えんかんhttp://homepage1.nifty.com/enkan/index2.htm の会員になってから、もう随分経っていますが、最近は時間の関係上なかなか足を運ぶ回数も減ってきていました。
先日の文化座http://www.bunkaza.com/ 「天国までの百マイル」は、設定も身近ですし、佐々木愛さんを久しぶりに舞台で観ることが出来ると思い、楽しみにしていました。
当日会場にいってみると、下記のような紙が一枚チラシの間に挟まっていました。同時に受付で、そんな佐々木愛さんへのお見舞いの意味も込めて「千羽鶴」を差し上げたいとのアイディアで、折り紙を配っていました。残念ながら私は鶴を折れないので一羽も貢献出来ませんでしたが、指定の席に座っていると、やがて隣に一群の中年女性の集団が座り、開演前の時間に幾つも小さな鶴を折っていました。
えんかんの方々の機転の利いたアイディアを素晴らしく思いました。
ストーリーの方は、浅田次郎の原作で、実話と聞いています。バブルに踊った男・安男が、重度の心臓病の母を100マイル(160キロ)離れた千葉県の病院まで運ぶ間の物語です。道中、さまざまな人と出会い、また出来事に遭遇するうち、主人公の安男は無償の愛情、友情、人の善意、医師の良心などに支えられながら生きているのだと気づいていくのです。親子の切ない情愛、男女の悲しい恋模様、「愛と勇気と再生」の感動の物語というのでしょうね。その安男を実際に支えているマリというキャバレー勤めの女が、本来佐々木愛さんの役どころでした。当日は高村尚枝さんが急遽代役でしたが、大変堂々としていて実に素晴らしかったです。多様な「愛情」を具に見せて貰い、久しぶりに何か懐かしい感動(?)を覚えました。
文化座はご承知のように、かつて田端文士村と呼ばれた北区田端の一隅に劇場を構え、全国に向けて演劇を発信しています。昭和17年に設立されて、2007年に前代表の鈴木光枝が旅立ち、メンバーは全て第二世代となりましたが、創造の理念はそのまま引き継いでいます。
数年前に、私も理事を務めているタオ財団http://wagnernandor.com/indexj.htmの同じ理事で、佐々木愛さんともお知り合いの脚本家の方とご一緒に、文化座の芝居を見に行った時、終演後に代表の佐々木愛さんとご挨拶をさせて頂いたことがありました。以前からファンだったので、至近距離でご挨拶をした時には感激しました。彼女は劇団の紹介のなかで、「私達の生きている日本が、いえ世界が、平和で差別の無いものであることを願い、演劇を通して、“日本、及び日本人”を見つめていきたいと考えております」と語っています。
入院中の佐々木愛さんの一日も早い回復をお祈り致します、と同時に再び舞台で拝見出来る日をお待ちしています。