「欲望の資本主義 2017」

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 年始早々、凄い番組を観ました、登場人物のそれぞれのコメントが心に沁みます。日々のマスメディアではなかなか解き明かせない原理・原則ほか、時代の潮流を俯瞰する視座は、年の初めとして極めて価値があります。

 HPから~~~アダム・スミスは間違っていた?ゼロ金利、英EU離脱、トランプ相場…。資本主義が揺れ、その在り方が問われる今、人々は「目先」の動きに右往左往する。それは利子という「禁断の果実」に手を出し楽園を追放された時に始まる?資本主義という経済システムの本質を解剖。アメリカの行方は?ヨーロッパに希望は?日本オリジナルのモデルとは?内外の経済のフロントランナーたちに取材、欲望という視点から資本主義を読み解く冒険。~~

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

NHK・BS1スペシャル 「欲望の資本主義2017 ルールが変わる時」 <1月3日(火)午後9時00分放送>

http://www4.nhk.or.jp/bs1sp/x/2017-01-03/11/21522/2225460/

前編 50分 http://www.dailymotion.com/video/x57a5jd

第一章 資本主義の現在

第二章 成長は至上命題?

第三章 魔術の誕生

第四章 幻想が幻想を生む

第五章 欲望の果てに

後編 50分 http://www.dailymotion.com/video/x57a66d_%E5%BE%8C%E7%B7%A8-%E6%AC%B2%E6%9C%9B%E3%81%AE%E8%B3%87%E6%9C%AC%E4%B8%BB%E7%BE%A9%EF%BC%92%EF%BC%90%EF%BC%917-%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%81%8C%E5%A4%89%E3%82%8F%E3%82%8B%E6%99%82-20160103_news

第六章 サイレントフォース

第七章 危機後の世界

第八章 グローバルかナショナルか

第九章 数 リスク 不確実性

第十章 不確実の世界へ

最終章 未来へ

<出演者ほか>

【出演】 安田洋祐(大阪大学准教授),ジョセフ・スティグリッツ(コロンビア大学教授),トーマス・セドラチェク(チェコ総合銀行 マクロ経済チーフストラテジスト),エマニュエル・トッド (歴史人口学者),ルチル・シャルマ(モルガン・スタンレー・インベストメントマネージメント チーフストラテジスト),アルヴィン・ロス(スタンフォード大学教授),ウィリアム・トラヌジャヤ(トコペディア CEO),原丈人デフタ パートナーズ グループ会長),安永竜夫(三井物産 代表取締役社長),小林喜光(三菱ケミカルホールディングス 取締役会長)

【語り】 やくしまるえつこ

【ナビゲーター】 安田洋祐(大阪大学准教授)

~安田洋祐先生の番組へのコメント~

 ノーベル経済学者のスティグリッツ教授やロス教授をはじめ、世界の経済・金融・産業界のフロントランナーの方々にお話を伺いに行きました。昨年5月に放送された「欲望の資本主義~ルールが変わる時~」の増補改訂版、あるいは拡大完全版という内容で、時間も実に倍の100分へと大幅に拡大しています!僕もスタッフのみなさんも、膨大な時間と集中力を注ぎ込んで作り上げた番組で、自分が今までメディアを通じて行ってきた経済系の知見に関する情報発信の集大成、とも言えるデキに仕上がっています!(編集は確認していませんが、きっとそのハズ!!)
 「欲望の資本主義」に携わったことがきっかけで、資本主義や経済に関する自分自身の捉え方や研究の方向性にも変化が起こりました(その研究成果の一端が、競争市場とある種の格差との関係に注目したこちらです)。同時に、国や職業が異なる識者の方々と、複雑な問いについて様々な視点から議論することの楽しさも知ることができました。番組に備えるための情報収集などに時間がかかり、従来行ってきた研究のペースは一気に落ちてしまいましたが、それを補って余りあるほど、研究者としてもコミュニケーターとしても成長することができたように感じます。
 運命的な番組との出会い、番組を通じた他では得難い経験、そして番組制作に携われた多くの方々に本当に感謝しています。100分間と長丁場の番組ですので、録画でも構いません。ぜひ一人でも多くの方にご覧い頂けると、本当に本当に嬉しいです^^どうぞよろしくお願いします!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

<私が手元に書き留めたメモから>

* 本来、お金は人々に託されたものだったのが、その後の資本主義の発展により貯めることが目的化してきた

* 従来型の経済指標は、もはや現実の状況を反映できない

* 日本はこのままで突き進めば「KAROSHI」するだろう

* 果てしない欲望に基づく資本主義に代わる新しい社会システムが必要

* Facebook等は、「いいね!」に象徴される「好かれたい欲望」をお金に換える新しいシステム

* アダム・スミスは、「利己主義」とともに「共感」にも言及している

* 新しい言葉、「B.C.(Before Crisis)」&「A.C.(After Crisis)」

* 「不確実性」と「リスク」は根本的に異なっている、イージー・マネー(悪貨)がこれを混同させる危険な世界

* 「欲望の資本主義」に代わる「禅的資本主義(Zen Philosophy)

* 持続性があり、人にやさしい資本主義へとシフトすべき

* 「公益資本主義」は「社中」への還元と中長期の投資により、中産階級を豊かにする

* 私たちの「舵(かじ)」は私たちの手の中にある