中島岳志さん講演『死者の立憲主義』

Posted by 秋山孝二
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 元北大大学院准教授で現在は東京工業大の中島岳志教授(政治学)が、「死者の立憲主義」と題し、オンラインで講演しました。日本国憲法は、人類の経験から得た「知恵の集積」という視点から、権力を憲法で制限する「立憲主義」と民主主義のあり方について語り、素晴らしい内容でした。私も世話人を引き受けている「メディア・アンビシャス(http://media-am.org/)」も実行委員会に協賛していました。

* https://www.youtube.com/watch?v=uFPQpYzXEDE

 中島岳志先生が憲法と「死者」の関係を考えたきっかけは、親しかった編集者を亡くした後、原稿を書くときにその編集者からの「いいかげんな仕事をしてて良いのか」という視線を感じるようになったことだと説明し、憲法は、「死者」が経験した戦争や差別などの苦難や失敗の末にできたものと指摘されました。

 私の手元メモからいくつかキーワードを!

* 「立憲」と「民主」との緊張関係が重要

ーー安倍・菅内閣では「民主」の方が優位という思い違いーー>選挙で選ばれた私たち?!、「民意=民主主義」を人質にとった!

* 「民主」の主語は「生きている多数の人間」

* 「立憲」=「憲法」の主語は「世界中の死者」、こういうことはやってはいけない、の見える化!

* 日本国憲法97条:基本的人権は、主語は世界中の死者、私たちに託されたメッセージ!

* 九条は変えるべき、ただし自民党的な視点からではなく、集団的自衛権の解釈が変えられた今、今の文言では戦争の歯止めになっていないから

* これまでの自民党政権は守ってこれたが、安倍・菅内閣では慣習を守れない、もはや日本では短い憲法を守りない時代になってしまった

* 『先祖の話』(柳田国男)、「ご先祖になる」、死後にも目標(仕事)がある、死者となって存在し続けている、死者と共に生きていく(ありがとう、ごめんね)、死者と出会い直す

【参考】

* https://toyokeizai.net/articles/-/395690

* 『保守と立憲そして死者』池田香代子 https://www.youtube.com/watch?v=fv5wtwjTyCc

* 『戦後70年 語る・問う(41)』 https://www.youtube.com/watch?v=Iq_C70IEEeU

* 『弱い指導者と利他が拓く未来』 https://www.youtube.com/watch?v=1DXeizqjrag

* 『2019参院選後の日本 民意を読む(4)』 https://www.youtube.com/watch?v=cKX-hEw5M_I

* 『なぜ「保守」論客が「とことん共産党」に?』 https://www.youtube.com/watch?v=k7SBayXFu1M

* 『山口二郎対談:菅政権の半年を検証する』 https://www.youtube.com/watch?v=nmv_M2TElKw