寺島文庫『世界を知る力~宗教!』

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 寺島実郎さんのシリーズ『世界を知る力(https://s.mxtv.jp/variety/sekaiwoshiruchikara/)』、今回はウクライナ危機に絡む宗教と歴史に切り込んだ興味深いお話でした。

* これまでの寺島文庫関連記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E5%AF%BA%E5%B3%B6%E6%96%87%E5%BA%AB

<今月の世界と日本>
・ウクライナ危機の50日と顕在化するユダヤ・ファクター
・欧州・キリスト教理解の基点
<ウクライナ史の深層>
・『正教大国ロシア』を目指すプーチン大統領の思惑

 冷戦構造が終焉してからアメリカを中心とした西側諸国の新しい国際社会の体制が生まれるのかと思いきや、当時、ロシアを訪問した時に囁かれていた共産党支配に代わるロシア正教支配の時代がくるのではという方向、まさにその予想が的中している昨今のウクライナ情勢です。

 寺島文庫では、MXテレビでは寺島実郎さんの一人語りのほかに、対談・鼎談編もアップされていて、いずれも大変深いお話の数々。それとは別に、私自身12年間お世話になっている「戦略経営塾(https://www.terashima-bunko.com/terashimabunko-juku/strategic-management.html)」、更に昨年からの「医療・防災産業創生協議会(https://www.mdpc.ne.jp/」、いずれも産業創生の視点から、日本を代表する方々との議論は、私にとっても大変刺激的であると同時に、北海道で実装するきっかけをつかむような内容も多々あり、今後が楽しみです。

 先日は、その「医療防災産業創生協議会」総会が東京で開催されて、私もリアルで出席してきました。日本社会でリーダー的なお立場の方々ともお話ができて、大変有意義な場でした。

 ただサロン的な話、知識レベルから、今はSDGsも含めて実装段階へと進めて社会のイノベーションに寄与したい、そんな意気込みを感じるそれぞれの内容です。

寺島文庫『世界を知る力』

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 寺島実郎さんが主宰する『戦略経営塾』を受講して12年、この間の世界情勢の大きな変化の中、その羅針盤として私が最も信頼している視座は、今、益々その価値を発揮しているような気がしています。日々のメディアをいくら追いかけてみても毎日の天気予報を観ているようで、そこからは温暖化の危機とかは何も見えてきません。

 この月一の番組『世界を知る力(https://www.terashima-bunko.com/terashima/book-info/447-sekaiwoshiru.html』は、youtubeにアップされて世界各地から200万回以上のアクセスを記録しています。

11月発売予定

11月発売予定

 寺島さんの基本的スタンスは、まずは正しい現状認識から。国際社会の中で衰退、劣化する日本の国力を正しく認識するところからしか21世紀の日本の復活を展望することはできません。

 そんな現状認識を踏まえて、大きな構想力で進路を見出す試み。

 例えば、秋山財団も参画しているこの「医療・防災産業の基盤産業化」プロジェクトは、その実装化の一例です。

 繰り返しになりますが、大きく変わる世界情勢の荒波の中で、羅針盤としての寺島実郎さんのこのシリーズ、益々価値を生み出してくる気がしています。

* 寺島実郎さん関連記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E5%AF%BA%E5%B3%B6%E5%AE%9F%E9%83%8E

秋山財団 贈呈式 2021(下)

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 2年続けての中止は活動の継続の観点からもいかにも知恵がない、そんな思いを34年前の設立時から会場にしている札幌プリンスホテルさんにもお伝えして、「コロナ禍のコンパクト・バージョン」贈呈式を企画し開催しました。

 研究助成事業の要、選考報告は選考委委員長の稲葉睦先生に行って頂きました、大変熱のあるお話でした。

 一方、ネットワーク形成助成事業の選考報告は、こちらの選考委員長・加藤知美さんが新たな採択を含めてのご報告でした。 
 

 締めのご挨拶は大原雅先生、秋山財団の理念を柔和なお話で再度お示し頂きました。

 2001年9月11日はアメリカの同時多発テロ 、2018年9月6日は北海道胆振東部地震と、私たちの贈呈式の前後には大きな出来事が起きており、今年もその当時を思い出されました。

* 2018年贈呈式の様子ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=34107

 私の今年のご挨拶~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 本日はコロナ禍の中、皆さまにはこのようにリアルに今年度贈呈式にお運び頂き、例年にも増して心から感謝と御礼を申し上げます。

 受賞者・受領者の皆さま、この度は誠におめでとうございます。今年は皆さまと財団関係者のみのご出席に限定させて頂き、万全の予防策で今日の日を迎えました。この場がただの式典・セレモニーではなく、秋山財団設立以来、年一度の「交流の場」と位置付け、今日ご臨席の皆さまにも是非その辺の意のあるところをお汲み取り頂ければ幸いです。

 3年前の昨日は北海道胆振東部地震、今年は、新型コロナウイルス感染の蔓延、記録的高温による熱中症、集中豪雨、57年ぶりに1年の延期を経ての東京オリンピック・パラリンピック等、怒涛の日々でした。コロナ禍の1年半の間、私たちの財団活動は、昨年は贈呈式は中止、今年度助成事業は淡々と作業を進め採択を決定し、同時に、8月にはリモートによる昨年の受領者の「交流会」を開催他、理事会・評議員会はハイブリッド形式を導入し、運営の振り返りも行う貴重な時間となりました。特に再確認したのは、国際情勢でパンデミックばかりでなく、2015年「パリ協定」、「SDGs」の採択、「EUサスティナブルファイナンス行動計画」、「タクソノミー」により、数年前から財団の資金運用環境の激変でした。

<事業実績>

 このようなコロナ禍の中、お陰様で基本財産の運用は順調で予定通りの事業予算を確保できました。それにより、2021年度、秋山財団賞1300万円、研究助成382,900万円、ネットワーク形成事業助成10823万円、合計494,023万円 となり、34年間の累計事業実績は、合計1,533件、総額11505万円となりました。これも偏に財団を支えて頂いた多くの皆さまの賜物と深く感謝申し上げます。

<財団が取り組む課題>

 この場を借りて、今、秋山財団が取り組む幾つかのテーマについてご報告致します。

1.財団理念の継承と事業の発展的具現化

* 多様な市民、学生、研究者、市民活動団体、関係者に財団理念や事業内容を紹介するツールとして、HP上でのブログの積極的な活用を通じた双方向のコミュニケーション向上です。

 事業では、このところ話題になっている「ダイバーシティ」、とりわけ日本社会全般で立ち遅れる「ジェンダー差別解消」の動きに注目しています。一財団の影響力は限られてはいますが、当財団でも以前から議論になっている女性研究者への支援(今年の研究助成38件の内女性3件)は、当財団設立者が女性という出自もあり、具体的な事業展開を目指し、理事会・評議員会・選考委員会のジェンダーバランスと共に、研究助成申請・採択における女性比率向上の具体策の議論を進めて参ります。

2.「アウトリーチ活動」の新たな展開

* 今後の財団事業の方向性として、全道地域を対象とした若い世代、研究者、地域づくりの担い手、地元の教育機関、受領者との更なる連携強化を推進する所存です。当財団は、2013年度からこの活動を本格的に実施し、財団の重要な事業として位置付けており、特に『防災』をテーマに、避難所における課題に注目したり、今後ともフィールドの違いを越えて広い視点から課題解決に向けたコラボレーションを実現して参ります。この10年を振り返ってみても、原発事故等の災害、コロナ等のパンデミックにおいて発せられるメッセージに対して、いわゆる「専門家」「研究者」と市民との距離・違和感とでも言うのでしょうか、専門分野の方々のメッセージが心に響いて来ない、届かない状況を多くの市民が感じています。日頃からのアウトリーチ活動を通じて、市民はもちろんのこと研究者ご自身にとっても有益な場となることを期待します。

 終わりに、昨今の社会課題に対して、現政権をはじめとする政治の世界での『科学的知見』の欠如は深刻で目を覆うばかり、また国際社会における日本の埋没、劣化を感じているのは私ばかりではないでしょう。生命科学を基盤とした秋山財団らしい新しいステージでの「アウトリーチ活動」を提起し、この実現の為にもここにお集りの研究者・市民の皆さま、財団関係者の皆さまの更なるご協力・ご提案をお願いしたいと思います。

 重ねて、本日の受賞・受領、誠におめでとうございます、今後のご参会の皆さまのご活躍を心から期待しています。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

私の羅針盤、『世界を知る力』

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 寺島実郎さんの番組、『世界を知る力』シリーズは、私にとっては輝く羅針盤、今回も日本の進むべき方向性について具体的なプロジェクトが提起されていました。

* これまでの『世界を知る力』記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%82%92%E7%9F%A5%E3%82%8B%E5%8A%9B

基本的な認識

基本的な認識

 それを踏まえた具体的な将来展望機軸。

 今、私たちの財団でもこの防災プロジェクトに地域からの提案をしていこうと思っています、すでにヒアリングも始まっています。

* 秋山財団での『防災プロジェクト』関連記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E9%98%B2%E7%81%BD

チカホ震災イベント 2021

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 秋山財団ネットワーク形成事業助成(2015~2017年度助成)代表者 根本 昌宏様(日本赤十字北海道看護大学 教授)のアウトリーチ活動の一環として、さまざまな社会貢献活動(特に防災啓発・災害支援活動)を行っている高校生のボランティア団体『BLOSSOM(https://chiiki-bosai.jp/index.php?gid=15188』による活動、札幌市内チカホで二日間イベントを開催しました。

 東日本大震災から10年。風化させてはいけない。この節目に今、高校生ができることは何なのか。チカホに訪れる札幌市民の防災に対する意識を高め、コロナ禍を生きる高校生が一種の災害とも捉えられるこの状況をいかに乗り越え、いかに未来を創っていくのかを示す防災展。
1) VR・写真で災害を見る
2) 被災講話を聞く
3) 災害時の行動を考える

* https://www.akiyama-foundation.org/news/4203.html

 冒頭ご挨拶は、フォトグラファーの鈴木貴之さん、この間、被災地の様子を撮影続けています。

 続いては宮城県東松島町からお越しの武山ひかるさん、「被災者」で一括りにされる理不尽さほか、10年経って成人になり、当時を振り返ってその意味を発信され、テレビ取材も複数ありました。

 向かいのブースでも対話型も。

 当日の様子が新聞各社でも記事になりました。

『BLOSSOM』メンバー

『BLOSSOM』メンバー

『木朝会』 第366回

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 『木朝会』の第366回は、「FMアップル(http://765fm.com/」の塚本薫さんのお話、『コミュニティラジオ局が目指す地域創生』、素晴らしいお話でした。1997(平成9)年4月7日に全国で65番目、北海道内で10番目に開局したコミュニティ放送局で、愛称は平岸が開拓使時代よりリンゴの生産が盛んだったことに由来しています。

* これまでの『木朝会』の記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E6%9C%A8%E6%9C%9D%E4%BC%9A

コミュニティラジオのお話

コミュニティラジオのお話

 塚本薫さんのお話は、一昨年9月の北海道全域ブラックアウト時にコミュニティラジオの果たした役割、まさに防災の地域における情報拠点として大活躍だったこと、そして、今の時代の「子供食堂」の活動についても熱いお話が続きました。

* Npo法人子どもの未来・にじ色プレイス(https://nijiiro-place.com/

塚本薫さん

塚本薫さん

 子どもたちとの時間は、これからの日本の未来に夢を託すひと時なのでしょうね、塚本さんの頑張りを応援します!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~HP より

 立上げに「思い」は大切 それを具現化するための準備はもっと大切、“自分の子育て時代に子ども食堂があったら、絶対利用してたな” 、自分自身が共働きで、わが子には一人でご飯を食べさせてしまっ たという自責の思いがありました。

 地域交流サロンのボランティアの「子ども食堂をやってみた い」という一言が後押しになり、すぐさま立上げを決断しましたが「思い」だけで突っ走ってはいけません。まずは先輩子ども食堂「にじ色こども食堂」の門を叩き、経験を積ませてもらいました。

 安全な居場所づくりのためには、多少時間をかけて土台を固めることが必要だと思っています。子どものために、頼るべきところは頼る、顔見知りが来てくれる際には「○○を持ってきてくれたら嬉 しいな。」、漁師の友人には「子どもにおいしい魚を食べさせてあげたいな。」とお願いしています。みなさん「子どもたちのためなら!」と快く協力してくれます。 中には、体験講座を企画してくれる方もいます。

 何でもかんでも一人ではできません。周囲の人に頼ることも 運営する上で大切なポイントです。 企業プロジェクトとしての子ども食堂 、子ども食堂の継続のためには、ある種の経営感覚をもって運営を回す必要があると思っています。 どうしても赤字になりがちな子ども食堂、母体となる地域交流サロン「ぴらけし」の事業性を上げるなど、助成金などに頼らずとも、自分たちの団体の中で上手く運用するという感覚は意外と重要です。中学生にフォーカスを当てた居場所を検討中、子どもの抱える悩みが周りに見えにくくなる世代だと思います。静かで落ち着いた環境で学習したり、将来の夢を話したりできればいいなと、大学に相談をもちかけるなど、 少しずつ準備を始めています!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

『寒冷期の避難所プロジェクト』

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 3

 今年度から秋山財団のアウトリーチ活動の軸としていく『寒冷期の避難所プロジェクト』の構想は、根本昌宏先生を中心に、今、どんどんその拡がりを見せてきています。

< これまで秋山財団が支援した根本昌宏先生のプロジェクト関連 >

“地域をつなぐ”プロジェクト3

プロジェクト名 厳冬期の災害に向き合い、「地力(ちぢから)」の向上でいのちを護る
概要 冬の万が一への対策は、すべての地域が万全ではない。北海道実証プロジェクトが自助・共助・公助を包含した「地力」を高め、寒冷地域のいきる力を増幅する。
代表者 根本 昌宏(ネモト マサヒロ)
所属役職 日本赤十字北海道看護大学 教授
助成期間 2015年度~2017年度

プロジェクト11

プロジェクト名 積雪・極寒冷地域のいのちを護る防災・減災への取り組み―いきるための力を創出する
概要 道内の積雪・極寒冷地域災害に対処できる能力を人的ネットワークを生かした実践演習を通じて集積し、「いきる力・いきぬく力」を培い、多種多様な災害に備える。
代表者 根本  昌宏
助成期間 平成23年度~25年度

* プロジェクト関連のこれまでの記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E6%A0%B9%E6%9C%AC%E6%98%8C%E5%AE%8F

 今年度は、これまでのネットワーク形成をさらに発展させるために、一つは高校生たちの取り組み、もう一つは避難所における性被害への取り組みを実践されている方々とも手をつないで、より広範なネットワーク形成とアウトリーチ活動を展開していこうと思っています。

 先日、高校生チームと根本昌宏先生との初めての懇談を秋山財団で開催しました。折からの新型コロナウイルス対策で、写真のような形態で行いましたが、双方とも大変有意義なひと時でした、もちろん秋山財団にとってもですね。

根本先生と高校生グループ

根本先生と高校生グループ

これまでの寒冷期防災の課題ほか

根本昌宏先生、これまでの寒冷期防災の課題ほか

 今年6月に札幌のチカホ空間で開催予定のイベント開催に貴重なアドバイスを頂いたようでした、これからが楽しみです。

 もう一つは、避難所における「性被害」に取り組む活動団体の方々との面談です。折から内閣府でも、札幌市でも取り組みが始まっているようです。阪神淡路大震災に端を発した避難所における性被害、当事者たちが声を上げ始めて今、先進国としては大変遅い動きではありますが、その活動の盛り上がりを見せてきています。

札幌市での新しい取り組みも

札幌市での新しい取り組みも

 この分野における札幌での市民活動は、全国でも先駆的との評価をこれまで得てきています。一昨年札幌で開催されたフォーラム、この第一回が札幌で始まったのは市民として誇るべきですね。この中核団体の本拠が札幌市中央区の愛生舘ビルの一室、「女のスペース『おん』(http://www.ne.jp/asahi/sapporo/space-on/)」です。

 昨年末のNHKテレビで再放送された番組も大変示唆に富む内容でした。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=37661

 昨日、愛生舘ビルの私の部屋で代表の方お二人と、秋山財団の今年の活動に是非ご参加してほしい旨をお願いして、ご快諾を頂きました。

第10期寺島文庫リレー塾 最終講

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 第10期目の『寺島文庫リレー塾(https://www.terashima-bunko.com/bunko-project/relay.html』が、先日、寺島実郎さんの最終講で終了しました。年頭のお話として大変参考になりました、激動の時期の羅針盤ですね。今期、全10回の皆勤者は28名、10年間皆勤者は1名いらっしゃいました、講師がいずれも素晴らしいのですが、聴く側もすごく熱心な方々が多いですね。

< 最終講から >

* 激動の今、日本の針路において大切なことは『全体知』! SNS等で分断され断片的『知』の時代に

* ロンドンの『エコノミスト誌』は、イギリス(欧州)からの目線として重要、2020年は『カギ握る米大統領選~グローバル、スローダウン』、なぜか今年から日経BPが日本版を出さなくなった!

* 20年後は、アジアのGDPは日本の10倍から15倍へ:今の日本にその危機感がない

* 日本では株価に一喜一憂、実体経済と金融経済のギャップに鈍感

* 日本ではメディアも「株価」と「為替」だけ、極めて危険な状態–>進行する「中間層」の没落、一握りの高額所得者層のみの所得増

* 『ナショナリズム』、戦前はアジアをにらんでいたが、今は、「ニッポン、チャチャチャ」の世界

* 国外では: 「米中」二極の視点で『新冷戦』、以前は「日米中」だったはず。日本の立ち位置の衰退(主体性、発信メッセージ)、従来の日本は『非核=平和主義』でこれは令和の日本の基本スタンスのはず!

* 「米ソ」時代は「資本主義 vs 社会主義」で体制選択の理念性あり。「米中」時代は、自国だけの利害対立で、ともに外交では失敗している現状

* 米国の失敗:中東政策で存在感の喪失、イラン、イスラエルへの深入り、大国の横暴

* 中国の失敗:香港問題、華人・華僑の失望(習近平への個人崇拝)、大国の横暴

* < 令和の日本 >

**21世紀のメガトレンドは:

1.アジアダイナミズム:対アジア、対米関係の再設計 日本の歴史は、「国際主義」 vs「 アジア主義」、人流の8割、物流の7割はアジアとの関係性

2.デジタルトランスフォーメーション:データを握る「プラットホーマーズ」、データリズム時代に乗り遅れ、AI時代に人間は「課題設定力=考える力=全体知」の必要性、光と影(ディファクト化とブラックボックス化)

3.ジェロントロジー(高齢化社会工学):高齢者、女性の参画プラットフォーム

**課題は:

1.脱「工業生産力モデル」:「エネルギー」と「食」の基盤整備、自給率の向上、技術力による「食」「農」の再建は防災力強化にもつながる

2. 脱「国家神道」: 対アジアに対して極めて危険、「神社神道」は地域社会のコアメンバーとして理解するとしても

「FMアップル」に生出演!

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 10月に秋山財団にオープンした『愛生館文庫(http://www.akiyama-foundation.org/news/3854.html』、新聞記事になってからいろいろな方面からのお問い合わせが届いています。その中の一つ、コミュニティ放送の「FMアップル(http://765fm.com/」さんから出演依頼があり、先日生放送が実現しました。

* 愛生館文庫の関連記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=37374

 パーソナリティーの村形潤さんとの対談、あっという間の30分でした、さすがに聞き上手で気持ちよくお話ができました。

パーソナリティのさんと

パーソナリティの村形潤さんと

 始まる前に、専務取締役放送局長の塚本薫さんともお話をしましたが、昨今、コミュニティ放送局は、災害時の重要な機能としての役割で注目されています。昨年の胆振東部地震の時も、ブラックアウト最中でも札幌の二局だけが放送を続けて災害時に貢献できたそうです、日ごろの準備が功を奏して素晴らしいことですね。

* https://www.atpress.ne.jp/news/176773

地域防災の取り組み

地域防災の取り組み

 『愛生館文庫』を開設して、いろいろな方々から逆に情報を頂いている昨今、連続講座も含めて、これからの情報の蓄積が大変楽しみになってきています!

秋山財団講演会・贈呈式 2019(下)

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 受領者からのメッセージ・講演会に引き続き、贈呈式を行いました。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=36642

 今年、これまで33年間の助成総額が、大台の10億円を越えました。継続は力なり、と新たな地平での活動が始まるような気がしています。ここまでご支援頂いた多くの皆さまに感謝したいです。

* 今年度の受賞・受領者――> http://www.akiyama-foundation.org/news/3646.html

 冒頭の私の挨拶は以下の通りです。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

2019.9.5秋山財団贈呈式:秋山孝二理事長 挨拶 骨子

御礼

ご来賓、助成受領者、(株)スズケン、ほか関係者の皆さま

はじめに

昨年の台風・地震

翌日予定の櫻田先生と若手研究者ワークショップ:1218日再設定し終了

報告

事業実績

–今年度件数504,139万円

–これまでの総件数 1,435件  総額 102,372万円 (大台突破!)

研究助成の「一般」採択率向上 予算増額――>結果は14%が18%へ

『愛生舘文庫』の開設 令和元年101日オープン、7年の準備の歳月 秋山喜代の遺言

基本財産の財団建物:

–23年ぶりリノベーション工事 壁紙・空調・照明等

–BCPの一環: 屋上に太陽光パネル40枚、 自立発電体制

*** 32年間積み立ててきた資金(修繕積立金)の6割を投入

これにより、「事業」、「基本財産・資金の運用」、「設備・建物」、全てでSDGs」時代体制に

今後の課題

アウトリーチ活動の推進

ーー受領者・団体の方のアウトリーチ活動支援

–コラボによる場の確保

「地域」で民間が担う公共を愚直に持続

テーマの設定 「地域」 (例) 地域防災、再生可能エネルギー、食・農

 公益法人改革から10年を経た今、グローバルには、「パリ協定」、「SDGs」、「ESG投資」、国内では、「地域循環共生圏」といった概念が拡がりを見せ、循環型社会における「地域(コミュニティ)」の機能が急速に重要視されています。私達は、「地域において民が担う公共」活動の主体者として、「修正と改革の連鎖」を実現する「SDGs」ほか新しいグローバルなツールを手に入れました。

 人々が暮らす「地域」は、まさに「生きる地球」の原点であり、地域同士でつながれる可能性を膨らませています。このような今、秋山財団関係者は更なる飛躍を目指して今後とも努力することをお誓い申し上げます。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ あいさつ おわり

 いずれ、当日の贈呈式・交流会の様子は秋山財団HP(http://www.akiyama-foundation.org/)に掲載されますので、そちらをご覧下さい。昨年度は事務局二人、今年度は事務局一人体制で運営してきた秋山財団ですが、10月中旬には事務局員一人が新しく入ってくることが決まっています。また、数年以内には常務理事も置いて、今後設立50年に向けての体制づくりの基盤を創っていこうと思っています、私の次の理事長体制としてですね。新しい時代は新しい担い手たちに、です!

秋山財団に太陽光パネル設置!

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 昨年9月の北海道の台風・地震による北海道全域のブラックアウトを教訓に、この間、札幌市内にある秋山財団事務所でも電力の自立を検討してきましたが、先日、二階建て事務所の屋上に、太陽光パネルを設置しました。FITを活用しての売電よりも、日常使用する建物内電力の自給がその目的です。電力の生産者の一員として、これから活動の一環として多くのデータを集めてみようと思っています。

屋上に三列

屋上に三列

どれくらい賄えるか!

どれくらい賄えるか!

 これまで、電力会社は、「再生可能エネルギーは不安定」といつも決まり文句で説明していますが、本当に不安定なのかどうか、今現在の蓄電池でどの程度の電力が賄えるのか、財団建物できっちり継続的にデータを積み重ねて、私たち自身で検証していこうと思っています。

 財団の事業として、この間、「防災」等をテーマの市民活動を応援し、基本財産の運用でも昨年から「グリーンボンド(http://greenbondplatform.env.go.jp/greenbond/about.html」に投資をしています。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E6%A0%B9%E6%9C%AC%E6%98%8C%E5%AE%8F

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=34107

 今回、同じく基本財産の財団事務所建物でも太陽光から得られるエネルギーで電力を賄う、まさに三拍子で「自然に優しい財団」を目指して参ります!!

根本昌宏先生 @ 防災セミナー

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 (公社)日本技師会北海道本部(http://www.ipej-hokkaido.jp/)社会活動委員会主催の講演会で、日本赤十字北海道看護大学の根本昌宏先生がご講演をされました、テーマは、『超高齢・少子・人口減を迎える災害大国日本で生きるために』でした。

* 根本昌宏先生の記事ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E6%A0%B9%E6%9C%AC%E6%98%8C%E5%AE%8F

 「Ring of Fire」と呼ばれる地域の日本では、あらゆる自然災害は想定内として日常生活を送らなければならい、冒頭にまずその認識の重要性を語りました。

当日プログラム

当日プログラム

根本教授

根本教授

 そして、さらに北海道では、冬の災害を想定した様々な取り組みを実証実験の結果から提起し、今後の北海道の防災計画等にたくさんのヒントを与えて頂きました。

直下型地震での想定犠牲者数

直下型地震での想定犠牲者数

 途中休憩時には、根本先生自ら防災用具を使ってのご説明。多くの参加者が耳を傾けていました。

休憩時には支援品の説明も

休憩時には支援品の説明も

自ら説明される根本昌宏教授

自ら説明される根本昌宏教授

 最後は、今年9月の台風・地震による長期の停電等のような災害に備えるためにも、自宅に確保しておきたい備品と注意事項についても言及されました。

実践的に

実践的に

 根本昌宏先生は、これまでの様々な場でお話をされていますが、毎回進化した内容になっている一方、今回は、以前秋山財団のご紹介で講演を行った連合町内会・宮の森明和会の関係者も3名お越しになっていました。地域と実証実験と行政等がコラボレーションして、北海道における災害時の対応を準備しておきたいものですね。秋山財団のネットワーク形成助成事業が、少しでもお役に立てばと心から願っています。

IBM北海道会議2018 @ とかち(下)

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 今年の会議のテーマは、「北海道命名150年 これからの50年を考える」。基調講演は二つで、ともに内容の濃い素晴らしい問題提起でした。

 今回の私の皆さんへの事前メッセージは以下の通り、皆さんに参考資料として、秋山財団で昨年・今年と連続で開催された「保阪正康さん連続講座」の要約をお配りしました:

最終章が秋山財団でのご講演内容

第4章「歴史の節目で考える」が秋山財団でのご講演内容

~~~~~~~~~~~~~~

< テーマ『北海道命名150年 これからの50年を考える』について思うこと、ディスカッションしたい内容 >

【再確認したいこと】 北海道のアイデンティティとは?

北海道から見る「日本の近代史」

北海道が日本の近代に果たした役割

幕末から明治にかけての各藩からの移住の歴史

【自立への道:未来戦略の模索】  キーワードは「多様性」!

再生可能エネルギーの展望(各地の固有の資源を活かして)

第一次産業、特に農業の基盤強化

移動・輸送インフラとしての鉄道の再構築

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【 基調講演 1 】

増田隆夫 氏  北海道大学大学院工学研究研究院長

https://www.eng.hokudai.ac.jp/greeting/

http://www.eng.hokudai.ac.jp/labo/cse/

<私の手元メモより>

* ロバスト農林水産工学国際連携研究教育拠点構想(https://www.eng.hokudai.ac.jp/others/robust/index.html

* 「日本フードバレー構想 in Hokkaido」:AI、ビッグデータ、ロボット、通信等、「Society 5.0」ベースにおける「『食』のバリューチェーン」 ――>フィールドのRobust(ロバスト)化

* 「見える化」による次世代防災 (エネルギー、水、食、環境、貧困、テロ、病気、教育、民主主義、人口)、最終的には、「エネルギー問題」と「人口問題(就業者分布等)」に絞り込まれるのではないか

* 丹保先生がおっしゃる「開放型発展」から「閉鎖型発展」へ: 自立を目指して、本来の地産地消

【 基調講演 2 】

米沢則寿 氏  帯広市長

http://www.city.obihiro.hokkaido.jp/seisakusuisinbu/kouhoukouchouka/sicyounoheya.html

<私の手元メモより>

* 「フードバレーとかち」~加速化の時代における「フロー」の創造~

* 「フードバレーとかち」は仕事づくり、人の流れ(十勝を必ず通る)、日本の革新者たちを創る

* 例えば、「食・農×ICT」、「食・農×デザイン」、「食・農×高等教育」、「食・農×国際協力」等

* 「フードバレーとかち」を支える「とかちイノベーションプログラム」創設

http://www.tokachi-zaidan.jp/tz_detail.php?id=43

* 絶対数ではなく、「率」で見せる

* 人が人を呼ぶ好循環、子どもを二人育てられる生活基盤づくり

* 失敗への寛容さとリスペクト

【 IBM time 】

鶴田規久 氏  日本アイ・ビー・エム執行役員

https://japan.cnet.com/article/35059747/

<私の手元メモより>

* データは21世紀の新たな天然資源

二日目の朝、十勝平野の日の出!

二日目の朝、十勝平野の日の出!

 基調講演後の分科会討論、二日目の分科会討論、全体討論、いずれも内容のある興味深い議論が続きました。心に残ったキーワードは以下の通りです。

* 「ギグ・エコノミー」 https://www.ifinance.ne.jp/glossary/global/glo240.html

* スペシャリストを育てる環境をどう創るか、これまでのキャリアパスの限界:大企業の悩み、中小企業の可能性

* 地域を好きになる基礎固め――>外に出てみる環境づくり:フロンティア精神

* 人を見つけ出す力、人とのつながりを創り出す

* 「実現力(やりきる)」

* 流通資本:北海道にお金が落ちる仕組みづくり

* 「北海道」として何か議論するよりも、「とかち」、「オホーツク」等、それぞれがそれぞれで議論すべき

* 「知財プラットホーム」、人が集まる環境を創る

* 地域への思い、強みは「つながり」、常に挑戦し続けること、「場」づくりの重要性

学校林修復・復興作業シリーズ(1)

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comment: 1

 ついこの夏、作業をしたばかりの札南高学校林が、9月5日未明の台風21号と6日未明の北海道胆振東部地震により、大きな被害を受けました。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=34150

 直後から作業道チームが山に入り被災調査を行った結果、かなりのエリアに倒木・地割れ等が見つかり、当面の作業道の復旧作業と中期的な復興計画を策定して新たな活動を始めています。今回から、「学校林修復・復興作業シリーズ」として、記録を書き留めることにしました。どれくらいの期間続くか分かりませんが、現実と真摯に向き合い学校林の保全に努めたいものです。

* 札南学校林ーー> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E6%9E%97

 学校林復旧作業第3回目、10月6日朝6時から開始、雨が降る前の15時まで続きました。私は早朝グループに参加、朝5時15分には家を出て清田区白旗山入口の集合場所に向かいました。力強いバイクチームを含めて20名を越える方々が集まり、作業手順を確認して学校林に入り、黙々と作業道修復にあたりました。これも歴史の一コマと後輩たちは語り継いでくれるでしょう!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【作業チームのスレッドから】

2018年9月5日未明の台風、翌9月6日未明の胆振東部地震の影響で、学校林も少なからず影響を受けました。

学校林内の状況や復旧作業の進捗、
必要な情報等はこちらでやりとりいたしましょう。

まずは画像の被害状況MAPをご覧ください。

〈復旧プラン概要〉
1.林道開通=H30年度積雪(12月初旬)までに完了。
※大人数でできる作業有

2.風倒木処理=H30年度間伐時期(10月~12月中旬)までに完了。
※大人数でできる作業有

3.林道・森林作業道の補修・復旧=H30~31年度(10~12月/来5月~7月)の期間で完了
※林業チームによる

4.被害の大きな箇所の復旧=H30~31年度(10~12月/来5月~7月)の期間で「ある程度は」完了させたい。長期的な作業も必要か。
※大変な危険が伴う作業のため、林業チームが施工、復旧作業コアメンバーに立ち合いと記録を御願いしたい

以上(2018.9.18.足立)

コメント欄にて詳細等後々UPします

被災状況概略図

被災状況概略図

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 繰り返しになりますが、多くの作業道を塞ぐ倒木を目の当たりにすると、しばし呆然。でも、中島みゆきではないけれど、「倒木の敗者復活戦」で頑張ろうと前を向いています、いい歌、心にしみる、東北、札南学校林の敗者復活戦ですね。

https://pv755.com/toboku-no-haisha-fukkatsu-sen

 私は、会社時代の防災用で手元に置いてあったヘルメットを学校林仕様に文字代え、こんな使い途で学生時代以来(?)数十年ぶりに被ることになるとは思いもよりませんでした?!

会社の防災用を学校林修復用に!

会社の防災用を学校林修復用に!

 私は骨折した足は万全ではないのですが、黙ってみている訳にもいかず、できる限りの作業は自分なりに続けました。

私も作業で

私も作業で

朝日地球会議 2018 (下)

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 翌日のセッションは、当初登録していたものを変更しました。と言うのは、前日頂いた最新のプログラムを見ると、私の30年来の友人である箕輪睦夫さんが講演することが分かり、そちらの会場に行きました。

 この日の最初の対談は「ドーナツ経済学」で注目されているケイト・ラワースさんのプレゼンと対談でした。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

対談「ドーナツ経済学から見える世界」

 世界経済は、社会的不平等の増大と環境破壊の悪化を避けなければ立ちゆかなくなる。このことをドーナツになぞらえて警鐘を鳴らしているのがラワース氏だ。ドーナツの外円は地球環境を破壊せずに発展する経済活動の上限、内円は貧困や格差を増大させるライン。二つの円に挟まれている領域こそが、公正で持続可能な経済活動なのだという。人類はどうすればこの二つの境界線の間、ドーナツの「身」の上で暮らすことができるのか。今年日本語訳が出版された著書「ドーナツ経済学が世界を救う」の内容を軸に、われわれは何をすべきか、何ができるかをラワース氏が語る。

ゲスト

  • 経済学者、オックスフォード大学環境変化研究所 上級客員研究員 ケイト・ラワース
聞き手

  • 朝日新聞SDGsプロジェクト担当専門記者 北郷 美由紀
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ここでの私なりのキーワード

* 空港に到着して、日本では「ドーナツ」というよりも「バウムクーヘン」の方がぴったりかな、と?

* 20世紀型企業は金銭的価値が中心、21世紀型企業は地域・社会への貢献の価値へ

* これまでの経済は、着陸を考えていない飛行機

* 9つのプラネタリー・バウンダリー(外円)

* デザインの二つの原則 1) 環境再生産型(例:フェアフォン) 2) 環境再分配型(例:モイエコーヒー)

* 20世紀を振り返る――>富の集中、21世紀は分配を想定しての活動、目的を持ったテクノロジー(例:エネルギーにおける集中型からネットワーク型へ、コミュニケーションにおける分散型へ、ブロックチェーン)

* ドーナツの内側にいる人々を引き上げる活動――>各国間の関係を変える(貿易、債務、税、等)

* 21世紀型とは、個人がたくさんのアイデンティティを持つこと:「消費者」だけではないはず

* ESG投資は、見返りだけでなく将来世代のため

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 続いては昨今、日本でもやっと話題になってきているESG投資とSDGs経営についての討論でした。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

パネル討論「本格化する日本のESG投資とSDGs経営」

 長期投資をする際に、環境や社会問題、企業統治への取り組みを判断材料にするESG投資が、日本でも急速に拡大している。安定的なリターンを得るためには、ESGを無視していては立ちゆかない。このことが、欧米に遅れを取ってきた日本でもようやく浸透してきたようだ。経営戦略としてSDGsに取り組む会社も規模の大小を問わず増えている。世界や日本国内のお金のまわり方は、これからどうなっていくのか。気候変動、資源循環、ジェンダー、働き方などの問題に、金融機関や企業はどう取り組んでいくべきなのか。国内外の抱える課題と今後の展望を議論していく。

パネリスト

  • モニター デロイト ジャパンリーダー・デロイト トーマツ コンサルティング 執行役員 パートナー 藤井 剛
  • 企業年金連合会運用執行理事・チ-フインベストメントオフィサ- 濱口 大輔
  • CDP事務局ジャパンディレクター、PRI事務局ジャパンヘッド 森澤 充世
コーディネーター

  • 朝日新聞編集委員 石井 徹
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 それぞれ専門分野からのメッセージは、やっと日本でも話題になってきた感があり、面白かったですね。世の中、マスメディアでは「アベノミクス効果」とか言っていますが、「防災対策」の急務、今の株高一辺倒の政策の行き詰まりと誤りを鋭く指摘していた濱口大輔さんの発言に賛同します。早く不都合な真実を認めて目を覚まさなければ、日本の沈没は後戻りできなくなります、そんな危機感を再確認した私です。

* この1・2年、日本でもESG投資が本格的に議論されてきたーー>SDGs経営とESG投資との組み合わせ

* 日本の場合、企業のコーチとしてのステークホルダーが欧米と比較して未熟

* 今の日本の課題の最優先は「防災に対する対策」、次に「労働人口減少への対応」

* 現在の日本の国債市場は極めて異常、中央銀行保有率が76%(アメリカ11%、EU15%)ガバナンスを取り戻す時期~日本の「不都合な真実」であり、この解消に正面から向き合わなければ本来のESG投資には向かえない

* 株式投資を政策手段にしているのは日本だけ――>浮動株率はますます下がっている(安定?株主35%)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

パネル討論「がん患者と装い~アピアランス(外見)ケアの効果とは」

 2人に1人が「がん」になる今、治療しながら働いたり家事をしたりする人たちが増えている。病気になってからも続く「日常」の意義を実感した人々が「よりよく生きたい」と様々な活動を始めており、その一つに「アピアランス(外見)ケア」がある。メイクやファッションなど、もともと培ったスキルに自身の患者経験から学んだ視点を加えて、仲間を励まし情報発信する乳がんサバイバー2人に、「装い」の効果と重要性について解説してもらう。

パネリスト

コーディネーター

  • 朝日新聞文化くらし報道部記者 高橋 美佐子
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 午後からは、雰囲気が大きく変わって「がん患者と装い」です。このセッションは、当日急きょ変更して参加したのですが、お二人とも乳がん手術から立ち上がり、私にとっては大変衝撃的で、お聞き出来てよかったとおもいました。終わってから手元メモはほとんどなく、それ程3人のセッションにのめり込んでいました、素晴らしかったです。

* 「なぜ自分ががんに」と、最初はその理不尽さを受け入れ難かった

* カードゲーム「ババ抜き」でジョーカーを引いた感じ、ゲームを変えなければいつまでもジョーカー

* これまでの「病院」ではいつまでも「患者さん」のまま

* 無人島では起こり得ない様々の課題、人と人との関係の中で前向きに解決していく

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

特別講演「身近な取り組みが『笑顔』とともにグローバルな広がりへ」

  • アデランス 執行役員 海外事業本部副本部長 グローバルCSR広報室担当 箕輪 睦夫
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 続いては、アデランス(株)の箕輪睦夫さんのお話、本当に素晴らしい内容でした。箕輪睦夫さんについては、これまで何回か書いています、年下ではありますが、私の尊敬する友人です。

箕輪睦夫さん――> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E7%AE%95%E8%BC%AA%E7%9D%A6%E5%A4%AB

 アデランスの取り組みは、まさに21世紀的なもので、それも本来日本企業が基本として持っていた「三方よし」の概念であること、そこから始まるプレゼンは、一人一人の命と真正面から真摯に向き合う姿を感じ取り、前のセッションとともに感動で震えました。

 最後に、塩崎涼子さんの「TOKIMEKU JAPAN(https://www.tokimeku-japan.com/」HPより引用します、新しい時代の到来を感じました、ありがとうございます!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【幸せに生きること】

人生における小さな『トキメキ』を積み重ねること。

どんな時も『自分らしく』生をまっとうすること。

例え命の期限が決まっていたとしても、

最後まで『自分らしく』生きること。

私たちはそれが、『幸せに生きること』だと提案します。

病気で辛い治療が続いても、年をとって身体が動かなくても、

身体と頭が思うように動かなくなっても、人は、

桜が咲けば美しいと感じ、手をつなげば温かさを感じます。

心はどんな時でも、動いています。

だから、心に響く『トキメク気持ち』を届けたい。

私たちは、センスと感性。そして、本気の想い。を武器に

世界中の逆境を抱える人へ。今、この一瞬のトキメキをお届けします!

大地震 @ 北海道 2018

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comment: 1

 北海道南西部地方・厚真を震源として、6日午前3時8分頃に発生した「平成30年北海道胆振(いぶり)東部地震」。最大震度7の揺れを観測し、大きな被害を北海道全域に与えました。札幌でも、私自身、これまでに経験したことがない程の深夜の揺れ、2年前の4月、別府で体験した熊本地震に次ぐ大地震でした。

* 別府での地震体験――>http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=26258

 今回の地震の一番の特徴は、道内ほぼ全域の約295万戸が停電した点です。大手電力会社でのほぼ全域での停電は国内初であり、復旧にもかなり時間が掛かっています。停電の大きな原因は、道内最大の火力発電所、苫東厚真発電所が停止したこと。泊原子力発電所が運転停止中のなか、苫東厚真発電所は地震発生当時、道内の使用電力の約半分を供給しており、同発電所はボイラー設備などに損傷が見つかっているようです。当初の発表によると、道全域の電力復旧には最長で1週間くらいかかるとか。世耕経済産業大臣は、今日午前6時の記者会見で、「北海道内の停電は4割以上が解消したことになります」と言うけれど、7時間経っても未だに停電中の札幌市中央区宮の森2条地区、「4割以上」に説得力はありません、ガンの生存率と同じような表現で、少なくとも住民、患者側の立場ではないですね。そして、7日午後7時30分にやっと電気が復旧しました。

 地震当日、陽が昇って札幌市中央区宮の森地区は停電中、宮の森3条11丁目北1条宮の沢線と北24条線との交差点では信号機が消えて、警察官が出ていました。

早朝から警察官が

早朝から警察官が

 その夜は停電の中、ロウソクの火と災害用ラジオ&ランタン・懐中電灯で食事です。

ランタンの灯とロウソク

ランタンの灯と災害用ラジオ

 翌日、秋山財団贈呈式で特別講演をされた桜田一洋先生がお泊りの札幌グランドホテルも館内は真っ暗。ロビーでは、最新のニュースボードで情報提供です。贈呈式翌日の予定されていた若手研究者との対話型セミナーは、急きょ中止となりました。

新千歳空港とフライト情報

新千歳空港とフライト情報

東館に抜ける通路も暗く

東館に抜ける通路も暗く

 翌日の新聞を見て地震の規模の大きさと被害の甚大さにあらためて驚きました。

新聞朝刊

新聞朝刊

震災前(下)と震災後(上) Facebookより

震災前(下)と震災後(上) Facebookより

 そして、夜のNHKニュースには、秋山財団のネットワーク形成助成事業でも応援した根本先生も登場されていました。

9月12日に追補:https://mainichi.jp/articles/20180911/k00/00e/040/189000c

根本先生

根本昌宏先生

 根本昌宏先生のプロジェクト

プロジェクト名 積雪・極寒冷地域のいのちを護る防災・減災への取り組み―いきるための力を創出する
概要 道内の積雪・極寒冷地域災害に対処できる能力を人的ネットワークを生かした実践演習を通じて集積し、「いきる力・いきぬく力」を培い、多種多様な災害に備える。
代表者 根本  昌宏
助成期間 平成23年度~25年度
プロジェクト名 厳冬期の災害に向き合い、「地力(ちぢから)」の向上でいのちを護る
概要 冬の万が一への対策は、すべての地域が万全ではない。北海道実証プロジェクトが自助・共助・公助を包含した「地力」を高め、寒冷地域のいきる力を増幅する。
代表者 根本 昌宏(ネモト マサヒロ)
所属役職 日本赤十字北海道看護大学 教授
助成期間 2015年度~2017年度

むのたけじさんの遺志を継ぐ

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comment: 1

 「戦争絶滅」を訴え続けたジャーナリスト・むのたけじ(本名・武野武治)さんが8月21日、老衰のため、さいたま市のご次男宅でご逝去されました、101歳でした。

朝日新聞記事より~~~~~~~

 朝日新聞記者時代に終戦を迎え、「負け戦を勝ち戦のように報じて国民を裏切ったけじめをつける」と終戦の日に退社した。ふるさとの秋田県に戻り、横手市で週刊新聞「たいまつ」を創刊。1978年に780号で休刊してからは、著作や講演活動を通じて平和への信念を貫き通した。

 100歳になった昨年は戦後70年で「歴史の引き継ぎのタイムリミット」といい、講演で各地を飛び回った。今年5月3日に東京都江東区の東京臨海広域防災公園で行われた「憲法集会」でのスピーチで「日本国憲法があったおかげで戦後71年間、日本人は1人も戦死せず、相手も戦死させなかった」と語ったのが、公の場での最後の訴えとなった。

 2002年に胃がんの手術をし、06年に肺がんで放射線治療を受けたが、ほぼ完治。90歳を過ぎても自転車に乗り、「80歳より90歳のほうがいい仕事ができるようになった」と話した。

~~~~~~~記事からの引用 おわり

* 2016.5.3演説――> https://www.youtube.com/watch?v=8HUgguVnNM0

 先月、東京の早稲田大学大隈講堂で早稲田大学大学院政治学研究科主催のシンポジウム「ジャーナリスト・むのたけじの魂を継承する~むのたけじさんを偲ぶ~https://www.waseda.jp/fpse/gsps/news/2016/09/13/7698/」が開催されました、若い方々の参加も多かったですね。

むのたけじさんについてのこのブログでの記載――> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E3%82%80%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%81%91%E3%81%98

会場の早稲田大学大隈講堂前

会場の早稲田大学大隈講堂前

満杯の会場内には在りし日のむのたけじさんの映像も

満杯の会場内には在りし日のむのたけじさんの映像も

 「偲ぶ会」と言っても、むのたけじさんの強い遺志で、追悼だけの内容にはするなとのこと。当日のパネルディスカッションでも登壇者は皆さん、ご自分の立ち位置からの決意表明でした。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

第一部 パネルディスカッション  「むのたけじのジャーナリスト魂をどう引き継ぐか」

パネリスト: 鎌田慧(ルポライター)、桂敬一(メディア研究者、元立正大学教授)、佐高信(評論家)、宮城修(琉球新報社会部長)

モデレーター: 落合恵子(作家)

第二部 ①「むのさんと出会って」 各大手新聞社(朝日、読売、東京)の取材した記者の皆さん、ほか

②「むのさんの魂を継承する」

『笑う100歳』予告編上映

遺族のご挨拶 武野大策

総合司会:高橋恭子(早稲田大学政治経済学術院教授)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 思い出のVTRに続いて、映画「笑う101歳×2(http://www.warau101.com/)」のご紹介もありました、完成が楽しみですね。

近日完成予定の映画!

近日完成予定の映画!

 パネルディスカッションは、落合恵子さんの素晴らしいコーディネートで、実に内容の濃い時間となりました。当日配布のプログラムの裏表紙に「死ぬ時そこが生涯のてっぺん」とのご本人の言葉が書き留めてありました。

 終わりのご子息・武野大策さんのお話によると、「自分が死んでも、偲ぶ会など開いてくれるな」と強く仰っていたそうです。「そんな会をやる暇があるのだら、私の著書を読んでくれ」との強い意志です。「父は、『俺を眠らすな!』と言いたかったのでしょう」と語りました。「肉体は死んでも、闘う精神はまだまだ続く!という意志を当日の参加者にお伝えになりました。

 閉会の高橋恭子先生は、「むのたけじの魂を継承する」という意味は、むのたけじのことば・書物を引っ張り出してきて、「あんなこと言ってた」「こう言ってた」と偲んだり語り継ぐのではなく、皆さんがむのさんのことばを読み、自分で考え、自分のことばで語って頂きたい、そのことが、「魂を継承する」ということです、とまとめられました。若い方々の参加も多く、大隈講堂は満席の大盛況、素晴らしい力強いシンポジウムでした。

<印象に残る登壇者の言葉>

* ひとり一人の自立した「個」が基本

* 美しい生き方があるとすれば、自分を鮮明にした生き方である

* 戦争をさせない意志を継ぐ

* むのさんの言葉: 希望は絶望の中に

* 「生きる」ことは「闘う」こと、そして「続ける」こと

* むのさんの言葉: 「対」で思い浮かぶのは「対立」ではなく「対話」

 むのたけじさん、私はご遺志をしっかり受け止めて、これからの自分の頭で考えて行動して参ります!

第一回「レジリエンス」シンポジウム

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 第一回の「レジリエンス」シンポジウムが開催されました(http://ishes.org/project/resilience/updates/2015/upd_id001553.html)。

 私が初めてこの言葉を耳にしたのは、今から10年くらい前、枝廣淳子さんの環境系異業種交流会でした。なぜか印象的な言葉で、その時に「レジリエンスって、どういう意味で、スペルは?」と質問したことを覚えています。それ以来、先日のシンポと枝廣さんの新著で、随分この言葉が進化していることを知りました。

 これを推進する担い手も力強いです(http://ishes.org/project/resilience/)。

~~~~~~~~~~~~~~~枝廣淳子さんのブログから

 レジリエンス(resilience)とは、外的な衝撃にも、ぽきっと折れることなく、立ち直ることのできる「しなやかな強さ」のことです。

 「レジリエンス」は、もともとは「反発性」「弾力性」を示す物理の用語でした。ここから、「外からの力が加わっても、また元の姿に戻れる力」という意味で使われるようになったのです。「復元力」「弾力性」「再起性」などと訳されますが、枝廣淳子は「しなやかな強さ」と訳します。

 この言葉が、さまざまな分野で使われるようになったのは、それほど古いことではありません。「レジリエンス」の概念は、生態系の分野心理学の分野でそれぞれ発展 してきました。今ではそれらが重ね合うような広がりをもって、教育、子育て、防災、地域づくり、温暖化対策など、さまざまな分野で使われるようになっており、数多くの「レジリエンス向上」のための取り組みが展開されています。

 ここでは、『レジリエンスとは何か~何があっても折れないこころ、暮らし、地域、社会をつくる』(東洋経済新報社)から、レジリエンスへの取り組みを進めるさまざまな分野をご紹介しましょう。

~~~~~~~~~~~~~~~~~

 今回のシンポジウムは、各分野で活躍中の方々ばかり。内容はそれぞれ15分間の限定された時間でプレゼンされました。とにかく幅広く、それぞれのセクターでの「基本的概念」とでも言うのでしょうか、普遍性を持っている理念であると感じました。

~~~~~~~~ 当日プログラム <案内文より引用>

主 催・コーディネーター:枝廣 淳子(幸せ経済社会研究所所長・東京都市大学教授)

ゲストスピーカー:
enomoto2.jpg【地域の分野】 榎本 英剛 氏
NPO法人トランジション・ジャパン共同創設者、 トランジション藤野 発起人

http://transition-japan.net/

shirai2.jpg【温暖化の分野】 白井 信雄 氏 [法政大学教授(サステイナビリティ研究所専任研究員)]

http://blog.goo.ne.jp/shirai01/e/350fef9274de7dae8cb1970154fe732e

fukaya2.jpg【教育の分野】 深谷 昌志 氏 [東京成徳大学名誉教授]

http://www.sbrain.co.jp/keyperson/K-1373.htm

fujii2.jpg【国土強靭化の分野】藤井 聡 氏 [京都大学大学院工学研究科教授、京都大学レジリエンス研究ユニット長、第2次安倍内閣・内閣官房参与]

http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/member/fujii

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~引用 おわり

 3・11以降の世界で、益々この言葉の本質が問われるような気がしています、これからもこの「レジリエンス(resilience)」に注目ですね!!!

打ち破る、変える力って?

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 ここ数年、いくつかの集まりに出席していて、つくづく日本の組織の新陳代謝への疑問を感じます、急にどうしたと思われるかもしれませんが、例えば、会合とか式典での冒頭あいさつ、ひどいものが多いのですよ、お年寄りの繰り返しと延々と続く挨拶、不適切な言葉・フレーズの使用、それ以上にそういった人の役回りを変えられない組織の硬直性とでも言うのでしょうか、呆れる場面に出くわすと、思わず日本の今の社会、古い体制とか仕組みを打ち破る力、変える力はどこに存在して、或はどう育成していくか、暗澹たる気持になるのです。ワンフレーズでは「新陳代謝を促す装置の欠如」でしょうか。

 国際会議でこうなってくると、「日本の恥」と感じてしまうのは言い過ぎでしょうか。ただひたすら、不適切な言葉・内容を上手に通訳してくれ、敢えて訳さないでと祈るばかりの状態となります。

 人前で話をするというのは、メッセージの伝達であり、コミュニケーションの原点です。特に多くの聴衆への挨拶・演説は、誰にでも与えられる場ではなく、ことさらに吟味された言葉・内容でなければならないはずです。その貴重な機会で、意味のないどころか酷いものであれば、それこそ会自体を台無しにする犯罪性を帯びるものです。

 昨年のある大きな会合、会長職の年配の方が全体会議、昼食交流会時、懇親パーティで連日のご挨拶でした。まずは全てに同じ方に挨拶を割り振る運営側のセンスの無さが指摘されますが、どなたが原稿を書かれたのか、或は全く関与していないのか、全てが長すぎて気持よくそれ以降の次第が進行できなく、そもそも話の内容がゼロに近い(少なくとも私にとっては)のです。芝居でもそうですが、冒頭の「ツカミ」は大変重要で、会議のかなりの雰囲気を形作ります、形式的な時間潰しではないのです。

 また、今年のあるフォーラムでは、恐らく事務局が会長の冒頭の話が長くなると予想して原稿を渡してありました。それを読み終えて、私は今日は短く終わると思いきや、「さて、」と始まって延々とそこから15分、曖昧な語尾でどうでもよい持論を展開し始めたのです。こうなるともうただ「忍」の一字で時の過ぎるのを待つしかないですね。やがてご本人は、何事もなかったように「簡単措辞ですが」と言い放って降壇しました。

 考えてみると、お話の内容以前に、人事的に組織を代表する方がもう賞味期限が切れている場合が多いのかもしれません。その組織を代表するのですから、これまでにはもちろん輝かしい実績と足跡を残されていることに疑いはないのですが、人間は必ず衰えるものですし、ご本人の名誉の為にも、ピーク時に拍手喝采の中で舞台から降りて頂く「仕組み」を組織は持っている必要があると思います、本来は「任期」というのがそれなのでしょうが、機能していません。「勲章」の授与等は、昔はその機能を果たしていたのでしょうが、今では、それを受け取ってもなお現役職位に留まり続ける方が多くて困ります、高齢化の弊害ですね。とにかく、組織の長の若返りを急がないと、特に国際会議等での日本のステイタスは低落するばかりです。若い世代にもっともっとチャンスを与えていかなくては、です。

 この点、外国は実に躍動的です。登壇される方々のお話はコンパクトな中にメッセージを詰め込んだ小気味よい内容が多いような気がします。まずは圧倒的に短くせいぜい3分程度でしょうか、挨拶される方の持論の展開ではなく、それ以降に続く会合の趣旨等と関連するものが多いですね。言葉が吟味されてなおかつユーモアに満ちて、会に臨む姿勢の違いを感じます。

 日本のガラパゴス化は、組織形成にも顕著なのでしょうか。

 一方で、これまでの話でよく吟味されているなと思った事例は以下の通りです、日本語の簡素な美しさを感じます:

* 宮内庁HPより~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

平成27年 新年

  昨年は大雪や大雨,さらに御嶽山の噴火による災害で多くの人命が失われ,家族や住む家をなくした人々の気持ちを察しています。また,東日本大震災からは4度目の冬になり,放射能汚染により,かつて住んだ土地に戻れずにいる人々や仮設住宅で厳しい冬を過ごす人々もいまだ多いことも案じられます。昨今の状況を思う時,それぞれの地域で人々が防災に関心を寄せ,地域を守っていくことが,いかに重要かということを感じています。

  本年は終戦から70年という節目の年に当たります。多くの人々が亡くなった戦争でした。各戦場で亡くなった人々,広島,長崎の原爆,東京を始めとする各都市の爆撃などにより亡くなった人々の数は誠に多いものでした。この機会に,満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び,今後の日本のあり方を考えていくことが,今,極めて大切なことだと思っています。

  この1年が,我が国の人々,そして世界の人々にとり,幸せな年となることを心より祈ります。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

* 2015年4月 パラオ訪問時の晩餐会での天皇陛下ご挨拶から~~~~~~~~~~

  ミクロネシア地域は第一次世界大戦後、国際連盟の下で、日本の委任統治領になりました。パラオには、南洋庁が設置され、多くの日本人が移住してきました。移住した日本人はパラオの人々と交流を深め、協力して地域の発展に力を尽くしたと聞いております。クニオ・ナカムラ元大統領はじめ、今日貴国で活躍しておられる方々に日本語の名を持つ方が多いことも、長く深い交流の歴史を思い起こさせるものであり、私どもに親しみを感じさせます。


  しかしながら、先の戦争においては、貴国を含むこの地域において日米の熾烈(しれつ)な戦闘が行われ、多くの人命が失われました。日本軍は貴国民に、安全な場所への疎開を勧める等、貴国民の安全に配慮したと言われておりますが、空襲や食糧難、疫病による犠牲者が生じたのは痛ましいことでした。ここパラオの地において、私どもは先の戦争で亡くなったすべての人々を追悼し、その遺族の歩んできた苦難の道をしのびたいと思います。

  また、私どもは、この機会に、この地域の人々が、厳しい戦禍を体験したにもかかわらず、戦後に慰霊碑や墓地の管理、清掃、遺骨の収集などに尽力されたことに対して心から謝意を表します。

・・・・・・・・・・・・・
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

* 沖縄県知事選挙の菅原文太 https://www.youtube.com/watch?v=8PFTMiaHXAc

町内会での防災研修会

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
Comments: 0

 秋山財団事務所がある札幌市中央区宮の森地区の連合町内会で、この度防災研修会が開催され、そのプログラムの一つ、秋山財団の「ネットワーク形成事業(http://www.akiyama-foundation.org/history/history_08」で応援した根本昌宏さんが講師として発表の機会がありました。

* 冬期被災対応ネットワーク形成事業(http://www.toukihisaitaiou.jp/

宮の森・大倉山連合町内会で防災研修

宮の森・大倉山連合町内会で防災研修

 この事業の目的は次の通りです:~~~~~~~~~~~

 「北海道には冬と対峙する昔からの知恵が数多く存在しています。これらの知識を掘り起こし、蓄積をしながら、最新の技術との融合を目指します。

 古くから生活は三原則「衣・食・住」とされています。しかし災害時はそれらに加え「情(情報)」「情(心)」を加えた五原則が不可欠であることを本ネットワークでは提言いたします。

 五原則を均一に網羅し、最低限必要な備えを提示し、最低限必要な知識を考案し、最低限必要なネットワークを構築します。これらを総括した「いきる力・いきぬく力」を、机上シミュレーションではなく、演習・実践によって培い会得し、多種多様な災害に対応する能力を見出すことが本ネットワークの目的です。」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 もう一つの講演は、同じ町内で私も「宮の森の環境を守る会」でお友達のみかみめぐるさん、「みみをすますプロジェクト(http://mimisuma-sapporo.com/)」でした。

HPより~~~~~~~~~~~~~~~~

 2011年3月11日に東北地方を襲った大地震や大津波は多くの尊いいのちを奪いました。
そして福島原発の大事故が起き、放射能汚染によるいのちの危険や健康被害の危機にさらされた方達は広範囲に及びそれは今も続いています。

 この大災害や原発事故によって多くの方達が避難生活を余儀なくされ、特に放射能汚染から逃れるために沢山のこどもがお母さんに手を引かれながら全国各地に避難して暮らしています。
避難生活にあるこども、被災地に留まって暮らすこどもなど、置かれている状況はそれぞれに違いますが、放射能汚染によってこどもたち本来の落ち着いた生活が奪われてしまったことは明白で、これはおとなたち社会全体の責任です。

みみをすますプロジェクトは、2011年に起きた大災害と大事故を契機に被災者支援活動をはじめた者たちが、手をつなぎ合わせて誕生させたプロジェクトです。わたくしたちは未来あるこどもたちの今を大切にしながら、いのちの鼓動に耳を澄ませ、放射能からいのちを守り育てたいと思います。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 引用 おわり

「みみをすますプロジェクト」の報告

「みみをすますプロジェクト」の報告

みかみみぐるさん

みかみめぐるさん

 数年前から、秋山財団では「アウトリーチ活動」に注力をしています。研究者にもそれを限りなく望み、市民活動の担い手の方々にも情報発信の場を提供すべく努力を続けています。今回もそんな流れから、「ネットワーク形成事業」の成果の発信の場として、まさに足元での活動となりました、参加者の満足度も高く嬉しかったですね。今後は北国のみならず、全国モデル、モンゴル・ロシア等世界に、この北海道防災モデルを発進していきたいと思っています。

応援する一員として秋山財団も参加

応援する一員として秋山財団も参加

 秋山財団のアウトリーチ活動の様子はこちらから――> http://www.akiyama-foundation.org/news/1158.html