光り輝く、札医大公開リレー講座

Posted by 秋山孝二
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 6回にわたり、札幌医科大学で「医療人育成センター開設記念:リレー講座http://www.sapmed.ac.jp./gakum/koukaikouza/index.html」が開催されました。あまりの内容の豊富さにその後何回も読み直し、6月22日に最終回が終了したのですが私の手元に永くメモを置き過ぎました。この講座は寺島実郎さんと札医大今井浩三学長の信頼関係と固い絆に基づいて開講に漕ぎ着けました。

寺島実郎さんが責任監修で「世界の構造転換の中で、日本のあり方を考える――国際的視野を兼ね備えた人間性豊かな医療人を目指して――」とのサブタイトルもついています。寺島さんはこの種の講演を是非「午前中の人々:将来を担う世代」に聴いてもらいたい、といつもおっしゃっています。今回は基本的にはこれから医療を目指す学生・院生・大学関係者対象で、特別の一般市民枠の中で私は参加致しました。毎回400席以上の会場が満席で、またそれぞれの内容が豊富で、まさにテーマの通り「世界の中ので日本を考える」スケールの大きな哲学でした。

リレー講座チラシ

リレー講座チラシ

 詳細はHPでご覧頂けますが、寺島さん・中村さんのお話から思いつくままを書き留めます

中村桂子さんhttp://www.brh.co.jp/youkoso/aisatsu/

*人間は生きものであり、自然の一部である

*“生きていること”、これがあらゆる議論のベースであり、その為にはどんなことが出来るのか、を考えるべきである。日本列島の自然の中で生まれた日本文化を意識して、新しい価値をさがす。

*今日の基本的課題は 1)地球環境問題、 2)人心の荒廃、この二つは全く同じ原因である

*機械論的世界観から生命論的世界観へ:20世紀は「機械と火の時代」、21世紀は「生命と水の時代」、或いは20世紀は分析・還元、21世紀は統合

*時間と関係を組み込んだ知――地球上の生きものはすべて38億年前に誕生した細胞から生まれた仲間、現存の生態系はいかにして生まれ、どのような性質を持っているか、を探究することが重要

*生きものは「循環」「組み合わせ」「可塑性:かそせい」、これを活かした継続的社会づくり

 

寺島実郎さん http://www2.jfn.co.jp/tera/archive_doga.html

*自分自身を相対化できる人:「自分とは何だろう」を問う人――これを「知識人」という

*世界史の中で「北海道とは何か」――>極東ロシアとの関係を深耕すべき

*ロシアから北海道を見ると、北海道の世界史的存在は何か、が見えてくる

*今や世界は「構造転換」――アメリカの視点を変える必要がある。政治構造、経済構造、文化構造等

*「日米関係」は「米中関係」である:国際文化会館http://www.i-house.or.jp/jp/index.html創設者・松本重治の看破

*プロジェクト・エンジニアリングの必要性、「全体最適」が問われている

*日本人の知恵と覚悟が問われている

このシリーズ自体が大変示唆に富んだものであったとともに、一連のお話をこれからの医療を担う方々が直接聴衆としてその場にいたこと、これが二重の喜びでした。世界の構造変革の中で、私たちもこれまでの着眼を変えなければなりません。そして「日本的伝統・価値・ライフスタイル」の見つめ直しと再評価が、あらゆる発想の原点になるのだと思います。「大局的に捉える」ことを学びました。