プロ野球北海道日本ハムファイターズ(http://www.fighters.co.jp/)がドラフト1位指名した岩手・花巻東高の大谷翔平投手(18)が9日、岩手県奧州市内のホテルで記者会見し、日本ハム入りを正式に表明しました。当初は米大リーグ挑戦を明言していましたが、再三の交渉を経て翻意。国内でプロ生活のスタートを切ることになりました、メディアの大騒ぎ等で、18歳の一高校生にとっては大変な時間だったとは思いますが、落ち着いて真摯に日ハムの話に耳を傾けた姿勢に、心から拍手を送ります。
記者会見では、「ファイターズの一員として、お世話になった地元の方にプレーする姿を見ていただき、恩返ししたい。子供たちが目指す選手になりたい」と新聞は報道しています(http://www.hokkaido-np.co.jp/news/fighters/425681.html)。テレビでも少し見ましたが、彼自身の言葉で表現している映像が爽やかでした。
彼が大リーグを希望すると言っていた時に、私はFBでも「日本で実績をつけてからの挑戦で遅くないし、その方が本人にとってもベストの選択だ」とコメントしていたので、今回の彼の決断には、一日ハムファンとしてでなく、周囲の良識も感じて親世代の立場からも嬉しかったですね。
それと、日ハム球団のきわめてオーソドックスな現行ドラフト制度下での選手指名、交渉姿勢に、さらに大きな拍手をしたいです。丁寧で誠実な交渉を繰り返し、指名した責任をしっかり果たした結果の翻意なのでしょうね。これに対して、星野仙一が批判しているようです(http://hochi.yomiuri.co.jp/baseball/npb/news/20121209-OHT1T00224.htm)、スポーツ報知の記事というのもアンタには言われたくない、ですよ。
今、学校教育現場で「いじめ」が大きな課題になっていますが、今回の「翻意」に対して、学校及び本人に対して幾つかの批判メッセージが届いているとか。朝日系の「強行指名」という言葉も不適切です、大手メディアの寄ってたかっての球団、若者バッシングではありませんか。ゆがんだ今の日本社会ですね、「いじめ」は学校現場だけではなく、むしろ日本社会そのものに横たわるどす黒い風潮なのでしょう、これを子どもたちが真似してしまっているのだと思います。
星野の言も理解できません、ドラフト制度の問題指摘はそれなりに分かりますが、日ハムも大谷翔平も、そのルールに従って誠実に、几帳面にことを進めたに過ぎません。昨年の菅野の「G以外はいかない」と言い張って、今年Gのみが指名することが問題であって、今年の大谷は何も批判される理由がありません。楽天で取れなかったことのただの腹いせとしか映りませんし、その姿は、オリンピックの試合で審判に文句を言っている星野監督の姿とダブってきます、そんな姿では選手は育ちません。
栗山監督のあの教育者としての立ち振る舞いと表現は、彼がただ東京学芸大学の卒業であるだけでは説明できないでしょう。以前にも書きましたが、「人を育てる」ことを根本の所で、人生の目的にしているのではと、私は彼に哲学を感じて尊敬しています。言い方は大変失礼ですが、「ただのプロ野球選手ではない」、そんな思いですし、彼を監督に据えた北海道日本ハムファイターズの球団関係者に敬意を表します。http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=14871
大谷翔平くんには、しっかり体を造って、日本で日ハムの一員として活躍し、いずれは世界に大きく羽ばたいて貰いたいですね、まさに「飛翔:北海道から世界一!」して欲しい、頑張って!
審査会から5日経つのに、延々と芝居のセリフが頭を巡るから不思議です。
特に、intro「モスクワ」の「わたし、ドブリニンスカヤ駅のマクドナルドに行く・・・・」のフレーズが繰り返します、リズムと響きが耳に心地よいのでしょうかね、すっかり通過点、通過点で、地下鉄に乗っていても降りそびれるくらいです!
「審査」の難しさについて、私は繰り返し言ってきました。たまたま先月、京都に行く用事があり、お寺の住職・寺前浄因さんのお話をお聴きしました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=15178)。その中の自己紹介で彼が、当初入学した大学哲学科を退学した理由を、「大学では教授も学生も、『哲学する、探究する』ことというよりも『解釈を競う』ことに終始していたので」とおっしゃっていましたが、私には実によく理解できるのですね、その雰囲気が。
私は、演劇の「審査」も、何か審査員の解釈・講評を競う場になっているような気がするのです。仮に審査員が創り手だとすれば、「自分だったらこうするけれど・・・」になるでしょうし、観る側だとすれば、「こう言った展開、演出だったら自分は好みだけれど・・・」みたいな感じ。いずれにしても作品製作に関わった側には余計な話、観劇した感想としてはそれぞれ価値があるのでしょうが、それが「評価」とか「審査」となると、とても私は僭越な感じが致します。一つの「尺度」程度に理解して頂ければ気が楽ですし、あまり一喜一憂して貰いたくないなと思います、本来芸術分野の価値は、「一人一人が感じる固有なもの」なのでしょうから。
昨年でしたか、私が大通駅から続く「500m美術館」で展示を観ていたら、すぐ後ろにお母さんと15歳くらいの少し障がいをお持ちの息子さんの二人連れが歩いていました。「作品を観て思った通りを言ってごらんなさい」と、語りかけるお母さんの優しい言葉が印象的でした。
この劇場祭(TGR)で、特にスタートラインについたばかりの将来の演劇人の皆さまには、一連の審査員の甘口、辛口のメッセージが、今後のモチベーション向上につながることを期待したいですね。
公開審査会後に、いろいろ知ったことがありました、「客演」、「ロングラン」の難しさもその一つです。
今の北海道では、演劇関係者(役者・脚本家ほか)がプロフェッショナル(専業)として生活するのはなかなか難しい環境であり、生活の糧としての「仕事」をし続けながらの公演にならざるを得ません。当然そこには「職場の都合」があり、未成年の場合は夜の時間制限等社会的制約も順守しなければなりません。一つの劇団であれば、その約束を長年共有してきていますが、客演となると、稽古・公演の時間帯等がいつもとは違い、なかなか全員が揃う場の確保が難しい、ロングランでも同様で、まさに「芝居以前の環境整備」ができていない状況なのだと思います。
今、札幌では、「演劇創造都市札幌プロジェクト:http://s-e-season.com/about-project/」を展開中で、私はその副代表の一人です。札幌劇場祭も終り頃の先月末に、「このひとと語ろう~札幌の演劇へのアプローチトーク②~」が、第二回目として秋山財団2階で開催されました。第一回は代表の荻谷忠男さん(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=14386)、来年1月17日の第三回は副代表の高堂理さんの予定です。
今回は私と「劇団yhs:http://yhsweb.jp/」主宰・演出家の南参さんとのトーク、司会はNPO法人コンカリーニョ(http://www.concarino.or.jp/events/)理事長の斎藤ちずさんで、40名の皆さまがお集まりになりました、ありがとうございます。劇団yhsは今年で15周年の節目の年を迎えています。苦節15年(?)、一直線ではなかった様子を先日も南参さんから伺うことができました、また彼は私の中学校の後輩ということも知りました。
このプロジェクトでは、札幌で、仕事として、演劇に従事する演劇人が100 人誕生することを目標としています。演劇にかかわる専門技術者は、俳優だけではありません。舞台美術、装置、音響照明、衣装、メイク、ヘアなどの技術者、広告宣伝、印刷やメディアの業界、劇作家や演出家、作曲家、演奏家、歌手、ダンサー、振付家、劇場に欠かせない飲食業、などなど、その波及範囲は極めて広いのです。演劇人が、仕事として継続的に演劇創造ができる街・札幌、そこに、多彩な技術と才能が集まります。その軸として、「札幌劇場祭(TGR)」と「さっぽろ演劇シーズン」がしっかり根付くことが大切であり、今年の審査会を終えて、今、その手応えを実感しているのは私一人ではないと思います。
芝居のクオリティを上げることは勿論ですが、多彩な公演の場を支える、演劇にかかわる人々「演劇人」が仕事として暮らせる芸術・文化の香りの高いマチを創っていく、それが3・11以降の地域の大切な価値なのだと思いますね。
<参考>
代表 荻谷 忠男(北海道テレビ放送株式会社代表取締役会長)
副代表 秋山 孝二(秋山記念生命科学振興財団理事長)
高堂 理(株式会社電通北海道代表取締役社長)
幹事 飯塚 優子(レッドベリースタジオ主宰)、碓井 雅博(株式会社電通北海道マーケティング・クリエーティブ局長)、尾崎 要(舞台監督)、斎藤 ちず(NPO法人コンカリーニョ理事長)、林 亮一 (北海道テレビ放送株式会社取締役報道情報担当)、三上 敦(株式会社ノヴェロプロジェクト推進室・プランナー)、右谷 誠(シアターZOO幹事)、閔(ミン)鎭(ジン)京(キョン)(北海道教育大学岩見沢校准教授)
事務局長 平田 修二(北海道演劇財団専務理事/プロデューサー)
■連絡先
北海道演劇財団 Tel:011-520-0710 Mail:office@h-paf.ne.jp
NPO 法人 コンカリーニョ Tel:011-615-4859 Mail:mail@concarino.or.jp
5) 札幌座「ディヴィッド・コパフィールド」は、協働の場としての「札幌座」の4番目の公演でした。ディケンズの自伝的小説64章の原作を2時間の脚本にまとめ、21名の役者が登場して、150以上の登場人物をあのシアターZooの空間でこなす、まさに意欲的挑戦作品だと思いました。「どこまで削ぎ落とせるか、何を残すのか」、構成・演出の清水友陽さんの葛藤を垣間見る気がしました。コパフィールドの人生、山あり谷あり、多くの人々の出会いそれ自体が彼の人生の宝物なのでしょう。多くの客演の中で、特に亀井健さん、小林エレキさんが、これまでのTPS・札幌座になかったカラーを呼び込んでメリハリが出ていて、コラボレーションの面白さがまさに発揮された作品だと思いますね。
6) 一昨年からずっと感じていたことに、「人形劇」のジャンルの奥深さがあります。今年もこぐま座、やまびこ座でのそれぞれの劇団の公演は、皆、実に面白くメッセージも明確でした。子どもたちは勿論のこと、大人にとっても余韻の残る素晴らしい作品と演技で楽しめます。私も毎回のチラシを2人の子どもを持つ長男家族に渡して、近いうちに足を運ぶことを薦めていました。何と言っても、劇場、劇団の方々のお客さんに対する優しい眼差しが素晴らしいです。開演前の諸注意、休憩中には人形が客席に現れたり、そして、舞台では場面の転換も流れるような見せる場面として、とにかく劇場に居るお客さまに喜んで頂こうという姿勢から学ぶものは多いですね。
7) 今年は、公開審査会後の交流会で、多くの創り手の方々とお話をすることができました。それぞれ実に内容があり、創り手の伝えたかったことをあらためて知る機会となり、私的には嬉しかったです。ただ、一方で、お話をしてみて初めて「ああそうだったのか」と分かる時、「それはそう説明を受けないと分からないよ」と思う時も多く、たった一回の観劇では、なかなかその創り手たちの意図を捉えきれない自分もよく分かっているので、可能な限り「再演」を希望したいですね。一回だけではかなり見逃しているセリフ・場面もあったり、創り手にとってもその後の手直し、作品の進化としても価値ある場だと思うのですが。時々再演を観て、「かなり修正したでしょ」と製作者に言うと、「いえ、脚本は全く手直しをしていません」などと言われる場合もあったりしますので。
8) 7)にも関係しますが、それ故に、昨年から始まった「さっぽろ演劇シーズン:http://s-e-season.com/」企画は、再演を集めての1カ月ロングランであり、この劇場祭を踏まえてさらにすそ野を拡げる企画として期待したい所です。このTGRでの公開審査会での辛口審査が、次のこれらの企画で活かされてくると、北海道での演劇のすそ野は大きく拡がり続けるような気がします。観てお仕舞いの演劇鑑賞の「消費」ではなく、ともに創る「パートナー」としての観客に一段レベルアップすることと思います。
いずれにせよ、多くの方々の情熱と時間を費やして創られた一つ一つの芝居を、これ程濃密に鑑賞し前後に意見交換できる場を与えて頂いた劇場連絡会の皆さまに、心から感謝申し上げます、これからも劇場に足を運び続けますよ、「審査員」ではなく応援する「一観客」としてですね!
今年の劇場祭、結果は以下の通りで、詳細はこちら(http://www.s-artstage.com/2012/news/2012/12/536/)。
< TGR札幌劇場祭大賞2012 >
●大賞 /弘前劇場「素麺」(http://www.hirogeki.co.jp/)
●特別賞(作品賞) /intro「モスクワ」(http://intro-sapporo.com/)
●特別賞(脚本賞) /座・れら「不知火の燃ゆ」(http://hakouma.eux.jp/2012/06/shiranuino_moyu/)
●新人賞 /劇団パーソンズ「CRY WOLF!」(http://persons.xxxxxxxx.jp/)
< 審査員奨励賞 >
●人形劇なかま パラパラポナ「ルドルフとイッパイアッテナ」(https://www.sapporo-info.com/eventDetail.php?event_code=43264)
●赤星マサノリ×坂口修一 二人芝居「貧乏ネ申 -The Poor Zombies-」(http://blog.livedoor.jp/aka_saka/archives/4057024.html)
●劇団怪獣無法地帯「The Lady・Blues~彼女に何が起こったか~」(http://muz-web.com/)
< オーディエンス賞 >
●ホームラン王 /劇団千年王國「火盗人」(http://sen-nen.org/)
●首位打者 /人形劇集団チーム・パース「大どろぼうホッツェンプロッツ」(http://www.s-artstage.com/2012/tgr2012/profile/#yamabikoza)
審査員3年目、地域で演劇を支えるすそ野は、この3年間を見ただけでも大きな進化・深化を実感致します。2年前の感想はこちら(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=6707)。それにしても、「審査」の難しさは変わらず感じ続けましたね。個々の講評は、TGRのHPに譲るとして、今年のTGRの感想を2回に分けて書き留めます。
1) 昨年3・11を経て、今年のオリジナル脚本にはそれ以降の時代をにじませる雰囲気が漂っていました。創り手も観る側も、「3・11以降」をはっきり意識して生きている気がしましたね。大賞・特別賞2作品は、三つともに大震災・津波・原発事故の犠牲、及びその後の対応への批判的メッセージでしたが、昨年とは違って、新たな時代の始まりをしっかり引き受けて前に進んでいる姿も感じ取れました。
2) 弘前劇場は、以前から私の大変好きな劇団です。今年の公演、「素麺」はその中でもとりわけ素晴らしく、セリフ、間合い、照明、舞台装置等、完成度の高い作品でした。現実と真摯に向かい合う作者の姿勢、3・11以降を生きている者が「歴史を引き受ける」と力強いセリフ、一人一人の生きる「物語」が舞台の本棚からも感じられて、「生き直す」との新たな出発を感じ取りました。終了後はしばし立ち上がることができずに、その余韻に浸っていましたし、出口にいらっしゃった長谷川孝治さんに、「素晴らしい作品ですね」と、声をお掛けして帰りました、このような芝居をありがとう、と言ったお礼の気持でしたね。
3) introの「モスクワ」は、その題名からも魅力があり、どんな公演なのか興味津々でした。「わたし、ドブリニンスカヤ駅のマクドナルドに行く・・・・」、繰り返しのフレーズが私には少々耳障りでしたが、他の審査員は全くそんなことは無かったようです。「通り過ぎれば、そこは通過点」、この繰り返しも「分かったよ」と私の心の中ではそう呟いていましたが、ロシア語の文字を記号に、環状線をデザインとしてのサークルに、モスクワ、パリ、東京と、想像力は世界を駆け巡りました。そして、「1986」とそれ以降の世界、アントン・チェーホフ「三人姉妹」、映像の斬新さ、リズム感とスピード感、イトウワカナさんの「脱家族」、「個とコミュニティを見つめ直して境界を越えていく」心意気を感じました。前の若い女性が食べていたカップのスープみたいなもの、後で分かりましたが入り口で販売していたボルシチだったようです、ピロシキも売っていたと分かり、大変残念なことをしました。
4) 座・れら「不知火の燃ゆ」も衝撃的でした。戸塚直人さんの演出、水俣病を取り上げてはいますが、これは明らかに3・11原発事故を「放射能公害」と意識した作品。公開審査会後の交流会では戸塚さんともしばし歓談できて、その辺の意図を伺うことができました。役者の方々ともお話して、舞台で観る表情とは違った側面を垣間見た貴重なひと時でした。(次回につづく)
今年は、札幌劇場祭(TGR:http://www.s-artstage.com/2012/news/)の審査員3年目、最終年でしたが、昨日の公開審査会が終了して、私のこの間の任は終了しました。数回に分けて、今年の劇場祭を私なりにふり返ってみたいと思います。
まずは、FBにも掲載しましたが、<お詫び&訂正>です。
昨日の公開審査会について、詳細は後日書くつもりですが、私の受け持ちの「『新人賞候補』講評」で、事実と違うコメントをしたことが分かりました。劇場「BLOCH:http://www.bloch-web.net/」で公演した劇団「遊罠坊(あそびんぼう):http://asobinbou.web.fc2.com/」の講評の中で、当日事前の審査員会で出た意見として、「開演を15分も遅らせる行為」を劇団の判断と言及したのですが、直後の交流会で関係者から事実関係をお聞きした所、これは劇団の判断とは全く異なっていたことが明らかになりました。この件に関して、確認もせずに公開の場でネガティブなメッセージとして伝えたことを、関係者の皆さまに心からお詫び申し上げます。
これまで、公開審査会での各審査員の発言の影響力は殊の外大きく、仮に誤解に基づいた発言が放置されると、思わぬ尾ひれがついて関係する方々にご迷惑をお掛けします。特に「新人賞」については、若いこれからの劇団ばかりであり、期待を込めての「辛口コメント」のつもりでしたので、なおさらのことと心を痛めています、申し訳ありませんでした。
3年目の審査員として、まずは「お詫び」からのご報告でした。
怒涛のスケジュールだった今年の私の11月、今月最後のメッセージは、秋の京都からです。
「第Ⅱ期寺島実郎戦略経営塾」第2回が、京都東山・高台寺(http://www.kodaiji.com/index.html)で開催されました。昨年終了した第Ⅰ期経営塾はこちらで(http://www.terashima-bunko.com/bunko-project/strategic-management.html)。
東山霊山(りょうぜん)の山麓、八坂法観寺の東北にあり、正しくは高台寿聖禅寺といい、豊臣秀吉没後、その菩提を弔うために秀吉夫人の北政所(ねね、出家して高台院湖月尼と号す)が慶長11年(1606)開創した臨済宗のお寺です。寛永元年(1624)7月、建仁寺の三江和尚を開山としてむかえ、「高台寺」と号しました。造営に際して、徳川家康は当時の政治的配慮から多大の財政的援助を行なったので、寺観は壮麗をきわめたといいます。
現在旧持仏堂の開山堂、霊屋、傘亭、時雨亭、表門、観月台等が国の重要文化財に指定されています。 秀吉と北政所を「霊屋(おたまや)」に祀り、北政所像の下はその墓所となっています。須弥壇(しゅみだん)と厨子は華麗な蒔絵装飾が施され、桃山美術を代表する「高台寺蒔絵」として知られる一方、開山堂を中心に東西に広がる池庭は小堀遠州作と伝えられています。
第2回の講義は、高台寺月真院(http://bakumatu.727.net/kodaiji/eiji-shiseki-gessinin.htm)住職(高台寺執事)・寺前浄因(http://souda-kyoto.jp/kyoto_person/vol6.html)さん、そして寺島実郎塾長の講義で、ともに心に沁み入るお話でした。特に、寺島実郎さんの「経済人として共有しておきたいこと」と前置きしてのフレーズは、混迷する現在、全く同じ立ち位置でした。
寺島実郎氏の1994年著書「新経済主義宣言~政治改革論議を超えて」、これで「第15回石橋湛山賞:http://www.ishibashi-mf.org/prize/index.html」を受賞されました。そこでのメッセージは次の二つ。
1) 代議者のコスト削減(議員定数是正~大幅削減): 冷戦後、政治を語る人間が一番大きな顔をしている社会を変革する必要がある、政治を職業としてはいけないのではないか。「極小化することこそが『政治改革』そのもの」と主張する、それが経済を支える人間としての「誇り」である
2) マネーゲームの抑制: 金融資本主義を放置すると資本主義が腐る、すぐにでも脱却しなければならない。
1994年にこう記述し今に至るまで変わらぬ彼の姿勢、或いはそのことが18年後の今も病んでいる日本、国際情勢を象徴しているのでしょうね。その後に発生したアジア金融危機、サブプライムローン問題、リーマンショック等、次々と発生する金融破たんの連鎖、今も続く冬の時代です。
坂の奥、東山霊山(りょうざん)護國神社(http://www.gokoku.or.jp/)には、木戸孝允、坂本龍馬、中岡慎太郎のお墓がありました。
秋の京都、歴史の一コマを垣間見て、思いを新たにしたひと時でした。
先月も書きましたが(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=14871)、北海道日本ハムファイターズのリーグ優勝パレードを見に行ってきました、3年前(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=2709)と同じ場所に2時間程前から待ちましたよ、これまでの中で一番近くで声援を送ることができました。栗山監督、田中賢介、武田勝、稲葉、金子誠、中田、糸井、二岡ほか、どの選手も素晴らしい笑顔で通り過ぎて行きました。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/fighters/422118.html
この方々は、恐らく午前7時くらいからこの場所の来ていたのではないでしょうか、熱狂的ファンなのでしょう。日本ハムファイターズを支える北海道民ファンは、本当の本物です!
それにしても、紙吹雪のまき方が回を重ねるごとに上手になっています、今年は見事にパレードとドンピシャのタイミングで降り注ぎました、熟練というのは何よりの力です。翌日、北海道銀行のお世話になっている支店長が言っていました、今年は風に恵まれたと。駅前通り方向に駅からススキノ方面に風が吹いていて、後片付けが殊の外早く終了したそうです。
栗山監督、選手の皆さん、今年は本当に素晴らしい活躍でした、元気を貰って心から感謝です、ありがとう!!!
<講演趣旨> ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
* 戦争の背景には「エネルギー問題」、エネルギー不足が戦争を引き起こす場合が多い:現在はエネルギー需要の増大時期
* 「エネルギー不足」よりも「地球温暖化」の課題が優先順位として高かかった:しかし、20123.11以降は転換
* 2011年、南アフリカのダーバンで開催された気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)の合意
* 2011年3月、欧州連合理事会のエネルギー大臣決定:2050年までに温室効果ガス排出量80~95%削減(1990年比)
* 東西ドイツが統一した時に、東ドイツにあった原発を止めた
―― フクシマ原発事故のインパクト
* ドイツの「脱原発政策」はすでに決定していた。問題はいつまで、どんな順番でというのが議論の焦点
* エネルギーの問題は「社会問題」、「私たちの問題」、倫理の議論をする必要性を政府は痛感
* 安全性の問題、代替エネルギーの問題、送電線の整備等、付随する様々な問題を早い時期に想定
* ドイツ政府・国民は、ハイテク日本での大事故とその後の対応に衝撃を受けた
* ドイツは、迅速な対応により、古い原発を即停止した
* 新しいエネルギー政策は二つの軸: 1)自然エネルギーの普及、2)エネルギー効率の向上
―― 「倫理委員会」の議論
* 17名の委員:「原子力」は社会を二分していた
――倫理的に問題あり: 都市と地方、次世代の資源を使って、次世代に廃棄物を残す――>「脱原発」で統合できる
* ドイツの将来のエネルギー転換のための協同プロジェクト「エネルギー・ヴェンデ」
* 「エネルギー・ヴェンデ」をエネルギー革命として世界に普及する言葉としていく
* 原子力発電の安全性には楽観的だったが、「チェルノブイリ事故以上の可能性を想定すべき」へと転換
* 原子力発電は事故になった場合は、ほかのどのエネルギー源よりも危険
* 次世代に廃棄物処理などを残すことは、倫理的問題としての認識
* 「原子力」より安全なエネルギー源としての「自然エネルギー」
* 再生可能エネルギー普及とエネルギー効率性政策で原子力を段階的にゼロへ:経済的にも大きなビジネスチャンス
* 原発を停止する順番の決定:地域の電力事情を考慮して明確化
* ドイツの失敗から日本は学べるのではないか
* 自然エネルギーの最適ミックスを考えるべき
* 自然エネルギーは地域資源に依拠: ドイツは風力主体、日本は風力と森林バイオマス、水力等の地域特性を活かすべき
* 太陽光: ドイツは太陽光よりも風力に優位性あり、将来はコスト的には風力に投資すべき
* 都市の魅力発信として「100%再生可能エネルギーのマチ」:輸送システムの転換、ライフスタイルの転換等
――ハンブルグは「European Green Capital」、フライブルクは「Green City」、 世界から多くの訪問者
* 政府が動くまで「待つ」のではなく、地方が独自に地域資源を活かしてエネルギー転換を実践すべき
* ドイツでは、1970年代に地方で「脱原発」を実践し始めた。成功の秘訣は成功モデルを地方から見せること
* 「「エネルギー・ヴェンデ」」の必要性は、電気だけ考えていては困難、輸送システム、新しい技術等も含めた議論が必要
* 「新しい技術」を待っていても何も始まらない、あるものからまず始めよう。
* 今使っているエネルギーがどこから生まれているかを考える時代
* 今までのエネルギー論議は、「技術論議」に終始していたが、社会のため、生活レベルのため、どうやって「もっと住みやすいマチ」、「もっと住みやすい社会」を創造できるかの視座が重要
* 「エネルギー・ヴェンデ」が会社のためにはどういう意味があるのか、経済にどういう価値があるのかを議論、新しい技術、新しい考え方等、ビジネスチャンスが大
* 原子力のコストは高すぎる――保険を払っているのは国民、廃棄物処理コストも含まれていない
* 「脱原発」は、ドイツに取って大きなビジネスチャンス: 「経済界=企業群」が率先してけん引した
* ドイツに日本の「経団連」は存在しない、個々の企業の意思決定が全て:個々の企業がリスクとプロフィットで迅速な判断可能
* 「エネルギー・ヴェンデ」は新しいドイツを創造する――>どうやってヨーロッパのエネルギー革命へとするか
* ビジョンが無いと前へ進めない、必要なことはどういうマチにしたいのか、草の根の力、「地域のビジョン策定」が重要
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~おわり
今回のミランダ・シュラーズ先生のお話で、今、私たちが北海道で推進する「エネチェン・ロードマップ:http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=13681」にも力を頂きました。まさに地方からのエネチェンを実践するこの取り組みが、将来のエネルギー転換の基盤になっていく、まさに「エネルギー・ヴェンデ」の実践モデルとなる確信を得ました。
韓国仁川市プピョンアートセンターフランチャイズ劇団「劇団十年後」の「蝶、飛ぶ:http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=39931」公演がありました。一昨年の「パムンサ:http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=39931」、3年前の「劇団青羽:http://hakouma.eux.jp/2009/11/kanito_mugonka/」の公演に続き、ストレートに面白い舞台でした。
終わってから同じ年代の方々と、「何となく懐かしいですよね、『デン助劇場』とか『お笑い三人組』を彷彿するストレートな面白さと言うのかな」とか、感想を語り合いました、こんな会話が通じるのもある年齢以上の世代なのでしょうかね。一人一人の役者がしっかりしているのと、とにかく率直で分かりやすい、子どもを宿す、再開発の波、噂で動く世間等、共通のテーマというのも理由の一つなのかもしれません。翻訳の木村さんのお話によると、今回の芝居は、字幕なしという意見もある程アドリブが多かったようですが、結局は字幕付きとなりました。ただ、舞台上を見ているだけでも、十分ストーリーは理解できそうな、そんな芝居の見せ方でしたね。
公演直後の交流会では、これまでの札幌の劇団員の韓国公演での話ほか、やり取りで盛り上がりました。若い世代のこういった交流は、本当に価値のある場だと思いますね。これまでの韓国劇団との交流、ロシアほかヨーロッパとの交流、その度に札幌の役者たちも大きく成長していく気がします。
地域劇場が演劇を通して何ができるのか、を模索し続けたこの劇団の公演で、韓国の演劇人の演劇に対する情熱を伝えてくれる機会となりました。今、韓国、中国とは、外交的には難しい局面であり、これまで継続してきた交流事業を中止する理由には事欠かないのですが、このような時期であるからこそ、草の根の芸術・文化交流は変わらず行うべきだし、昨年3月のTPS一ヵ月公演「レパートリー・シアター:http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=7983」と同様に価値が出て来るのだと思います。これからも是非続けてやっていきましょうね。
木朝会と21クラブとの合同例会で札幌医科大学(http://web.sapmed.ac.jp/)副学長・鈴木康世看護部長(http://sapmed-kango.jp/)をお招きしました。今年8月の島本和明学長に続いて、札医大の取り組みを紹介して頂きました。これまで、「木朝会」については数回掲載しています(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E6%9C%A8%E6%9C%9D%E4%BC%9A)。
一つの基幹医療機関としての大学病院の機能に留まらず、広く北海道の地域医療への貢献という理念の下にご尽力される姿に感動しました。
人材育成の要諦は、対象者の課題意識、時間をかけたプログラム策定、コミュニケーション等に集約されるようです。集合研修、実地研修の後のフォローアップの重要性は、どんな分野での人材育成においても共通するポイントです。
現場の日々の格闘、イノベーションを受けとめて、気持のよい朝で始まったこの日でした。
「認定NPO法人 北海道市民環境ネットワーク(http://www.kitanet.org/index.html)」主催の「きたネットカフェ2012 特別編」で、「公益社団法人 福島原発行動隊(SVCF):http://svcf.jp/」理事長の山田恭暉さんがご講演をされました。
これまで私はこの欄に「SVCF」について数回書いています(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E5%8E%9F%E7%99%BA%E8%A1%8C%E5%8B%95%E9%9A%8A)。
【札幌】きたネットカフェ2012 特別編
「世代の責任・世代の力 ~3.11以降の世界をつくる若者たちへ~」
若者に被曝させないためにシニアが現場作業を肩替りしよ う、と2011年に
設立された「福島原発行動隊」の理事長を迎えて、お話を伺います。
ゲスト 公益社団法人 福島原発行動隊 理事長 山田 恭暉 氏
聞き手 秋山 孝二 きたネット理事長
草野 竹史 きたネット理事 環境NGO ezorock 代表理事
→案内チラシ(PDFB) →環境情報blog →facebook
■会場/ 札幌エルプラザ 環境研修室1-2
札幌市北区北8条西3丁目 札幌エルプラザ2F
当日の模様は、以下の録画で見ることができます。
今回は、「環境NGO ezorock(http://www.ezorock.org/)」代表の草野竹史さんたちにもご参加頂き、若い世代がこの「福島原発行動隊」の動きをどう理解しているか等、世代間の議論を軸に、企業・組織と個人、死を賭した行為とは、哲学への言及もあり、大変内容の濃い意見交換でした。草野さんが最後にまとめた中で、「若い世代は、これまで上の世代の本気な姿を見た事が無かったが、山田さん達の行動とメッセージを知り、本物に出会った気がする、これからも是非頑張って頂きたい」との感想は特に印象的でした。
山田代表は、60歳以上の技術者がフクイチの収束作業にあたるのが、「社会的に最も合理的な選択」と淡々と語られ、それを間近で聴いていた私は、強い決意を感じ取りました。気負うことなく穏やかにお話する一つ一つの言葉に、大いなる説得力があり、60年安保世代の、時代と真摯に向き合う誠実さも同時に受けとめた気がします。
大変お忙しい中、札幌までお越し頂き、ありがとうございます。
「認定NPO法人北海道市民環境ネットワーク(きたネット:http://www.kitanet.org/index.html)」は、今年で設立10周年を迎えました。先日、「10周年記念交流フォーラム」を開催し、多くの皆さまのご参加を頂きました。
午前中のパネルディスカッション、午後の分科会Cにも登壇された名古屋の萩原喜之(地域の未来・支援センター 理事長:http://c-mirai.org/)さんが設立にご尽力された「中部エネルギー市民会議:http://chu-ene.net/」のお話は、大変参考になる内容でした。萩原さんの紹介はこちらにも(http://www.7midori.org/katsudo/kouhou/kaze/meister/15/index.html)。
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【札幌】北海道環境活動交流フォーラム2012(http://www.kitanet.org/event/2012/kitaforum2012flayer2p.pdf)
10:00 開会式 「きたネットのこの10年」
10:40~12:20 パネルディスカッション 「環境NPOの課題と新しい動き~ネットワークは機能しているか」
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13:20~15:15 分科会討議 「ネットワークで何ができるか」 & 交流会
~分科会A「北海道の森づくりに市民がどうかかわるか?」
~分科会B「未来を考えるということ:E☆navi版北海道環境白書(仮題)ともに」
15:30~17:30
~分科会C「北海道のエネルギー円卓会議(テスト版)」
~ラブアース・クリーンアップin北海道交流会
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私は、「きたネット」理事長に就任して3年目ですが、冒頭の「きたネットのこの10年」で報告させて頂きました。この10年を振り返り、環境団体の課題解決に果たす「ネットワークの役割」を検証するとともに、団体や個人がネットワーク機能を、積極的に活用できたかを問い、北海道の環境活動団体の現状と課題、未来への展望を考えるひと時となったような気がします。
ご参加頂いた会員NPO団体、市民、企業の皆さま、、当日パネルディスカッションでパネラーで登壇された皆さま、お忙しい中ご都合を付けてお越し頂き、心から感謝申し上げます。これから「きたネット」は、第三期中期5ヶ年計画に基づき、さらに一層お役に立てるように努力して参ります。
以下は、10周年記念パンフレット表紙に掲載した、私のご挨拶です~~~~~~~~~~~
「十年は長い月日か 十年は短い日々か 恋する者には無きにひとしい 想いだけがただ咲いていた」、中島みゆき作詞・作曲、歌手のクミコさんが歌う「十年:http://j-lyric.net/artist/a04d9a0/l019446.html」のフレーズです。この10年間、きたネットはただ「想いだけ」ではなく、多くの皆さまのご支援を得て、確かな足跡を残してきました、心から感謝申し上げます。
10年はひと昔、試行錯誤を繰り返しながら、必ずしも一直線に順調とは参りませんでした。しかし、2007年に「NPO」法人格を経て、2012年5月、「認定NPO」認定を国税庁から得て、今後のさらなる活動の基盤を固めつつあります。昨年策定した「第三期5ヶ年計画」に沿って、私たちは展望を持って前に進みます。引き続き、みなさまのご協力・ご支援をお願いする次第です。
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今年も札幌で始まりました、「さっぽろアートステージ2012:http://www.s-artstage.com/2012/」、そしてその舞台芸術部門の「さっぽろ劇場祭:シアター・ゴー・ラウンド:TGR(http://www.s-artstage.com/2012/tgr2012/)」も盛況です。
これまで以上に、今年の11月は盛りだくさんです。中島公園の北海道文学館(http://www.h-bungaku.or.jp/)では、特別展示「戦後の北海道の演劇:http://www.h-bungaku.or.jp/」で、多彩なトーク等も12月中旬まで予定されています。
「さっぽろ劇場祭」では、私は今年3年目の審査員です。11月最初から12月1日まで、エントリー作品を12月2日の公開審査会までに札幌市内9劇場で観劇し、今年の「大賞」、「特別賞」、「新人賞」を決めます。公演日時が限定されているので、多い時は一日3つの芝居を渡り歩いて観る時。まさに来る日も来る日も幅広いジャンルの「演劇」鑑賞です。昨日現在、折り返し点間近といった感じでしょうか、熱演が続いていますし、この所は「人形劇」のジャンルが格段に進化しているような気がします。
気がついてみると、中島公園もすっかり秋の気配、この写真は1週間程前ですから、今日あたりはもう葉っぱもすっかり落ちているかもしれません。色とりどりの紅葉、それぞれのシーズンの収穫期とでも言うのか、2年前にも書きましたが(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=6454)、私は「秋」が最も好きな季節です。
今年の札幌の秋は、9月に異常な暑さが続き、10月からは一気に気温が下がって大雨と強風の連続。例年真っ赤に色づく木々の葉っぱは、色が変わる前に落ち葉となって地面に。少し違った秋を経て、いよいよ冬への準備です。
庭の名月カエデ、ドウダンツツジも殆ど赤くなりません。ただ、昨年異常に少なかった柿の実(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=10619)は、今年は実にたくさん成っています。開花時の虫が一生懸命働いてくれたのでしょう。熊の出没は、今年はかなり早い時期からでした。人間が自然に近づき過ぎた(?)のかもしれませんね。
秋の円山公園、「母子像・ふるさと」<今井さん撮影>
今年の日本ハムファイターズ、ダルビッシュの抜けた穴を埋めて、皆さんよく頑張りました!栗山監督もお疲れさまでした、シーズンスタートのテレビ朝日・古館さんの夜の番組で、キャンプの自室に「孫子の兵法」を持ち込んで勉強されているお姿を見て、これはただものにあらずと陰ながら期待をしていました。
読売ジャイアンツとの日本シリーズ、後味の悪さはかつて無い程です。マスメディアは、いつものメディアスクラムでその後殆ど記事にしていませんが、ブログはその点いいですね、率直な声を掲載できますから。
まずは第二戦のG・澤村投手のいきなり1回に2つのデッドボール、これで中田翔はこの試合途中で交代、以後も手負いでした。今日の報道によると実は骨折で、全治3週間とか、澤村は目的達成ですかっ!次は先日の第5戦、危険球退場(http://matome.naver.jp/odai/2135177002253960001)ですが、ひどい場面でしたね、「読売ジャイアンツ」というチームの今の姿を浮き彫りにしたシーンです。捕手加藤健のあの演技にもならない転び方と痛がり方、バントをし損ねた自分のバットが頭に当たっただけの場面です。サッカーなら、加藤こそが「シミュレーション」行為でレッドカード、一発退場でしょう。ベンチから飛び出してきた原監督他数名、とても「紳士集団」などと言えるものではありません。それらに屈している審判団の軟弱さ、スポーツマンシップの欠如、悪意に満ちた・・・・、子どもたちには見せられない場面でありチームですよ。
以前から、長野、澤村のプレー態度、脇谷・加藤健をかばうG選手たち、そのかもし出す雰囲気、漂う空気が、いかにもスポーツマンシップからは遠く、「勝負はオレ達には何とでもなる」みたいな傲慢さを感じるのです、マスメディアも含めた体制の中で。
誤審に関してのインターネット上のつぶやきは面白いですね、今年の「G」を皮肉るシャープなセンスに、思わず「天晴れ!」です :
「ジャンパイヤめ!」
「これが巨人野球さ」
「疑惑は監督だけで十分、紳士の集団さま!」
「確かに、当たっていないというのは、『当たってる!』」
「審判、お前も一億円もらったのか!」
「疑惑なのは柳田浩一主審の審判であって多田野の球ではないはず、正しく報道しろ!」
実は、私は当日は会合があり、その場面を見ていなかったのです。帰りのタクシーの運転手が、えらく怒っているので、「どうしたの?」と聞いたらこの話でした。「今のGは、長島・王のいた時代とは似て非なるチーム」と、降りる時には私の思いと一致し、「お疲れさま」で別れました。昨年のGの脇谷の落球をアウトとした判定(http://www.youtube.com/watch?v=-8eQHy7Y9AA)、明らかな間違いを隠すGチームメイト、「金」で選手をかき集める球団体質、マイケル、小笠原等、Gユニフォームの彼らを見るたびに、心が痛みました。
反面、日ハムのうなるプレーは、その中で幾つもありました。私が印象的だったのは、一つは、チャンスに「代打二岡」が告げられ、敬遠のフォアボールで歩かされた時です。彼は一度もバットを振ることなく、まさに彼の存在がバッターボックスにあるだけで一塁を獲得したのです。第5戦の飯山のサヨナラヒットも凄かったし、第6戦の最終回、鶴岡が代打で登場して見事ヒットを打ったシーンも執念を感じ、選手会長として最後まで諦めずに真摯に勝負に挑みチャンスを作ろうとするそのプロフェッショナルの姿に感動しました。
一方メジャーリーグにチャレンジしたダルビッシュの今年は、本当に闘いの連続だったようですね。4日夜のNHK総合テレビで、彼は率直に語っていました、「野球」と「ベースボール」はまるで別物、と。ボール、ピッチャーズマウンド、ゲームメイクほか、素人がただ観戦しているのでは分からない、大変な苦労があったことを知り、私は彼のブログ(http://ameblo.jp/darvish-yu-blog/)を追いかけて知っていたつもりでしたが、違いと格闘していたダルビッシュに、あらためて応援の拍手です。
2009年の日本ハムファイターズのパレード(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=2709)以来の札幌でのパレードが、11月24日に札幌駅前通りで盛大に行われます。また2時間半以上前に行って、街頭スクリーンを見ながら多くの人と喜びを分かち合いたいですね、特に栗山監督には「ありがとう!」と。今でも、私の机の上には、過去の紙吹雪の色紙が置いてあります。
今年の日本ハム・ファイターズのパ・リーグ優勝、 そして、ダルビッシュの苦闘を乗り越えての16勝の活躍と、私は勇気を貰いました。コーチも大幅に代わりそうだし、選手も入れ替えがあるようです、来シーズンこそ栗山監督の本当の意味での真価が問われるのでしょう、ダルビッシュも含めて、来年のさらなる活躍を期待します!
先日、北海道大学吉田文和先生が、北海道の道政記者クラブで記者会見を行い、私も同席致しました。12大学130名を越える研究者の方々の声明に、経済団体の一員、経営者としてこれに賛同する立ち位置でです。
昨年3・11以降、マスメディアでは「経済界」、「経済団体」とよく出てきますが、メッセージが「満場一致」の議決を経て出されている訳ではありません、いやそれどころか、あたかも日本で営む企業を代表するかのような誤解は、しっかり払しょくしなくてはなりません。先月私が書いたように(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=14447)、経済団体のそれぞれの中身は多様であり、様々な意見を持つ経営者がいることを、世の中の方々に分かって頂きたい、少なくとも北海道民には、そんな思いが私にはずっとありました。それゆえ、今回、吉田文和先生ほか研究者の皆さまの思いに賛同する意思を、経済団体に所属する経営者として明確にしたつもりです。限られた時間でしたので、実際はここに記載されている以上の、多くの賛同する経営者がいらっしゃいます。
声明文概要は下記で、賛同した経営者は11月2日現在です。
~~~~声明文概要~~~~~~~~~~~~~~~~~~
この冬の電力不足が想定されるとして、北海道電力泊原発1号、2号の再稼働について、当事者である北海道電力を先頭に、経団連とともに北海道の経済団体が経済産業大臣に再稼働実施の働きかけを行っている。そもそも福島第1原発の事故については、政府と国会の事故調委員会報告がすでに公表されており、これを受けた原発の新たな安全基準づくりが求められており、新たに発足した原子力規制委員会の安全基準づくりも来年7月を目途とされる。したがって、この冬に泊原発の再稼働を求めることは、その新基準の前に再稼働を迫る異常な行動である。
原発に関する将来選択については種々意見があるが、論理的に考えて、震災前の安全基準が徹底的に見直され、それが確認されるまで原発を稼働できないことは当然の考え方である。現段階で原発を再稼働することは、近い将来再び大震災が起こることはない、という根拠のない無責任な楽観論を拠り所にしているといわざるをえない。
現在の泊原発は、東日本大震災に匹敵する頻度で起こりうる地震と津波に耐えられないことは明らかでる。しかも福島第1原発に設置されていた免震重要棟はなく、オフサイト・センターは海抜わずか4mに位置しており、移転を計画中である。また泊原発は加圧水PWR型で、ベント装置もフィルターも設置されていない。周辺の避難道路の整備も遅れている。北海道電力が泊原発で予定している、津波対策の防潮堤の完成などは2、3年先であり、指摘されている周辺の黒松内断層などの影響による送電線倒壊についても、影響評価と防止対策が明らかにされていない。
以上のような状況において、冬の電力不足を理由に泊原発の再稼働を認めることは、安全性が確認できない原発を稼働することによるリスクに、北海道民をさらすことになりかねず、再稼働すべきではない。万が一の事故が起こった場合には、道央圏が放射能の汚染によって居住不可能になる場合があること、北海道の基幹産業である一次産業が大きな打撃を受けることを考えなければならない。
一方、原発を再稼働させない場合、冬の電力不足と停電のリスクの問題があり、原発再稼働のリスクかあるいは冬の停電のリスクかという、一種の「社会的ジレンマ」といわれる事態に北海道が直面しているかのような状況を呈している。この「社会的ジレンマ」を解決するには、関係当事者の責任と分担を明らかにして、一部の人々の負担に頼るのではなく、社会の構成員全員の積極的参加と議論に基づく対処と行動が不可欠である。
そこで、原発再稼働のリスクと停電のリスクの両方を避けながら、予防原則に立ちかえり、安全サイドに舵を切りながら、道民が10%を目標に節電対策などに最大限努力、協力して節電対策を行えば、原発の再稼働は必要なくなる。そして、第3者検証により、もしどうしても火力発電による燃料代金値上げの必要性が確認できれば、その分の消費者負担も多くの道民は受け入れることになるであろう。その際はもちろん、社会的経済的弱者への配慮が不可欠である。
そうしたうえで、電力の安定供給は地域独占が許された電力会社自身の社会的責務であり、北本連系線による本州からの送電確保、自家発電の要請、予備電源の準備など、北海道電力が行うべきメニューは数多くあるので、これまでの努力を踏まえさらに改善に取り組むべきである。政府の需給検証委員会でも指摘されているように、北海道電力の具体的な電力確保対策、節電対策は、まだ不十分である。
鉄道や病院には優先的に電力を確保することにより、道民の生活や健康・生命は確保される。泊原発ができてから、オール電化のキャンペーンなどで道内の電力消費は1.5倍になったのであり、電気を代替できる石油ストーブ、ガス、ストーブへの切り替えによって電力消費を抑えることができる。北海道電力は停電や計画停電を避けるように最大限努力し、一方で道民、企業等も不測の事態に備えるべきである。また住民が節電に努力できるよう節電の可視化やインセンティブの設定をいっそう推進すべきである。
これまでにない電力危機を、道民の協力で乗り切るべく、当事者である北海道電力は、今後、情報開示を一層積極的に行い、電力確保に努め、北海道庁をはじめ行政各機関は、各企業、道民と協力して対処すべきである。
泊原発の再稼働なしでこの冬を乗り切れるかどうかは、ひとえに北海道民の知恵と協力にかかっている。従って当事者である北海道電力は、他の経済団体を巻き込んで、泊原発の再稼働に動くのではなく、再稼働をしないで冬の電力供給の責任を果たすために、できる限りの方策を講じるべきである。火力発電の停止の場合を想定した計画停電も避けるべく最大限努力すべきである。通常の火力発電の運転確保も保証できない技術レベルで、どうして原発を安全に再稼働できるのだろうかと、残念ながら疑問を持たざるをえない。こうなったのは、原子力に過度に投資をし、天然ガス火力発電への投資が遅れ、本当の意味でのベストミックスを見失った一方で、泊原発も防災・安全対策が不十分であるという、経営のあり方の問題なのである。
新しくできた原子力規制委員会の新基準の策定前に、この冬の泊原発再稼働を認めれば、原子力規制委員会そのものの存在価値が問われかねず、政府も再稼働に慎重にならざるをえない国内情勢があり、他方で、北海道の基幹産業である農業と水産業の従事者が再稼働反対で北海道知事も新基準前の再稼働に慎重な姿勢を取らざるを得ない道内情勢がある。北海道電力の経営陣は、これらの情勢を理解判断することができず、いまだに再稼働に固執し、本格的な電力供給の緊急対策に腰が入らない状況は誠に遺憾で、危険な状態である。
昨年8月に泊原発3号機の「無条件の営業運転開始」を容認できないという声明をだした私どもは、北海道電力が経団連や北海道の経済団体とともに泊原発の再稼働を要求しているという事態の緊急性を鑑みて、泊原発再稼働問題について声明を公表いたす次第である。
<経営者の声明賛同者> 肩書のない方は、みなさん「代表取締役社長」
* 植田英隆 株式会社 りんゆう観光
* 内山博 株式会社 旅システム
* 清水誓幸 株式会社 スーパーライン北翔
* 白鳥雅芳
* 加城祐史 オホーツク警備保障 株式会社
* 川田弘教 川田自動車工業 株式会社
* 國枝恭二 株式会社 帯建工業 (*エネ経会議 北海道支部長)
* 小枝秀則 小枝産業 株式会社
* 後藤健市 合同会社 場所文化機構
* 竹本直人 株式会社 ネクセスステージ
* 仁志方紀 有限会社 仁志陶器建材店
* 爲廣正彦 株式会社 エコERC(エルク)
* 前川和弘 北海道生活協同組合連合会 専務理事
* 舛川誠 北見通運 株式会社
* 三宅雅登 左希子化粧 株式会社
* 宮下 周平 株式会社 まほろば
* 森実さとみ
* 秋山孝二 北海道経済同友会 幹事
<参考>
「エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議
<https://enekei.jp/page/concept>
~趣意書より~
私たちが具体的に取り組むべきは、単なる反原発運動ではなく、原発がないほう
が健全な国・地域づくりができるという対案を示し、それを実践していくことだと
思っております。そのひとつは地域でのエネルギー自給のしくみを、最初は小さく
ともいいから、同時多発的に実現させることであり、そのための活動をしてまいり
ます。たくさんの小さな循環を起こし、そのネットワークを創っていくこと。いわば
「実践のネットワーク」。それが私たちの役割だと任じています。
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国連アドバイザーだった松村昭雄さんが、先日50年ぶりに札幌をご訪問され、その折に、札幌市上田文雄市長ほか、北海道の経済界のトップとも面談しました。夜も、北海道経済同友会幹部と会食し、北海道が、昨年3・11以降の国難にどんな貢献が出来るかを、真摯に語り合いました、久しぶりに正しい現状認識に基づいた前向きの意見交換ができて、今後の展開に大きな助言を頂きました。
松村さんが何ものか(?!)をご紹介するのは実に難しいことですが、今回何を札幌のリーダーたちに訴えたかったかは、私がくどくど書くよりも下記のブログをお読み頂ければ一目瞭然です(日本語は「japanese」をクリック)。ひと言で言えば、日本のリーダーたちが、今のフクシマ原発事故に対して危機感が欠如していることへの警鐘です。現実の状況としっかり向き合い、国際社会の英知も結集して、長い時間の取り組みを宣言する必要があるのでしょう、日本国の信頼を確保するために。
チェルノブイリ事故では結局どうして爆発を収束させたか、そしてその甚大な被害が実際、今、子どもたちにどう影響しているか、世界のトップレベルの科学者、見識のある方々のコメントを直に聴きながらの松村さんのお話には説得力がありました。
<2012.6.11ブログ http://akiomatsumura.com/2012/06/what-is-the-united-states-government-waiting-for.html>
<2012.8.24ブログ http://akiomatsumura.com/2012/08/the-nuclear-sacrifice-of-our-children-14-recommendations-to-help-radiation-contaminated-japan.html>
昨年10月のIBM北海道会議(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=10557)でも小磯修二先生が講演されたように、北海道という地は、その開拓の歴史をさかのぼると、明治維新の幕末諸藩の雇用創出としての大移民計画、第二次世界大戦直後の外地からの復員兵とその家族の雇用創出移民計画等、国策としての移民政策の成功モデルとして世界的な評価を得ています。
今、「フクシマの復興」というよりも、「日本の復興」という意味で、北海道の果たすべき役割は大きいでしょう。そしてその計画は、「避難する人々の受け入れ」ではなく、福島の方々の誇りを尊重するものでなくてはなりません。人が場所を移して暮らすことは、憐憫の情では長続きはしません、たとえば、福島の伝統・文化の導入、技術移転とかですね、第三の大移民計画」とでも呼べるものが必要なのではないでしょうか。
「持続可能な北海道・日本・世界へ~再生可能エネルギーとグリーンエコノミー ~」と題したこの環境政策セミナーでは、再生可能エネルギーに携わる研究者、ビジネスマン、国のRio+20担当者の講演、パネルディスカッションを通じて、この間の世界の動きを概観し、北海道各地のいままでの取組の成果と、今後の再生可能エネルギーの利用促進を通じた持続可能な社会の達成に向けての課題が提起されました。
<講演・パネリスト>
* 北海道大学大学院経済学研究科 吉田文和 教授
* 日本政策投資銀行 環境・CSR部 竹ヶ原啓介 部長
* NPO法人 北海道グリーンファンド 鈴木亨 理事長
* 環境省地球環境局国際連携課 柴田泰邦 課長補佐
<コーディネーター>
北海道大学大学院地球環境科学研究院 荒井眞一 特任教授
それぞれ大変有意義なメッセージの数々、その中で私は、特に、お金の流れ、投資からみた再生可能エネルギーを語った竹ヶ原さんのお話が印象に残りましたね。ファイナンスと地域展開とで、幾つか構造的な難しさを指摘されていました。地域から見た再生可能エネルギーのニーズと、それらに投資するサイドとのモチベーションのずれみたいなお話、北海道の今後の留意点だと思います。他には匿名組合設立によるファイナンス、まさに証券化(小口化)ですね。
もう一つは、鈴木さんが指摘されていた「信用補完」、これこそが地域の金融機関、特に、銀行の果たすべき役割なのでしょう。昨今、信用金庫の中でそれに気がついている金融機関が出てきて業績を伸ばしています。さらに、寒冷地北海道ゆえに、冬の「熱」をどう電気以外で確保するのか、「コジェネレーション」の重要性と効率向上です。
会場に向かう日、気がついてみると9月の猛暑から一ヵ月しか経ていないのに、外は確実に秋の気配。今年の冬は例年にも増して、「北国に住む人々の知恵」が求められそうです。
新しい時代の新しいライフスタイル、安全・安心は、我々が「獲得していくもの」なのでしょう。