再稼働なしで、この冬を乗り切ろう!

Posted By 秋山孝二
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 先日、北海道大学吉田文和先生が、北海道の道政記者クラブで記者会見を行い、私も同席致しました。12大学130名を越える研究者の方々の声明に、経済団体の一員、経営者としてこれに賛同する立ち位置でです。

 昨年3・11以降、マスメディアでは「経済界」、「経済団体」とよく出てきますが、メッセージが「満場一致」の議決を経て出されている訳ではありません、いやそれどころか、あたかも日本で営む企業を代表するかのような誤解は、しっかり払しょくしなくてはなりません。先月私が書いたように(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=14447)、経済団体のそれぞれの中身は多様であり、様々な意見を持つ経営者がいることを、世の中の方々に分かって頂きたい、少なくとも北海道民には、そんな思いが私にはずっとありました。それゆえ、今回、吉田文和先生ほか研究者の皆さまの思いに賛同する意思を、経済団体に所属する経営者として明確にしたつもりです。限られた時間でしたので、実際はここに記載されている以上の、多くの賛同する経営者がいらっしゃいます。

声明文概要は下記で、賛同した経営者は11月2日現在です。

~~~~声明文概要~~~~~~~~~~~~~~~~~~

泊原発の再稼働なしでこの冬を乗り切ろう―泊原発再稼働問題について        2012年11月2日
吉田文和(代表声明者、他130名北海道内大学研究者)
(1)泊原発は再稼働できる条件にはない
 この冬の電力不足が想定されるとして、北海道電力泊原発1号、2号の再稼働について、当事者である北海道電力を先頭に、経団連とともに北海道の経済団体が経済産業大臣に再稼働実施の働きかけを行っている。そもそも福島第1原発の事故については、政府と国会の事故調委員会報告がすでに公表されており、これを受けた原発の新たな安全基準づくりが求められており、新たに発足した原子力規制委員会の安全基準づくりも来年7月を目途とされる。したがって、この冬に泊原発の再稼働を求めることは、その新基準の前に再稼働を迫る異常な行動である。
 原発に関する将来選択については種々意見があるが、論理的に考えて、震災前の安全基準が徹底的に見直され、それが確認されるまで原発を稼働できないことは当然の考え方である。現段階で原発を再稼働することは、近い将来再び大震災が起こることはない、という根拠のない無責任な楽観論を拠り所にしているといわざるをえない
 現在の泊原発は、東日本大震災に匹敵する頻度で起こりうる地震と津波に耐えられないことは明らかでる。しかも福島第1原発に設置されていた免震重要棟はなく、オフサイト・センターは海抜わずか4mに位置しており、移転を計画中である。また泊原発は加圧水PWR型で、ベント装置もフィルターも設置されていない。周辺の避難道路の整備も遅れている。北海道電力が泊原発で予定している、津波対策の防潮堤の完成などは2、3年先であり、指摘されている周辺の黒松内断層などの影響による送電線倒壊についても、影響評価と防止対策が明らかにされていない。
 以上のような状況において、冬の電力不足を理由に泊原発の再稼働を認めることは、安全性が確認できない原発を稼働することによるリスクに、北海道民をさらすことになりかねず、再稼働すべきではない。万が一の事故が起こった場合には、道央圏が放射能の汚染によって居住不可能になる場合があること、北海道の基幹産業である一次産業が大きな打撃を受けることを考えなければならない。
(2)安全な電力確保は電力会社の社会的責務である
 一方、原発を再稼働させない場合、冬の電力不足と停電のリスクの問題があり、原発再稼働のリスクかあるいは冬の停電のリスクかという、一種の「社会的ジレンマ」といわれる事態に北海道が直面しているかのような状況を呈している。この「社会的ジレンマ」を解決するには、関係当事者の責任と分担を明らかにして、一部の人々の負担に頼るのではなく、社会の構成員全員の積極的参加と議論に基づく対処と行動が不可欠である。
 そこで、原発再稼働のリスクと停電のリスクの両方を避けながら、予防原則に立ちかえり、安全サイドに舵を切りながら、道民が10%を目標に節電対策などに最大限努力、協力して節電対策を行えば、原発の再稼働は必要なくなる。そして、第3者検証により、もしどうしても火力発電による燃料代金値上げの必要性が確認できれば、その分の消費者負担も多くの道民は受け入れることになるであろう。その際はもちろん、社会的経済的弱者への配慮が不可欠である
 そうしたうえで、電力の安定供給は地域独占が許された電力会社自身の社会的責務であり、北本連系線による本州からの送電確保、自家発電の要請、予備電源の準備など、北海道電力が行うべきメニューは数多くあるので、これまでの努力を踏まえさらに改善に取り組むべきである。政府の需給検証委員会でも指摘されているように、北海道電力の具体的な電力確保対策、節電対策は、まだ不十分である。
(3)道民の知恵と協力で電力危機を乗り切ろう
 鉄道や病院には優先的に電力を確保することにより、道民の生活や健康・生命は確保される。泊原発ができてから、オール電化のキャンペーンなどで道内の電力消費は1.5倍になったのであり、電気を代替できる石油ストーブ、ガス、ストーブへの切り替えによって電力消費を抑えることができる。北海道電力は停電や計画停電を避けるように最大限努力し、一方で道民、企業等も不測の事態に備えるべきである。また住民が節電に努力できるよう節電の可視化やインセンティブの設定をいっそう推進すべきである。
 これまでにない電力危機を、道民の協力で乗り切るべく、当事者である北海道電力は、今後、情報開示を一層積極的に行い、電力確保に努め、北海道庁をはじめ行政各機関は、各企業、道民と協力して対処すべきである。
 泊原発の再稼働なしでこの冬を乗り切れるかどうかは、ひとえに北海道民の知恵と協力にかかっている。従って当事者である北海道電力は、他の経済団体を巻き込んで、泊原発の再稼働に動くのではなく、再稼働をしないで冬の電力供給の責任を果たすために、できる限りの方策を講じるべきである。火力発電の停止の場合を想定した計画停電も避けるべく最大限努力すべきである。通常の火力発電の運転確保も保証できない技術レベルで、どうして原発を安全に再稼働できるのだろうかと、残念ながら疑問を持たざるをえない。こうなったのは、原子力に過度に投資をし、天然ガス火力発電への投資が遅れ、本当の意味でのベストミックスを見失った一方で、泊原発も防災・安全対策が不十分であるという、経営のあり方の問題なのである。
 新しくできた原子力規制委員会の新基準の策定前に、この冬の泊原発再稼働を認めれば、原子力規制委員会そのものの存在価値が問われかねず、政府も再稼働に慎重にならざるをえない国内情勢があり、他方で、北海道の基幹産業である農業と水産業の従事者が再稼働反対で北海道知事も新基準前の再稼働に慎重な姿勢を取らざるを得ない道内情勢がある。北海道電力の経営陣は、これらの情勢を理解判断することができず、いまだに再稼働に固執し、本格的な電力供給の緊急対策に腰が入らない状況は誠に遺憾で、危険な状態である
 昨年8月に泊原発3号機の「無条件の営業運転開始」を容認できないという声明をだした私どもは、北海道電力が経団連や北海道の経済団体とともに泊原発の再稼働を要求しているという事態の緊急性を鑑みて、泊原発再稼働問題について声明を公表いたす次第である

 

<経営者の声明賛同者>   肩書のない方は、みなさん「代表取締役社長」
* 植田英隆  株式会社 りんゆう観光
* 内山博   株式会社 旅システム 
* 清水誓幸  株式会社 スーパーライン北翔        
* 白鳥雅芳
* 加城祐史   オホーツク警備保障 株式会社
* 川田弘教   川田自動車工業 株式会社
* 國枝恭二   株式会社 帯建工業    (*エネ経会議 北海道支部長)
* 小枝秀則   小枝産業 株式会社
* 後藤健市   合同会社 場所文化機構
* 竹本直人   株式会社 ネクセスステージ
* 仁志方紀   有限会社 仁志陶器建材店
* 爲廣正彦   株式会社 エコERC(エルク)
* 前川和弘   北海道生活協同組合連合会 専務理事
* 舛川誠     北見通運 株式会社
* 三宅雅登   左希子化粧 株式会社
* 宮下 周平  株式会社 まほろば 
* 森実さとみ
* 秋山孝二  北海道経済同友会 幹事
<参考>
「エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議
https://enekei.jp/page/concept>
~趣意書より~
私たちが具体的に取り組むべきは、単なる反原発運動ではなく、原発がないほう
が健全な国・地域づくりができるという対案を示し、それを実践していくことだと
思っております。そのひとつは地域でのエネルギー自給のしくみを、最初は小さく
ともいいから、同時多発的に実現させることであり、そのための活動をしてまいり
ます。たくさんの小さな循環を起こし、そのネットワークを創っていくこと。いわば
「実践のネットワーク」。それが私たちの役割だと任じています。
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