全国経済同友会フォーラム in 金沢(上)

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 「全国経済同友会セミナー」が、今年は金沢市で開催されました、第28回目となります。今年のテーマは、「戦後70年、地域活性化で日本の再生を」でした(http://www.doyukai.or.jp/publish/2014/pdf/2014_12_15.pdf)。この恒例のセミナーについては、これまでも何回か書き留めています:

* 2014 静岡 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E3%81

* 2013 盛岡 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=16803

* 2012 富山 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=12630

http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=12606

* 2011 福岡 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=8221

* 2010 高知 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=3911

* 2009 札幌 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=1272

金沢で

金沢で

 基調講演は、元デンマーク特命全権大使の近藤誠一・前文化庁長官。現在の国際社会について、イスラム過激派の台頭などで「英米型自由民主主義が行き詰まっている」と指摘し、「自然を許容しあいまいさや相手を尊重する日本の文化芸術の視点は、自由民主主義のモラル回復に大変重要である」と語り、地域の伝統・文化・芸術の奮起を促し、期待感も滲ませました。

基調講演・近藤誠一さん

基調講演・近藤誠一さん

近藤さん

近藤誠一さん

震災復興シンポジウム 2015 in 盛岡

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 今年の「3・11全国経済同友会震災追悼シンポ」は盛岡で開催されました。岩手県立不来方(こずかた)高校音楽部の「ふるさとの山に向ひて」、「星めぐりの歌」、「時代」、は素晴らしい天使の声、そして参加者全員と手に手つないで「ふるさと」の大合唱は、心に染み入りました、まさに追悼の歌声でしたね。終了後、参加された全国の経営者の多くが、「感動した」、「涙が込み上げてきた」とおっしゃっていました。

不来方高校合唱部

不来方高校合唱部

* 「ふるさとの山に向ひて(https://www.youtube.com/watch?v=yDcKmgrbgjU

* 「星めぐりの歌(https://www.youtube.com/watch?v=w_SeZysa_Ss

* 「時代(https://www.youtube.com/watch?v=vCeNH_vQjfY

 今年も私は第一分科会に出席しました。昨年の様子はこちら――> http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=19311

第一分科会:今年も福島原発事故のその後に注目

第一分科会:今年も福島原発事故のその後に注目

希望を求めて

希望を求めて

 政府、各省庁、電力会社幹部の無責任には憤りを感じますが、今年も現場を預かる方々の使命感はヒシヒシと伝わってきました。毎年毎年、困難な状況の中でも自分の立ち位置で最大限の努力をしている姿を受けとめ、メディアではいろいろ批判がある中、まだ日本は捨てたものではない、そんな気がしてきます。

 あの高校生たちの歌声を聴いて、或はあの場にいた経営者の方々がご自身の故郷の山に向かって、相変わらず「原発再稼働」を思考停止の如く叫び続けるとすれば、その感性に人間か否かを問いたいものです。そして、感性無き経営者が、今の日本の経済界を率いているそのことが、日本国にとって最大の「リスク」であることに間違いありません、担い手を代えないと日本の将来はない!

 <ふるさとの山に向ひて>    作詞:石川啄木   作曲:新井満

 ふるさとの山に 山に向ひて
 言ふことなし ふるさとの
 山は あ~ ありがたきかな

 やはらかに柳 柳あをめる
 北上の 岸辺目に見ゆ
 う~ 泣けとごとくに

 かにかくに 渋民村は
 恋し 恋し 恋しかり
 おもひでの おもひでの山
 おもひでの川

 ふるさとの訛 訛なつかし
 停車場の 人ごみの
 中に あ~ そを聴きにゆく

 かにかくに 渋民村は
 恋し 恋し 恋しかり
 おもひでの おもひでの山
 おもひでの川

 ふるさとの山に 山に向ひて
 言ふことなし ふるさとの
 山は あ~ ありがたきかな
 ありがたきかな

「ジュネーヴの星」、新渡戸稲造

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 先月、BSフジで、岩手めんこいテレビ制作「ジュネーブの星(http://www.bsfuji.tv/top/pub/ootomokeishi.html)」が放映され、岩手県盛岡市出身の映画監督・大友啓史さんの取材により、新渡戸稲造の国際連盟事務次長の活躍と当時の住居だったジェントーの今、スイス機械時計で有名なフランク・ミューラー本社・「Watch Land」が紹介されていました。

* フランク・ミューラー社・Watch Land――> http://www.watchland.jp/

 新渡戸稲造のジュネーブでの活躍は私のブログでも紹介しました。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=20081

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=20133

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=20192

ジュネーブ郊外ジェントーにあるフランクミュラー社の「Watch Land」
ジュネーブ郊外ジェントーにあるフランクミュラー社の「Watch Land」

旧新渡戸稲造の邸宅の裏庭から望む景観:レマン湖の背景にはモンブランも。

フランク・ミューラー社長
フランク・ミューラー社長

今年5月下旬にジュネーブを訪問したばかり、この取材は6月とのことでしたので大変興味深く観ました。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=20115

 そんなこんなで夏を過ごすと、先日、秋山財団のネットワーク形成助成のプロジェクトの一つのグループから素敵なお土産を頂きました。

「岩手 偉人さん 大集合!」、中は開けてのお楽しみ、新渡戸さん大当たり!

「岩手 偉人さん 大集合!」、中は開けてのお楽しみ、新渡戸さん大当たり!

 新渡戸稲造の幅広い活躍は、盛岡、札幌、ジュネーブと、世界を駆け巡ります、何とか「札幌遠友夜学校記念館プロジェクト」も成功裡に導きたいですね!

120周年記念フォーラム

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 「札幌遠友夜学校創立120周年記念フォーラム」が、「新渡戸稲造と札幌遠友夜学校を考える会(http://nitobe-enyu.org/)」主催、札幌市・札幌市教育委員会の後援で開催されました。

 遠友夜学校に関連する記載は、これまでたくさんこの欄に書いています。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E9%81%A0%E5%8F%8B%E5%A4%9C%E5%AD%A6%E6%A0%A1

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<プログラム>

1.挨拶: 秋山孝二(一般社団法人 新渡戸稲造と札幌遠友夜学校を考える会会長)

. 来賓祝辞: 在札幌米国総領事館 首席領事ジョエレン・ゴーグ氏

メッセージ:(公財)新渡戸基金 理事長 内川頴一郎氏

3.経過報告: 高橋大作 (当会副会長)  これまでの活動と経緯

4.校歌紹介: 伊藤めぐ(歌手)、宮澤洋子(ピアニスト)

5.基調講演: 演題 「記念するには所をえらぶ

講師 佐藤全弘氏(大阪市立大学名誉教授 新渡戸稲造研究者、

『新渡戸稲造全集』23巻別巻2巻編集委員、共著『新渡戸稲造事典』ほか多数)

.奨励歌演奏: 伊藤めぐ(歌手)、宮澤洋子(ピアニスト)

主催:一般社団法人新渡戸稲造と札幌遠友夜学校を考える会 後援: 札幌市・札幌市教育委員会

<この企画は伊藤組100年記念基金からの助成を受けています>

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会場ホール前のロビーで

会場ホール前のロビーで

札幌遠友夜学校校歌の紹介:伊藤めぐさんと宮澤洋子さん(ピアノ)

札幌遠友夜学校校歌の紹介:伊藤めぐさんと宮澤洋子さん(ピアノ) 篠田江里子さん撮影

特別講演 大坂大学名誉教授・佐藤全弘先生

特別講演 大坂大学名誉教授・佐藤全弘先生

 佐藤全弘先生のご講演、「記念するには所をえらぶ」は、熱意にあふれ、大変興味深いものでした。特に、50年目に「閉校した」ことの積極的意味を解説されました。アメリカ人の篤志の資金で開校した学校で、アメリカ人を敵とした「軍事教練」を強制されることに対する理事会の強い反対の意思表示であった、と。これこそ私たちは真摯に受け止めなければならないとおっしゃいました。

<講演概要>

1) 新渡戸稲造を記念する場所: 多磨墓地、カナダ・ブリティッシュコロンビア大学、東北(盛岡、十和田、花巻)など多数

2) 遠友夜学校: その歴史的経緯ほか

3) 記念の諸形式: 国立東大寺博物館、法隆寺48体仏、アテネ・パルテノン神殿、興福寺国宝館etc

4) 結び: 遠友夜学校は記念に値する「教育遺産」、50年間続いて活動は日本で唯一つ、「学問より実行」の精神、等

“ふじのくに日本”の新・成長戦略(1)

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 第27回経済同友会全国フォーラムは静岡での開催でした。「持続可能な発展を目指して~”ふじのくに日本”の新・成長戦略」がテーマです、「富士」、「不死」、「不二」等、多彩な意味を込めての今年のフォーラムも1000人の登録で盛会裏に終了しました。

* 2011福岡 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=8227

* 2012富山 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=12606

* 2012富山 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=12630

* 2013盛岡 http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=16803

会場ホテル入口で

会場ホテル入口で

 基調講演の伊藤元重先生のお話は、「日本と地域の新・成長戦略」と題してでしたが、アベノミクスの経過が主体で、第3の矢は「民間投資を喚起する成長戦略」と表現するにとどまり、地域・地方への視座、言及が少なく、私自身はかなりの欲求不満でした。印象に残ったのはせいぜい、「グラビティ・モデル」という言葉が、今後の貿易分野でのキーワードという程度でしょうか。

 その後の岩手・仙台・福島経済同友会からの報告は、先月の復興会議に引き続き(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=19311)それぞれの復旧・復興の差異も分かり、大変貴重なものでした。福島県には多額の税金が投下されて新しい複数の国立の施設建設が決まり、工事も始まっているのは予想以上でしたね。でも、そこに住む人々の帰村等、暮らしの復旧・復興はそれとは裏腹で程遠く、他の2県と際立った違いでした。人の幸せは投下されている金額とは全く別物だという意味でです、ね。

 休憩を挟んでの分科会、私は第二分科会「農業・医療を成長産業として育てていくために」に参加しましたが、興味深かったです。

医療と農業のイノベーションがテーマの第二分科会

医療と農業のイノベーションがテーマの第二分科会

 たくさんのキーワードがパネラーから発せられていました。

* 終戦直後に策定された「農地法」は、戦後の小作人育成のための法律、再開発が必須の現在の農業の目的には合わない

* 「農業を経営する」、持続可能にするためには「農業の産業化」を図ることが避けて通れない

* 過疎の市町村は人がいなくなっていく――>農地の大規模化のチャンスであり、市町村は「農業」を誘致すべき

* イノベーション企業では「雇用の流動化」が大前提ではないか。終身雇用では、優秀な人材の「囲い込み」が始まってくる

* 人材もお金も止まるとよどむ

* 農業の利益構造: 大規模化 + 六次産業化 + 環境支払い + 不足支払い

* 政府はジャッジをするな! 女性の登用、農業のフランチャイズ・チェーン化

 実際のフィールドで地道に活動されている方々のお話には共通点が多く、またそれぞれに説得力がありました。

「新渡戸稲造辞典」、出版記念会

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 「新渡戸稲造辞典」の出版記念会が東京銀座・教文館ホールで開催されました。私も4人の発起人の一人として名前を連ねていて、新渡戸関連の蒼々たる研究者の皆さまの前で、冒頭の開会挨拶を致しました。教文館3階では、10月10日から「没後80年記念展示」も開催中です(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=18105)。

771ページの大著

771ページの大著

お二人に花束!!

藤井茂さん(左)と佐藤全弘さん(右)のお二人に花束贈呈!!

(学法)新渡戸文化学園 森本晴生 学園長

(学法)新渡戸文化学園 森本晴生 学園長

 著者の佐藤全弘さん(大阪市立大学名誉教授)と藤井茂さん(一般財団法人新渡戸基金常務理事)ほか、新渡戸稲造に縁のある研究者の方々ほかが含蓄のあるお話を次々にされて、大変有意義なひと時でした。私も、今、進めている「新渡戸稲造と札幌遠友夜学校を考える会」のプロジェクト(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=17103)について、概略説明をし、支援をお願いしました。

 佐藤全弘さんは、「新渡戸・南原賞」受賞者(http://www.akiyama-foundation.org/history/history_02)ですし、藤井茂さんは今年5月に盛岡でお世話になりました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=16806)。そのほかに幾つかの新しい出会いもあって、これからの活動に弾みがつきます。一つの場での新たなネットワーク、まさに「つながり」ですね。

「新渡戸」、東京銀座・教文館で

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 東京銀座の教文館ビル(http://www.kyobunkwan.co.jp/)3階で、「没後80年記念展:新渡戸稲造を知っていますか―世界が尊敬した真の国際人(http://www.kyobunkwan.co.jp/blog/archives/4430」が始まりました、今月31日まで開催中です。昨日は、開会第一号の訪問者としてじっくり見学しました、私なりのこだわりだったもので・・・・。

没後80年記念展示、「新渡戸稲造を知っていますか?」

没後80年記念展、「新渡戸稲造を知っていますか?」

入口で新渡戸先生もお出迎え!

入口で新渡戸先生もお出迎え!

コンパクトにまとまった新渡戸稲造先生のご業績展&ビデオ放映

コンパクトにまとまった新渡戸稲造先生のご業績展&ビデオ放映

 今年3月、私たち有志は、札幌で「新渡戸稲造と札幌遠友夜学校を考える会」を立ち上げて、札幌市中央区南4条東4丁目の「遠友夜学校」跡地に予定される公園の一隅に、「記念館」建設等を実現しようとする動きを進めています。6月には記念フォーラムも開催しました。

http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=17103

この様子はU-streamでもご覧頂けます(http://bit.ly/1cy4MZ5)。

 今回のこの記念展示会ですが、主催及び協力を見て、あらためて新渡戸稲造の果たした人材育成、地域開発における業績の幅広さと重さを感じました、「北海道大学」も名前を連ねたいところでしたね、北海道を代表して。

<主催> 教文館

<協力> 学校法人恵泉女学園、学校法人新渡戸文化学園、学校法人普連土学園、学校法人拓殖大学、学校法人東京女子大学、盛岡市先人記念館、花巻新渡戸記念館、十和田市立新渡戸記念館、NPO法人今井館教友会、日本基督教団銀座教会、実業之日本社、岩手めんこいテレビ、財団法人新渡戸基金 (順不同)

 日本の軍国主義化が顕著になり、新渡戸稲造が事務次長として大活躍した国際連盟をも脱退して戦争への道に突き進む時代、「BUSHIDO」を著して日本を世界に真摯に紹介し、日本の国際社会での存在感を示した信念と勇気、今こそ、私たちは立ち止まって彼の業績から深く学びたいものです。

 今月22日、【新渡戸稲造没後80年『新渡戸稲造事典』刊行記念講演会】が開催されます。

「ユーモアの人、悲しみの人、新渡戸稲造」   講師:佐藤全弘氏(大阪市立大学名誉教授)

日時:2013年10月22日(火) 15:00~16:30 会場:教文館 9F ウェンライトホール

 そして同日午後6時からは出版記念祝賀会があり、私も発起人の一人に名前を連ねています。今一度、新渡戸稲造の業績を振り返り、札幌の地が「遠友夜学校」の50年の実践の場であったことを再度確認するひと時としたいと思っています。

「新渡戸・南原賞」授賞式 2013(前)

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 「新渡戸・南原賞」授賞式・祝賀会が、東京神田・学士会館で第10回目として開催されました。

 「新渡戸・南原賞」授賞式については、これまで何回も書いてきています(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?s=%E6%96%B0%E6%B8%A1%E6%88%B8%E3%83%BB%E5%8D%97%E5%8E%9F%E8%B3%9E)。

 今年の受賞者は角谷(かどや)晋次さんと坪内南さんです(http://www.akiyama-foundation.org/news/470.html)。坪内さんはこれまでの受賞者の中で最年少、10回目を迎えて、今までの新渡戸・南原研究をされてきた方々から、その精神をフィールドで実践されている方々へと大きく顕彰対象を代え、さらに今回受賞されたお二人は、ともに東日本大震災に関連する地域でのご活動ともなりました。

角谷先生(左)と坪内さん(右)

角谷晋次さん(左)と坪内南さん(右)

* 角谷晋次さん: 学校法人 盛岡キリスト教学園  理事長(http://www.gaccom.jp/kindergarten-721.html

* 坪内南さん: ビヨンドトゥモロー:一般財団法人 教育支援グローバル基金(http://beyond-tomorrow.org/ 理事・事務局長

「新渡戸・南原賞」運営委員会・草原委員長の開会ご挨拶

「新渡戸・南原賞」運営委員会・草原委員長の開会ご挨拶

角谷さんの業績を紹介する大津光男さん

角谷さんをご紹介する大津光男さん

坪内南さんをご紹介する橋本大二郎さん

坪内南さんをご紹介する橋本大二郎さん

 今年も、ご登壇頂いた皆さまの素晴らしいお話は、出席者の方々に多くの感動を与えるものになりました。東日本大震災と真摯に向き合って、若い世代の人材育成にご尽力されている様子を知り、まさに新渡戸稲造、南原繁の理念を具現化する活動であり、心から拍手を送りたいですね、これからの引き続きのご活躍を期待しています!

新渡戸稲造 in 東京女子大学

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小雨の降る中、東京都杉並区にある東京女子大学(http://office.twcu.ac.jp/info/index.html)キャンパス内、「新渡戸記念室:http://www.twcu.ac.jp/aboutus/archives/nitobe.html」を訪問しました。先月の盛岡、十和田についで、「新渡戸稲造の足跡を訪ねてシリーズ」とでも言いましょうか、

東京都杉並区・東京女子大学本館

東京都杉並区・東京女子大学本館

正面玄関・新渡戸記念室の案内も

正面玄関・新渡戸記念室の案内も

1階ホールからの階段、記念室は2階

1階ホールからの階段、記念室は2階
パンフレットから

パンフレットから

 秋山財団の新渡戸・南原賞(http://www.akiyama-foundation.org/history/history_02)運営委員である湊晶子先生から、一度訪れるようにとのご案内を頂いていましたが、今回やっと時間が取れて足を延ばすことができました。とにかく西荻窪のキャンパスは雨の中、静寂を保って優雅でしたね。あらかじめ見学希望を伝えていたので、総務部の方に正面玄関までお迎えに来ていただき、正面2階の新渡戸記念室をゆっくり見学致しました。

 湊晶子先生は東京女子大学・前学長で、これまで何回か掲載しています。

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=8942

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=7346

* http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=5961

 創立期の3人(http://www.twcu.ac.jp/aboutus/spirit/founder.html)、新渡戸稲造、安井てつ、A.K.ライシャワーのご功績、書簡、関連展示等、見識の高さにあらためて時代が創り出す人材の大きさに感動しました。「リベラル・アーツ教育」を変わらぬ理念として、日本の高等女子教育の発展に寄与してきました。創立90周年記念事業のひとつとして、大学の原点に立ち返るとともに、将来への展望を広げることを願って、2009年にこの大学資料展示室を開設したと、パンフレットに書かれています。

 アントニン・レーモンド設計の大学キャンパス内の多くの建物は、登録有形文化財であり、空間そのものが歴史を刻んでいる、素晴らしい雰囲気でした。

ファイターズ、大谷翔平くん

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 北海道日本ハムファイターズの大谷翔平くんは、「二刀流に挑む」で今、話題沸騰していますが、行けるところまで頑張って欲しいですね。プロ野球界のOB・解説者は概ね、「早くどちらかに専念しろ」的意見が多いようですが、私はどうも違和感があります。専念しても大した実績を残さなかった連中が、「中途半端になる」とか、「チームのほかのメンバーに迷惑を掛ける」とか、ピントハズレのコメントばかり、まるで成功しては困るかのような印象です、果敢にチャレンジする若者を嫉妬するような、情けない先輩たちと感じるのは私だけではないでしょう。小さな器にはたくさんの料理は盛り付けられません、チャレンジって所詮こんなものですよ、多くの人々の不安の中を果敢にやり通す、周りも不安なら不安と言えばいいのに、意味ありげに批判するからみっともないなと思います。

 私はシーズン前のキャンプ時から、球団がこの大谷の二刀流実現に向けて本気で一丸となっている姿勢にも拍手を送りたいですね、そして、それを成績が悪い中実践し続ける栗山監督、受け入れて協力している選手諸君も応援したいです。思い出します、日本ハムファイターズが北海道に来て、新庄剛志が入団し、当初は大丈夫かと思いましたが、新しい企画、派手なパフォーマンスで遠慮がちな北海道民の心をグッと引き寄せました、まさにプロフェッショナル、功労者ですね(http://www.youtube.com/watch?v=fksfP4QiUH0)。ヒルマン監督も、白井コーチも、みんなみんな素晴らしい人物でした、ファイターズが今日あるのは、皆さんのお陰です、若手選手がよく育っていますし、ダルビッシュもメジャーリーグで大変な存在感です。

 新人大谷へのレベルの低いコメントに辟易していると、全く対照的な事例として、私は、先月盛岡で、ジョン・V・ルース駐日米国大使(http://japanese.japan.usembassy.gov/index.html)が、経済同友会全国フォーラムの基調講演で「日本経済の未来を支える3つの鍵」と題して熱く語られ、日本の若者への期待感がにじみ出ていたのを思い出します(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=16803)。

  彼は、2011.3.11以降、「TOMODACHI イニシアティブ:http://usjapantomodachi.org/ja/」で、全国各地の高校生・大学生との熱心な対話、及び米国への短期留学した若者たちとの多くの交流で、日本の若い世代への無限の可能性を強く感じたようです。3つの日本の経営者へのメッセージでした。

(1)企業家精神を呼び覚ませ

(2)女性に投資し、より多くの機会を与える

(3)日本の若者の物の見方を変え、国際的視野で考えられるようにする

 これは女性、若者へのメッセージではありません、会場に集まった1000人の、これまで日本を支えてきた経営者たちへの鋭い問題提起と受け止めるべきです。私には、「あなた方が彼らの邪魔になっている!!」と聞こえてきましたが、当日夜の交流会、翌日の各分科会議長総括での雰囲気からは、ほとんどの方々が相変わらずのおめでたい姿、これでは日本の閉塞感に風穴は期待できません。「目を覚ませ!」、或は「もう退けよ!」ですかね。

 先日、現役バリバリの若手経営者たちの勉強会、愛生舘サロン:http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=16586」例会で、私がちょっとそんな話をしたところ、ある元気のいい経営者が言いました、「秋山さん、昔は地域にはおっかないオヤジがいて、突っ尖がった若者がいたら本当に潰されたりしたけれど、今はそんな器の年寄さえ居なくなりましたよ」と。なるほど、「かさぶた」ほどの存在でもないか、面白いですね。

 もう賞味期限の過ぎた、立ちはだかる壁にもならない経営者たちを、何の遠慮もなくドカドカと踏み越えて先に進む若い世代、今、こんな構図を夢見ています!

新渡戸稲造 in 盛岡

Posted by 秋山孝二
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 今回(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=16803)、盛岡を訪問したもう一つの目的は、新渡戸稲造関連の施設訪問と関係者との面談でした。まずは、盛岡市内の(財)新渡戸基金(http://www.nitobe.com/main.htmです。新渡戸稲造の生誕地にほど近い場所に本拠を構え、数多くの出版活動(http://www.nitobe.com/04.htm)で実績を挙げ、昨年の新渡戸生誕150年記念でも多彩なイベントを開催しています。

北上川と岩手山
北上川と岩手山

  理事長の内川頴一郎さん、事務局長の藤井茂さんとお会いし、藤井さんには市内の新渡戸稲造ゆかりの場所を解説付きで案内して頂きました。

財団法人 新渡戸基金の藤井茂事務局長

財団法人 新渡戸基金の藤井茂事務局長

新渡戸稲造生誕の地

新渡戸稲造生誕の地

新渡戸家菩提寺の久昌寺

新渡戸家菩提寺の久昌寺

城跡の石垣

城跡の石垣

 藤井さんは昨年、2冊の著書を執筆されています。

* 「新渡戸稲造 75話」 http://www.nitobe.com/inazo75.pdf

* 「続 新渡戸稲造 75話」 http://www.nitobe.com/inazo-zoku75.pdf

 南部藩主と新渡戸家の関係ほか、新渡戸稲造が生まれ育った地が発信し続けるメッセージは、100年以上の時代を越えて私達の胸に響いてきます。「語り続けることの価値」、藤井さんの豊富なお話に耳を傾けながら、これまでで最も新渡戸稲造に近づいた、そんな気がしました。藤井茂さん、お体を大切にされてご活躍下さい、この度は本当にありがとうございました!

2013全国フォーラム in 盛岡

Posted by 秋山孝二
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 全国44経済同友会共催「第26回全国経済同友会セミナー」が、今年は岩手県盛岡市で1000名の登録で開催されました、今年のテーマは、「われ世界のかけ橋とならん~復興から始まる新生日本~」。これまでここでも何回か紹介しています。昨年の富山では、私は「エネルギー環境分科会」でパネラーを務めました(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=12630)。

 オープニングは平泉「毛越寺の延年」の舞でした(http://www.motsuji.or.jp/)。

オープニングの舞

オープニングの舞

 アメリカ合衆国のジョン・V・ルース駐日大使(http://japanese.japan.usembassy.gov/index.html)が、経済同友会全国フォーラムで「日本経済の未来を支える3つの鍵」と題して基調講演をされました。当初、「TOMODACHI イニシアティブ:http://usjapantomodachi.org/ja/」と案内されていたので、震災直後の米軍支援の宣伝かと私はかなりの先入観を持っていましたが、全く違った当日のお話は心を揺さぶるルース大使の「生の声」で大変感動しました。「演説の力」とでも言うのでしょうか、気合いも十分、プライベートな話も織り交ぜて、離任間近の思いもあったのでしょう、とにかく素晴らしい講演でした、終了後も拍手が鳴りやまず、日本に対する熱い眼差しを参加者が受け取りました。

基調講演で熱く語るルース駐日米国大使

基調講演で熱く語るルース駐日米国大使

 例年通り4つの分科会、北海道からは第二分科会に小磯修二先生がご登壇されました。アカデミックセクターに身を置きながら、起業家育成にもご尽力されてきたこの間のご活躍に基づいた説得力のある提言の数々でした。

第二分科会でパネラーの小磯修二先生

第二分科会でパネラーの小磯修二先生

 二日目は、各分科会議長からの報告と長谷川代表幹事の総括。毎年感じますが、この議長報告が最も従来型というか、イノベイティブでないのですね。特に「我が国のエネルギー政策を考える」分科会議長の九州旅客鉄道(株)会長・石原進氏の報告は、プロパガンダに満ちたひどい内容でした、内容が云々というよりも「フェアでない」という基本的なレベルで残念でした。

二日目の各分科会議長報告、中央は長谷川代表幹事

二日目の各分科会議長報告、中央は長谷川代表幹事

地元紙・岩手日報の翌日紙面

地元紙・岩手日報の翌日紙面

「アザリア」の仲間たち

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 この数日、札幌では急に気温も上がり、昨日5月1日、札幌の「サクラ開花宣言」だそうです。今年は遅いだろうとの予想でしたが、このところの天候で何とかゴールデン・ウィークに間に合わせた?何とも愛おしいサクラです!

 栃木県さくら市ミュージアム(http://www.city.tochigi-sakura.lg.jp/site/sakura-museum/では、3年前にワグナーナンドール展を開催し(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=2491)、今年は、「『アザリア』の仲間たちhttp://www.city.tochigi-sakura.lg.jp/site/sakura-museum/exhibition1.html」と題した展示が開催されています。

正面玄関前の大きな表示板

正面玄関前の大きな表示板

  1917(大正6)年7月、盛岡高等農林学校(http://www.iwatabi.net/morioka/morioka/morinourin.html)で1冊の同人誌「アザリア」が生まれました。その中心となった宮沢賢治、保阪嘉内、河本義行、そしてさくら市出身の小菅健吉の文芸活動を通して育まれた友情にスポットをあてた今回の企画展です。何ともレトロな学生服姿の男子4人、金沢の「四高」、札幌農学校の学生と同様のかもし出す雰囲気です。

 小菅健吉の息子さんは栃木県の小菅充・元副知事で、現在、ワグナー・ナンドール財団の理事も務められています。小菅健吉は、宮沢賢治と同級生、卒業後に大正7年から15年までの8年間アメリカに渡り、苦労しながら農学(土壌細菌学)研究に励み、日本の友人に宛てた貴重な「アメリカ通信」の書簡も展示されていました。時代に翻弄されながらも力強く生き、時々の心情、望郷の念、社会の変化が手紙に認められていました。

 それにしても、1920年前後に8年間も苦労しながらアメリカの滞在を選択した彼の情熱に感動するとともに、大正デモクラシーの時代を感じます、「杜稜(盛岡)で学び」というフレーズもいいですね。ただ、その後の日本の戦争への歴史を振り返りながら、第二次世界大戦後の高度成長期を経た今の時代と重ね合わせると、危機感も抱きます。

 

 帰り路、ミュージアムの玄関を出ると、道路がサクラの花びらでいっぱい、素晴らしい4月下旬の北関東でした。

サクラのじゅうたん

サクラのじゅうたん

新渡戸・南原賞の再出発にあたって

Posted by 秋山孝二
Categorized Under: 日記
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 昨年末に、講演で札幌にいらっしゃっていた順天堂大学の先生から、新渡戸・南原賞のお話を伺いました。5年間、新渡戸稲造、南原繁のお二人の偉大な教育者の軌跡を記念して、授賞事業を継続していたそうです。財政的事情から、今後の事業継続に懸念が出てきて、受け皿を模索中とのお話でした。

 一方秋山財団では、この間の努力により新たな財源が生み出されて、新規事業の検討を行っていました。テーマ性のある事業への支援、将来の新しい担い手を育成する事業等への応援を軸に構想を練っていた時だったので、この新渡戸・南原賞の件を伺って、トントン拍子に事が進み、来年度から秋山財団での事業とする事に致しました。

 私は、何か事を始める時に、「原点」を大切にしたいといつも思うのです。新渡戸稲造、南原繁という人物はどこに生まれ、どういった時代、どんな人生を生きた方なのか、まずお二人が眠る東京の多摩霊園に墓参に参りました。6月8日、この事業の代表者東京大学名誉教授の方、他2名とご一緒に、新渡戸稲造、内村鑑三、南原繁、矢内原忠雄の各墓前にお花を捧げ、各先生のご功績等を話合いながら、約2時間を掛けて回りました。途中、日本海軍の英雄、東郷平八郎、山本五十六の墓前にもお参り致しました。私の父、秋山宏(旧姓野田宏)は海軍兵学校66期卒で、キスカ撤退作戦、レイテ沖海戦で旗艦の通信長を務めましたが、2年前に90歳で亡くなりました。

 8月末に、その父の故郷青森県八戸市で「いとこの会」が開催されました。20名程の親戚が一堂に会し、在りし日の先祖をそれぞれに語り、絆を再認識しました。翌日に妻と二人で、盛岡市の先人記念館に紹介されている新渡戸稲造の資料、花巻市の新渡戸稲造記念館を訪問して、あらためて新渡戸稲造の多彩な功績の数々に圧倒されました。

 そして、先日10月23日、四国香川県東かがわ市三本松の南原繁の生誕地を訪問することが出来ました。今も現存する県立三本松高校の同窓会100周年会館内の記念展示を拝見して、今もなお地元でしっかり受け継いでいる南原繁の精神を目の当たりにして、その偉大さとそれを継承している帝國製薬社主の方をはじめとする地元の方々の活動に、強く感動しました。大坂峠からみる景観は、南原繁がしばしば思い出したふるさとの原点となっているとの事でした。

 私もこれまで数多くの国・都市を訪問しましたが、結局自分の心の中にある原風景は、ふるさと札幌の藻岩山であり、豊平川の水の流れであり、円山公園の空に向かう木々でした。

 どんな時代においても、変わらぬ立ち位置、ポジショニングは、すなわち変わらないミッション(使命)を意味している訳で、今年の故郷巡礼の旅は大変貴重なひとときとなりました。