すっかり報告が遅くなりました、「2011.3.11」大震災後、毎年3月11日に経済同友会(http://www.doyukai.or.jp/index.html)では「全国復興会議」と銘打って、東北で報告等の会議を行ってきていましたが、5年を経て今年で一応の区切りとするようです。
これまでの記載――>
* 2015 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=22677
* 2014 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=19311
< パネルディスカッション 「福島復興に向けた論点」 >
●福島第一原子力発電所事故による避難指示区域について、避難指示の解除や復興拠点整備が進む中、今後の福島復興に向けた論点を整理・検討する。
司 会: 冨山 和彦氏(経済同友会 副代表幹事・改革推進プラットフォーム事務局長/経営共創基盤 代表取締役CEO)(https://www.igpi.co.jp/)
登 壇 者:
児玉 龍彦氏(東京大学先端科学技術研究センター 教授/東京大学アイソトープ総合センター長 医学博士)(http://www.ric.u-tokyo.ac.jp/)
石田 仁氏(福島県大熊町 副町長)(http://www.town.okuma.fukushima.jp/)
高橋 隆助氏(福島県南相馬市原町商工会議所 会頭)(http://www.haracci.com/)
今年も、児玉龍彦先生がパネラーの一員として登壇され、これまでと変わらない方向性での復興を力説されました。信念を持った課題解決への姿勢に共感を覚えます。
2年前に示された以下の解決策は全くブレておらず、着実に前進していて、「日本の科学技術と経済を結集し」のフレーズは、研究の最前線にいらっしゃる方の矜持を感じます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~2年前の配布資料より
21世紀の日本の科学技術経済力の結集を
20世紀のソ連チェルノブイリの帰結は広大な国土の放棄と住民の離散であった。21世紀の日本は科学技術と経済を結集して除染と地域の復興を成し遂げることができる
* 米の全袋検査に続いて、魚の全匹検査を可能にする
* 農産物、海産物の測定をすすめ、地産地消の福島を可能にする
* セシウム回収型の焼却炉による放射性ゴミの容積減少、放射性物質の濃縮保管をすすめる
* 森林の除染につきバイオマス発電を含めた長期計画を立案する
* 河川、湖沼、海底への汚染を正確に評価し、除染の計画を立案する
* 事故前の福島の美しい環境を取り戻すため、国民の力をあわせて環境回復を進める
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ここにきて、一言で「復興」と言っても、岩手、宮城と比較して、福島の場合は全く展開を異にしています。「放射能汚染」の重たさは誰の眼にも明らかであり、二つの県は共助、互助に向かう現在とは対照的に、福島では原子力政策を推進してきた国の責任での「復興プラン」が必須との共通理解を感じました。
そんな中で、経済同友会が推し進めてきた「IPPO IPPO NIPPON プロジェクト(http://www.doyukai.or.jp/ippo/)」で支援された高校生諸君の御礼のパフォーマンスは、私たちに逆に力を与えてくれました。舞台上の高校生は、震災時は小学生・中学生、身内で不幸に会われた方も多いとは思いますが、それぞれの専門性を活かして、これからの日本を背負って頑張ってくれるのでしょう。力強い姿に感動しました。
それにしてもいつも感じるのですが、経済団体の会合と言うと、右を向いても左を向いても、どうしてこうも男ばかりなのでしょうかね、今回は、さすがに寝ている方はいらっしゃいませんでしたが・・・。