大盛況、レパートリーシアター

Posted by 秋山孝二
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 北海道演劇財団(http://www.h-paf.ne.jp/)の付属劇団TPSが、初めて「レパートリーシアター」と銘打って、1ヶ月のロングラン公演を行い、大盛況で昨日終了しました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=7699)。「アンダンテ・カンタービレ」、「西線11条のアリア」、「秋のソナチネ」のオリジナル三作品上演、途中、11日に大震災があり、継続を危ぶまれましたが、「今回の三作品はいずれも、生きることの意味、死とどう向き合うかを描いたものであり、今、多くの方に観ていただきたいと考えております」との勇気ある判断で、予定通り公演を続けました。

初めての一ヵ月連続公演

初めての一ヵ月連続公演

  千秋楽は、「西線11条のアリア」で締めくくりました。会場はいつもにも増して大盛況、特に若い層が多かったのが心強かったですね。

千秋楽、「西線11条のアリア」は大入り

千秋楽、「西線11条のアリア」は大入り

 日本全国では、演劇公演はじめ、殆どのイベントがキャンセルになり、札幌でも同様の傾向が見られました。そんな中、今回の連続公演は、そういった時節柄であるがゆえに、逆に芸術・文化の価値を再発見した気がします。足を運んだ動機として、「毎日、悲惨な光景のテレビ映像で気が滅入ってしまったので・・・」とおっしゃる方も多かったです。

 案内パンフの中で、レッドベリースタジオ(http://www.akai-mi.com/)主宰の飯塚優子さんが、まるで今回を予測するかのように書かれています。

~~~~~きょうは芝居でも観ようかな、そう思ったらいつでも演劇をみることができる。そんな夢を実現するのが、レパートリーシステムによる「ロングラン」という上演形式です。せっかく創った作品を、1回の上演で消費してしまうのではなく、大切に日々新たに再演する。これは特に珍しいことではありません。歌舞伎も新派も、欧米のオペラ劇場でもパブリックシアターでも、ロングランは演劇を産業として成立させるために、広く採用されてきたオーソドックスなシステムです。

 まちに劇場があるということは、そこに「ひとの心と身体」について、いつでも考えている人たちが居るということです。病院に医者が居て病を治すように、大学や研究所に科学者が居て世界の成り立ち解明に挑んでいるように、劇場に演劇人が居て人間とこの世の関わりのあらゆる姿を映し出す仕事をします。

 生命、安全、衣食住の確保、そしてもうひとつ私たちが望むものは、芸術文化に触れる時間です。生きる意味を問い、時空を超えて限りある時間を共有する、私たちの大切な営為です。

 札幌にそのような場としての「劇場」がうまれ、演劇人が演劇の仕事に専念できるように、まずはロングラン公演を形にしてみましょう。すべてを、ここから始めましょう。~~~~~~~~

 もう一つ、シアターZOO(http://www.h-paf.ne.jp/zoo/index.html)が今年10周年を迎えました。昨日はロングラン千秋楽お祝いとともに、10周年のお祝いの会も同時に開催されました。誕生の3つのポイント、特に扇谷治男さん、ご夫人の高木孔美子さんからの寄付の経緯等も紹介されました。

 これまで多くの方々のご尽力で、札幌・北海道に演劇の種がまかれ、芽が出て、今、産業としての基盤が創られつつある確かな手応えを感じています、楽しみですね。