薬師寺で再び、戦略経営塾 2018

Posted by 秋山孝二
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 第7期寺島文庫戦略経営塾が、4年ぶりで奈良西ノ京・薬師寺(http://www.nara-yakushiji.com/)で開催されました。

* 4年前の薬師寺での講義

http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E5%A5%88%E8%89%AF%E3%81%A7%E5%AD%A6%E3%81%B6

 開催日の早朝、東京の宿泊先で観たテレビニュース、今回の講義の冒頭で、村上管主はご挨拶の予定でしたので大変驚きました。

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執事長

加藤朝胤執事長

https://mainichi.jp/articles/20180516/k00/00m/040/102000c

 法相宗大本山・薬師寺(奈良市)は15日、最高責任者に当たる村上太胤管主(71)が辞任したと発表した。村上管主は「不徳の致すところで多くの方々の信頼を裏切り、ご迷惑をおかけ致しましたことを、深くお詫(わ)び申し上げます」との書面を寺に提出した。村上氏は寺側に「宗教者として不適切な女性関係について、週刊誌に取材を受けた」と説明したという。村上氏は執事長や法相宗宗務長などを経て2016年8月に管主に就任。当面、加藤朝胤執事長(68)が業務を代行する。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ニュース おわり

 私は、受付時刻より早めに奈良西ノ京・薬師寺境内に着き、白鳳伽藍で修復事業中の東塔を除き、

* 金堂で「薬師三尊像【国宝】薬師如来、日光菩薩、月光菩薩(http://www.nara-yakushiji.com/guide/hotoke/hotoke_kondo.html)」

* 大講堂で「弥勒三尊像【重要文化財】、仏足石・仏足跡歌碑【国宝】(http://www.nara-yakushiji.com/guide/hotoke/hotoke_daikodo.html)」

* 東院堂【国宝】で「聖観世音菩薩像【国宝】(http://www.nara-yakushiji.com/guide/hotoke/hotoke_toindo.html)」

* 西塔(http://www.nara-yakushiji.com/guide/garan/garan_seito.html

に足を運び、参拝してしばし黙考できました。

西塔の写真西塔

 午後からの受付後、新たに復興した白鳳伽藍の「食堂(じきどう)http://www.nara-yakushiji.com/guide/garan/garan_jikido.htmlを説明付きで見学し、建物外観は奈良時代の意匠を凝らした作りとし、内部は現代技術を活用することで広い空間を確保し、食堂を多目的に利用することを想定しています。堂内には田渕俊夫画伯により描かれた食堂ご本尊「阿弥陀三尊浄土図」を中心に、全長約50メートルにわたる壁画「仏教伝来の道と薬師寺」が奉納されています。

 さらに、道路を渡って「玄奘三蔵伽藍(http://www.nara-yakushiji.com/guide/garan/garan_genjyo.html」で壮大なインドから西安までの仏教伝来の歴史絵図。4年前にも観ましたが、詳細な解説付きで足を運ぶと、より深い空間となりました。食堂壁画とこの歴史絵図で日本への仏教伝来が完結しています。

 講義では、当初プログラムは変更されて、冒頭ご挨拶は記者会見をされていた加藤朝胤執事長、ニュース報道のお詫びのお言葉から始まり、失った信頼を取り戻すべく関係者全員で努力する旨のお話でした。

 続いては4年前にもお話を頂いた大谷徹奘(http://www.tetsujo.net/)副執事長のご登壇。薬師寺の「まほろば塾(http://www.mahoroba21.jp/)」では、寺島実郎さんとともに講師陣のお一人です。

* まほろば塾 http://www.mahoroba21.jp/about/index.html

 今回は「般若心経(はんにゃしんぎょう)」について、「お釈迦様の教えを現代に活用する試み:般若心経に学ぶ~玄奘三蔵と観自在菩薩」と題して、そのエッセンスを分かりやすくご解説されました。

 お釈迦様の教えの根本は、「死=人間の有限性」。そして玄奘三蔵訳の「般若心経」は、主人公の名を「観世音菩薩(鳩摩羅什訳)」から約240年を経て「観自在菩薩(玄奘訳)」に書き換えたその真意。最後に、その心は、初めの三文字「観自在」と最後の八文字「羯諦羯諦、波羅羯諦(ギャーテイ・ギャーテイ、ハーラー・ギャーテイ)」に表現される、すなわち、最初に「自覚(自ら目覚め)」、まとめに「覚行(かくぎょう:目覚めながら行く)」、永遠なるものを求めて、永遠に努力する人を菩薩という、そう締めくくられました。

 この日最後は、寺島実郎さんの現状認識、今回は特に宗教とAIほか、ホットな話題に鋭く切り込みました。

 普段、なかなか時間を費やしてのこのようなお話は聞くことができなかったので、宗教、お寺というのはまさに学びの場だと、認識を新たにした一日でした。奈良、また時間を見つけて訪れたいものです。