この企画は、小劇場で演劇を続ける劇団同士が出会い、観客に何度も足を運んでもらおうと始まり、今年で5回目の開催となります。プロデューサーはシアターZOOフランチャイズ劇団・弦巻楽団(http://tgakudan.blog98.fc2.com/)代表の弦巻啓太さん、今年で3年目ですが、最初は「旅館」、2年目は「ファミリーレストラン」、そして今年は「病院」が舞台です。彼は演劇製作に関して、その周辺でたくさんメッセージを発信しているので興味深いですね。私は以前から感じているのですが、劇団代表とかプロデューサーの方は、いろいろな場で遠慮なく芝居に関しての情報発信を広く一般向けにするべきだと思います。役者のインタビューをチラシに掲載するとか、ブログなどは多くあり、観劇前も後も楽しめます。普通の人、或いは劇場に足を運んだことがない人たちにも目に触れる場での発信が、すそ野を広げることになっていくのだと思います。もちろん、私のような素人が、観た感想を率直に書き留めることも少しの応援になるのかな、と。
私はこの企画、これまで時間が取れなくて、全ての劇団を観る(10日予定の二つを含めて)のは今年が初めてです。ベッドが4つ並ぶ病室、全く同じ舞台にもかかわらず、患者と看護師、患者同士、患者とその関係者、それぞれのストーリーで観客を楽しませてくれます、実に面白い企画ですね。昨晩は、同じ劇団で5人の役者が全て違う芝居を観ましたが、まあ、全く別物ですね。同じ劇団でも初日と千秋楽、役者の違い、その回の観客の雰囲気等で大きく印象が変わる、一回一回が「オンリーワン」、その辺が演劇の面白さなのでしょうね。
そう言えば、私が最初に演劇の魅力に取りつかれたのは、今から40年くらい前に、東京新宿で演劇学校の卒業公演観劇に誘われた時からでした。朝から同じ演目を役者を変えての卒業公演、夜まで観ていましたが織りなす雰囲気の違いが実に面白かったですね。今回の演劇祭、足を運んでいる方々は若い世代も多く、これからの北海道で担い手となる期待も大きく、楽しみです。演劇を「消費」するだけではく、「表現」し、「生産」していく担い手の育成、芸術・文化の土壌を育みたいですね!