昨今の演劇事情 @ サッポロ&北海道

Posted by 秋山孝二
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 (公財)北海道演劇財団(http://www.h-paf.ne.jp/)は、20年を経た今、あらたな方向性で地域の芸術創造に邁進しています。

 新しい年度を迎えて、最初の会報に掲載するご挨拶&報告をベースに、さらに補足した内容でご紹介します。

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 公益財団法人 北海道演劇財団 理事長 秋山孝二

 皆さまへ

 おかげさまで公益財団法人北海道演劇財団は21年目を終え、一昨年策定した中期5か年計画に基づき、新たな方向性でスタートを切っています。転換・変革は容易ではありませんが、この間、皆さま方から寄せられた多大なお力添えとお励ましを糧に、関係者一同、日々努力しており、厚く御礼申し上げます。

 振り返ると、予算の適正規模を模索しながらも、事業が着実に発展していく一方、演劇の制作公演ばかりでなく、地域文化活動への貢献、小中学校におけるコミュニケーション教育、様々な世代へのワークショップ、まちづくりへの参加、劇場の運営等、多岐に渡る活動を展開し、北海道の演劇界にとっても少なからず貢献できたのではと思っています。

 まず、制作公演では、札幌座新作「象じゃないのに・・・。」を皮切りに、サハリン公演、清田公演、国際芸術祭参加公演、そして真冬の札幌で佐々木譲さん原作・札幌座新作「暴雪圏」と、大いに盛り上がりました。特に「暴雪圏」は、斎藤歩常務理事が7年越しに実現できた力作で、雪の表現を得意とする札幌座の魅力を存分に発揮しました。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=32276

 3か国語の字幕付きでの日替わり公演、外国人向けのSNSサイトへの予約注文等、細かいサービスへのチャレンジも続きました。事前に原作者・佐々木譲さんをお招きしてのトークショー、多くのメディアの皆様からの名義後援等、これまでにない規模の広報活動も行い、全てのステージの前売りが瞬く間に完売となり、今後に繋がる公演でした。

 また、シアターZOO企画公演「劇のたまご」と銘打って、出演者も含めて子育て世代のために、親子で楽しめる稽古場、劇場設定で、新たな観劇ニーズを掘り起こし大成功でした。

* http://kodomo-manabi-labo.net/dramaeducation-kaigai

 次にご報告したいのは、東京での長期公演初日にご逝去された中嶋しゅうさんの代役として、わずか数日前に急きょ呼ばれた北海道演劇財団常務理事の斎藤歩が、東京芸術劇場、大阪の梅田芸術劇場での3週間の長期公演を見事に勤め終えたことです。役者としての彼の底力はあっ晴れでしたが、君ならできると背中を押した財団関係者、身内ながら大切な時期にそれを地元で支えた演劇財団職員にも拍手を送ります。それ以外にも、近畿大学、青森県立美術館シアター等でも活躍した1年でした。

* https://www.youtube.com/watch?v=IQurM0Br3cc

* https://spice.eplus.jp/articles/134822

 さらに人材育成活動においては、大きく活動の幅が広がり、深まりました。札幌市内の小・中・高・大学の教育現場への講師派遣プログラムほか、道内各地への学校・学童保育施設・社会福祉協議会・PTA等への派遣も積極的に行い、演劇人の持つノウハウを地域に活かす取り組みを進展し、ここでも子育て世代をつなぐセミナーも開催しました。

 ここまで、過ぎた1年を簡単に振り返りましたが、新年度も、基本的には新しい方向性に基づき、演劇創造では、新作創造に取り組む一方、好評作品の再演・海外交流にも力を入れて参ります。また、講師派遣は前年度事業を継続し、子育て世代・高齢者対象のワークショップほか、引き続き教育現場でのセミナー等も実施します。劇場運営においては、創造型劇場に向けた劇作家育成ほか、幅広いお客さまを劇場に招き入れる企画も充実したいと思います。地域文化活動は、方向転換で今年度以降、財団としては大幅に規模を縮小しますが、提携・委託で活動は続け、演劇作品の提供だけでなく、地域づくりへの講師派遣事業に力を入れていきます。

 以上、20年の歴史を経て、今、私たちはさらなるステップアップを目指し、一層の公益財団法人として地域への貢献を軸に大きく方向転換の最中です。財団経営と演劇創造の両方を担える人材が、これからの北海道における芸術・文化の主軸として活躍する時代はもうすぐそこまで来ていることを実感する昨今です。どうか、引き続きのご支援・ご協力をお願い申し上げます。

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 会報掲載予定に少々追補して簡単に活動を振り返りました。演劇創造と演劇財団経営(マネジメント)、この両立を目指して、これからも北海道演劇財団は前進して地域社会に貢献して参ります!