「かんてんパパ」はとなり組

Posted by 秋山孝二
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 しばらく前の日経ビジネス「ひと劇場」に、伊那食品工業

http://www.kantenpp.co.jp/corpinfo/speech/index.html会長の塚越寛さんの言葉がありました。5年程前でしたか、札幌市中央区宮の森にある秋山財団のとなりに札幌店を移転されて、そのご挨拶にわざわざ長野県の本社からお出で頂き、しばし会社の経営理念・方針を伺いました。

となりの札幌店

となりの札幌店

成長の秘密は「社員の幸せ」との見出しで書かれているこの記事を読みながら、当時塚越社長のお言葉を思い出しています。経営方針として、「売り上げや利益は目的ではなく、企業経営の手段に過ぎない。企業の成長とは、去年より今年、今年より来年と、社員が幸せや豊かさを感じられるようになること」と、明快に語られていました。1958年の創業以来、48年間にわたって堅調に増収・増益を続けてきましたが、2005年の突然の寒天ブームがかえってそれ以後の反動に出くわしたようです。以下、塚越語録から幾つかです。

*業績が悪くなると、すぐに賃金カットやリストラに走る会社もありますが、目的と手段を取り違えているのではないでしょうか。

*利益は「ウンチ」です、健康な人は自然に良いウンチが出るでしょう。それと同じで、健康な企業からは、良い利益が出るものだと思っています。利益は企業の健康さの結果です。

*健康な会社とは何か、それはバランスが取れていることです。

*最終的な経営目標は、大きくなることではなく、永続することです。その為には、社員を大切にする、仕入先を大切にする、研究・開発をする、社会貢献する、のです。

*永続することが目標だから革新にも積極的になれます。時代の変化に応じて革新できない企業に、明日はありません。

 

隣に移ってきてから毎朝、「かんてんパパ」の社員の方々が、面する仲通と向こう三軒両隣を丁寧にほうきで掃いています、移転してから毎日ですよ。当初は「自分の家の前は自分でやりますから・・・」と申し上げたのですが、「どうかお気になさらずに。全社で社員の環境教育のために行っていますので。この地域で私どももお世話になりますから」との所長のお言葉でした。

塚越会長はまた、写真のセミプロで、毎年会社のカレンダーではご自分で撮影された季節ごとの風景が見事です。

7月の写真:ノウゼンカズラと中央アルプス宝剣岳

7月の写真:ノウゼンカズラと中央アルプス宝剣岳

企業経営にとって50年というのは山あり谷ありの激動の連続だと思います。そんな時代の変化の中で、「変えるもの」、「変えないもの」、「座標軸となるもの」をその時の経営者が的確に判断して結果を出して業績という評価につなげる、この仕事に求められる課題の重さを、私は塚越寛さんの人生を垣間見てあらためて感じています。「かんてんパパ」の社員は、幸せですね。