管理山林は、全域が阿寒国立公園に包含されていて、水源かん養保安林、風致保安林など保安林指定にもなっています。さらに、鳥獣保護区の指定を受けているので、自然環境の保全には特段の配慮が欠かせないとのこと。財団では前田一歩園財団 “森づくり 6カ条”を打ち立てて、森づくり活動を行っています。
第一条 一度に大面積にわたり一斉に木を切らない――>皆伐を行わない
第二条 300年前の姿に戻す――>山全体で針葉樹と広葉樹の割合を70:30とする
第三条 鳥や動物の巣になる木は切らない――>大径木、景観木、鳥獣類の営巣木、貴重木などは努めて保残する
第四条 川のそばの木は切らない――>河川の流域は原則禁伐とする
第五条 大人の木も、子供の木もある山にする――>人工林の上木と天然性幼稚樹を保残育成する
第六条 木の無いところには木を植える――>更新不良地には植え込みを行う
私はこれまで阿寒湖畔には数回行ってはいましたが、湖北を歩いたのは初めてで、温泉街とは違った「自然」の姿を垣間見た気がします。川の流れの音、植物のかもしだす香り、パンケトー湖畔の静寂、写真に映った緑の多様性とエネルギー等、全てが新鮮な驚きでした。
戦前・戦後と幾多の困難な時期、特に高度成長期・バブル経済期の「開発」という名の破壊行為をも跳ね返してこられた前田一歩園さんのこれまでのご努力に心から敬意を表するとともに、今後の益々のご活躍を祈念しています、この度はありがとうございました。