伝統芸能と資本主義の新しい形」というもの。スライドの背景には文楽・歌舞伎・能の伝統芸能に込められるメッセージ、アダム・スミス、ミルトン・フリードマン、ジョージ・ソロス、マイケル・サンデル等を通じて、資本主義がもたらす問題への対処には、グローバル化できる普遍性をもつ原理が必要との流れです。そして、その試みの一つとして、「倫理と法が重なる領域として」との副題付きで信任関係論:The Theory of Fiduciary Relationships」をご説明になりました。

岩井先生のご著書から引用~~~~~~~~~~~~~~~~

 信任関係とは「一方が他方の利益のみを目的とした仕事を信頼によって任される関係」である.例として,後見人/被後見人,信託受託者/受益者,取締役/会社,代理人/本人,医者/患者,弁護士/依頼人,資産運用者/投資家などがある.それは,相互の自己利益を目的とする契約関係とは対照的に,一方が他方の利益の為にのみ行動すべしという忠実義務によって維持される.この倫理的な義務を法的に課すのが信任法である.だが信任法にはまだ統一理論がない.本論文の目的は「自己契約は契約ではない」いう法原則を基礎に,その統一理論を提示することである.同時に,本論文では,倫理を法律で課すのは矛盾だという疑問に対し,信任法は被告の立証責任を原告の反証責任に,期待損失補償を不当利益吐出しに転換することで実践的に解決していること,倫理を法で置換しただけだという批判に対し,信任法の役割は悪人の制裁や迷える人の指針として倫理を補完することであることも示す.

~~~~~~~~~~~~~~~~ 引用 おわり

 ご講演の内容を書き留めたメモより幾つか:

* 現代世代は未来世代の後見人、環境問題のエッセンスは現代世代と未来世代の関係、すなわち「信任関係」であると。

* さらに、「法人とは何か」、英語の「Corporation」の元の意味は、「corpse=死体、corporal punishment=体罰」。教会という組織をキリストの「身体」と見なす→それ自体は人間ではない組織を、一人の「人間」とみなすことを可能にした→「法人」の誕生!、であると。

* 法人=本来は「ヒト」ではないが、法律上で「ヒト」として扱われる「モノ」。財団法人=財産を「ヒト」として扱う

* 「法人」が現実にヒトとして活動するには管理や経営をする生身の人間が不可欠→それが法人理事・会社取締役、あるいは、法人と理事や取締役との関係=>「信任関係」:対等な関係(契約主体)にはなり得ない→非対称性

* 信任関係はどうしたら維持できるのか→そもそも他人同士の場合が大部分、同情や共感や連帯心にも依存できない、信任受託者が信任受益者に対して「忠実義務(Duty of Loyalty)」を負うことによってのみ維持可能

* 「忠実義務(Duty of Loyalty)」=一方の当事者が、自己利益の追及を抑え、他方の当事者の利益(法人の目的・定款)のみに忠実に仕事をする義務

* 「信任」受託者は市場の道徳より厳格な規範に従わなくてはならない。単なる正直さだけでなく、最高度に徹底した道義心がその行動規範となる (Benjamin Cardozo 米国最高裁判事)

* 「ポスト産業資本主義」への大転換→個人、職業、組織において「倫理性」の要請がますます重要な役割をはたす社会になる!

* 信任関係とそれを律する信任法は、倫理を法によって補完する仕組み→新たな「資本主義」、「市民社会」のあり方の基礎モデルとなりうる→公益法人と理事の関係はその模範例

* 「非営利法人」が基本で、その特殊形態(株主を付ける)が営利法人と考えるべき

* 昨今の資本主義では、本来、「資本家」が享受すべき利益を「経営者」が得ており、これがグローバル経済の追い風を受けて格差を増幅している

 「信任法」についての言及もありましたが、ここでは省略します。いずれにせよ、トップマネジメントとしてはこのようなバックボーンとなる「哲学」が、今の民による公共の活動には必要な気がしています。このような講師をお招きした主催者に心から感謝申し上げます、ありがとうございました。

札幌劇場祭 2016

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 札幌劇場祭(TGR)2016(http://www.s-artstage.com/2016/tgrが終了しました。

 これまでのTGR記事掲載はこちら――> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=TGR

 今年はTGR参加作品が32作品、大賞エントリー作品は18作品、新人賞エントリー作品は7作品とのこと。私は何かと忙しく、そのうち5作品しか観ることができませんでした。多彩な演目、扱うテーマも幅広く、皆さん頑張っていますね。先日の公開審査会では、各審査員の講評が面白く、自分の観た芝居の印象と比較したり、ただ観劇でお仕舞いではないいろいろな楽しみ方でさらに味わえる幸せは心地よいです。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

◆今年の受賞作品一覧◆

【大賞】 青年団リンク ホエイ 「珈琲法要」

【特別賞】(作品賞) 劇団カチノル 「お伽の棺」

【特別賞】(企画賞) NPO法人コンカリーニョ 「ちゃっかりハ兵衛」

【新人賞】劇団・木製ボイジャー14号「拝啓 臆病者共」

【審査員賞】新芸能集団乱拍子 「いっすんさきは夢」

【TGRの首位打者】新芸能集団乱拍子 「いっすんさきは夢」

【TGRのホームラン王】トランク機械シアター 「ねじまきロボットα~わすれんぼうのつぎはぎ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 【大賞】に輝いた「青年団リンク ホエイ」の「珈琲法要」は、蝦夷地の斜里を舞台にした史実に基づいた作品、アイヌ文化と西洋文化の珈琲ほか、津軽弁の独特の優しさと環境の厳しさと相俟ってのコントラストに引き込まれました。弘前劇場時代の山田百次さんも良かったけれど、青年団ホエイでも輝いていました。

TGRのHPより

TGRのHPより

~~~~~~~~~~~~~~HP より

<作品紹介> 江戸後期。度重なるロシアの侵略により、幕府は東北諸藩約三千名を蝦夷地へ派兵。
宗谷岬や斜里地方に配属された者の環境は劣悪で、寒さと栄養失調で次々に絶命する兵士たち。南蛮渡来の飲み物「珈琲」の配給を、人々は「万病に効く」と信じて飲むのだった。

<劇団紹介> 山田百次(劇団野の上/作・演出)、 河村竜也(劇団青年団/プロデュース)によるユニット。ホエイとは、ヨーグルトの上澄みやチーズをつくる時に牛乳から分離される乳清のことです。産業廃棄物として日々大量に捨てられています。でもほんとは飲めます。うすい乳の味がしてちょっと酸っぱい。乳清のような、何かを生み出すときに捨てられてしまったもの、のようなものをつくっていきたいと思っています。

<作・演出> 山田百次(劇団野の上)~~~~~~~~~~~~

 公開審査会後に、審査委員長の岩﨑真紀さんとお会いする機会がありました。今年は各作品の評価が拮抗して、舞台上での最後の投票まで本当にどの作品が大賞を受賞するのか分からなかったそうです。私が観た「珈琲法要」と「ちゃっかり八兵衛」が賞を獲得したのは嬉しかったですね。

 役者ばかりでなく、脚本、演出、照明ほか、総合芸術としての演劇はこれからも楽しみです。関係者の皆さん、お疲れ様でした!

公法協トップマネジメントセミナー 2016

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comment: 1

 (公財)公益法人協会(http://www.kohokyo.or.jp/)が主催するトップマネジメントセミナーが今年も開催されました。私はこの団体の評議員をお引き受けしています(http://www.kohokyo.or.jp/jaco40/board.html)。

 今年度は、社会的信頼をいかに築 いていくのかとういう視点から法人運営とリスクマネジメントについて概観し た上で、理事の責任や権限の根拠は何なのか、法人組織・事業の評価をどう考 えるか等、改めて市民社会の中の民間公益組織とは何か、活動の意義を考える内容でした。

* 昨年の様子――> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=24966

プログラム~~~~~~~~~~~

セッション1 「法人運営とリスクマネジメント」  (公財)公益法人協会 専務理事 鈴木勝治

セッション2 「社会的インパクト評価をめぐる動向」 日本公共政策研究機構 主任研究員 小林立明

セッション3 「東北被災地は今~コミュニティ再生支援活動の現状と課題」 名取交流センター 若山陽子

セッション4  ラウンドテーブルディスカッション 「公益法人の役職員のあり方、法人運営を考える」

基調講演 (公財)味の素奨学会 常務理事 田口茂明

セッション5 「公益法人の運営と倫理について~市民社会と 信任関係~」 東京大学 名誉教授 岩井克人

~~~~~~~~~~~~~~

今年も濃い内容のセミナーでした

今年も濃い内容のセミナーでした

 最初の鈴木勝治専務理事のご報告では、新しい公益認定後の反社会的事案について、新しい公共活動に水を差す事件としてお話を伺いました。どんな世界にも本来の目的を逸脱する組織・人はいるものですが、制度全体がそれらに罰を課すために設計変更することを危惧します。

 二つ目のセッション、小林立明さんの「社会的インパクト評価をめぐる動向」は興味深かったです。

http://www.worksight.jp/issues/812.html

別のサイトから拝借した写真

別のサイトから拝借した写真

 「社会的インパクト評価」とは、短期・長期の変化を含め、事業や活動の結果として生じた社会的・環境的な「アウトカム(効果)」、と明確に定義され、最新の公益活動の「支援」が、助成財団の助成ばかりでなく、金融としての投資手法・「ソーシャル・インパクト・インベストメント」として急激に発展してきている現状のご説明もありました。事例としては、助成申請時に「ロジック・モデル」の記載を義務化している財団もすでに出てきていると、まさに「アウトカム」を求める姿勢です。

 ただ、質疑応答の中で、この「ロジック・モデル」も、適用できる分野・領域を吟味する必要がありそうで、昨今言われる文部科学省の科学研究費が競争的資金と化していること、防衛省の委託研究費の増大等、過度な供給は本来の活動を歪めるのでは、との指摘もありました。今後の展開に注目していきたいですね。「民による公共」の肝は、まさにこのインパクト評価自体も「民固有」であるべきだと私は思います。

 三つ目のセッション、名取交流センター(http://natorikoryucenter.jimdo.com/)若山陽子さんの震災前・中・後の活動報告は、「傾聴」の大切さはじめ現場情報満載でした。淡々と絞り出すような事例の数々、震災前からのマイノリティに対しての優しい眼差しに感動致しました。

名取交流センター代表の若山景子さん

名取交流センター代表の若山陽子さん

 ラウンドテーブルの基調講演は、(公財)味の素奨学会(http://ajischolarship.com/)の田口茂明常務理事の財団運営と企業との関係についてでした。企業系公益財団の活動と、昨今の企業のCSRとの兼ね合いについて、変化への対応を求められている状況を理解できました。これは、今年10月の深掘りセミナ―でも話題になりました。

* 深掘りセミナー http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=27817

(公財)味の素奨学会の田口常務理事

(公財)味の素奨学会の田口常務理事

 今年の最後は、「日本の伝統芸能と資本主義の新しい形」と題して、東京大学名誉教授・岩井克人先生のお話。現在の倫理性に欠ける資本主義の課題を、文楽をはじめとする日本の伝統芸能の本質から指摘されました。アダム・スミス、ミルトン・フリードマン、ジョージ・ソロス、アリストテレス、カント等、資料に登場する人物たちの多彩さに象徴されるように、「信任関係論」から読み解く「忠実義務」のご説明は、実に奥深い内容でした。「倫理に悖る」企業・団体、今の世界に対する警鐘と受け止めました。終了後も反芻して考えているテーマです。

東大名誉教授・

東大名誉教授・岩井克人先生

 一泊二日の濃密なセミナーの帰りは久里浜港の東京湾フェリーターミナルから、久しぶりに金谷経由で館山に移動しましたが、ターミナル周辺が大きく変わっていて驚きました。

久しぶりの久里浜港フェリーターミナル

久しぶりの久里浜港フェリーターミナル

 昨年もそうでしたが、今年のセミナー、「トップマネジメントセミナー」に相応しい内容で日頃の問題意識を一層刺激されるもので、私にとっては大変貴重な場でした、主催された公益法人協会の皆さまに心から感謝申し上げます。