この数日、札幌では急に気温も上がり、昨日5月1日、札幌の「サクラ開花宣言」だそうです。今年は遅いだろうとの予想でしたが、このところの天候で何とかゴールデン・ウィークに間に合わせた?何とも愛おしいサクラです!
栃木県さくら市ミュージアム(http://www.city.tochigi-sakura.lg.jp/site/sakura-museum/)では、3年前にワグナーナンドール展を開催し(http://blog.akiyama-foundation.org/weblog/?p=2491)、今年は、「『アザリア』の仲間たち:http://www.city.tochigi-sakura.lg.jp/site/sakura-museum/exhibition1.html」と題した展示が開催されています。
1917(大正6)年7月、盛岡高等農林学校(http://www.iwatabi.net/morioka/morioka/morinourin.html)で1冊の同人誌「アザリア」が生まれました。その中心となった宮沢賢治、保阪嘉内、河本義行、そしてさくら市出身の小菅健吉の文芸活動を通して育まれた友情にスポットをあてた今回の企画展です。何ともレトロな学生服姿の男子4人、金沢の「四高」、札幌農学校の学生と同様のかもし出す雰囲気です。
小菅健吉の息子さんは栃木県の小菅充・元副知事で、現在、ワグナー・ナンドール財団の理事も務められています。小菅健吉は、宮沢賢治と同級生、卒業後に大正7年から15年までの8年間アメリカに渡り、苦労しながら農学(土壌細菌学)研究に励み、日本の友人に宛てた貴重な「アメリカ通信」の書簡も展示されていました。時代に翻弄されながらも力強く生き、時々の心情、望郷の念、社会の変化が手紙に認められていました。
それにしても、1920年前後に8年間も苦労しながらアメリカの滞在を選択した彼の情熱に感動するとともに、大正デモクラシーの時代を感じます、「杜稜(盛岡)で学び」というフレーズもいいですね。ただ、その後の日本の戦争への歴史を振り返りながら、第二次世界大戦後の高度成長期を経た今の時代と重ね合わせると、危機感も抱きます。
帰り路、ミュージアムの玄関を出ると、道路がサクラの花びらでいっぱい、素晴らしい4月下旬の北関東でした。