枝廣淳子さんが主宰する「イーズ未来共創フォーラム(http://www.es-inc.jp/)」、第43回異業種勉強会(http://www.es-inc.jp/network/forum/2016/nwk_id008791.html)は、「2017年 年初に考える~これからの時代をどうサバイバルするか」と題して、新しい年を迎えて最初のフォーラムでした。これまでにも増して業種やセクターを超えた参加者の方々とともに、今後の望ましい変化についてじっくり考え、つくり出す機会となりました。
* 昨年開催の中から――> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=26737
昨年はゲストスピーカーの興味深いお話と参加者の意見交換が続きましたが、今回は久しぶりに枝廣淳子さんの年初のお話を基に皆さんでのディスカッション。最初に、「サバイバル」というタイトルの言葉は適切でなかったと、「サバイバル」が目的ではないと、「フローリッシュ(flourish)」が社会全体が繫栄するイメージでよりよい表現とのこと。確かに「サバイバル」は、何はさておいても「生き残る」といったイメージかもしれません。以前、「thrive」の方が「サバイバル」よりいいよと英語の先生に聞いたような気もしました。英単語で思い出しましたが、今ではよく使われる「レジリエンス(resilience)」も、数年前にこの勉強会で枝廣さんから教えて頂いた言葉でした。
もう一つ言葉と言えば、終わり頃に説明された「Planetary Boundaries 2.0(2015)」ですね。まだまだ十分咀嚼できていませんが、「生物多様性」から二つのバージョンアップ、1)多様であるだけでなく生態系として機能しているか、2)化学物質汚染(遺伝子組み換え他、新規物体の導入)の考慮、とのことでした、私の理解によると。
「2017年を展望する」で、枝廣淳子さんが注目しているいくつかの動きについて説明がありました。
* サプライチェーン
* 生物多様性
* SDGsによる差別化 財団の評価等で
* Circular Economy
* AI、IoT、3Dプリンティングの持続可能性へのインパクト
* 働き方改革 余った時間を何に使うか?
* 地方創生
* レジリエンス 「組織」に当てはめるもので「個人」ではない 短期的効率至上主義をどう乗り越えるか
* エシカル
* フェアトレード
* ローカル
* アニマルウェルフェア
< 参考 >
* エダヒロさんの共創日記
http://www.es-inc.jp/diary/2017/dir_id008846.html
「Circular Economy」についての追加情報。ヨーロッパで非常に盛んにさまざまな動きが出ていて、世界の覇権を握ろうとするひとつの動向だと受けとめられていて、幾つかのレポートや国際会議があるようです。
<フィンランド>
http://www.sitra.fi/julkaisut/Selvityksi%C3%A4-sarja/Selvityksia121.pdf
<オランダ>
file:///C:/Users/Koji.A/Downloads/Circulaire+Economie+EN_v4.pdf
<World CircularEconomy Forum 2017>
https://www.sitra.fi/en/events/circular-economy/world-circular-economy-forum-2017
* プレゼンでご紹介された「しなやかなインフラ」としての「聖牛(せいぎゅう)」について:過去に学ぶ~甲府盆地の治水システム
http://www.japanfs.org/ja/news/archives/news_id035554.html
交流会でも話題になりましたが、今回の勉強会、短い時間に濃密な言葉・概念等がびっしり詰まって、頭がパンパンでした。今も反芻しながら、一つ一つじっくり向き合ってみる年としたいですね。「環境」の概念はSDGsで17の目標と拡がり深くなり、世界をけん引する専門家の方々の議論は進化し続けている印象です。今年、欧米は勿論、アジア諸国、そして日本も激動で先行きが読み切れませんが、しっかりと自分の立ち位置を見つめて、少しでも地域の幅広い環境に貢献する活動の一端を担いたいですね、試される1年となります。